ホームレスがトリニティの生徒になる話   作:ちゅーぴか

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初投稿です。

ブルアカが良すぎて止まれなくなってしまいました。

駄文&新人先生ゆえガバありです。温かい目で見ていただけると幸いです。


出会い

 君の話はそうではなかったかもしれないね。

 

 不快で、不愉快で、忌まわしく、眉を顰めるような……

 

 相手を疑い、前提を疑い、思い込みを疑い、真実を疑うような……

 

 悲しくて、苦しくて、憂鬱になるような……それでいて、ただただ後味だけが悪い……そんな話だ。

 

 けれど……私たちはもう知っているでしょう?

 

 どれだけ惨めでも、どれだけ虚しくても、抵抗し続けることを止めるべきじゃない。

 

 失敗したとしても、何度でも。道が続いている限り、チャンスは何回だって生み出せる。

 

 君がなりたい存在は、君自身が決めていいんだよ、『イト』。

 

 君も、幸せにならなくちゃね。

 

 

 

 ***

 

 

 

「おらっ、どけ!」

 

 学園都市キヴォトス。数多くの学園が並び立ち、そこに星の数の生徒たちが通う。晴天の下、爆音と銃声が轟くキラキラな青春の舞台。

 青春の舞台で、爆音と銃声?と思うかもしれない。しかし心配はいらない。「ヘイロー」と呼ばれる輪っかを頭の上に浮かべる生徒たちは、ちょっとばかしの銃弾を喰らったところで「痛っ」で済むのだ。

 

「ぐえっ」

 

 それに、「生徒」と一口に言ってもその姿はざまざまだ。天使のような羽を持つ者、悪魔のような角を生やした者、他にも獣耳やとんがった耳など、多種多様の姿をしている。かく言う私もそうだ。頭のてっぺんに二つの大きな耳を生やし、お尻にはもふもふの尻尾を生やし、口にはギザギザの歯を生やしている。

 一部の住民なんか、明らかにイヌやネコの見た目をしていたり、生き物なのかもわからない機械の見た目をしていたりするのだ。

 

 しかし、この青春入り乱れるキヴォトスにはおよそ似つかわしくない場所がある。悪意と思惑が入り乱れる、ドロドロな暴力の舞台。

 

 名をブラックマーケット。金、暴力、権力、酒、煙草、賭博、地位、名声、力。犯罪行為など日常茶飯事。「青春」に似つかわしくない、まさしく「闇」の舞台である。辺りには、パチンコ店、風俗店、闇銀行に謎のオフィス……と、このように間違ってもキラキラの生徒たちが立ち入る場所ではない。

 

 私「糸巻(いとまき)イト」は、そのブラックマーケットの一角でホームレスをしていた。いや、誤解をしないでほしい。別に学園を退学になるほどの何かをやらかしたわけではない。実を言うと、そもそも「生徒」であったことすらないのだ。

 

「アタシら今からトリニティのお嬢様を拉致ってやるんだ」

「身代金をたんまりぶん取ってやるぜ!」

「協力するってんなら、分け前をやらんこともないぜ?」

 

 目の前にいるのは、三人のスケバン。黒髪が長い人と短い人、あとは金髪が短い人。全員黒マスクに白で×を書いている。

 

「ごめんなさい、無理です……。私、今動けなくて……」

 

 あろうことか私はこのスケバン達にご飯の恵みを乞うたのだ。如何せん金がない。ご飯など、三日前に食べた廃棄弁当が最後である。既に動く元気もなく、正直に言って死にかけだ。まあ、私の努力も虚しく突き飛ばされてしまったが。ひどい、そんなことしなくてもいいじゃん。血も涙もない奴らめ。

 

「チッ、しかたねぇな……」

 

 そう言って、スケバンの一人がバッグをガサゴソと漁った。

 

「……これやるよ」

 

「み、水と食パン……!いいんですか……?」

 

「……後で死なれると、寝心地わりーんだ」

 

「……お優しいんですね」

 

「やさしくねーよ!!」

 

 前言撤回。血と涙しかない奴らだった。めちゃめちゃいい奴らである。ん?でもトリニティの生徒を拉致ろうとか言ってたか?本当は悪いやつらなのかもしれない。

 

