寿命を代償にするキャラになりたくて!   作:パレード

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 質の悪い曇らせだなぁ。



寿命が縮む〜(大嘘)

 

 あの後、金髪エルフが新しいおもちゃ感覚で新しい名前が欲しいとごねたのでアルファと命名し、俺の実家に居候する事になった。

 

「アルファちゃんは本当にいい子ねぇ、ナクスの将来も安泰ね」

「ふふふ。考えておきます」

「ソイツ好きな奴いるぞ母さん」

 

 こんな感じに平和に暮らしている風なアルファだが夜な夜な出かけてシドに修行を付けて貰っているので結構強くなっている。

 

 それにもうとっくにディアボロス教団なんて存在しないと分かってるハズなのにまだ俺達のごっこ遊びに付き合ってくれているのだ。

 

 そういえば、シャドウガーデンのメンバーは俺を含めて9人に増えた。アルファがどこからか見つけて来たのを治したところ全員が俺とシドのごっこ遊びに付き合ってくれている。

 

 この前それとなく自由に余生を過ごしてもいいんだよと伝えたら

 

「いえ!私達はこの身をシャドウガーデンに捧げると誓いました!!」

 

 との事だ。大袈裟だなぁ……

 

 まぁそういう事だから有難く付き合ってもらっている。

 

 今までだって適当な盗賊団をディアボロス教団に仕立てあげちょっとしたイベントを作ってくれている。

 

 今日も日が沈み眠ろうとしたらいつの間にか部屋に入ってきたベータが俺に話しかけてきた。きっとまたイベントを持ってきてくれたのだろう。

 

「…………パトナー様の寝巻き姿…」

 

 パトナーとは俺のシャドウガーデンでのコードネーム的なアレだ。相棒という意味のパートナーからそう名付けた。

 

「ベータ?」

「はっ!?すみません」

「何かあったのか」

「はい。実はシャドウ様の姉君が教団にさらわれて……」

 

 アイツの姉、じゃあクレアか、アイツは結構強いけどさらわれるとなるとやけに強いモブ敵みたいな盗賊なのか。

 

「恐らく、今までとは違い相当の手練がいると思われます。シャドウ様が拠点を突き止め、他の七陰は既に配置に着いております」

 

 七陰とはアルファベータを含めたシャドウガーデンのメンバーで始まりの7人的でカッコイイとシドと命名したのだ。内3名は俺が修行を付けた。

 

 アルファを除き、3人ずつ組み分ける際に面倒くさいガンマとデルタを押し付けたのは多少恨まれているかもしれない。

 

 と、そんな事を考えていたらいつの間にか現地に到着していた。

 

 そこからは盗賊団をただ殺すだけの作業ゲーだ。早く寝たいのに今回は数が多い事多い事。八人でやっているのに次から次に湧いてくる。

 

 どれ程経っただろう、ようやく増援がいなくなり残り1人となった。

 

 ソイツは俺達に勝てないと悟ると懐から赤い錠剤を取り出し、噛み砕く。

 

 瞬間、男の口からけたたましい雄叫びが放たれ、地面が揺れまるで空気が震えていると一瞬錯覚する。

 

「……例の錠剤か。だがそれは自分の寿命を縮めるだけの空虚なモノに過ぎない」

 

 それを一瞥した俺は元から分かってましたよ感を出す。こうすると誰かが都合よくおだててくれるのだ。

 

「流石ねパトナー。アレの存在を分かっていたのね」

 

 ほら来た。初期メンのアルファが真っ先に反応する。流石の判断だ。

 

 それに畳み掛ける様に俺は小さく、しかし全員に聞こえるように呟く。

 

「俺と同じだ……」

「え?」

 

 皆さんお忘れかもしれないが、俺の目標は自分の寿命と引き換えに莫大な力を発揮するキャラになる事。残念ながらこの世界の魔力でそれは不可能だが、彼女等にかかればまるで本当にそうであるかのようにふるまえる。

 

 そしてもう一押し、体内で魔力の破裂を起こす例の技で吐血する。

 

「ゴフッ!」

「パトナー!!」

 

 ふらりと体をよろけされるとアルファに支えられる。

 流石の即興演技だ。

 

 そんな俺達を見て勘違いした男が声を張り上げる。

 

「あれだけの数を相手にしたのだ。無理も無いな、私がトドメをさしてやる」

「貴様!」

「パトナー様があんな下っ端どもに傷を負わされたと言いたいのか!」

 

 アルファに続き他の七陰、特に俺が面倒を見た面々が男に怒鳴りつけた。

 

 うん。見事な演技力。ならば俺も、それに応えよう!!

 

「お前たちは手を出すな」

「ッ……けど、この程度の相手に寿命を」

「何の話だ?」

 

 あくまで平然を装い彼女らの前に出る。

 

「俺が生きている間は、俺がやるべきなんだ」

 

 あえて明言はしないが、あたかも俺が命を削っている様なぼかした発言。我ながら完璧だ。

 

 そんな演劇を繰り広げているとデルタが男の方をみて唸り出す。

 

「流石に8対1は分が悪い。ここは引かせてもらう」

 

 地面に四角い穴を開け、予め地下に作っていた逃走経路へと飛び降りた。

 

 だが俺には分かる。その方向にはシドいや、シャドウがいる。俺達とはぐれたのだろうけど、やはり陰の実力者を愛し、愛された男だ。

 

「パトナー血が出てる……大丈夫?」

 

 関心していると心配そうにデルタが声をかけてきた。

 

 この子は所謂アホの子だからな。リアリティを高める為にモノホンの血だからか本気で心配してくれているのだろう。

 

 いや、それ以前にアホすぎてコレが演技だとすら気付いてなさそうだな。

 

「デルタ、コレは演技だよ」

「演技?」

「だろう。皆?」

 

 デルタが理解出来るように一旦設定を崩して他のみんなに同意を求める。

 

 しかし帰ってきたのはどこか歯切れの悪い返事ばかり。

 

 まさか彼女等、この状況でも演技を続けているというのか!?

 

「………ありがとう」

 

 思わず感謝の言葉と感動の涙が………

 

「パトナー様………」

 

 そんなくだらない演技を彼女達が本気で信じている事を彼はまだ知らない。

 





 アルファは2人の共同作業で育てました。

 ベータ、イプシロン、イータをナクス。
 ガンマ、デルタ、ゼータをシドが担当。
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