キヴォトスに転生した俺、とりあえず逃げ回る。   作:旅する野良猫

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大変長らくお待たせいたしました。
キリが良いトコまで書けたので最新話です。
今回からやっと残酷タグつけてた部分がにじみ出てきます。
本作はバイオレンスコメディ作品です。


第十二話 ジャンクフード好きが食べるスイーツは暴力的な味である

「大体なんですかルカ、今の体たらくは……確かに一年の時からトラブルに良く巻き込まれる子でしたが、相当なもので無ければ自力でどうにかしていたというのに。最近は我々委員会に縋りついて代わりに対処ばかりさせて……!」

「だからお詫びにお菓子送りましたよね!?」

「なんでダイエット中にあんな美味しそうなお菓子を渡したんですか!!! 後輩たちの前では食べたくても食べれない生殺しでした!!」

「じゃあ今食べてるパフェはなんですか……」

「……ルカ」

肩をポンと叩かれて振り向けば、ツルギ先輩が首を横に振る。

諦めろと言外にいわれ、ため息をつきつつ先生たちと合流しようと席を立つ。

 

夜間外出をしてスイーツ店に入ってハスミに遭遇するまでは良かった。

が、なぜかツルギ先輩まで一緒にいた為、先生同伴の補習授業部一行(主に俺)は一瞬拉致られてボコされかけた。

事情を説明したら納得してもらえたものの、それとは別でハスミにお説教を食らっていたところである。

「まぁ今度、美味しいスイーツのお店発掘したら教えるので……」

「それは楽しみにしておきますが、まだ話は終わっていません」

そそくさとみんなのいるテーブルに戻ろうとしたらツルギ先輩に首根っこを捕まれ戻される。

「悪いが話はまだある」

シリアス寄りのツルギ先輩の顔で、何の話か大体の想定が付くのがイヤだ。

そして俺対策にしっかり両側を先輩らが挟んで話をしようとしている時点で本当に逃がす気が無さそうなのが目に見えて分かる。

「そろそろ正義実現委員会に入りませんか、ルカ?」

「……前々から、というか一年の時から断ってますよね先輩」

ちらりと先生チームの机を見れば楽しそうにケーキやパフェをつついている。

どうして俺だけ正実トップに挟まれて勧誘を受けているのだろうか。

「……少し戦力を強化したいというのもある」

「ツルギの言う通りで、最近はゲヘナとの自治領境界の警備や自治区内の見回りを多くしているんです。その為、所々で自衛団との協力も視野に入れてはいるんですが……」

「あー……運営周りがひっそり争ってるのもあって、早い話が適度な戦力になり得る奴の加入(スカウト)が一番の解決策になるって感じですかね……嫌です」 

紅茶を一口含み、早いところこの席から離れたい気持ちを押さえつける。

ん、このお茶美味しいな……どこのだろ。

 

「どうして毎回断るんですか、貴女にとっても悪い話じゃないはずです」

「そりゃツルギ先輩が淹れてくれる紅茶は格別に美味しいですし、トラブルだってスムーズな対応ができるようになりますけど、結局のとこ組織じゃないですか」

「それのなにが問題なんです?」

私が不器用なので自由時間が取れないのがイヤです

ゲームもしたいしツール開発だって楽しいからしたい。

何より自分の身もまともに守れてない奴が治安なんて守れるわけがないというのが本音だ。

ガクリと肩を落とすハスミだが、パフェを口へとかき込んで気を持ち直し話を続ける。

「またそれですか!?」

 

「他にも顔の広さを利用しようとしてたりとかしますし。腹芸苦手って言ってたのに……」

コハル含め割と知られている俺の外食癖でようやっと一部ではあるが勧誘の動機が分かってすっきりした。

様々な自治区に行っているのが災いしたか他校との関りが多いと思われているのだろう。

実際、治安維持組織にはしょっちゅう泣きついて助けを求めてるから間違いでもないし、そういう意味ではエデン条約を間近にしている今は各校の自治区へ連れて行きやすいワイルドカードだろう。