「じゃあな、アタシらはいそがしーんだ」

 

「あっ、待ってください……!」

 

「あ?」

 

 スケバンたちが一斉に振り向く。こうしてみると中々の威圧感である。そんな視線を受け止め、私は頭を下げた。

 

「ありがとうございます……!」

 

「……ケッ」

 

 スケバン達は足早に去っていった。ブラックマーケットの人情も捨てたものではない。三日ぶりにありついた食料への感謝を噛み締める。

 

 

 なぜ私がこんな場所にいるかというと、何か複雑な理由があるわけではない。単にここで生まれ落ちたから、ここで育ったというだけだ。親の顔は知らない。自分の誕生日も知らない。自分の戸籍などない。だからまともな仕事に就いたこともない。およそ15年間を一人で細々と生きてきたのである。

 つまりホームレス暦=年齢である。ああ、私のことは哀れな目で見てくれるな。キヴォトスに通う同年代の子たちの中では、間違いなく私が一番のプロホームレスだという自信がある。誇り高きホームレスなのだ。

 それに、ここブラックマーケットも捨てたものではない。治安は悪いが、ここには手を取り合う力に長けている人が多い。根っからの悪人というものはここに住まずに外から利用してくるものなのだろう。さっきみたいに、話せばわかることは多々ある。

 

 それにしても……

 

「トリニティか……」

 

 

 

 ***

 

 

 

「はぁ……はぁ……やっとついた……」

 

 太陽が沈みかける時間帯、私はようやく目的地、トリニティへと到着した。食料を買う金もない私に移動費など払えるはずもなく、私はキヴォトスの広さに絶望することとなった。なにせ三日ぶりの食糧が、さっきのスケバンからのお情け、食パンと水なのだ。まじで死ぬかと思った。燃費の良いこの身体に感謝しなければ。

 

「ここが……トリニティ……!」

 

 トリニティについて早々、私はその壮大さに絶句することになる。

 まず敷地がデカい。校門に立ってみても、敷地全体のほんの少ししか見渡すことができなかった。さらに建物がデカい。見渡す限りに宮殿かと思ってしまう建物がいくつもある。非常にきれいにされているが、歴史を深々と思わせる荘厳さがそこにはあった。中には売店やカフェなんかもあるようだ。いつかは行ってみたいものである。

 下校時間に差し掛かっているのだろうか。友人と談笑しながら歩く生徒がちらほら見える。さすがはお嬢様学校というところだろう。誰もが身なりに気を使い、気品を心掛けているように見えた。心なしかいい匂いもする。ろくにお風呂にも入っていない私とは大違いだった。

 

 いや、私はわざわざトリニティまで観光に来たのではない。目的を果たさなくては。なぜ私が死にかける思いをしながらもここまで来たのか。それはひとえに、お嬢様生徒を拉致するため……ではなく、

 

「……あの、すみません!」

 

「は、はい?どうされました?」

 

「私、その……見ての通り、一文無しでして。おなかが減って死にそうなんです。何か食べるものをいただけませんか……?」

 

 そう、物乞いをするためである。

 お嬢様学校ということは、生活に余裕のある生徒も多いはず。少なくともブラックマーケットにいるよりは食べ物をもらえる可能性があるのではと考えたのだ。

 

 しかし……

 

「……ごめんなさい、他をあたってください」

 

 ものすごく嫌な顔をさせてしまった。まあ、考えてみれば当然だろう。突然見ず知らずの人が話しかけてくるのだ。しかもあからさまに貧層な身なりで、見返りもなくただ食べ物をよこせと言ってくる輩。控えめに言って不審者である。

 

「……怖い思いさせちゃったかな」

 

 話しかけられた生徒は足早に離れて行ってしまった。

 

 いや、よく見れば話しかけられた生徒だけではない。瞬く間に、辺り一面は「やべーやつがいる」という空気に包まれた。下校中の生徒も多くなってきたというのに、私の周りには見事に空白が開いている。

 

「えっ誰……?」「こわっ」「あれやばくない?」「近寄らない方がいいよ」「なんか変な匂いする」「どこの生徒?」「誰か正実呼んでー!」

 

 ……まずい。これは非常にまずい。正実とは、トリニティが誇る治安維持組織「正義実現委員会」のことだろう。そんな組織に捕まったが最後。こちらの過去を徹底的に調べ上げられて煮られて焼かれて食べられるのがオチで―――

 

 

 

 

 バン

 

 

 

 

 ……え?

