なんで??????
2004年、1月29日。日本。大分県、冬木市。
ちなみに、Fate/stay nightの物語開始(アーチャー召喚)が2日後の1月31日。
「問おう。あなたがわたしのマスターか」こと、主人公サーヴァントであるセイバー召喚が4日後の2月2日になる。
(いや、正確には2002年説もあったし一概には言えないけど……)
初期の時点では、「曜日が合致する」2002年説もあったが、現在ではFate/GrandOrderの炎上汚染都市冬木など、2004年説が定説となっている。この世界の曜日は前の世界とは同じ年でも少しズレている。良いね?
しかし、このただならぬ空気感。明らかに歪み、目的のために指向性を持たされた魔力。時計塔を卒業できる程度の魔術師であれば、なんらかの大儀式魔術の存在に勘づくだろう。
「
言ってみたかっただけだ。
アレセイアはただのオタクだが、魔術世界においては「災害」とされる死徒の頂点だ。というか、そういうのを知らない一般人から見ても明らかに
この手の意味深で無意味な台詞も、外から聞いた場合には、なんらかの深遠な意味を持っているのではないかと深読みされる。
というか、2年前もきちんと来てるし、なんなら10年前のFate/Zeroの時も来て……
(いやでもあれは見れなかったんだよな、臓硯の奴とフランチェスカに妨害されて……)
Fate/Zeroのストーリーでは語られず、Fate/StrangeFakeの物語で語られるが、第四次聖杯戦争においては「闖入者」がいた。
それが、フランチェスカ・プレラーティという数百年を生きる女であった。彼女が間桐臓硯に「茶々」を妨害されるのであれば。
神経を尖らせた臓硯は、当然「死徒二十七祖」などという闖入者を許すことはなかっただろう。
フランチェスカもそうだ。数百年を生きる怪人として儀式に介入しようとしたら、数千年を生きる怪物がやってきたとなれば。当然全力で妨害する。
(にしたって璃正さん通してナルバレック呼ぶのはやり過ぎだと思うけどねえ!!!!)
ナルバレック。埋葬機関総帥。
要するに、死徒の天敵。アレを相手にしたらまあ多分死ぬ。
(だから今回は擬態した)
今回は、死徒であることを気づかれづらいように、肉体の構造を作り直した。
冬木市に極めて多い「移住外国人」として紛れられるように努力もした。
あと、頑張って太陽も克服した。そもそも死徒は他作品の吸血鬼ほど極端に日光を苦手とはしないが、それでもやはり日中の直接戦闘はまだ難しい。
そもそもの話。Fate/stay nightはこの世界の『顔』と呼べる作品だ。だから、より長く空気感を味わうためにも、移住という選択肢は非常に良いものだった。もう数年は暮らしているし、ある程度だが馴染んではいる。
(ただ、この時間軸はロード・エルメロイ2世の事件簿と被るから、ロンドンと行ったり来たりなんだけど……)
それでも、冬木市はせいいっぱい楽しんだ。
詠鳥庵で面白そうな遺物を売り買いしたり、鍾馗でイスカンダル絶賛のもんじゃ焼きを食べたり、酒屋コペンハーゲンで士郎のバイトを観察しながら銘酒を漁ったり。
泰山で外道麻婆も食べてみたが、正直よくわからなかった。死徒は、血の味以外を味わえない。味覚の鈍麻だけではなく、もはや「痛覚」に由来する辛味すらも、失って久しい。わかってはいたことだが、やや寂しかった。
アーネンエルベのみなさんには、ちょっと丁重に別世界にお帰り頂いた。
喫茶店アーネンエルベ。まほうつかいの作った、不思議な不思議な喫茶店。
ちょっといろいろな次元にお邪魔して、ちょっといろんなキャラクターとお話する。
……という、メタネタ満点クロスオーバーをするためだけのような喫茶店ではあるが、正直これが存在するのは不味かった。
なんせ、「まほうつかい」ってのが本物だ。TYPEMOON世界の「魔法使い」は魔術師とは比べ物にならないバケモノで、その魔法使い、第二魔法のゼルレッチが作った『本当に多元宇宙を旅する喫茶店』だ。
しかも、居る奴らも軒並み危険だ。
青いガラケーの姿をした「ケータイさん」は、なりの割にアレセイアと同じ死徒二十七祖。二十七位、「千年錠」のコーバック・アルカトラスだ。
オレンジ髪のメイドさんは、日比乃ひびき。またの名を「聖典トライテン」。「完璧な神の偶像」とも「宇宙のモデルケース」とも称される、コーバックの究極傑作。
