俺が遊星にゴースト事件に関する情報──つまりリアルダメージを与える謎のカードを使用してくることや、その力でDホイーラーを次々とクラッシュさせていること。そして牛尾さんが『遊星ばかりに頼ってられねえよなあ!』とゴーストを逮捕する気満々な事などを伝えた結果……ゴースト事件は遊星の手により無事解決。
牛尾さんも特に大怪我を負ったりする事なく、割といい感じにゴースト事件を終える事ができて、ほっと一安心した俺の今はというと。
「うーん。お、このカードはいいんじゃない!?」
「どれどれ……機械複製術か。あー、なるほど」
龍亞と龍可の住むペントハウスにお邪魔して、龍亞のデッキ調整の手伝いをしていた。まあ手伝いといっても、デッキを弄るのは基本的に龍亞任せ。んで俺はアドバイザー的な感じってスタイルを取らせてもらっているんだけど。何から何まで俺が考えちゃ、龍亞のレベルが上がらないし……それに何より、そんな事をしちゃあ、龍亞のデッキじゃなくなっちゃうからな。
カードの精霊やらなんやらが実在するこの世界において、カードとはただの紙きれではない。デュエリストの思いや意思などを吸い上げ、それをドローやらなんやらに反映する、一種のオカルト的な触媒のようなものだ。だからこそ、デュエリストとデッキとの信頼関係が重要だと言われ。また確固たる意思や覚悟をもって、デッキを回す遊星たちはバチクソ強いのだろう。
ちなみに俺や龍可が行っている“カードの精霊との対話”というものは、実は反則技もいいところな手法だったりする。なにせ、直接デッキと意思疎通を取っているようなもんだからな。そりゃあ回るし事故らねえ……っといかんいかん、思考がズレてきたな。
「お、もしかしてわかっちゃった? わかっちゃった!? そうそう、このカードでモバホンを一気に並べて、一斉にダイヤル・オンすれば……ニッシッシ!」
俺が龍亞の方へと意識を戻してみれば──モバホン軍団が一斉に効果を発動して、フィールドをディフォーマーが埋め尽くす光景でも想像しているのだろう──龍亞がだらしのない笑みを浮かべながら、笑い声を上げていた。
「もう……あんまり調子に乗らないの。ユージも困ってるでしょ」
そんな渾身のニヤケ面を披露する龍亞を見て、龍可が恥ずかしそうにツッコミを入れる。まあ、俺は別に困ったりしていないのだが……双子の兄が全力で調子に乗っている姿が、恥ずかしかったんだろうな。
「いやいや。かなり破壊力もあっていいコンボだと思うぞ。ただ大量展開した後に、どうそのモンスターたちを活かすか、ってとこはちゃんと考えているか?」
リンク召喚があればともかく、この世界には融合とシンクロの2種類しかないからな。何も考えず適当に効果を使うだけだと、自分のフィールドが無駄に埋まって、身動きが取れなくなってしまう可能性もある。……まあ普通はそうならないよう動くんだけど、普段のデュエルで調子に乗った龍亞が、何度もやらかすシーンを見ているとね。ちょっと不安になるというか……こうやって、一言多めに言っておかないとね。
「う……も、もちろんさ! ええと、ホラ! 団結の力でディフォーマーの攻撃力を一気に上げるとか! シンクロ召喚をするとか!」
龍亞はしどろもどろになりながらも、ギリギリ思いついた様子で、団結の力とパワー・ツール・ドラゴンの2枚を取り出した。うーむ、まさか本当に考えていなかったとは。でも即座に使い道を思いついたからギリセーフかな?
「今思いついたでしょソレ」
「あ、あはははは……」
しかし残念。俺先生はセーフと見逃したが、龍可先生は見逃してくれなかった模様。龍可からジト目を向けられた龍亞は、頭を掻きながら笑って誤魔化しにかかっていた。
「でも複製術で呼び出せるのが、モバホンだけってのは勿体無いから、他にも対応するモンスターは増やしといた方が良くないか?」
「うーん、それもそうか! じゃあリモコンも増やして……そうだ! そういやこの前、新しいディフォーマーが当たったんだ! それも対応してるから入れ──いや、さすがにそれは多すぎるかなあ……?」
あーでもない、こーでもない、と唸りながらデッキを弄る龍亞を見守りつつ、俺は龍可が持ってきてくれたジュースを口にした。
龍亞はコンボ大好きマンというか、思考がロマン寄りなので、単独では機能しないカードを大量に入れたがる癖があるんだよな。まあ別に、エンタメ向けのデュエルならそれでも全然いいんだけど……残念ながら、龍亞と龍可には戦いの運命が待ち受けているわけで。
ダグナー編ではうまいこと俺が介入できたが、次のイリアステルとの戦いでも上手くいくとは限らない。もしそうなったら、逆に俺が介入した事で、経験値の減ってしまった2人では危ない……かもしれない。そう考えた俺は、こういう事を何度か繰り返し、龍亞と龍可のレベルアップを図っていたわけなのだ。
結果はまあ……それなりには上がっているんじゃないかなーと。龍亞は爆発力だけじゃなく、安定性も重要だってことを理解してくれたし……龍可の方も、足りない決定力を補うカードを多数投入したことで……クリボン、ソウルテイカー、シモッ──うっ頭が。
「──え、そうなの。ふ、ふーん……ユージがねぇ……」
なんか俺が龍亞の方に集中している間に、プリメラと龍可が仲良くお話してる件について。
いや別にその行為自体には問題ないんだけど……プリメラと内緒話をしていた龍可が、頬を染めながらこっちをチラチラと窺ってくるのがすっげえ気になる。プリメラのやつ、超自慢気な顔してるけど、いったい何を龍可に吹き込んだんだ……?