 

 

 

「うぐっ」

 

 

 

「正義実現委員会など待つ必要はありません」

 

 こめかみに鈍い痛みが走る。予想外の衝撃に姿勢を保てず、銃弾の勢いに身を任せるまま倒れこんでしまう。

 

「私が直接手を下して差し上げます。不審者に情けはありません」

 

 こちらに銃を向けながらそう言い放つのは、純白の制服と帽子に身を包み、背中からも同じく純白の翼を生やした生徒。何かの本で見た覚えがある。あれはお嬢様学校の中でも特にお嬢様である「ティーパーティー」所属の生徒にのみ着用を許されるものだ。

 

「ご、ごめんなさ―――」

 

 

 

 

 ドガガガガガガガガガ

 

 

 

 

「い、いたっ、痛いっ、やめ……」

 

 

 

 

 ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 

 

 

 

 銃弾の雨が降り注ぐ。激しい痛みが全身を駆け抜ける。そこに慈悲など一つもなかった。

 

 その生徒は倒れ伏す私の髪を掴み、乱雑に持ち上げて顔面を近づける。

 

「……ふふ」

 

「あぁ……うぅ……」

 

 私には、痛みに呻き声を上げるほかなかった。目の前にある整った顔が愉悦に歪むのが見える。

 

「分かったら、二度とトリニティに近づかないでくださいね?」

 

 そう言って私の髪を離した。一通り弾を撃ち尽くしたのだろう。空のマガジンを投げつけながら、その生徒は同じティーパーティー所属の友人達と談笑しながら去っていった。

 

 

 

 

 やばい……。これ、意識が……とぶ……。

 いたい……。いっぱい……うたれて……それで……えっと……そうだ……

 

 

 

 

「ごはん……ください……」

 

 

 

 

 ……だれも……くれないの?

 

 

 

 

「しにたく……ない……」

 

 

 

 

 ……私の人生……しょぼ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

 

 

 

 ……誰だろう……?

 

 すごく、やわらかい……。

 

 

 

 

「……だれ……?」

 

「私は浦和ハナコといいます!あなたを助けに来ました!」

 

 そう言ったスク水の天使に抱えられ、私の意識は途絶えた。

 

 

 

 ***

 

 

 

「……知らない天井だ」

 

 目の前に広がるのは真っ白の天井。背中にはふかふかのマットレス。低反発なやつである。

 

「あら♡目が覚めましたか?」

 

 突如、別の部屋から現れた人の声に肩がピクリと跳ねる。それは、整った顔にピンク色の髪を腰まで伸ばし、サイドを三つ編みで束ねた、非常にスタイルの良い少女だった。そしてその姿に私は見覚えがある。

 

「あなたは、助けてくれた……」

 

「ふふ♡浦和ハナコといいます。あなたの名前は?」

 

「……糸巻イトです。あの、助けてくれてありがとうございます……」

 

「いえいえ♡イトちゃんですね?ごめんなさい、本当は救護騎士団に診てもらうのが一番なんですが、私の部屋で……」

 

 ここは彼女の部屋らしい。簡素な作りだが、日頃の掃除が行き届いているのがよくわかる、とても綺麗な部屋だった。

 ……っていうか、いつの間にか私の服装が布きれ一枚からまともなルームウェアになっている!それに髪の毛がしっとりしていて、お風呂にも入れてくれたのが分かる。何てこった、ハナコさんめちゃめちゃ良い人!

 

 

 

 

「……どうやら、訳ありのようですから♡」

 

「……」

 

 ……この人はどこまで見通しているのだろうか?

