親愛なる隣人になりたくて!   作:けーやん

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アンケートの結果、スパイダーマンの敵キャラをオマージュしたオリジナルキャラを登場させる事にしました。
ご協力ありがとうございました。

どんな(ヴィラン)が登場するかは今後の展開にご期待下さい。


episode.3

 盗賊を撃退して以降、ボクは『悪魔憑き』を元に戻す為に両親の研究資料の中に魔力操作に関する内容が記述された物もあり、それを手本にして魔力操作の修業を開始した………のは良いんだけど、両親の文字は2人ともクセが強くて解読に少し時間を浪費してしまった。

 

 もう少し読みやすい文字で書いて欲しかったと、天国にいるであろう両親に内心で訴える。ボクの声は届いていますか?

 

 修業を行なっている合間に、廃村で秘密裏に『悪魔憑き』の面倒を見ていた。食事は噛まないで良い様に果物と野菜をスムージーにして飲ませたり、清潔を保つ為に歯磨きや汚れの目立つ腐った体を濡れたタオルで拭いてあげたり、排泄物の処理もやってあげた。大変だったけど、必ず助けると約束した以上は最後まで面倒を見るのは当然だ。

 

 あと、外へ出して日光浴をさせた。日光浴には丈夫な骨を作ったり免疫アップに欠かせないビタミンDを生成させる効果があるのだ。

 

 そして、魔力操作の知識を頭に叩き込んだボクは、『悪魔憑き』に直接魔力を流し込んで魔力暴走の制御に取り掛かった。緻密かつ繊細に、そして力強く魔力操作を行い続けた。

 

「よし、これなら!!」

 

 そして、魔力操作を開始してから2週間が経過したその日、遂に『悪魔憑き』の魔力暴走を制御したと思った次の瞬間、ボクは唖然とした。

 

「…………え?」

 

 何と言う事でしょう。魔力暴走で肉塊だった『悪魔憑き』は金髪のエルフに姿を変えた。と言うより、"元の姿に戻った"と言うのが正しいのか。しかも女の子で全裸!?肉塊の時点で何も身に纏っていなかったから仕方ないけど!!

 

「あれ?私………」

 

「ごめん、その前にコレを着て!!」

 

 ボクは慌てて自分の上着を彼女に羽織らせる。年齢はボクの同じくらいの10歳前後。前世の世界だったら警察沙汰になりかねない。と言うか、ボクは肉塊だったこの子の体をタオルで拭いてたよね!事案確定じゃん!!『スパイダーマン、幼女に性的暴行の容疑で逮捕!?』なんて文春砲の良い的になってしまう!?それでもボクはやってない!!信じてくれ!!

 

 おっと、取り乱すのはこの辺にして彼女に話をしておこう。冷静になったボクはエルフの少女に事情を説明し始めた。

 

 

◾️◾️◾️◾️

 

 

「魔力暴走……そのせいで、私はあんな姿に」

 

「もう暴走する事は無いだろうから、安心して」

 

 ボクの話を聞いた彼女は驚いた表情をした。だけど実際に自分の体が肉塊に変わり果ててしまったので、状況を直ぐに理解してくれた。頭の良い子だ。

 

「それで、君はこれからどうするの?故郷に帰りたいならボクは協力するよ」

 

「………ありがとう。だけど、『悪魔憑き』だった私にはもう……帰る場所はないわ」

 

 エルフの少女は悲哀に満ちた笑みを浮かべながら答えた。迫害され、故郷を追い出された彼女には居場所は無い。だけどこのままにしておけないのも事実。土地勘も無い上に生きる術を持たない少女が生きていくには、この世界は過酷だ。

 

 …………仕方ない、ダメ元で提案してみよう。

 

「もし、君で良かったらだけどさ。ボクと一緒に居ない?」

 

「え?」

 

 エルフの少女は驚いた表情でボクを見た。そして顔を赤くして体をモジモジと揺らした。

 

「それって、つまり………私を貴方の"伴侶"にするって事?」

 

「違う、そうじゃない!!ごめん、変な勘違いさせちゃった。ええと、つまり、君が独り立ち出来るまで面倒を見るってこと」

 

 流石に10歳前後の女の子にプロポーズするほどボクはロリコンじゃないし、ヒーローがロリコンなんてコンプラ的にも許されない。

 

「だけど、助けて貰ったのにそこまでして貰うわけには………」

 

 ボクは困った彼女の手を握り、真っ直ぐ見ながら言う。

 

「良いんだよ。前にも約束したでしょ?ボクは『親愛なる隣人』スパイダーマンとして君を助けるって」

 

「親愛なる隣人?スパイダーマン?」

 

「ああ、そう言えばボクが盗賊と闘ってたのを君は見てなかったかな」

 

 ボクは思い出しながら立ち上がり、彼女に証拠を見せる。

 

「見ててね」

 

 ボクはジャンプして天井に逆さまの状態で立ってみせた。

 

「す、凄い!?何で立ってるの?」

 

「フフフ、凄いでしょ。これがボクの力だよ」

 

 ボクは目を輝かせる彼女にドヤ顔で言った。うんうん、こう言うリアクションがあるとやった甲斐があるよね。

 

「そう言えば自己紹介してなかったね。ボクはピーター・カゲノー。君は?」

 

地面に着地したボクは自己紹介しながらエルフの少女に名前を訊いた。だけど彼女は首を横に振った。

 

「故郷を追い出された私に名前は無いわ。貴方が新しい名前を付けてくれる?」

 

「え?ボクで良いの?」

 

 突然名付け親に任命されたボクは脳をフル回転させて名前を考える。スパイダーマンに登場した女性キャラクターの名前にするか?いや、流石にボクの趣味丸出しの名前を彼女に付けるのは良くない。だけど、どうするかなぁ………。

 

 暫く考えた結果、ボクは彼女に新しい名前を付ける。

 

「"アルファ"……なんて、どうかな?」

 

「アルファ?」

 

「とある国で物事の始めを象徴する文字から付けてみたんだけど。ごめん、ボクにネーミングセンスがあればもっと可愛い名前を考えられたんだけど。嫌なら別の名前を考えるよ」

 

 ボクがそう言うと、彼女は嬉しそうに笑った。

 

「良いの。アルファ、アルファ………素敵な名前。ありがとう、ピーター様」

 

「"様"は要らないよ。ボクの事はピーターって呼んで、アルファ」

 

「分かったわ。よろしくね………ピーター」

 

 どうやら喜んでくれたみたいだ。良かった、もし物凄く嫌そうな顔をしてたらボクのメンタルが粉々の粉微塵に砕かれてたかもしれない。

 

 そう言う事で、今日からエルフの少女アルファはボクが改めて面倒を見る事になった。そうと決まれば、まずは彼女に必要な日常品集めからだ。お金に関しては大丈夫。仮にも貴族だし。亡くなった両親がボクに残してくれた財産もあるしね。

 

 ………だけど、気になる事が一つ残っている。両親の研究資料の一つである本に()()()()()()()()があったのだ。しかも、魔力操作をしないとページが捲れない様になっていた。

 

 後日にボクは魔力操作でページを捲り中を確認すると、そこには重要な内容が書き残されていた。

 

 

"魔人ディアボロス"

 

"ディアボロス教団"

 

"英雄の子孫"

 

 

 この3つの単語には、何やら途轍もない意味が隠されているのかもしれない。ボクはそう思えてならなかった。




エルフ少女の面倒を見る男、スパイダーマッ!!

次回から本格的に物語が動く………!?


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今後のストーリーでスパイダーマンのオリジナルスーツを登場させるのは?

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