透き通った世界の下の嫉妬心   作:хорошо!

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箸休めで投稿した新作が意味分からない速度で伸びてるので投稿頻度が落ちるかもしれません…



彼女は頼れる自警団のエース

「…どうですか、パルスィ様?」

 

「んゃ、駄目ねぇ〜・・・二人共忙しいのか返信の前に既読すら付かないわ…」

 

スマホを弄る手、開いているのはモモトーク。

これからの行動方針を決めた私達は、トリニティの中でも情報を得やすいであろうイチカとサクラコの二人に連絡を送っていたのだ。

その内容は『ナギサとミカ、セイアが何処にいるか知らないか』という旨の言葉。

ケイの提案により直接本人達に聞く事にしたからこそのその連絡内容だったのだが…

 

「正義実現委員会にシスターフッド…その二つの団体が同じタイミングで手が離せなくなるような予定があるとは少し予想外ですね…」

 

「ん〜・・・たまたま被っちゃったんじゃないですかね」

 

「その可能性も十分あり得る事だと思うわよ、イチカもサクラコも割と忙しい身な筈だし…」

 

タイミングが悪かったのか、両名とも私の連絡には反応せずにいたのだった。

連絡を送ってからまだそこまで時間が経ってないという理由があるからか、とは言えここまで二人からも返信が来ない事があるだろうか。

あり得ないと一概には言えないが、ちょっと困ってしまうというか…

 

「にしても困ったわねぇ…本人に聞くって言っても、ナギサやミカ、セイアの居場所を知ってるのはあの二人くらいしか心当たりがないのだけれど…」

 

というか、私はそもそもトリニティに所属する生徒の知り合いがそこまで多いとは言えないのだ。

イチカにサクラコ、今も一緒にいるレイサ…あとは、カズサとナツ辺りだろうか。

前者二人は連絡が繋がらないし、レイサはソレを知っていたら私達とこうして困ってはいない…

後者二人はそもそも政治に興味がない様子で、聞かずとも知らない事くらいは察する事が出来た。

 

「また聞き込み調査ですかね?」

 

「時間があるならソレでも良かったんだけど、残された時間もあんまり多くないからねぇ…」

 

補習授業部の最終試験日がいつなのかは私は知らないが、もうその日は刻々と迫って来ているのだろう。

それこそ明日なんかに行う可能性すらある、ダラダラと情報を集めている暇はない。

私達がトリニティに来た時点で既に遅かったというのはあるが、些か時間を掛けすぎたかもしれない。

 

「時間調整をミスったか、それとも図書館で予定以上に時間を使い過ぎたか…」

 

とは言ったものの、ぶっちゃけるならその両方だろう。

予定をちゃんと組んでいなかった私も悪いし、責める訳ではないが連絡もなしに突如として消えたケイが戻ってくるまでのタイムロスもあった。

なんというか、何もかも噛み合わなかった結果この状況が生まれてしまったというか…

まぁ、なまじ成果を得られていない訳ではないため、誰が悪いなどと言うつもりは全くないのだが。

とは言ったものの、だ。

 

「…これは、どうしましょうか…」

 

「正直なところ、お手上げねぇ…」

 

時間さえあればもう少し足掻く事が出来るが、もう僅かしかない残された時間とこの状況で私達の力だけでどうこうする事は出来ないだろう。

正直なところ、素直に彼女に頼りっきりになるという状況は避けたかったのだが…

 

「えぇっ…ここで諦めちゃうんですか…!?」

 

「ん?…ぁ、説明してなかったっけ?」

 

「私にはね、大事な時にはとっても頼りになる協力者さんが付いてるのよ」

 

これ以上は、ヒマリに任せるしかないだろう。

 

「協力者、ですか…?」

 

「ま、本人の前で言ったら絶対調子に乗るだろうしあんまり言いたくはないけどねぇ〜・・・」

 

「な、なるほど…」

 

正直なところ、ヒマリは私がキヴォトスの人間の中で明確に『上』として見ている数少ない存在である。

単純な戦闘力を見れば相当な数の実力者がいるキヴォトスだが、ヒマリと並び立てる程に頭の回転が早い者はそれこそ数える程しかいないだろう。

とは言え彼女の性格はあまり好きではないため、素直に頼るというのは癪に触る。

故に今回は既に頼らせてもらっている彼女に頼りっきりになるという状況は避けたかったのだが、この状況ではそうも言ってられない。

 

まぁ、彼女ならきっと大丈夫だろう…

そう信頼した上で、私はとある話を切り出す。

 

「…ねぇ、レイサ?」

 

「…急に改まって、どうしました?」

 

「近い内に…もしかしたら今日かもしれないその日に、私達は少し危険な橋を渡るかもしれない…」

 

情報が確定しきっていない今でさえとんでもない数の厄ネタが見つかっているのだ。

これからの行動には恐らく危険が伴うし、常に最悪の場合を想定して動かなければいけなくなる。

 

「そこに貴女が着いてくる必要は、貴女まで巻き込まれる必要性はないの」

 

「…それを聞いた上で、貴女はどうしたい?」

 

元々は関係のない、既に私達に着いてくる理由がない状態でも行動を共にしていた彼女。

まだ状況があまり理解出来ていないであろう彼女の行動を私達が縛るわけにはいかない。

だからこその問いかけ、だからこその言葉。

断ってくれた方がきっと彼女に被害が及ぶ確率はぐんと縮まる筈である、のだが…

 

「…私はあまり難しい事は分からないですし、その言葉に対する明確な回答をする事も出来ません…」

 

「ですが、私は困っている人を見過ごせません」

 

「パルスィさん達がトリニティのために頑張るというなら、トリニティ自警団のエースである私が行動しないなんて事はありえませんからね!!」

 

彼女はそう、曇りなき眼差しで答えてきた。

その言葉には打算や邪な心などの感情は一切籠もっておらず、言うならば善意と自身の責任感だけでそう答えているようだった。

つまり、それを私風に言うならば…

 

「…ぁ〜・・・良いわね、ソレ、妬ましいわ」

 

とてつもなく、その姿は妬まし(眩し)かった。

 

「今の言葉に妬ましい要素ありましたかね!?」

 

「あるある、凄い妬ましいわ〜・・・」

 

困惑した様子でそう叫ぶレイサと苦笑いするケイの姿を横目に、私は笑うのだった。

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