「いよーっし! 完成だぜオレのネオ・ディフォーマーデッキ!」
龍可からそっと目を逸らした俺の耳に、龍亞の元気な声が飛び込んでくる。いやナイスタイミングだよ龍亞、お前は本当に出来るやつだ……!
「おおー、ついにできたか。おめでとさん!」
「えへへ、ユージが手伝ってくれたおかげだよ! これで明日、天兵やボブをギャフンと言わせてやる!」
やる気の炎を燃え上がらせる龍亞を見て、俺も頷いてみせる。うんうん、やる気があるのはいい事だ。その調子でもっと強くなって、ルチアーノを返り討ちにしてやるのだ……!
「っと、その前に……まずはユージにリベンジを果たさなくっちゃね!」
「フフフ、その言葉を待っていたぞ龍亞。何を隠そう、この俺のデッキも調整したばっかでな。我がデッキのひじきにしてやろう……!」
「へへへ、望むところだ! 今日こそオレが勝つんだからね!」
俺のボケを華麗にスルーした龍亞は、大喜びで自分のデュエルディスクを取りに行く。……ま、まあ龍亞もカスタマイズの事をカスマタイズとか言っちゃう、ボケ側の人間だしな。普段はツッコミ役をしてくれる龍可もなんかプリメラと怪しい話の真っ最中だしな。うん、別に悲しくないよ。
「──あ、デュエルが始まるみたいよ。うん、うん。詳しい続きはまた今度……絶対よ?」
いやプリメラお前マジで龍可に何吹き込んだんだよ。不安しかねえんだけどさ。いやナイショ♡ってそんな可愛い顔で言われても……許せる!
◇
「いよーっし、行くぞユージ! 今日こそ勝ってやるんだからな!」
「HAHAHA、返り討ちにしてやるわ!」
部屋から出て、プール前の開けた場所に移動した龍亞が、嬉しそうにデュエルディスクを起動し、それに合わせて俺もデュエルディスクを起動。俺と龍亞、互いのディスクのモーメントが輝きを放ち始めた。ちなみに龍可はベンチに座って観戦モードだ。
「デュエル!」
「デュエル!」
俺と龍亞はデュエル開始の宣言をすると同時に、デッキから初期手札5枚をドローする。今回の先攻は俺のようだ。
「俺のターン、ドロー!」
さてさて、いつもならデッキトップに居座っているはずのプリメラが手札にいないが、これは俺自身が頼んだ事なので問題はない。今回のデュエルは、いつものレガーティアによるゴリ押しではなく──新たなる仲間たちを活用するのが目的のデュエルだからな。
「自分フィールド上にモンスターが存在しない時、このカードは手札から特殊召喚できる。来い、
太陽風帆船
ATK/800 DEF/2400 星5
「ユージがモンスターを!? でもカッケー!」
俺のフィールドに現れた宇宙船を見て、龍亞がその目を輝かせる。龍亞も男の子だからね、宇宙船とかそういうの大好きだもんね。でもそんなに素直に喜ばれると、こっちまで嬉しくなるじゃないか。
「まだだぜ龍亞! さらに俺は
音響戦士ベーシス
ATK/600 DEF/400 星1 チューナー
続けて俺が呼び出したのは、ベースと呼ばれる楽器から手足の生えた音響戦士。こいつらこそが俺の新しい仲間たち。音響戦士と呼ばれる、シンクロ召喚のサポートテーマだ。まあ、ジャックの使うリゾネーターみたいなもんだな。
いやあ、プリメラたちにメインデッキの解放をお願いしたところ、『人間タイプじゃなければ……』と折れてくれたんでね。ちょうど手元にあった音響戦士たち+αを入れてみたんだよね。そして、今回はその試運転というわけだ。
「俺は音響戦士ベーシスの効果を発動! ターン終了時まで、ベーシスのレベルを手札の枚数分上昇させる!」
音響戦士ベーシス
星1→5
ベーシスが手にしたベースをかき鳴らすと、そのレベルが4上昇する。これでシンクロ召喚の準備は整った。ククク、俺のフィールドにいるチューナーと非チューナーのレベルの合計は10。この意味がわかるか……?
「俺はレベル5の太陽風帆船に、レベル5となった音響戦士ベーシスをチューニング! シンクロ召喚──来い、神樹の守護獣-牙王!」
神樹の守護獣-牙王
ATK/3100 DEF/1900 星10
バロネスちゃんかと思った? 残念、牙王くんでした!
