有宮府警察生活安全部の日常   作:日本国民

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本日より投稿を行っていきます。まず、この世界の用語について解説いたします。

この世界について
この世界は私たちが住んでいる世界でもキヴォトスでもありません。日立国という日本に似た国とアメリカやら中国やらがある並行世界のようなものです。

有宮府
日立国の南、南都地方に位置する府。有宮軍学校をはじめとする軍事施設が多く、軍追隊によるテロが頻発している。また後述の軍学校の影響でかなりの銃社会となっている。また犯罪率は日立国ダントツ一位。

有宮軍学校
日立国軍が運営する軍事専門の学校。約6000人の生徒を擁する。その中でも陸戦科、総合科、技術科、特殊科、警務科、港分校など、多くの科や分校が存在する。

有宮軍学校警務科
軍学校の科の一つ。逮捕術や法律、銃の扱い方などを学ぶ。警察学校とは異なり、主に国軍憲兵隊への就職が目的である。しかし、警察へ進む道もあり、年数十名は警察へ就職するという。

有宮府警察生活安全部
有宮府全域を警邏する部。治安維持が主な活動である。

有宮府警察刑事部捜査四課
有宮府にのみ設置されている課。主に銃器を使った犯罪を捜査する。

軍追隊
日立国軍の解体を目的とするテロ集団。これまでは政財界で軍廃止を訴えかける平和な集団であったが、近年過激化、首都周辺や軍事施設が多く点在する有宮府で頻繁にテロを行っている。

PM
警官(Police Man)の略

PC
パトカー(Police Car)の略

PS
警察署(Police Station)の略

マル被
容疑者、被疑者の意

マル害
被害者の意

マル援
応援の意

続いて人物紹介です。

新居浜 空(にいはま そら)
有宮府警察生活安全部所属の巡査部長。一人称は僕。軍学校からの見習い警官であるキリノ、フブキの指導係。誰に対しても常に敬語で接する。射撃の腕前は府警察でも指折り。

中務 キリノ(なかつかさ キリノ)
有宮軍学校警務科の一年生。一人称は本官。実地研修のためフブキと共に有宮府警察生活安全部に派遣された。勤勉だが思い込みが激しく、さらに射撃の腕前が致命的だったため成績不振の生徒が送られる生活安全部の所属となった。

合歓垣 フブキ(ねむがき フブキ)
有宮軍学校警務科の一年生。一人称は私。実地研修のためキリノと共に有宮府警察生活安全部に派遣された。自由気ままであり、勤務中に居眠りをすることが多い。よくドーナツを食べている。アサルトライフル所持。

石見 正義(いわみ まさよし)
有宮府警察刑事部捜査四課の警部補。空の同期。一ツ木の相棒。銃の扱いに長けており、キリノによく射撃を教えている。カンナの指導係。

一ツ木 誠也(ひとつぎ せいや)
有宮府警察刑事部捜査四課の巡査長。空の後輩。石見の相棒。石見に振り回されている苦労人。よく空に石見への不満を愚痴ってはどこからともなく出てきた石見に絞められている。

尾刃 カンナ(おがた カンナ)
有宮軍学校警務科の三年生。目つきがとても悪く初対面の人によく怖がられるが結構優しい。一度捜査すると決めた事件は最後まで捜査するその執念から「狂犬」と呼ばれている。有宮府警察捜査四課所属。

大井田 昭次(おおいだ しょうじ)
有宮軍学校長。大佐。軍学校の生徒からは「先生」と呼ばれ敬われている。

それではどうぞ!


