【進撃の巨人】英雄の帰還   作:シズキ

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4話 微かな違和感

エレンは結局ぶら下がることが出来ないまま朝を迎えた。

 

それでも教官を前に彼の眼光は鋭く、何か強い意志を感じる。エレンは全く諦めていなかった。

 

 

あぁ、彼はきっと大丈夫だ。

 

 

根拠なんてないが、彼の姿を見てそう強く感じる。

そしてそれはあながち間違えではなかったようだ。

 

エレンが吊るされたまま姿勢を保っている。

周りからも「おぉ!」と歓喜の声が上がった。

 

しかしそれはつかの間の出来事。

エレンはその後、体勢を激しく崩してしまう。

 

そんな彼に教官は降ろすように指示を出した。

 

 

それにしても、なんだろう。この違和感は。

エレン自身に問題があるとは全く思えなかった。

 

 

『なんでだ? 間違ってはいないはずなのに、なんでひっくり返るんだ??』

 

突如アンヘルとの記憶がフラッシュバックしてきた。

装置での実験でどうしても体勢が取れなかったあの頃の記憶が。

 

『この装置が可笑しいんじゃないのなら……。あぁ、なるほど―――』

 

 

「ベルト、か」

 

「ベルト?」

 

隣にいたジャンが訝しむのを尻目に前へ出る。

 

「おっおい! ノア!!?」

 

慌てたようなジャンの声は気にせずに、今思いついた可能性を教官に告げる。

 

「キース教官、1度エレン・イェーガーと私のベルトを交換してもらってもよろしいでしょうか?」

 

###

 

「ノア。なんだよ、ベルトって」

 

エレンは私のベルトを身に付けながら不安気な表情を見せた。

 

「騙されたと思ってやってみて。エレン、きっと大丈夫だよ」

 

そんな彼を少しでも落ち着かせようと柔らかく話す。すると彼の中でも覚悟が決まったのか、表情から不安は消えていた。

 

「よし、やってやる!!」

 

そう意気込んでエレンは釣り上げられた。

 

 

出来ている。

安定しているか? と言われればそうでは無いが、ひっくり返ること無く姿勢を保っていた。

 

「これは、一体??」

 

「キース教官、ベルトが破損していたみたいです。確認お願いできますか??」

 

エレンのベルトを教官に渡しながら、困惑する彼に軽くVサインを送る。

 

「……確かに破損しているな。ここが破損するなど聞いたことはないが」

 

「でっでは、適正判断は……」

 

教官の言葉にエレンは緊張した面持ちで問いかけた。

 

「問題ない。修練に励め」

 

これであとは心配ないだろう。

ジャンの元に戻ろうとする途中、アルミンに声をかけられた。

 

「ノア、凄いね。よく装備の欠陥に気づいたね」

 

「いや、考えられる要因を1つ潰しただけだよ。大事でしょ? そういうの」

 

私がそう言うと、彼は頷きながら「確かにそうだね」と話した。そして彼はエレンの方に目線を戻して手を振る。

 

「目でどうだ! って言ってるよ」

 

「いや、違う。これで私と離れずにすんだと思って安心している……」

 

唐突のミカサの発言にその場にいた私たちは、彼女に対して目を見張った。

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