光の中から現れたのは、白い鎧をその身に着けたナチュル・ガオドレイクこと、神樹の守護獣-牙王。俺のフィールドに降り立った牙王は、高らかに雄叫びを上げる。
「うえぇ、攻撃力が3100もある!?」
「龍亞ってば大げさすぎよ。ユージはいつも攻撃力3500の
「そ、そりゃあそうだけどさ……。でも騎士皇レガーティア以外にも、こんな強そうなシンクロモンスターが出てくるなんて……」
おお、龍亞が牙王にビビって、龍可からツッコミを入れられてる。龍亞の反応的に牙王は初見かな? こいつは新パックのカードだから、使い手も相当少ないはずだしな。よし、せっかくだから牙王の効果も教えてあげちゃうか。クロウやジャックが相手なら、シレーっと黙ってるところだが……龍亞相手に効果隠しは大人気ないからな。
「それだけじゃないぞ、龍亞。神樹の守護獣-牙王は、俺のメインフェイズ2以外では、相手のカード効果の対象にならない効果を持つ!」
「じゃ、じゃあバトルで破壊するしかないってコト!? つ、つええ……!」
いや対象耐性しかないから、穴は結構あるんだけどね。でもわざわざ、自分のカードを下げるようなことは言わんけど。龍亞の上げた驚愕の叫びを、フフフと笑って誤魔化す俺ちゃんであった。
「カードを2枚セットして、ターンエンドだ」
雄二LP4000 伏せカード2枚 手札2枚
「う……でもオレのディフォーマーは負けないぞ! オレのターンだ! シャッキーン、ドロー!」
牙王に気圧されながらも、龍亞はデッキからカードを勢いよく引き抜いた。さあて、龍亞はどうやってコイツを突破してくるんだろうな。
「よーし、オレは
D・ステープラン
ATK/1400 DEF/1000 星4
防御系の効果を持つステープランを呼び出したか。……という事は、龍亞はこのターンでは動かないな。
龍亞とは何度もデュエルをしているので、ステープランの効果はもちろん知っている。守備表示のステープランは戦闘では破壊されず、さらに戦闘を行なった相手モンスターと、追加でもう1体のモンスターを守備表示に変更する効果を持っている*1と……結構面倒な壁なんだよな。
「そしてカードを2枚伏せて、ターンエンドだ! さあ、ユージのターンだぜ!」
「偉そうなこと言って、守備を固めただけじゃない……」
「う、うるさいなぁ! ここから華麗に逆転するんだって!」
龍亞LP4000 伏せカード2枚 手札3枚
龍亞と龍可の双子漫才に和みつつ、俺は考えを巡らせる。一見すると防御で手一杯という感じだが……龍亞の自信ありげな態度を見る限り、伏せたカードで何かを企んでいるのは確定だろう。
「俺のターン、ドロー! 俺は永続罠、ソウル・オブ・スタチューを発動! このカードは発動後、モンスターとして特殊召喚される!」
ソウル・オブ・スタチュー
ATK/1000 DEF/1800 星4
だがここは、臆さず攻める! 俺が伏せカードを表にすると、そのカード名の通りに、剣と盾を手にした石像がモンスターゾーンへと現れる。
モンスターが解禁された今、もう罠モンスターに頼る必要はないんだが……それはなんとなく寂しいので、まだ何枚かの罠モンスターは残しているのだ。まあなんだかんだで、召喚権を使わずにシンクロ素材を出せるってのは便利でもあるし。
「そして音響戦士ドラムスを通常召喚!」
音響戦士ドラムス
ATK/700 DEF/700 星2 チューナー
ソウル・オブ・スタチューに続けて俺が呼び出したのは、ドラムから金属製の腕が生えた音響戦士。コイツは音響戦士の属性を変更する効果を持っているが、今は使う必要がないな。
「俺は墓地に存在する、音響戦士ベーシスを除外して効果発動! 同じ音響戦士であるドラムスのレベルを手札の枚数分、上昇させる!」
音響戦士ドラムス
星2→4
「ドラムスのレベルが上がった!?」
「これが音響戦士の効果さ。音響戦士は墓地から除外することで、自身の効果をフィールドにいる仲間へ分け与えることができるんだ」
驚く龍亞に音響戦士の共通効果を説明してやると、龍亞はなるほどー、といった感じの声を漏らす。音響戦士の中でも、ベーシスのこのレベル変動効果が特に優秀なんだよな。レベルを割と自由に操作できるから、シンクロモンスターの使い分けが楽になる。
「俺はレベル4のソウル・オブ・スタチューに、レベル4となった音響戦士ドラムスをチューニング! シンクロ召喚──スクラップ・ドラゴン!」
スクラップ・ドラゴン
ATK/2800 DEF/2000 星8
誰もが一度はお世話になっただろう、頼れる廃材の竜が俺のフィールドに降臨する。
さあて。このままスクラップ・ドラゴンの効果でステープランを除去して、その後の総攻撃が通れば、ワンショット成立だが……。
「俺はスクラップ・ドラゴンの効果を発動! 俺の伏せカードと、龍亞のD・ステープランを破壊する!」
「させないよ! オレも罠カード、デモンズ・チェーンを発動! ユージのスクラップ・ドラゴンの効果を、ターン終了時まで無効にする!」
龍亞の発動した罠カードの効果を受け、いざ破壊効果を発動しようとしていた、スクラップ・ドラゴンは沈黙を余儀なくされた。
まあ当然防いでくるわな。逆にこのままワンショットが成立しているようじゃ、今後のイリアステルとの戦いが心配だったからな。でもやっぱり妨害を受けるのは悲しい……。龍亞の成長を喜ぶ気持ちと、どうして俺に気持ちよくデュエルさせねえんだ! という気持ちが心の中でせめぎ合う~。
「へへへ、どうだユージ! そのスクラップ・ドラゴンには何度も痛い目にあわせられたからな! オレだって、少しは対策くらい考えるさ!」
「やるじゃないか龍亞。ならば俺は、カードを1枚セットしてターンエンドだ!」
雄二LP4000 伏せカード2枚 手札1枚
ステープランを殴ったところで、なんの意味もないからな。むしろこっちが不利になるだけだし、何もせずターンを明け渡すのが最適解だろう。まあこうやって妨害を吐かせていって、手薄になったところにレガーティアを叩き込むってのが今回の狙いだし。落ち着け俺、落ち着いて一本行こう……!