 

 私は目を伏せる。トリニティの、あの空気感。多分、私を撃ったあの生徒が特別というわけではないのだろう。トリニティに仇なす存在には慈悲をかけるな、裏切者は徹底的に打ちのめせ……。もちろん、トリニティ生徒の全員がそうであるとは思わない。しかし、さっきの様子から見るにそれがトリニティという場所の大まかなルールなのだろう。

 

 ……あの場において、ハナコさんの行動は間違いなく異質だっただろう。トリニティ生徒から見て、「敵」である私を助けたハナコさんも……「敵」として認識されてしまうのではないか……?

 

 私はそのことに、強い罪悪感を抱いた。

 

 

 

 

「……ハナコさん、ごめんなさ―――」

 

「ですが!まずはご飯を食べましょう!簡単なものしかありませんが♡」

 

 ハナコさんは私の謝罪をかき消すように手をたたいた。その音にびっくりして顔を上げると、そこには満面の笑みを浮かべるハナコさんがいた。

 

 ……なるほど。この人には敵わないな。

 

 正直言って遠慮できないほどにお腹が空いていたので、私は食い気味に首を縦に振った。

 

 

 

 ***

 

 

 

「う“ま”がっだ!う“ま”がっだよ“お”お“お”お“!!」

 

「お口に合ってよかったです♡」

 

 なるほど、胃袋を掴むとはこういうことか。私はすでにハナコさんになら何をされてもいいと言えるほど、全幅の信頼を置いている。煮られようが焼かれようが食べられようが私はハナコさんの味方だからね。

 

 

 

 

 ……実際問題、私の今の思考が冗談では済まないのが現実の辛いところである。身体を洗ってもらった。衣服を貸してもらった。ご飯を食べさせてもらった。命を救ってもらった……。現時点で私はハナコさんにとてつもない借りを作っている。そしてそれを返す手段を何一つとして持っていない。

 

 ……さらに私は、私の都合でもう一つ、彼女に迷惑をかけなくてはならない。後で何を請求されても文句は言えないだろう。

 

 ……しかし手段は選んでいられない。私とて、死にたくない。

 

「……ハナコさん」

 

「はい?どうされました?」

 

「話したいことがあります」

 

 隣で洗い物をするハナコさんに、意を決して話しかける。

 

 

 

 

「……私はブラックマーケット出身です」

 

 

 

 

 私は自分の事情を話した。生まれてからずっとブラックマーケットに住んでいたこと、学校に通ったこともなく、食料を満足に買うお金もないこと。

 

 

 

 

 ……できるだけ、同情を誘うように。

 

 

 

 

「……あなたを見込んでお願いがあります」

 

 ……私はハナコさんのことをほとんど何も知らない。だが、あのトリニティの空気には似合わないほど優しい心を持つ人だということは知っている。そしてさっきの私の謝罪を遮ったとき。あれはおそらく、私がハナコさんに向けた「彼女をトリニティの「敵」にしてしまったのではないか」という罪悪感に気づき、否定したかったからだろう。私が目を伏せたあの一瞬で私の意図を察する洞察力、コミュニケーション能力。それだけでもハナコさんが文句なしの秀才だということは分かった。これでもブラックマーケットに住んで長い。人を見抜く力はそれなりにあるつもりだ。

 

 しかしハナコさんのそんな姿からは考えられないことがある。おぼろげな記憶だが、ハナコさんが私を助けてくれたあの時、彼女は水着姿だったのだ。それはあのトリニティ、ひいてはキヴォトスにおいて間違いなく異質な、ともすれば周囲から敵意を買いかねない愚かな行為に見えた。

 

 

 

 

 ……これはあくまで推測に過ぎない。しかし私はどこかで確信している。

 

 トリニティを覆うあの空気。常に他者を値踏みするような、あの眼。ましてトリニティの政治を担うトップ層など、とくにその傾向が強いはずだ。ハナコさんほど聡明な才女、放っておくはずがない。

 

「私、何でもします。もうこれっきり、ハナコさんに迷惑はかけないようにします。だから……!」

 

「まあ、何でも……ふふ♡」

 

 加えてハナコさんが住んでいるのは、この決して広いとは言えない部屋だ。恐らくだが、豪勢な生活などいくらでも望めるほどの才能を有していながら。

 

 

 

 

 ……ハナコさんは、「普通」の生活を、青春を送りたかったのではないか?それなのに周囲から期待の眼差しを向けられ、政治の道具とされることに嫌気が差したのではないか?それが嫌で、水着で過ごすなどという奇抜な行動に出たのではないか?

