タイトルそのまま。
?「フリーレン。撃て」
フリーレン「うん。ヒンメルならそう言う」
──ジャキジャキジャキーン!!
フリーレン「うひょ〜!」
?「…………」
Youtube見てたらインスピレーション受けました。
俺の名前は須藤守。
突出したことは一つもない、凡々平凡な一般大学生だ。
一人暮らしに憧れて親の元を離れ、都会の大学へ進学をして家賃5万円のアパートでバイトをしながら暮らしている。
と言っても親が家賃自体は出してくれているので、バイト三昧生活費カツカツという状況には陥っていない。
面倒な家事などを除けば割と充実した大学生活を送れている。
…だが、そんな俺に頭を抱えさせるような光景が今、目の前で繰り広げられている。
「うーん?確かにここの下に反応があったんだけど…どこだろ」
「……」
俺は大学の授業を終えての帰宅中、いつも通りの景色を何気なく見ながら歩いていると、自販機の下に頭を突っ込みながら…いや、全身を突っ込む勢いで何かを探している銀髪の少女の姿があった。
言葉を、失う。
正直、今すぐにこの少女を無視して家へ帰ってしまいたい衝動に駆られたが、この不審者をどうにかしなければならないという、正義感やら責任感がごちゃ混ぜになった感情が俺を家に帰らせてはくれなかった。
「お!あったあった…やっぱり働くよりも自販機の下を探したほうがお金稼ぎには最適だね」
「…何やってんすか」
その少女の馬鹿っぽい独り言を無視して守は、その少女に話しかけた。
「その声は…マモルだよね?」
「そうっすけど、俺の質問に答えてくれません?」
「見ればわかるでしょ?お金集めだよ」
まさに『頭隠して尻隠さず』の状態で淡々と話す少女に、守は頭が痛くなった。
「…白昼堂々とそんなことしないでくださいよ。迷惑にもなりますし、何より視線が痛いです。俺にも刺さってます」
自販機の下に頭突っ込んでる少女とすっかり共犯者扱いされてしまった守は、そう打ち明けるように言い放った。
「…それもそうだね。待っててね、今からここを抜け出すから」
自販機の下から這い出て来た白魚のような手が、自販機を支点としてどうにか体を抜けさせようと踏ん張っている。
ふん!ふん!という掛け声が自販機の下から聞こえてくるが、どこかに引っ掛かっているのか一向に抜ける気配がしない。
しばらく自販機と格闘している少女をじっと見ていたが、ずっと踏ん張っていたてからスッと力が抜けていく。
そして一拍置いた後、先ほどの踏ん張った声とは違う悲鳴のような声が自販機の下から聞こえてくる。
「暗いよーーー!!!怖いよーーー!!!!」
「……ええ〜……」
そう言いながらジタバタと暴れる少女に守は思わずため息混じりの困惑の声が出てくる。
自分からそこに入ったんだろ…という考えが頭をよぎったがとりあえずはその少女の手伝いをすることにした。怖がっている少女をどうにかしないわけにはいかないのだ。
「えっと〜、とりあえず引っ張れば良いですか?」
「うん…お願い」
「じゃあ行きますよ…ふん」
試しにその少女の足を掴んで引っ張る。少女がしてはいけないと思われる格好になってしまった気がするが、自販機に頭突っ込んでいる時点でもうお察しである。
「あれ?抜けませんね〜…何か引っ掛かってるんでしょうか?」
「ふむ……私の経験上、こういう時は逆に押してみるのが一番良い方法だよ」
「押す?抜け出さないといけないのに逆に押し込んでどうするんですか…」
「でも、ミミックとかは押すと吐き出してくれるよ?」
「ミミック」
お前が食われてんのは自販機だろうが…と言ってやりたかったがとりあえずは我慢する。
「はあ…押せば良いんですね?どうなっても知りませんからね」
そう警告した俺はその少女を自販機の方へとグッと押してみる。
「ん?」
「どうかしましたか?」
「いや、もう話してもらっても大丈夫だよ。多分もう出られるから」
そう言われた俺は訳がわからなかったが、とりあえず言われた通りに押していた手を離してみる。
すると先ほど引っ張ってぬけなかったのがうそのよ抜けなかったのが嘘のようにスルッとその少女は自販機の下から抜け出してくる。
…嘘だろ?
「お、抜けた抜けた。マモルもありがとう」
「あ、あー。はい」
「…?」
深く考えることを放棄した守は全貌が顕になった銀髪の少女へと生返事を返す。
「…はあ…。で?フリーレンさんはどうしてお金集めなんかやってるんですか?昨日給料貰ってましたよね?」
守は目の前の少女…フリーレンにそう言う。バイト先が同じのまあいわゆるバイト仲間と言うやつだ。まあ、特段仲がいいわけでもないし普通に話したりはする程度の仲なのだが。
「…もう使っちゃった」
「はあ!?」
長いまつ毛に覆われた瞳がそっと守から逸らされる。
たった1日だぞ!?どうやったらそんなすぐに全部使い切れるんだよ!?!?
「全部使い切ったって、来月からどうやって過ごすんですか!?」
「だからこうしてお金を集めているんだよ…しばらくは橋の下でダンボール生活かな…」
「猫かよ!」
馬鹿すぎる!一体何に金を使ったんだよ!!
「…生活、大丈夫なんですか?自販機の下にも限界がありますよ」
「大丈夫だよ。これから取り返しに行くから」
「…?取り返すってどうするんです、か…」
守の疑問にフリーレンは指を刺してみる。守はその方向をフリーレン指の方向を目でなぞりながらその方向を向いてみる。
そこには風によってぐわんぐわんと揺れ動く人型のバルーンに、その建物に書かれている【スロット パチンコ】の文字が…、
「ってギャンブルかよ!!!?!?」
守は目の前の女が1日で全財産をギャンブルに溶かした挙句、さらに金を投入しようとしていることに衝撃を受けて、それ以上何も言えそうになかった。