「へえー。ユージの攻撃を防ぐだなんて、やるじゃないの龍亞」
「だろだろ? オレって凄いでしょ?」
龍可から褒められたかと思えば、それに気分を良くした龍亞が、さっそく調子に乗りだした。そしてそんなお調子者の龍亞を見て、龍可がヤレヤレとため息を吐くのだが……調子に乗っている最中の龍亞は、そんなことには気付かない。そのままデッキトップに手をかけると、ポーズをつけながら勢いよくカードをドローした。
「いっくぞー! オレのターン、ドロー!」
さて、上手くフィールドにモンスターを残したんだ。手札も4枚も残っているんだし、このままシンクロ召喚をして、一気に攻め込んできてくれると俺も安心なんだが。
「来たぁ! オレはD・ステープランを攻撃表示に変更して、手札から魔法カード、D・コンバートユニットを発動! デッキからD・モバホンを特殊召喚して、ステープランをデッキの一番上へと戻す!」
D・モバホン
ATK/100 DEF/100 星1
ついに来たかディフォーマーのメインエンジン。しかもD・コンバートユニットの効果でデッキトップがステープランということは、その効果はもはやステープラン確定ガチャと化している。いや、もしかしたらモバホンの効果で、もっといいモンスターを引き当てる可能性もあるか。
「そしてD・モバホンの効果を発動だ! ダイヤル・オン!」
腕をぐるぐると回しながら行われた龍亞の宣言を受け、モバホンの胸のダイヤル部分がランダムに点灯を始める。
「攻撃表示のモバホンは、ダイヤルの出た数値分のカードをめくって、その中にレベル4以下のディフォーマーがいれば、召喚条件を無視して特殊召喚できる! 出た数値は──2! よって2枚めくる!」
ダイス運ならぬダイヤル運はハズレだったが、デッキトップはステープランなので問題はないだろう。デッキから2枚のカードをめくった龍亞は、その中から1枚のカードを抜き取ると、デュエルディスクへと置いた。
「D・ステープランを守備表示で特殊召喚!」
D・ステープラン
ATK/1400 DEF/1000 星4
「まだまだ行くよ! 俺は手札から魔法カード、機械複製術をモバホンに発動! デッキから2体のモバホンを特殊召喚する!」
D・モバホン
ATK/100 DEF/100 星1
D・モバホン
ATK/100 DEF/100 星1
おいおい、さっき組み込んだばかりのコンボをいきなり成功させてくるか。龍亞ってばモバホンに愛されすぎだろ。龍可もベンチから軽く腰を浮かせて、おおーって感じで驚いているし。
「やるじゃないか龍亞。ちゃんとモバホンの効果を使ってから、機械複製術を使ったのは偉いぞ」
「へへへ……D・コンバートユニットで、せっかくD・ステープランをデッキの一番上に置いたんだもん。それを活かさないとね! オレはこのまま、2体目のモバホンの効果を発動! ダイヤル・オン!」
再びモバホンのダイヤルがランダムに点灯を始め、やがてその数値は6で停止した。最大値とかやばすぎでしょ。完全に流れが龍亞の方に傾いているな。
「いやったぁ! 出た数値は6! よって6枚めくり……俺はその中にあった、D・スコープンを特殊召喚だ!」
D・スコープン
ATK/800 DEF/1400 星3 チューナー
フィールドが埋まったけど、上手い具合にチューナーと非チューナーが並んだ。きちんと試合前のアドバイスは覚えていてくれたみたいだ。
「さあ行くぜユージ! オレはレベル4のステープランに、レベル3のスコープンをチューニング! 世界の平和を守るため、勇気と力をドッキング! シンクロ召喚──愛と正義の使者、パワー・ツール・ドラゴン!」
パワー・ツール・ドラゴン
ATK/2300 DEF/2500 星7
「パワー・ツール・ドラゴンの効果発動! デッキからランダムに装備魔法を1枚、手札に加える! パワー・サーチ!」
完全にランダムだが、デッキの中に装備魔法が3枚以下でも問題なく発動できる本家パワーツールと、3分の1の確率で──同じ装備魔法を3積みすれば確定で──狙いの装備魔法を持って来られる、OCG版パワーツール。どちらが好みかは人次第だろうが……なんにせよ、デッキに投入する装備魔法を厳選した今の龍亞なら、これで牙王を突破してくるだろう。
「そして最後のモバホンの効果も発動だ! ラストダイヤル・オン! ──出た数値は3! よって3枚めくり……その中にあった、D・クリーナンを守備表示で特殊召喚だ!」
D・クリーナン
ATK/0 DEF/0 星1
お、出たな極悪掃除機。表守備で通常召喚ができるこの世界だと、あいつの除去能力は割と洒落にならんのだよな。なんか突然飛び出てきたかと思ったら、そのまま相手のエースを処理しつつ壁になるし。
「クリーナンは守備表示の時、相手の表側攻撃表示のモンスター1体を、このカードの装備カードとできる! オレはスクラップ・ドラゴンを選択!」
俺のフィールドのスクラップ・ドラゴンが、クリーナンの巻き起こした空気の渦に捕らわれ、吸い込まれていく。何度見ても驚きの吸引力である。
「そしてオレは手札からD・リモコンを通常召喚して、効果発動! 墓地のD・ステープランを除外して、デッキから同じレベルのD・パッチンを手札に加えるぜ!」
D・リモコン
ATK/300 DEF/1200 星3 チューナー
「オレはレベル1のD・クリーナンに、レベル3のD・リモコンをチューニング! シンクロ召喚! アームズ・エイド!」
アームズ・エイド
ATK/ DEF/1200 星4
ここでアームズ・エイドを呼び出すか。龍亞のやつ、これは決めに来たな。
遊星も愛用しているアームズ・エイドだが、このカードは別に世界に1枚しか存在しないってカードではないので、低レベルモンスターが並ぶことの多い龍亞も採用している……というか、させたというか。
ちなみに龍亞はやっぱり機械族が好きらしく、使うシンクロモンスターも機械族が多めだったりする。とはいえ別に縛りプレイをやっているわけではないので、カードが足りないときはガイアナイトとかも使ってたけど。なお今はリストラされた模様。
「アームズ・エイドの効果発動! アームズ・エイドをパワー・ツール・ドラゴンに装備! そして手札から装備魔法、ダブルツールD&Cをパワー・ツール・ドラゴンに装備する!」
パワー・ツール・ドラゴン
ATK/2300→4300
パワーツールの左腕にアームズ・エイドが装着され、さらにダブルツールD&Cの効果を受けて、パワーツールが元から装着していた装備が、ドリルとカッターにグレードアップする。
それにしても攻撃力4300か。アームズ・エイドの直火焼きも含めれば、今度はこっちがワンショットを食らってしまう威力だが……。
「バトルだ! オレはパワー・ツール・ドラゴンで、神樹の守護獣-牙王を攻撃だぁ! クラフティ・ブレイク!」
パワー・ツール・ドラゴン ATK4300 VS 神樹の守護獣-牙王 ATK3100
「おおっと、ここで罠発動! シンクロ・バリアー! 神樹の守護獣-牙王をリリースすることで、俺は次のターンのエンドフェイズまで、ダメージを受けなくなる!」
当然通させない。これでも一応、ダグナーとの戦いを終えてからは、龍亞と龍可の兄貴分をやってきたんだ。ワンパンで撃沈とか、そんな格好悪い姿を見せるわけにはいかんよなあ!