交渉の話なら問題児だから吹っ掛けられるかもしれないが、あくまでも正実は治安維持組織。

現場内の話題にもなるし、問題児の更生をしてるとでも言えば士気高揚身の繋がるし交流の種になる。

「申し訳ないんですけど私、中間管理職とかやりたくないです……!!」

「い、いえ、確かにそう言った考えもありますが……」

「……ハスミ」

スマホを確認していたツルギ先輩が話を止める。

「襲撃だ」

その一言でハスミは手早くスマホを確認し両先輩の雰囲気が一変する。

席を立ち、いつの間に手に取ったのか二人とも愛銃を持って準備を完了していた。

「……ちょうどいいですね、ルカも来てください。先生たちにはこのまま夜の外出を楽しんでもらいましょう」

「え、いや先生にも助けてもら……いえなんでもないです!!」

ツルギ先輩の殺気が一瞬こっちに飛んできて本気でビビった。

 

「一応今はルカも一組織のリーダーですし、なによりシャーレの先生が顧問の部活です。ここまで言えばわかるでしょう?」

「そういう話ですか……」

「行きますよ」

床に置いていたガンケースを担いで先輩方に連れそって先生にバレないよう外に出る。

 

 

――――――――――――

 

 

「早く食べようよー!! ずっとさっきからヒレでビンタされるし、黒セーラー服の子たちからは撃たれるしで散々だよー!!」

「黒セーラーってそれ正義実現委員会じゃん!! うちの風紀委員会並にやばいよ!? どうするのハルナ、逃げ切れるの!?」

ジュンコが無事に逃げれるか不安そうにハルナに確認をする。

ロープで縛られ拘束されているフウカを見ながら。

 

「逃げきれるか等、重要ではありません。大切なのは食べられるか、否か……それだけですわ」

「食えずにお縄で終わりだろ」

舗装路を優雅に(呑気に)歩いていたハルナの頭へとガンケースを全力で振り下ろしてぶっ叩く。

勢いよく地面に頭をぶつけた衝撃で起き上がるようにバウンドした所を、起動して展開し始めたガンケース(相棒)で胴体を横殴りにする。

アスファルト舗装された道路の上を跳ねて転がるように飛ばしたハルナから視線を外そうとした直後、脇腹に衝撃が突き抜ける。

「お久しぶりですね、ルカさん♡」

「出来れば会いたくなかったよ鰐渕……!!」

膝蹴りから横蹴りを繋げて来ようとするアカリから距離を取って相棒を構える。

 

――ロックスクラッパー。

そう名付けたこれは、自分の愛銃や他ツールに組み込んだギミックを利用して動く強化外装とでも言えばいいだろうか。

愛銃“愚者の兵装”に組み込まれている神秘変換機構(パスコンバーション)とラトナシステム用ドローンに取り付けられた磁回転式供給機(アインリアクター)を組み合わせて出来た鉄塊である。

出来ること自体は単純で、俺自身の神秘をこれにぶち込んで炉を回すことでエネルギーを溜め込んで衝撃波を生み出すというもの。

……だが、その威力は自作ツールにおいて

最高クラスであると自信を持って言える。

 

「聞く噂によればトリニティの歩く手榴弾の被害が少なくなっていたそうですが、猫かぶりを辞めたんですか?」

ツルギ先輩らがジュンコやイズミに飛びかかっているのを確認しながら、相棒を盾にしてアカリの撃つ銃弾の雨を強引に突き進みながら炉を回す。

「余計な詮索すんなっての!!」

相棒を最近は持ち歩いていなかったことを何故知っているのか分からないが、こちらを煽るように質問を続けようとするアカリに向け、地面に立てた相棒を軸に勢いよく蹴り上げる。が、丁寧に距離を取られ足に無数の銃弾が当たる。

