キヴォトスで生徒とイチャイチャするだけの先生アーカイブ   作:微糖珈琲 -砂糖増増-

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最終章の若干のネタバレが含まれてすまない。
まぁこの小説読んでる人はほとんど最終章見てるよね?

……見てるよね……?

因みに作者はまだ百鬼夜行の後編見てません。


それぞれの務め

「痛い……」

 

「す、すまなかった、先生」

 

ミナが急に脛を蹴ってきました先生ー!!

先生は私か……。

元々座ってた椅子に座って、蹴られた部分を擦る。

ミナも心配そうにしているのを見ると、悪気があった訳では無いらしい。

 

「ふん、やはりマフィア風情は血の気が多いな。貴様に当番を任せていたら先生の命がいくらあっても足りないな」

 

「カ〜ン〜ナ〜??」

 

「んぐ……す、すみません」

 

全く……どうしてこう仲が悪いかなぁ?

 

「はい、ミナも『怒られてやんの〜』みたいな挑発的な顔しない!」

 

「うっ……すまん」

 

もう大分痛みも収まってきたので、ミナを元の席に座らせて私は「ふぅ」と一息ついた。

やっと本題に入れそうな空気になったかな。

 

「カンナ、今日私が公安局に来た理由なんだけどさ」

 

私の言葉に、カンナはスッと雰囲気を変えた。

仕事モードだ。目付きが鋭い。

あーーーっっ!!!

カッコいい!!

やっぱり仕事できる女性って素敵だよね!!

特にカンナはどこが弱々な所があってそのギャップがもう最高!!

くふーーっ!!カンナの耳のモフモフ吸いたい!!

 

「……」

 

「せ、先生?どうなされました?」

 

「あ、ごめんなんでもない。えっと、何だっけ?」

 

「ここに来た理由です……」

 

「ああ、そうそう。その……カンナにとってあんまり思い出したくない事かもしれないけど」

 

一拍置く。彼女も何かを察したように私から視線を逸らしテーブルを見つめる。

 

「『不知火 カヤ』の件で、今日は来たの」

 

「……」

 

「『不知火 カヤ』……少し前に、キヴォトス中を震撼させた。あの?」

 

震撼……まぁ、そうだね。

私はミナに苦笑しながらコクンと首を振る。

彼女が矯正局に入って、もう2ヶ月位経つ。

 

「カヤも私の大切な生徒の一人だから。近々面会の予定を入れたくてさ」

 

「……」

 

「カ、カンナ?大丈夫?」

 

「先生は本当にお優しいですね」

 

カンナはスッと顔を上げる。

仕事モードの険しい顔の彼女は、もうそこには無く、不器用に笑っているカンナがそこには居た。

同時に私の胸はズキリと、針で刺されたような痛みが走った。

 

『ーーあぁ。私のような三流悪党のことを、覚えてくだりましたか』

 

『あの頃の私は、正義の味方であろうと夢を見ていたものですが……』

 

その顔を見ると、あの日のことを思い出してしまっていた。

忘れるつもりはない。

でも、今は消えてくれ。

首をフルフルと横に振ると、私はカンナをジッと見つめた。

 

「私の務めは、生徒を正しい道に導く事。カヤは確かに悪い事をしたけど、それで見放すような事を私は絶対しないよ」

 

カンナは少し目を白黒させる。

しかし、また少し微笑むと小さく咳払いをした。

 

「……分かりました。矯正局への連絡は私からしておきます。日程が決まり次第、追って連絡します」

 

「うん!ありがとう!」

 

 

 

***

 

 

「……おい狂犬」

 

「何だ」

 

「何でまだ付いてきているんだ。もう用事は済んだしここは警察学校の外だぞ」

 

「ま、まぁ〜良いじゃん!見送るって言ってたし!」

 

「ふん……」

 

「はい、カンナも『ざまぁみろ』見たいな顔で挑発しない!!」

 

あ、耳ペタンってした。

もう……私の言葉には素直なのに……。

 

 

「どけどけどけー!!!!」

 

 

「「「?!」」」

 

唐突な怒声に私達全員が身構える。

ヴァルキューレ警察学校の校門付近。

遠くから血眼になったキヴォトス生徒が走ってくる。

……機関銃を乱射しながら。

 

「ひょえええええ?!?!」

 

卒倒しかける私。

ミナが背中を押さえてくれた。

 

「先生、お下がりください。」

 

「……狂犬、先生を下げる間足止めしろ」

 

「誰に指図しているんだ」

 

 

 

腰から拳銃を引き抜く。

セーフティを外して照準を合わせる。

 

「止まれ!!ヴァルキューレ公安局だ!!」

 

「あああん!!??うるせええええ!!蜂の巣にしてやらああああ!!」

 

「……まぁ、止まると言って止まるキヴォトスのチンピラは居ないか」

 

腰からもう一つ武装を取り出す。

ピンを抜き、迷わず放り投げた。

 

「生活安全局式で制圧するか」

 

「ぐぁっ?!なんだコレ、煙幕か?っゲホッ!!ゲホッ!!」

 

投擲された武装から勢い良く煙が吹き出し、チンピラの動きが止まる。

 

ズドン!!

 

間髪入れず、爆ぜる音が響いた。

煙幕を切り裂き、チンピラの額へ銃弾が吸い込まれる。

 

「がっっ?!?!」

 

カラン、と空の薬莢が地面を転がる。

その音と同時にチンピラは仰け反り、地面に倒れた。

 

撃った。

 

彼女の手は小さくカタカタと震えてはいたが、確かに標的の急所を狙い撃った。

 

「はぁっ……はぁっ……久々だと緊張するな……」

 

「拷問ばかりしてないで、たまには現場に出たらどうだ」

 

「黙れ、先生は大丈夫なのか」

 

「無論だ」

 

 

 

 

えっ、えーーっ?!

カンナ撃ったの?!見たかった!!

ちくしょー!!見逃したァァァ!!

ミナに引き摺られ、ちょっと遠くの場所まで避難させられた私は「キーッッ!」と悔し涙を流した。

 

……というか、大丈夫かな?

 

避難させてくれたミナには申し訳ないけど、ソロソロと二人の下へ近付いていく。

 

 

 

「お前、先生に手を出すということは山海経、ひいては玄龍門を敵に回すということだ」

 

「しゃしゃり出るなよマフィア風情。コイツらは公安局が身柄を引き取る」

 

 

 

そしてたっぷり拷問してやる。カンナは尻餅をつくチンピラへそう付け加えた。

あ、あれーなんかとんでもないことになっちゃったぞ。

 

「ひ、ひぃぃ?!」

 

「「逃げるな貴様ァァァ!!」」

 

機関銃を殴り捨て走り去るチンピラ。

二人は鬼のような形相で追い掛けていく。

 

……まぁ、二人共仲良くしてて良かった!

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