「くっ……! やっぱり防いでくるよね。オレはこれでターンエンド!」
龍亞 LP4000 伏せカード1枚 手札2枚
「俺のターンだな、ドロー!」
パワー・ツール・ドラゴン
ATK/4300→3300
俺のターンになった事で、パワーツールの装備している、ダブルツールD&Cの効果が切り替わる。
さーて。龍亞のフィールドには、2枚の装備カードを装備したパワーツールに、攻撃表示のモバホンと1枚の伏せカード。ここはパワーツールを無視して、モバホンを狙いに行きたくなるところだが……ダブルツールD&Cの効果により、モバホンは守られている。ならば俺の取るべき手段は……。
「リバースカードオープン、リミット・リバース! その効果で俺は墓地から、太陽風帆船を特殊召喚!」
太陽風帆船
ATK/800 DEF/2400 星5
「そして
ATK/1600 DEF/1600 星4 チューナー
「うわ、いつものだ! 騎士皇レガーティアが来る……けど、来るなら来い! 今日こそ倒してやる!」
「……あれ、フィールド魔法を手札に加えない?」
俺がプリメラを召喚したのを見て、龍亞が騒ぎ出す。……が、龍可の方は違和感に気付いたようだった。その通り、レガーティアは確かに強いが、相手のバックには触れないからな。まあ、今まではこういう“バックを剥がして攻め込みたい”って状況でも、レガーティアを出さざるを得なかったんだが……今は違う!
「今度はこっちの番だぜ龍亞! 俺はレベル5の太陽風帆船に、レベル4のプリメラをチューニング! 戦場を駆ける鋼の竜、その砲火を以て我が敵を討ち滅ぼせ! シンクロ召喚──
プリメラの変化した光の輪を、宇宙船が潜り抜けていった後に光が弾ける。
いつもなら光の輪を出すだけ出して、エメトⅥへと跳び乗っていたプリメラだが……今回は大人しく消えていった。やはりあれは、エメトⅥ側にもプリメラのイラストが描かれていたのが重要だったのだろう。
ATK/2700 DEF/1800 星9
「あ、アレ? 騎士皇レガーティアじゃ……ない!?」
ズズンと土煙を巻き上げながら、俺のフィールドに着地する灼銀の機竜を見て。龍亞が驚きの声を上げるのだが……イヤちょっと待て。キャタピラ横の砲台に描かれている、この見慣れたうさぎの紋章は……まさか……。
「もう龍亞ってば、騎士皇レガーティアのレベルは12。でも今回のシンクロ召喚のレベルは9でしょ? 騎士皇レガーティアが出てくるわけないじゃないの……」
「あ、そういえばそっか……えへへ!」
龍可からの指摘を受け、とりあえず笑って誤魔化そうとする龍亞に和みつつ。気を取り直した俺は、灼銀の機竜の効果発動を宣言した。
「灼銀の機竜の効果発動! 墓地からチューナーの音響戦士ドラムスを除外することで、龍亞のダブルツールD&Cを破壊する!」
ドラムスのエネルギーを吸収した灼銀の機竜が、パワーツールに向けてその主砲を発射。パワーツールはその砲撃を防ぐのだが、その際のダメージによってダブルツールD&Cが破壊される。
「ああっ……! パワー・ツール・ドラゴン!?」
「これでD・モバホンへの攻撃制限は解除された!」
クッソーと悔しがる龍亞と、アチャーとでも言わんばかりに目を覆う龍可。きっと龍亞はダブルツールD&Cを装備したパワーツールでこちらの攻撃を防ぎ、次のターンでD・パッチンを召喚。パッチンの効果でこちらのカードを破壊し、パワーツールでトドメを……って感じの作戦を立てていたんだろうな。
「バトルフェイズ! 俺は灼銀の機竜で──」
「甘いぜユージ! オレは永続罠、D・バインドを発動! オレのフィールドにディフォ-マーが存在する限り、レベル4以上のモンスターは攻撃も表示形式の変更もできなくなる!」
龍亞の伏せていたカードが表になると同時に、モバホンが力場を展開。それに捕らわれた灼銀の機竜は、身動きが取れなくなってしまった。
「やるじゃないか龍亞! 仕方ない。俺はカードを2枚セットして、ターンエンドだ」
雄二LP4000 伏せカード2枚 手札0枚
「へへへ……ダブルツールD&Cは破壊されちゃったけど、オレのパワー・ツール・ドラゴンは無傷! そしてモバホンも守れたし……このデュエル、オレの勝ちみたいだね! オレのターン!」
勝利宣言をしながらカードをドローする龍亞。しかしそんな龍亞に対し、龍可が不安そうな目線を向ける。まあ、なんかすごくフラグ臭かったからね。あと俺がより危険なアームズ・エイドではなく、ダブルツールD&Cを破壊したってのも気掛かりなんだろう。