犯人にタックルされる?日常茶飯事ですよ。

有宮府警察本部生活安全部

 

「フブキさん!」

 

「んぇ……」

 

生活安全部内で新居浜空はそこで寝ている合歓垣フブキを叩き起こす。

 

「職務中に寝ないでください!」

 

「警察が寝る暇があるってことは街が平和だってこと…」

 

「どこが平和ですか!一昨日も軍追隊の銃乱射事件が起きたでしょう!」

 

「もううるさいな……分かったよ起きるよ…」

 

フブキは不満そうにしながら起きる。空はそれを見て少しだけため息をつく。

 

「全く…パトロールです。行きますよ。」

 

「キリノは?」

 

フブキは部屋の中を見渡す。

 

「もちろん一緒に行きますよ。ですけどここに居なかったので。」

 

「ふーん。」

 

2人は生活安全部を出ると地下に向かう。

 

-------

 

地下二階 射撃場

 

「おい……本当に犯人を狙って撃ってるよな…?」

 

地下の射撃場で石見正義は中務キリノの射撃訓練の結果を見てキリノにそう聞く。

 

「まさか!有宮府警察の者としてわざと市民に害を与えるなんてこと…!」

 

「いやまぁ…お前に限ってそんなことは無いと俺も思うが…この結果ではなぁ…」

 

そう言って石見は標的の弾痕を見る。弾痕は全て犯人ではなく人質の急所にあった。

 

「あ、ここに居ましたか。キリノさん。」

 

「へ?あ、新居浜部長、お疲れ様です!」

 

「よう、新居浜。」

 

キリノは射撃場に入ってきた空に気づくとすぐに空の方を向いて敬礼する。

 

「また石見さんに射撃を習っていたんですか?」

 

「はい、結果は見ての通りですが……」

 

キリノはさっきの標的の方を向く。

 

「キリノさん。」

 

「は、はい。」

 

「いっそのこと人質を撃ってみませんか?」

 

「えぇ!?」

 

キリノは空の提案に驚く。

 

「いや、幾ら訓練とはいえ民間人を想定した標的に撃つなんてこと…」

 

「これはあくまでも訓練です。実戦ではありません。それに…犯人狙っても人質に命中してますし……一回で良いから試してみませんか?」

 

「それは…」

 

キリノは空の言葉が効いたのか少し悩むと人質の方に銃を向ける。

 

「人質の方、ごめんなさい!」

 

そして発砲。6号回転式拳銃*1の銃声が射撃場内にこだました。

「「「………」」」

 

その結果を見て全員が黙る。何せ、銃弾は全て犯人の急所を貫いていた。

 

「うん………」

 

「中務………」

 

石見と空はキリノの方を向く。

 

「これからは人質を狙え。」

 

石見は諦めたようにそう言った。

 

「そ、そういうわけには…見習いとはいえ市民に銃を向ける警察官なんて…」

 

「それはそうだが…これじゃあな…」

 

石見は苦笑いしながらそう言う。

 

「こ、これは何かの間違いですよ!そもそもこんな正確に命中するなんて…!」

 

「今度こそ犯人を狙って当ててみせます!」

 

「キリノさん…パトロールに行きますからするにせよあと一回で終わらせてくださいね。」

 

その後犯人に銃を向けて発砲したが弾は全て人質の急所に命中するのだった。

 

-------

 

「うう…どうして本官は……」

 

「中々に凄い精度でしたね……」

 

落ち込むキリノに空は苦笑いしながら追い打ちをかける。

 

「遅かったね。部長。」

 

先にパトカーに行っていたフブキがどっから持ってきたのかドーナツを頬張りながら空たちに向かってそう言う。

 

「すみません、遅くなりました。ではパトロールに行きましょう。」

 

そう言うと空は周りのパトカーに比べて一際古いパトカーに乗る。

 

「キリノさん、無線お願いしますね。」

 

「本官にお任せください!」

 

『有宮103から有宮本部。これより警邏に出向します。』

 

『有宮本部了解。』

 

パトロールを始めて5分、有宮駅前に着く。府内随一のターミナル駅のため多くの人がいる。

 

「……今のところ異常はないですね。」

 

「ねえ、モールの入口前のあの黒ずくめの女、怪しくない?」

 

右側を捜索していたフブキがすぐ横のショッピングモールの入口にいる黒服の女指差す。

 