「いだだだだだだ!!?」

「昔のように簡単には当てられませんよ? それに……」

その直後、俺は相棒を手放して宙を舞っていた。

ズキズキとこめかみから痛みが伝わり、脳をシェイクされているかのような振動が吐き気を誘う。

そこまで認識して、やっと他から撃たれたことに気が付いた。

「普通、そこは伸びとく所だろハルナ……!!」

「失礼、丁度良い所にトリニティ案内の出来るガイドが居たもので」

アカリが追撃を入れに距離を詰め、る。

「随分とガードが甘いですね☆ 鈍りましたか?」

「が……は……ぁっ!?」

体勢を立て直そうと後ろに下がろうとした瞬間に前蹴りがみぞおちに入る。

動きが鈍った所にボディブロー。

そして弾幕と。

無駄なくスムーズに攻撃が繋がれ、弾丸の雨をモロに浴びる。

 

「いっ………てぇ」

「タフさだけは相変わらずみたいですわね」

仰向けに倒れ込んだ俺を上から見下ろすように銃口を突きつけ、ハルナは微笑む。

「さて、ここからトリニティのガイドをして頂けるのでしたら引鉄は引きませんが……」

「するわけ無い……だろっ!」

容赦なく引鉄が引かれる――が、横に転がって回避。

 

先程まで頭があった場所に銃弾がめり込む。

直後、アカリが飛び込んできたのを躱してロックスクラッパーを再び握り、アカリの背中を殴りつける。

炉を回して微量ではあるが蓄積された神秘を開放して生まれた衝撃で、アカリが僅かに体勢を崩す。

勢いそのままに飛び込み、もう一度強くグリップを握りしめたスクラッパーでボディを全力で――

ウォォラァッ!!!!

ぶん殴る。

 

「あー、痛ってぇ!! 毎回毎回私狙いで襲ってきてなんなんだお前、餌取られた熊か!?」

「残念ながらアカリさんは伸びてしまったようですわね……ですが、以前と違いボロボロのようですが」

そう言いながら簡単な牽制のつもりか数発撃ち込まれる。

当然それを避けることなくしっかりと喰らう。

バタンッ――――。と

そのまま垂直に倒れ伏した俺を見て、そそくさとハルナが寄って両手を結束バンドで拘束しようとしたところを止める。

「……る、ルカさん?」

「んッフッフッフフ……」

「え、いやあの不気味な笑い声を出しながら起き上がらないでくださ……」

「んッフッフッフフ……!!(怒)」

あ、ちょっ、痛い!! 痛いですルカさん!!

「こちとら久々の実戦なんだぞ、バカスカ7.62㎜NATO弾撃って来やがって!!」

慌てた様子で離れようとするが片手の骨を砕いて銃を落とさせる。

「な!? これでは3日はお箸が持てないではありませんか!!」

空いてる左手でハルナの顔をつかむ。

「はははっはははは……!! それでしたら右のおててでおスプーンをお使いになればよろしいのではなくて……?」

「んむッ!?」

口を左手で塞いでうるさいハルナの苦情を黙らせて、落としたロックスクラッパーを拾って神秘を喰わせる。

「おまえらいつもいつもす~ぐ沸いて来やがって……」

バタバタと手を動かすハルナを空に放ってタイミングを合わせて全力で振り下ろす。

 

 

「久々に土でも食ってろ、美食研究会!!」

逆手持ちで振り下ろす相棒が脳天に当たる瞬間、蓄積されたものを開放する。

 

――供給神秘23%……ウェイブレット。

振り下ろされたロックスクラッパーから発された衝撃波は真っ直ぐに疾走る。

それはハルナへ直撃する二重の衝撃が纏まり、一撃となって結果を残す。

 

そしてこの結果、人の頭が道路へと突き刺さることとなった。

 




One PointTopic:そろそろ第一話君がアップをし始めます。



いつも誤字脱字報告、感想、評価ありがとうございます!!
作者は承認欲求モンスターなのでいつもガソリンになってます!
いつも投稿遅くてすまん。
それはそれとして、いつも通りゆっくり執筆していきます。
今後ともよろしくお願いいたします!!
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