「オレはパワー・ツール・ドラゴンの効果を発動! デッキからランダムに装備魔法を手札に! パワー・サーチ!」
龍亞の手札には、D・パッチンが控えている。そしてディフォーマーは特殊召喚の手段も豊富。パワーツールの効果を妨害しておくか迷うところだが、今後の展開を考えると、ここはスルーしておくべきだろう。
「よし! オレはパワー・ツール・ドラゴンに、団結の力を装備だ! パワー・ツール・ドラゴンの攻撃力を、俺のフィールドのモンスターの数×800アップさせる!」
パワー・ツール・ドラゴン
ATK/3300→4900
先ほどの効果で手札に加えたのだろう。団結の力を装備されたパワーツールがオーラを纏い、その攻撃力を大幅に上昇させる。
「おお……すげえ、すげえぞパワー・ツール・ドラゴン! でもまだまだ行くよ! オレはさらに、D・モバホンの効果も発動だ! ダイヤル・オン!」
パワーツールの攻撃力を見て、満足そうに頷いた龍亞は、続けてD・モバホンの効果も発動。胸のダイヤルがランダムに点灯を始め、4の数値で停止した。それにしてもモバホンの効果、発動しすぎだろう。
「出た数値は4! よって4枚めくり……オレはD・ラジオンを攻撃表示で特殊召喚だ!」
D・ラジオン
ATK/1000→1800 DEF/900 星4
「攻撃表示のラジオンは、ディフォーマーの攻撃力を800アップさせる! そしてオレは手札から、D・パッチンを召喚!」
D・パッチン
ATK/1200→2000 DEF/800 星4
「D・パッチンの効果発動! D・モバホンをリリースすることで、ユージの伏せカードを破壊する! オレから見て右側のカードを破壊だ!」
龍亞のフィールドに現れたD・パッチンは、効果発動済みのD・モバホンを、頭のスリングショット部分に装填して発射。勢いよく発射されたモバホンが、俺の伏せたカードを破壊せんと迫りくる。
「チェーンして俺は罠カード、
「ああっ……パワー・ツール・ドラゴンが!?」
しかし龍亞にとっては残念ながら、破壊しようとしていたカードはフリーチェーンの騎士魔防陣。発動と同時に半透明のエメトⅥが現れると、そのままパワーツールに向かって突撃。シールドバッシュを叩き込んで、パワーツールを遥か彼方へと吹き飛ばす。
「パワー・ツール・ドラゴン……。ぐぬぬ、こーなったらオレは装備魔法、魔界の足枷を灼銀の機竜に装備! 攻撃力と守備力を100に下げる!」
灼銀の機竜
ATK/2700→100 DEF/1800→100
巨大な鉄球の付いた足枷が灼銀の機竜に装着され、そのステータスを激減させる。パワーツールの排除には成功したが、これでは戦闘破壊は免れないだろう。
「バトルだ! オレはD・パッチンで、灼銀の機竜に──」
「おっと、その前に速攻魔法、騎士の絆を発動だ! 墓地にいるプリメラを魔法&罠ゾーンに呼び戻す!」
騎士の絆の発動を受け、半透明のプリメラが俺の魔法&罠ゾーンへと現れる。なんか灼銀の機竜から飛び出てきたように見えるが、これはツッコんだら負けだろう。精霊の見えない龍亞はともかく、精霊の見える龍可がスルーしてるんだし、俺もスルーしておく。
「続けてプリメラの効果を発動! 魔法&罠ゾーンにいるプリメラを、守備表示で特殊召喚する!」
重騎士プリメラ
ATK/1600 DEF/1600 星4 チューナー
魔法&罠ゾーンにいた半透明のプリメラが、スッとモンスターゾーンへと移動して、いつものポーズを決める。
うーむ、やはりプリメラが出てくると安心感が違うな。カードパワー的な意味合いも確かにあるが……純粋に心が落ち着くんだよな。
「さらにプリメラの特殊召喚に成功したことで、俺はデッキから
ATK/2000 DEF/3000 星8
そうして最後に、俺の呼び出したエメトⅥに、プリメラが飛び乗って防御態勢を取り──これで龍亞の攻撃に対する備えは完了だ。いやあ、待たせて悪かったな。
「な、なんか来たぁ……!? い、今ってオレのターンだよね?」
「すごい……龍亞のターンなのに、守備力3000のモンスターを用意してくるだなんて……!」
相手ターン中だというのにも関わらず、平然と動いてデッキからフィールドにエメトⅥを呼び出した俺を見て、龍亞が困惑の声を、そして龍可は感心の声を上げる。
まあ相手ターン中にもぐるぐる動くのが、センチュリオンの特徴なんでね。かーっ! 人間型のモンスターを使っていいのなら、もっとお前たちを活躍させられるんだけどなー! かーっ!
