入団より2年経過した。
私たちもだいぶ成長しているのを感じ―――。
「エレン? ライナー?? 2人して何してるの??」
格闘術の練習中に視線を感じると思ったら、エレンたちが揃ってひっくり返ったままこちらを見ていた。
あまりにも奇抜な光景に思わず笑ってしまう。
「ノア。笑ったからには、お前もやれよ」
「はい!? それはとばっちりじゃないかな」
エレンのあまりにも理不尽な言い草に慌てて反論する。
それと同時に死角から木剣が飛んできて、咄嗟に掴んだ。
私が掴んだのを合図かのようにアニがこちらに向かってくる。
「奇襲とは随分とやってくれたな」
地面の砂を蹴り上げて、彼女が少し怯んだ隙に木剣を突き刺すがガードされてしまい距離を取る。
「うっわ。砂かけるとか汚ねーぞ、ノア」
「そうだぞー、ノア」
「お前らなぁ……。卑怯とかなんとかはもうお互い様だし、実践ではそんなこと言ってらんないからな」
アニからは目を離さず、野次を飛ばしてくるエレンやライナーにそう言うと彼らは何も言わなくなった。
再び混じりあった時、私の視界は反転していた。
「凄いね、アニ。これは敵わないや」
体を起こしながらアニに話しかける。
相変わらず彼女は面倒くさげな表情をしていた。
「凄い技術だね。この辺じゃ見ない戦い方だけど、誰から教わったの?」
「お父さんが……」
少し間があったものの、アニはゆっくりとそう答える。その瞬間彼女の表情が若干和らいだ気がした。
「親父さんがこの技術の体現者なのか?」
座り込んでいたエレンもアニに話しかける。
それに対して「どうでもいい」と彼女は冷たく返した。
「こんなことやったって意味なんかないよ」
「この訓練のことか? 意味が無いってのは……」
アニの言葉にエレンは疑問を口にした。
そして2人が話しているうちに教官の姿が見え、慌てて立ち上がる。
アニはまるで教官の目を欺くかのように、エレンに木剣を突き刺し蹴り上げた。
一連の綺麗な流れ技に目が離せない。
教官の姿が見えなくなるとアニはエレンから離れる。
「私はもうこれ以上この下らない世界で、兵士ごっこに興じれるほどバカにはなれない」
そう言って去ろうとするアニの手を咄嗟に掴んだ。
「……何、ノア」
「あ、いや。ごめん。……もし良かったらアニの技を教えて欲しいなぁって思って」
彼女の鋭い視線にバッと手をよけて、謝罪と共に思ったことを伝えると面倒くさそうにため息をつかれた。
「あんたも懲りないね。どうしてそうまでして巨人のとの戦いに不必要な技術を身につけたがるのさ」
「生き延びるための手段は多い方がいいでしょ??」
「そんなに覚えたいなら見て覚えな」