 

 

 

 

「私のトリニティ入学を手伝ってください!」

 

 

 

 

 ここまで考えて、なぜ私がハナコさんにこんなことをお願いするのか。その理由はただ一つ。

 

 ……この人なら、トリニティのトップ層と繋がりがあるのではないか?戸籍を持たない私をトリニティへ入学させるという難題を、果たせられるのではないか?

 

 彼女が嫌う、彼女の能力目当ての。自分でも嫌気が差すほど最低で最悪な、悪魔の考えからだった。

 

 

 

 

 ……沈黙が場を支配する。それがひどく痛い。

 

「……イトちゃんは今、何を考えていますか?」

 

 しばらくの後、ハナコさんの声が沈黙を破った。

 

「自分の過去を話して、私の同情を誘った上で、そんなお願いをして」

 

「……」

 

 返す言葉がない。やはり、すべて見抜かれていた。これはこれ以上を望んだ、私の罪だ。

 

 

 

 

 ならばもう、悪魔は悪魔らしく逃げるしかない。

 

 

 

 

「い、いやー、やっぱりばれちゃってましたかー!その通り、私本当は最低な人間なんですよー!えへへ、でもばれちゃったなら仕方ないな!助けてくれた上にご飯までくれて助かったぁ。それではっ、私はこれにて食い逃げさせていただきま———」

 

 私が逃げようとした、その時だった。

 

 ……ハナコさんの大きな身体が、私を抱きしめた。

 

 

 

 

「……イトちゃんは賢いですね。でもだめです、逃がしません♡」

 

 

 

 

 ぐうぅっ、力強いいぃ……!なんだ!?ハナコさんは実はムキムキなのか!?

 

「暴れても無駄です♡よわよわなイトちゃんでは私に勝てません♡」

 

「んーっ!!んんーーーーっ!!!」

 

 私は呼吸を封じられながらもみっともなく暴れる。そんな私を諭すように、ハナコさんの手が私を優しくなでた。

 

 

 

 

「……ブラックマーケットで、一人で戦い続けて、生きるか死ぬかの毎日で……ずーっと寂しかったんですよね?」

 

「……」

 

 私は抵抗をやめて、ハナコさんに寄り掛かった。すごく柔らかかった。

 

「だから……安心してお腹いっぱいご飯食べることが嬉しくて、それを離したくなくなっちゃったんですよね?でも、私の同情を誘おうと必死なイトちゃんの顔、とても辛そうでした。そんなことしなくてもいいのに……」

 

「……」

 

 図星だった。ハナコさんの背中に手を回し、力を込める。

 

「もう大丈夫ですよ。トリニティへの入学も、その後の暮らしも、私が保証します」

 

「……うぅ」

 

「だから、安心してください。私を頼ってください。難しいかもですが、トリニティを頼ってください。そして……もっと自分を大事にしてください」

 

 生まれてから今まで、誰かに寄りかかったことなんてなかった。こんなに安心する人の体温は初めてだった。

 

 ……寂しくない日はなかった。

 

 

 

 

「うわぁぁあああああん!!」

 

 

 

 

 私はそのまま、ハナコさんの胸で涙を流した。

 

 




「泣き止みましたか?」
「もうちょっと……」
「……あらあら♡」



トリカスゆるすまじ。

オリ主こと筆者の趣味ことイトちゃんのプロフィールです。
名前:糸巻イト
年齢:15歳
誕生日:不明
武器種:HG
身長:146 cm
見た目:耳がでかい。顔の長さと同じくらいある。髪の毛は腰くらいまであって、髪色は明るめなホワイトベージュ。尻尾もでかくてもふもふしている。フェネックというキツネの一種をイメージしてます(FOX小隊とは無関係です)。なぜならかわいいから。ヘイローは紫色のチューリップがモチーフです。はやくいじめたいですね。
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