緑髪のアルバイト娘は、桂木千鍵。たぶん一般人。だが、キナ臭い。アレセイアが転生する前に、「まほうつかいの箱」がその設定のすべてを語ることなく終了してしまったがゆえに、全知に近いアレセイアですらその「正体」を知らない。杞憂なら良いにしろ、その正体によってはあまりにも危険すぎる。
ジョージ店長。中の人ネタだと思います。
確かにFate/stay nightの冬木市に来ている話も(ドラマCDとかで)あったが、こんな奴らが野放しになっていたらストーリーが壊れる。第七迷宮において、コーバックとアレセイアの死徒二十七祖大怪獣バトルの末、丁重に「冬木市に繋がる、第二魔法による多元宇宙ゲート」を閉じてもらった。
英雄史大戦では氷室鐘率いるひむてん軍団と戦った。英雄史大戦初代からかき集めた
捕食は遠出して行っていた。本編の関係人物に影響を及ぼすのは嫌だったので、適当な遠くの山奥の村を
そうした、「物語を楽しむ」下準備をして、もう数日で本編開始だ!!と意気込んでいた。
その時までは、観客で、部外者でいられた。
ぴりり、と。左手の甲に痛みが走った。
「え」
そこにあったのは、赤い、蝶のような刻印。
「……いや、マジか」
それは『令呪』、即ち聖杯戦争の参加権であった。
聖杯戦争において、死徒がマスターとなる例には実例がある。Fate/strangefakeの偽アサシンのマスター、ジェスター・カルトゥーレがそうだ。
だが、そうした模造の歪んだ聖杯でなければ、死徒が令呪に選ばれることはないとも、アレセイアは予想していた。
そもそも。英霊召喚とは、聖杯戦争に用いられるための術式ではない。
それは、惑星の用いるとある超巨大術式をダウングレードしたものに過ぎないからだ。
『決戦魔術式:英霊召喚』。
通常のサーヴァントとは比にならぬ規格外の英霊、グランドクラス7騎を以て、人理の敵を討つ。そうした術式だ。
(なのに、人理の敵そのものである死徒、その中でも血戒を持つ二十七祖を令呪が選ぶなんて!)
ルール違反中のルール違反。それも、意図したものではないからたちが悪い。
おそらくは、ただのバグ。補修と改修を怠ったプログラムの、破綻した設計の妥当な末路。
(第五次聖杯戦争時点の聖杯は、
かつて、第三次聖杯戦争において、主催者である御三家の一角、アインツベルンが召喚した悪神、アンリマユ。早期に脱落こそしたものの、その『汚染』の性質により、万能の願望器であったはずの聖杯は、願いを悪意に歪んで叶える猿の手と化した。
それが、「Fate/Zero」および「Fate/stay night」の物語の根底にあった出来事。そこまでは知っていた。
(術式の「根底目的」すら破綻してるってことか。ちょっとこれ、想像以上に歪んでるぞ)
だが、実際に数千年規模で魔術の知識を蓄え、実際にその場に赴かないとわからないこともあった。
結論だけ言うなら、この聖杯は、思っていたよりもろくでもない。
これは、流石にどうしたものかとアレセイアは思案する。明らかに「Fate/stay night」の本編をかき乱している。
……
「まあ、宿っちゃったもんは仕方ないか。参加自体もしてみたくはあったしね。聖杯戦争」
諦めた。もう起きてしまったことでもあるし。
というか、じゃあ逆にどうしろというのだ。聖堂教会に辞退しに行けば、当然攻撃されるだろう。「聖杯戦争参加者」である以前に「教会の敵」であるがゆえに。
令呪を持って逃げる、あるいは令呪ごと腕を切断して逃げたとて、どんなイレギュラーに召喚権が渡るか知れたものではないし。
(そもそも2006年のアニメ版だと新規マスターと新規サーヴァント出す予定だったらしいし、1人くらい変わっても回るでしょ!!)
アーネスト・グレイヴヒルと、シールダーのタチエ。後者は後にFate/GrandOrderのマシュ・キリエライトのモデルとなるサーヴァントだ。
彼らの存在は没となったが、逆に言えば「マスターが一人変わる」くらいなら許容するほどに、第五次聖杯戦争の懐は広い。
アレセイアは踵を鳴らす。それだけで、周辺の空気が切り替わる。大地に魔法陣が描かれ、中空には青白い古代ギリシア語で呪文が飛び交う。
もはや自身が強大な神秘であるがゆえに、ただそれを異界常識として「展開」するだけで、周辺が魔術工房化する。
第四次聖杯戦争において、ランサーのマスターであるケイネスが、優れた工房によって環境を異界化したのとちょうど逆だ。優れた異界化によって、環境を工房化する。
「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公」
どんな英霊が呼ばれるだろうか?