「うう……とりあえずオレは、D・パッチンで灼銀の機竜を攻撃だ!」
しかしいくらエメトⅥが(この世界基準で)強固な壁とはいえ、弱体化した灼銀の機竜を狙った攻撃まではどうしようもない。すまんな灼銀の機竜よ、仇は次のターンに取ってやるぞ。
D・パッチン ATK/2000 VS 灼銀の機竜 ATK/100
「ぐっ……!」
雄二LP4000-1900=2100
パッチンがスリングショットより発射した金属球の直撃を受け、灼銀の機竜が爆散。その余波が俺に襲い掛かり、ライフを奪っていく。
「オレはカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」
龍亞LP4000 伏せカード1枚 手札1枚
「俺のターン、ドロー!」
「でもこのスタンバイフェイズ、オレのパワー・ツール・ドラゴンが戻ってくるぜ!」
パワー・ツール・ドラゴン
ATK/2300 DEF/2500 星7
前のターン、騎士魔防陣の効果で除外されていたパワーツールが、龍亞のフィールドへと帰還を果たす。とはいえ一度除外されたことで、パワーツールに装備されていたカードは全て墓地送りとなっており、今は脅威でもなんともない。耐性も無くなっているし、これじゃあレガーティアのおやつでゲスなあ、ぐへへへへ……。
「俺は魔法&罠ゾーンのプリメラの効果を発動! プリメラを攻撃表示で特殊召喚する!」
重騎士プリメラ
ATK/1600 DEF/1600 星4 チューナー
エメトⅥから飛び降り、その横に並び立ったプリメラがすかさず槍を掲げ、槍の穂先が輝くと同時に俺のデッキから1枚のカードが飛び出てくる。
「プリメラの特殊召喚に成功した事で、俺はデッキから
ATK/1000 DEF/2000 星4
プリメラ、トゥルーデア、エメトⅥ。これで俺のフィールドに、センチュリオンのメンバーが全員揃ったな、ヨシ!
「俺はレベル8のエメトⅥに、レベル4のプリメラをチューニング! 今こそ頂点の誓いを果たす時! 熱き絆を力に変えて、起動せよ! シンクロ召喚──
騎士皇レガーティア
ATK/3500 DEF/2000 星12
「き、来たぁ! 今度こそ来ちゃった……!」
「龍亞が来て欲しそうだったから、呼んじゃったぜ! レガーティアの効果! デッキからカードを1枚ドローし、その後、相手フィールド上の、最も攻撃力の高いモンスターを破壊する! パワー・ツール・ドラゴンには消えてもらう!」
レガーティアの腰当てが6つのパーツに分離し、ファンネルのように宙を舞った後に合体。1つの巨大な砲台と化したそれから、ごんぶとビームが放たれ──龍亞のパワー・ツール・ドラゴンを消し飛ばした。
「パワー・ツール・ドラゴン!」
悔し気な叫びを上げる龍亞だが、しかしその闘志はまだ萎えてはいない。何故なら、龍亞の場にはD・バインドと伏せカードが存在するからだろう。だが、しかし。
「……いいカードを引いた。魔法カード、大嵐! フィールド上の魔法・罠カードをすべて破壊する!」
レガーティアの効果で引いたカードは、最強のバック除去である大嵐。お互いのフィールドに嵐が吹き荒れ、龍亞のD・バインドが伏せていたカードごと破壊される。
「そ、そんな……オレのD・バインドとパワーアップ・コネクターが……!」
なるほど。龍亞の伏せカードは、パワーアップ・コネクターだったか。確かに、他のモンスターにディフォーマーの攻撃力を分け与えるあのカードを使えば、ラジオンかパッチンの攻撃力を3800に引き上げることができる。それで攻撃力3500のレガーティアを超えようとしていたんだな。
「バトルだ! 俺はレガーティアでD・ラジオンを攻撃! ヴァリアント・スマッシュ!」
騎士皇レガーティア ATK/3500 VS D・ラジオン ATK/1800
レガーティアが右側の肩当てを前方に構えると、その中央部から騎士槍──というかぶっちゃけドリル──のような魔力刃が形成され。レガーティアはその魔力槍を構えたまま、D・ラジオンに向かってブーストで突撃。攻撃力1800のラジオンに、レガーティアのランスチャージを防げるわけもなく。レガーティアの戦闘によって発生したダメージが、龍亞に容赦なく襲い掛かる。
「うわああぁぁーッ!?」
龍亞LP4000-1700=2300
「続けてトゥルーデアでD・モバホンも攻撃だ!」
従騎士トゥルーデア ATK/1000 VS D・モバホン ATK/100
レガーティアに続くよう、トゥルーデアの放った火炎の渦に飲み込まれ、D・モバホンも爆散した。
「ぐううぅぅ……!」
龍亞LP2300-900=1400
「俺はカードを1枚伏せて、エンドフェイズにレガーティアの効果を発動! 墓地のプリメラを魔法&罠ゾーンに呼び戻して、ターンエンドだ!」
雄二LP2100 伏せカード1枚 手札0枚
「お、オレの……ターン!」
盤面を一気に返され、威勢を挫かれた龍亞が、デッキからカードをドローする。さあ、龍亞はここからどう動いて来るのか。
「オレは手札から魔法カード、ジャンクBOXを発動! その効果で墓地からD・クリーナンを守備表示で特殊召喚するぜ!」
なるほどな、そう来たか。ならば……。
「龍亞のジャンクBOXにチェーンして、俺は墓地のエメトⅥの効果発動! トゥルーデアを魔法&罠ゾーンに移動させることで、エメトⅥを墓地から守備表示で特殊召喚する!」
重騎兵エメトⅥ
ATK/2000 DEF/3000 星8
D・クリーナン(龍亞側)
ATK/0 DEF/0 星1
チェーンの逆順処理により、俺のフィールドにはエメトⅥが。そして龍亞のフィールドにはD・クリーナンが復活する。よし、これで準備は万端だ。
