「っは?」
小麦色の肌に綺麗な金髪をもつ男性は、何やらキョロキョロと辺りを見渡した。
その顔には困惑の文字が張り付いている。
そんな彼の日本人離れした顔だちは、誰もが目を奪われる生粋のイケメン。
当然周りからは様々な視線が送られる。
女性、主に高校生ぐらいの女の子達は彼を見て、キャーキャー騒ぎ立てていた。
「どこだ、ここは」
周りの声もお構いなしに、彼は苦悶の唸り声を上げる。
そんな彼を見て楽しそうに笑う人物が1人。
いや、“見て”ではなく、“観て”だろうか。
その人物は画面に映る彼に向って楽しそうに呟いた。
「いやぁ、よくあるトリップものは作者が作った二次ストーリーな訳だから完全なるとばっちり、なわけだけど。今度は君が怪しまれる番さ」
声の主はくすくすと笑う。
そして「あっ」と何やら思い出したかのようにパソコンに向かい合った。
「名探偵コナン。これが今存在しているとちょこーとつまんないんだよね」
検索されたらもう一発じゃんとぶつぶつ言いながらキーボードを叩く音が響く。
タタンッと最後に打ち終わったらしい彼の表情はまるで子供のように無邪気な笑顔だった。
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「Hello, Vogue. Cubero, but I got the case properly done.」
(はーあい、ヴォーグ。キュベロだけど、例の件はきちんと済ませたわよ)
壁に寄り掛かりながら、今回の任務の報告を行う。
壁を挟んでいても向こう側の部屋から、血の臭いが鼻を突いた。
『キュベロか、失敗してないんだろうな』
電話越しから聞こえる彼の声を聴きながら、スマホを持っていない左手で相棒のベレッタを弄る。
「Mistake? Who do you think I am? Why would you have his head, over there?」
(失敗? 私を誰だと思っているの。なんならそっちに奴の頭、持っていくけど?)
『相変わらずだな、いらねぇよ』
「Yes, it is boring. Okay, that's it.」
(そう、つまんないわね。じゃあそう言う事だから)
それを最後に電話を切る。窓から差し込んできた朝日がとても眩しい。
そんな朝日を堪能した上で最後の仕上げに取り掛かる。
「goodbye. Sleep peacefully.」
(さようなら。安らかに眠れ)
火を付けた煙草を一服。他のタバコにはない甘みを感じなから、水浸しとなった床へと放り投げる。
タバコが地面に落ちた瞬間、あっという間に炎が建物を包んだ。
この世界に足を踏み入れて3年。自分でも驚くぐらい手慣れたものだ。
殺し方も、隠滅の仕方も。
そして、私がキュベロ、九条希実であることも。
燃える建物を背に、遠くから聞こえるサイレンの音を聞きながら、その場から離れた。