神代や自身以上に古代の英霊(ギルガメッシュとかカルナとか)を除けば、アレセイアは大抵の英霊と面識がある。
面識があると言っても、基本的にはちょっかいを掛けに行っただけだが。
であるがゆえに、個人自体が「複数の英霊の触媒」として機能してしまい、逆に、触媒を使ってすらも「どんな英霊が呼ばれるか予想できない」ことになる。
(まぁ、間違いなく純正の英霊ではないかな。)
「祖には我が真祖ブリュンスタッド」
(クラスも指定しとかないとね。士郎とセイバーがいない聖杯戦争とか見たくないし……)
『Fate/staynightという物語』を正常に動かすために、主人公と競合する『セイバー』は召喚できない。『アーチャー』も重大な意味を持つ。
『ランサー』『ライダー』『キャスター』『バーサーカー』は現時点でおそらく召喚されている……
(となると、召喚するのはアサシンかエクストラクラスか。エクストラクラスの方が好きかな。「諜報」は吸血蝶でできるし)
本来、サーヴァントの召喚クラスは「アサシン」「バーサーカー」しか指定できない。それでも、真に優れた魔術師であれば、それ以上も可能だろう。即ち、『セイバー』『アーチャー』の除外召喚。
「降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、
(アサシンで来るとしたら酒呑ちゃんあたりかなあ。「おしらさま」として一緒に大江山で人食ってた時期あったし……)
「我は常世総ての悪と成る者、我は常世総ての善を敷く者。然れど、聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
その詠唱は、純式の英霊召喚の詠唱とは異なる。
(あとは虞っちゃん?だけどまだ生きてるし……正直こんなん来る奴いるか?「人理の敵」の
「抑止の仇敵の下へ。抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ」
詠唱を完了すると、大地に描かれた魔法陣が、鮮血の色に切り替わる。
アレセイアの背を突き破り、異常量の魔術回路が蝶の羽のように展開される。星の術式がエラーを吐き、外部のマナの利用を制限されようとも、内在するオドだけで強引に術式を維持していく。
そして、歪んだ
人ひとりの体積と、英雄ひとりの神秘を構築するために、周囲の魔力が集まり、赤い光となる。
空気が、荒れる。
多くのマスターであれば、その風に目を閉じていたことだろう。
アレセイアがその人物の出現に際し目を閉じないでいられたことは、「死徒の超抜能力」でもなく、「魔術師としての強大な神秘」でもなく、「覚悟」でもなかった。
ただ、「驚き」。そして、「郷愁」。
懐かしい香りが頬を撫で、郷愁の涙が異形の赤い複眼を風から護ったからだった。
そこに立っていたのは、アレセイアの思いもよらぬ人物であった。
『原作』には、いない。
巡礼のために会いに行ったことは、ない。
それでも。それであっても。他の誰よりも、『生前の』『まだ人だった頃の』アレセイアと親しかった人物であった。
……そしておそらく。その宝具の名だけは、文句なしに有名な。
「久しぶりだね、アレセイアくん」
「ええ。まさか。貴女にまた会えるとは。」
それは、白い肌に赤い目、鋭い牙を持つ、吸血鬼らしい女であった。
それでいて、甲冑に身を包み、大きな盾と重厚な剣を持った、勇猛な戦士の男のようでもあった。
深窓の令嬢のような淑やかさと、騎士のような勇敢さ、そして魔獣のような獰猛さと、怪物のような残虐さ。
それらを、矛盾なく兼ね備えた長身の女であった。
「本当に。
「でも。そうか。アレセイアくんは、
クラスはエクストラクラス、シールダー。
その英霊の名をこう呼ぶ。
『英霊死徒アイアス』。
トロイア戦争において、アキレウスに次ぎ、オデュッセウスを超える、アカイア第二の大英雄であり。
Fate/stay nightにおいてアーチャーが用いる宝具、
そして。ネメアの獅子の血によって死徒となった。
先代の死徒二十七祖第五位であった。
というわけで当然のように女体化オリ鯖を出します
オリ二十七祖を出すようなオタクなら当然よ