「う……また出てきた……」
「そしてこの瞬間に罠カード発動、オメガの裁き! 魔法&罠ゾーンにいるトゥルーデアと、龍亞のフィールドにいるD・クリーナンとD・パッチンを破壊する! 頼んだ、トゥルーデア!」
魔法&罠ゾーンにいた、半透明のトゥルーデアが龍亞のフィールドへと突撃して、巨大な炎の竜巻を発生させる。それに飲み込まれて龍亞のフィールドにいたD・パッチンとD・クリーナンの2体のモンスターは破壊されるのだが、しかしその代償としてトゥルーデア自身もまた消えていく。
すまないトゥルーデア。でもエンドフェイズにレガーティアの効果で、すぐに呼び戻すから許してくれ。
「く、くそう……。オレはD・ラジカッセンを守備表示で召喚。ターンエンドだ……」
D・ラジカッセン
ATK/1200 DEF/400 星4
龍亞の最後に残った手札は、D・ラジカッセンだったようだ。
守備表示の時に、相手モンスター1体の攻撃を無効にする効果を持ったディフォーマーではあるが、この状況では焼け石に水。俺の勝利は確定したと言っていいだろう。
「龍亞のメインフェイズ終了前に、俺は重騎士プリメラの効果を発動。プリメラを守備表示で特殊召喚し、デッキからセンチュリオンカードを1枚手札に加える」
重騎士プリメラ
ATK/1600 DEF/1600 星4 チューナー
「そしてさらに龍亞のエンドフェイズ時に、レガーティアの効果を発動。俺の墓地にいるトゥルーデアを、魔法&罠ゾーンに呼び戻す」
「あーあ、結構いいところまで行ったと思ったんだけどなあ。ねえユージ……」
レガーティアの効果処理を終え、ターンプレイヤーが俺に移るのと同時に、龍亞がニカッと笑いながら、俺へと話しかけてきた。
「次は、次こそは負けねえんだからな!」
「ああ。期待しているぞ。俺のターン、ドロー!」
さて、後は一斉攻撃を仕掛けるだけで終わりだ。無駄に長引かせることもないだろう。
「……俺はプリメラとエメトⅥを攻撃表示に変更し、バトルだ! まずエメトⅥでD・ラジカッセンを攻撃!」
「D・ラジカッセンの効果! 1ターンに1度だけ、ディフォーマーへの攻撃を無効にする!」
エメトⅥが魔力槍を突き出すが、龍亞のD・ラジカッセンはその一撃を弾き返す。バリアやらを張るんじゃなくて、純粋な強度で攻撃を弾き返すその姿は、思わず『何の素材でできてんだ』とツッコミを入れたくなること請け合いだ。
「だがその効果も1ターンに1度だけ。俺は続けて、重騎士プリメラでD・ラジカッセンを攻撃!」
重騎士プリメラ ATK/1600 VS D・ラジカッセン DEF/400
プリメラの振り下ろした槍が、今度こそD・ラジカッセンを両断。さて、これで龍亞のフィールドは完全にがら空きだ。
「これでトドメだ、俺はレガーティアで龍亞にダイレクトアタック! ヴァリアント・スマッシュ!」
「うわあああああーっ!」
龍亞LP1400-3500=0
龍亞のライフがゼロになったことを示す、ピーという気の抜けた電子音と共に、ソリッドビジョンが消滅していく。
しかし勝つには勝ったが、なんかアレだな。装備盛りのパワーツールの相手が、意外とキツくて驚いたわ。破壊耐性と高打点って、なんだかんだで強いわやっぱ。あとレガーティア一辺倒にならないデュエルを~と思っていたんだが、結局レガーティアに頼るのが一番楽になりそうだな……。
「トホホ……負けちゃった……」
「でも今回の龍亞、結構いいところまで行ったじゃない」
「うーん、それはそうだけどさ……でもやっぱり、たまには勝ちたいじゃん? 龍可だって、負けてばっかりだと悔しいだろ?」
「それは……まあ、そうだけど……」
『ね? やっぱり私たちが1番でしょ?』とばかりに、調子に乗るプリメラたちへと、デコピンをするフリをしつつ。俺は龍亞と龍可の方へと歩いていく。さあ、楽しい感想戦の始まりだ。
俺のデッキも、まだまだ完成には程遠い。なんかこう、いい感じに噛み合うカードが見つかればいいんだけどなあ。できれば、学生の俺の財力やらなんやらでも、手に入るレベルのがさ。
……なになに? 精霊界に2〜3年ほど滞在してくれれば、テーマカードを増やせる? いやあ、気持ちはありがたいけどさ。でもそれじゃ、イリアステルとの戦いには間に合わないし……いやそんなにガッカリしなくても。
そろそろセンチュリオン新規の情報が出そうで、デッキの調整に困っていたりいなかったり。5D'sに出しちゃ駄目だろ!って感じのぶっ壊れ性能なら泣く泣くスルーしますが、そうじゃなかったら出したいなあ…って
ゴースト事件→遊星が解決。とはいえここで遊星に負けた事がプラシドの遊星に対する執着の理由なので、ユージも自分がゴースト(プラシド)に勝つ気はなかったり
メインデッキ一部解放→プリメラ達にとってメインデッキは家、エクストラデッキは別荘という認識だった。実体化できるようになった今は職場とその駐車場的な感覚
音響戦士→まだ人間型の開放が済んでいないので、とりあえずの繋ぎ枠。この枠はたぶんコロコロ変わる
灼銀の機竜→パックで当てた。かつての縁を伝ってプリメラに連れてきてもらったともいう。プリメラの新車
プリメラ→エメトⅥやレガーティアやらセンチュリオンのカードが存在するならそっちに乗る。無い時は仕方なく他のに(勝手に)乗り込む
レガーティアの攻撃名→粘りに粘ったけど、格好いいのが全然思いつかなかったので、結局パック名から拝借
~追記~
デュエル内容のガバ報告ありがとうございます!修正完了しました!
更なるガバ報告があったので修正しました!