「モールの入口前…ですか?」

 

空はモールの入口前の黒服女を凝視する。

 

「武器を持ってる可能性があります。職質かけましょう。」

 

「了解です!」

 

「はーい。」

 

パトカーを付近に停めてさっきの黒服女に職質をかける。

 

「すみません、有宮府警察です。職務質問にご協力いただいてもよろしいでしょうか?」

 

「えっ……あ、はい、大丈夫です。」

 

黒服の女は一瞬驚いたような反応を見せるがすぐに冷静さを取り戻す。

 

「まず、氏名からお伺いいたします。」

 

「唐津レイナと言います。」

 

「唐津レイナさん…ですね。身分証等はありますか?」

 

「これです。」

 

「ありがとうございます。」

 

身分証を見ると目でキリノに指示を出す。「照会して」と…

 

キリノは理解するとパトカー内のタブレットで照会する。

 

「えっと……唐津レイナさん…」

 

「犯罪歴なし…ですか。」

 

キリノがパトカーの中で照会しているころ…

 

「次に、所持品検査にご協力いただいてもよろしいでしょうか?」

 

「え……は、はい…」

 

「フブキさん、所持品検査お願いします。」

 

フブキに指示するために空は女から目を離す。犯人はその隙をついて……

 

「…!後ろ!」

 

珍しくフブキが声を荒げるため空は緊急事態と感じ即座に後ろを向くがすでに遅かった。

 

「うわっ!」

 

「部長!」

 

空は後ろから思いっきりタックルされて転倒する。

 

「おい!待て!」

 

空はすぐに起き上がると走って追跡する。

 

「キリノ。犯人が逃げた、早く追うよ。」

 

「へぇ!?わ、分かりました!」

 

フブキはキリノを呼んですぐに空の後を追う。

 

-------

 

「待ちなさい!」

 

「離れてよ!」

 

空は群衆の中を逃げる女を追う。女は空目掛けて銃を発砲する。

 

「わっ!」

 

空はそれを間一髪で避ける。あと0.1秒反応が遅れていたら命は無かっただろう。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「キリノさん!?僕は大丈夫です!キリノさんは早く犯人を!」

 

「は、はい!」

 

有宮市の中心地での大追跡が幕を開けた。

 

『至急至急!有宮103から有宮本部宛て、有宮駅前で不審行動をしていた女性を職質したところ所持品検査を拒否、PMを突き飛ばして北進、府庁方面逃走。また追跡中にPM目掛けて発砲、現在追跡中。応援を願いたい。なおマル被は全身黒色、身長160くらい、性別女性。どうぞ。』

 

『有宮本部了解、至急至急、有宮本部から各局、有宮本部から各局、只今の無線傍受の通り、有宮駅前、職質をしたPMを突き飛ばし逃走する公妨事案が発生、よって現時点をもって緊急配備を発令する。現在容疑者は有宮駅前にてPMを突き飛ばしたのち府庁方面へ北進。徒歩で逃走、付近のPC、PMは現場方向。中央にあっては有宮駅から半径5キロ圏内に強員体制を取り、マル被の早期検挙にあたれ。またマル被は拳銃を持っており、PMへ発砲した模様、追跡時、確保時には十分注意されたい。以上有宮本部。』

 

-------

 

「待ってください!」

 

ウーウー

 

キリノが女を追跡しているとサイレンが聞こえてきた。

 

そして女の目の前にパトカーが停まる。しかし女はそれを乗り越えて逃走する。

 

『こちら中央3、PCによる制止失敗!』

 

「すみません通ります!」

 

キリノもパトカーを乗り越えて女を追跡する。その時キリノに無線が入る。

 

『キリノさん!』

 

「に、新居浜部長?」

 

『今どの辺りですか!?』

 

空の問いにキリノは周りを見渡す。そして近くの百貨店が目に入るとすぐに空に伝える。

 

「南鉄百貨店の近くです!」

 

