狼になったけどキヴォトスでも好きに生きたい   作:ララン

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狼、キヴォトスに立つ

困惑。

 

肌を撫でる寒さで目が覚める。体を起こして周囲を見回す。

 

「どこだここ…。路地裏?」

 

俺んちじゃない。酔っ払った?まさか誘拐?

 

ていうかなんだこの感覚。俺まさか服着てな…ファッ!?

 

俺の腕が毛だらけになってる!俺こんな毛深かったっけ!?いやいやいや…なんか爪がすげぇ鋭利になってるし、手の大きさとか指の長さとかが変わってる。それによく見たら胸とか足とかにも黒い毛で覆われている。

 

腕をまさぐるが、着ぐるみのような感触はない。生物の肉と骨の触感と確かな感覚が帰ってくるだけだ。圧倒的生物感。

 

とりあえず、人に見つかるとマズいというのはわかる。今の俺の姿を見られれば、捕獲か討伐か研究所送りか。どちらにせよ怖い人達に追いかけられることは違いない。

 

姿を見られないよう細心の注意を払いながら路地を進む。抜き足差し足。物陰に身を隠しながら歩む姿はまさに忍者。

 

歩いてる途中、二足歩行の犬?を見つけた。身長は俺の半分ほど。コートのような服を着てトコトコ歩いている。俺の100倍愛くるしい見た目じゃないか。かわいい。

コスプレの線も考えたが、動きがなんかリアルだし、変装特有の嘘臭さが無い。俺の直感があれはああいう生物だと告げている。

この世界は動物が文明を築いた世界なのか…?

 

幸いこのあたりは人通りが少ないようで、隠れる場所も多くあったので姿を見られることはなかった。

 

周りに人がいないことをよく確認し、手近な建物の窓ガラスに映る自分の顔を見る。そこに映るのは黒い体毛、鋭い牙が並び鼻がとがったイヌ科の面。

うん…薄々察してたけどやっぱりそうか。

 

どうやら俺は怪物になってしまったようだ。

 

これ人狼や狼人間ってやつだよな。前世でどんだけの業を積んだらこんな姿になるんだよ。大した徳を積んだ覚えもないけど、そこまで悪いことはした覚えもないと思うぞ…多分。

 

宇宙人に改造手術された覚え、なし。魔女に魔法をかけられた覚えもない。マジで意味不明な状況だが、なっちゃったもんは仕方ない。身の振り方を考えるためにも、情報を集める必要がある。まずは周囲の散策、服とか、もしあったら電子機器も欲しい。

 

同種の犬がいたりすればこの世界が動物の世界だという仮説に真実味が出る。さっきの犬が歩いていった方に行き、他の人物がいないか探す。

 

周囲を警戒しながら歩いていると…地面に小さな筒状の物体が落ちているのを見つけた。

…銃の薬莢に見えるんだが。

 

いや、まだ細長いどんぐりって可能性も無くはな…いや、金属だわこれ。周囲を見渡すと、壁に銃痕があった。

なに?ここって銃社会なの?それとも銃持ったヤバいやつがうろついてる?

だとしたらヤバい。今の姿で銃を持ったやつと遭遇したら、反射で撃ち殺されかねない。

 

先ほど以上にビビりながら歩く。

暫く歩いていたら、ボチボチ人通りの多い場所に出た。

 

そこで俺が目にしたのは、

「セーラー服を着て銃を持った、頭に輪っかが浮かんでいる女の子」たち。

 

うん。

 

なるほどね。

 

ここブルアカの世界かよ!!!!!

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