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そんな訳で、この作品を読んで少しでもパルスィを好きになってくれた方が投票をしてくださると私はとても嬉しいです。
パルスィの良さを、この機会に広めたいんだ…!!
私の目の前に立つ彼女の瞳は、渦巻いている。
その心は私には理解出来ない、理解しようとする事すら烏滸がましいのかもしれない。
たとえそれが大切な人でも、心から想っている相手でも、それは結局感情に基づいた贔屓でしかないのだから。
そう教わって生きてきた、そう考えて発言してきた。
だけど、そんな理性は『
今から溢すのはティーパーティーのホスト、フィリウス分派代表としての言葉ではない。
自分の心に整理の付けられない自分勝手な女子高校生の、我儘としか言えないような無責任な発言。
自分勝手も良いところな、感情からの話である。
「言葉が、足りなかったんだと思います」
思えば会話が足りなかった、いや、会話はしていたのだ。
向き合おうという心が足りていなかった、本質を見ようという思いが足りていなかった。
結局はお互いに、三人共立場という仮面を被って盤面の上で決められた行動をしていただけで。
本当に大切な事を、見逃し過ぎていたのだろう。
「いえ、これは身勝手な言い訳に過ぎませんね…」
だがそれは過ぎた話、後悔をするべきなのは今じゃない。
残念ながら過去を語った所で一切の甲斐は無く、振り返った所でそれらしき解も無い。
私が私である限りそれは変わらない事であり、彼女が彼女である限りそれは曲がらない信念なのだろう。
だからこそ私は後悔する、それに意味がないと分かりながらも過ぎ去った失態を悔やむ。
「何処まで行っても、何処まで上り詰めても、私も貴女も人に過ぎない事なんて分かっていたのに…」
過度な期待を抱いていたのか?決してそんな事はない。
寧ろ私は独りよがりが過ぎたのだ、最終的に自分の思い描いていた正義はただのエゴに過ぎなかったと。
正しいか正しくないかじゃない、結果として大切な物を失う選択肢を選んでいたと思い知らされたのだ。
もっと頼るべきだった、もっと周りを見るべきだった。
遠く遠くの課題を予測するがあまり、本当に見なければいけない身近な物を見るのが疎かになってしまっていた。
「なにそれ、さも理解したかのような自分語り?」
そんな私の自己満足な感情を突き刺すようなその一言、まさに正論と言ったところか。
初めから理解しようとする選択肢を取れなかった、取らなかった私が今更彼女を理解出来る筈もない。
彼女は理解される事を望んでいたのかもしれない、しかしそれは既に過ぎ去った仮定の話である。
「残念ながらちっとも私の心に響かないかな、セイアちゃんは生きてる?ナギちゃんは私を責めてない?」
「そうだね、確かにそれを聞いてちょっと安心しちゃった…」
「けれどそれとこれとは話が別、私がナギちゃんを貶めようとした穢らわしい魔女だっていうのは紛れもない…」
「いいえ、貴女は人です」
けれどまだ、まだやり直すチャンスはきっとある。
「そんな比喩なんて私には関係ないんです、結局のところ私にとってミカさんはミカさんなんです」
魔女としての彼女、パテル分派代表としての彼女、私の幼馴染としての彼女。
どれが本当のミカさんで、どれが本性のミカさんなのか。
長い付き合いだと自負しているが、私が彼女でない以上確信を持ってその問いに答える事は出来ない。
その上で、その前提があった上で、私は尚。
「私にとっての貴女は、ただの“聖園ミカ”ですから」
己のエゴを、貫き通したいと思った。
「…なにそれ、ティーパーティーの責任はどうしたの?」
「そうです、無責任も良いところです、この場に他の生徒の皆さんがいたら私は何を言われるか…」
いっその事、全てを放棄してみるのも良いかもしれない。
私の中の責任感がそれを許すかはさておき、私に必要なのはきっとそんな事を考えるような余裕なのだろう。
『もしも』を考える事が出来ていれば私はきっと、そんな思考こそ『もしも』の話に過ぎないが。
その余裕が私にとっての、きっと彼女にとっての解になったんだろうと。
…こうして考えると、私はやっぱり一人で何かをする事には向いていないんだろう。
一人で突っ走る事は得意かもしれないが、付き添ってくれるような誰かがいないと何処かでつまづいてしまう。
もしかしたらそれは私の事ではなく彼女の事なのかもしれない、はたまたその両方か。
「なら、私はやっぱり魔女として処罰されるべき…」
彼女の罪を私も背負う事が出来たら、それは無責任な思考である。
彼女の罪を無かった事にする事が出来たら、それもまた無責任な思考である。
それでも解はないものかと必死に求め、それでも解はないのだと突き付けられ。
それならいっその事、堕ちる所まで堕ちてしまえば互いに楽になれるのではないのだろうか。
逃げたくなる感情に従ったそんな思考は、実に聞き馴染みのあるとある人物の一声で掻き消させる。
「そうかもしれない、それは紛れも無い事実だからね」
予想出来ない訳ではなかった、彼女の無事は既に確認している。
その上で予想していなかった、彼女の容態を理解していたから。
それでも彼女は立っていた、誰の助けも借りずに己の責任をその身に背負って立っていた。
「だが、当の本人が君の事を魔女と形容したのかい?」
「………」
狐に化かされたかのような、驚愕した瞳で振り返る私。
全く同じような様子で同じ方向を見つめるミカ、その先で小馬鹿にしたような笑みを浮かべる一人の少女。
「私ならもっと笑えるような憎まれ口が叩けると思うんだがね、ミカもそうは思わないかい?」
百合園セイア、本来ならばベッドに横たわっているべき彼女。
平然とした様子で私達の前に立ち塞がる少女の名である。
セイアの“声”に聞き馴染みがある?妙だな…