『南鉄ですね!?分かりました、引き続き追跡お願いします!』

 

「了解です!」

 

キリノは後ろの2人の警官と共に女を追跡する。

 

「待ってください!逃げても無駄です!」

 

「もうしつこい!」

 

また発砲。後ろの警官の肩に命中する。

 

「うっ……!」

 

「大丈夫ですか!?」

 

肩を撃たれた警官はその激痛にその場に倒れる。

 

「大丈夫だ!君は早くあいつを追え!」

 

キリノは心配して近づくがもう1人の警官に追えと言われる。

 

「はっ、はい!」

 

「待ってください!これ以上逃げるようなら武力行使も辞しません!」

 

キリノが女にそう言うと女は止まってキリノの方を向く。……拳銃を向けて…

 

「うるさい!もう死ね!」

 

「……っ!」

 

キリノも銃を向けようとするがそれより先に発砲音が聞こえる。

 

キリノは体を守るため両腕を体の前に出す………だが、いつまで経っても痛みは襲ってこない。

 

「させないよ〜。」

 

キリノが目を開けるとそこには女が銃を落として腕から血を流している。

 

横ではフブキが銃を持っている。発砲したようで銃口からは煙が出ていた。

 

「フブキ!あ、ありがとうございます!」

 

そして後ろからは近道をした空が来た。

 

「はぁ…はぁ…逃げないでください……フブキさん!手錠をお願いします!」

 

「はいよ〜。」

 

「13時38分、銃刀法違反、公務執行妨害等で緊逮ね〜。」

 

空に呼ばれたフブキは女に手錠をかける。

 

『至急至急、有宮103から有宮本部、先程の公妨事案、マル被がPMに発砲しようとしたが別のPMが発砲、腕に命中したところ確保、13時38分に緊逮した。なお凶器の拳銃は押収。また、マル被の腕の治療及び撃たれたPMの治療のため救急車を願いたい。どうぞ。』

 

『有宮本部了解。救急車を向かわせる。なおマル被の逃走防止に留意の上、救急車到着を待て。どうぞ。』

 

『有宮103了解。』

 

『有宮本部から各局、有宮本部から各局、中央管内の公妨事案発生につき緊急配備を発令中であったが、13時38分マル被を逮捕したため40分をもって緊急配備を解除とする。以上有宮本部。』

 

「うぁぁぁ…」

 

「とりあえず動かないでください。止血しますから…キリノさん!包帯とかありませんか?」

 

「ちょっと待ってください。」

 

キリノは背中のベルトにつけた鞄から包帯を渡す。

 

「こちらです。」

 

「ありがとうございます。」

 

空は包帯を貰うと女の腕の銃創に巻きつける。

 

「あぁぁぁ……!!」

 

「動かないでください!」

 

女はあまりの痛みに悲鳴をあげる。

 

「これで良いですね…あくまで応急処置ですから痛いですけど今は我慢してくださいね。」

 

その時、パトカーのサイレンが聞こえる。

 

「新居浜!」

 

「石見さん。」

 

「無線で粗方聞いたが何があった?」

 

空は今までのことを全て石見に話す。

 

「所持品検査はやったのか?」

 

「今キリノさんがやっています。」

 

「そうか……」

 

石見はキリノのところへ向かう。空もそれについていく。

 

「中務、何か見つかったか?」

 

「なんでしょう……このようなものが…」

 

キリノが石見に見せたのは紫の液体の入った容器だった。

 

「毒物……ですかね?」

 

「科捜研か軍学校で分析してもらわないことにはなんとも言えないな…」

 

その数分後、救急車が到着、女と撃たれた警官は病院へ搬送された。謎の液体の入った容器は軍学校技術科へ送られ鑑定された。

*1
私たちの世界のM360J。6号は採用された年である2006年から。日立国警察全体で使用されている。




ということでこれで終わりです。原作をブルーアーカイブにしたものの…あまりそんな感じはしませんね……
それではまた次回。
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