前回のアンケートの結果により、今後のストーリーでスパイダーマンのオリジナルスーツの登場が決まりました。
イラストは私が普段から愛用するAIアプリで作成していく予定です。
アルファを引き取ってから既に3年が経過した。彼女には文字の読み書きや計算、自衛の為に剣術と格闘技、魔力操作を教えて来た。地頭が良いアルファはボクが教えた事をあっという間に吸収して身に付けた。剣術に関してはボクよりも才能があるくらいだ。
それと、この3年間でアルファは同じ『悪魔憑き』の子達をボクの元へ連れて来た。同じ境遇で助けたいと思う事に関しては共感出来るけど………6人も連れて来る?捨てられた動物じゃないんだけど。まあ、『親愛なる隣人』として見過ごす訳にはいかないから全員助けたけどさ。
でも、助けた子達が全員女の子とかあり得るのかな?男が1人も居なかったし、しかも皆可愛い子達でエルフと獣人だから、流石のボクも驚いたね。アルファを含めるとエルフが5人、獣人が2人の割合だ。両親の残した秘密のページにも記載されてた通り、エルフの方が『悪魔憑き』になる確率が高いみたいだ。
7人の女の子の面倒を見る事になってから、ボクの多忙さは楽しくも加速していった。
「ボスはデルタと一緒に遊ぶのです!」
「いいや、主は私とトレーニングをやる。バカ犬に構ってる暇は無い」
「デルタはバカじゃないもん!このメス猫!」
「負け犬の遠吠えは煩いから静かにしなよ、アホ犬」
「アホって言った!」
「こらー、2人とも喧嘩しない」
犬の黒髪獣人の女の子デルタと猫の金髪獣人の女の子ゼータの2人が口喧嘩を繰り広げていた。トムとジェリーみたく顔を合わせる度に喧嘩するのは止めてね、ホント。犬猿の仲と言うべきだろうけど、1人は猫だから混乱しちゃうよ。
「だってメス猫が!」
「このバカ犬が」
「はいはい。じゃあ遊びを兼ねたトレーニングをやろう。ボクが全力で逃げるから、時間内で先に捕まえた方が勝ちってルールで。勝った方には………そうだな、ご褒美を上げよう」
「「やる!」」
よし、計画通り。これで一先ず喧嘩は止まるだろう。後はボクが時間ギリギリまで2人から全力で逃げ切る。なあに、問題ないさ。マッハを超えるスピードとウェブスイングで駆け抜ける!!
「ピーター様。本日もお願いします」
「うん、構わないよ」
銀髪エルフの女の子ベータは小説や童話が好きみたいで、ボクが読み聞かせをすると隣に座って目を輝かせながら聴き入っていた。
「どんなお話をお聞かせ下さるのですか?」
「それじゃあ、今日は『ごんぎつね』にしようか。これが泣けるストーリーでさ」
「とても楽しみです!」
偶に前世の本の話をしたりする。ボクも本好きだし、ストックが尽きるまで話してあげよう。流石にアメコミヒーローはNGかな?映画『キャプテン・アメリカ』シリーズのストーリーも面白いから教えたいけど。
「それじゃあ、この前教えた曲を弾いてくれる?」
「はい、主様」
水色ツインテールのエルフの女の子イプシロンは音楽に興味がある様でピアノを少し教えている。前世の時に母さんからピアノを教わっていたからある程度演奏は出来るし、こっちの世界でも貴族の嗜みとしてレッスンを受けてるから人に教えられる程度の腕はある。
「うん、お見事!上達するのが早いね。もうピアノはイプシロンに敵わないな」
「そんな事ありません!もっと私に教えて下さい、主様!!」
「ウォッ!?い、良いよ」
イプシロンの上達スピードに舌を巻きジョークを言うと、彼女は泣きそうな顔になって叫んだ。分かった、分かったから泣かないでね。ボクが悪いみたいじゃないか。いや、悪いのはボクの方か。
「主様、この計算は正しいでしょうか?」
「どれどれ………正解!よく解けたね、結構難しい問題だったけど」
「いえ、主様のお陰です」
黒髪エルフの女の子ガンマは頭が良く、ボク独自に制作したテキストを全問正解する程の頭脳を持っている。運動面は他の子達と比べてかなり苦手みたいだけど、諦めない姿勢はボクも見習うものがある。
「それじゃあ、今度は地理の問題をやってみようか」
「はい。よろしくお願いします、主様」
勉強好きのガンマは笑顔でテキストに向き合った。うん、この勉強好きをデルタに少し移植する事は出来ないだろうか?勉強を教えると言った途端に消えるんだよな、あの子。
「マスター、それは何……?」
「ん?ああ、イータ。新しいスーツを考えててさ、デザインを描いてみたんだけど」
茶髪エルフの女の子イータが興味深そうにボクが描いてるスケッチブックを後ろから覗き込んだ。彼女は皆の中でも屈指の頭脳を持っており、ボクが話す科学を自分なりに再現してしまう程で、一緒に実験をする仲である。
「それは………猫?」
「惜しい、正解は豹だよ。デルタやゼータの様な獣人をイメージしたスーツなんだ」
黒豹をモチーフにしたそのスーツの元ネタはアメコミヒーローの『ブラックパンサー』である。
「これは原案で、このデザインに蜘蛛の要素を取り入れたいんだ。こっちが候補ね」
「1枚目は色がイマイチ。2枚目が良いと思う」
「成る程ね。ありがとう、参考にしてみるよ」
2枚目はマスクと首周りくらいしかスパイダーマン要素が無いけど、バランスを考慮するとこっちが妥当かな。
「他には無いの……?」
「お、興味持った?実は他にもあるんだよね!こっちは盾を持ったスーツでこっちが鋼鉄の鎧をイメージしたスーツ!!」
「おお」
どちらも『キャプテン・アメリカ』と『アイアンマン』とモデルにしたスーツであり、将来的にはいつか実現したいと本気で思ってる。そうしている間にボクはイータとスーツの話で盛り上がり、素材や装備について熱く語り合った。
◾️◾️◾️◾️
皆が寝静まった夜。ボクにとって夜はスパイダーマン活動の時間である。本当は昼間もパトロールに行きたいけど、義姉さんとの稽古や貴族の勉強もあって行けないので、基本的に夜の間だけとなる。
隠れ家で皆が眠っているのを確認し、スパイダースーツに着替えたボクは外へ出ようとした。
「今夜もパトロール?」
振り向くとアルファが寝巻き姿で立っていた。しまった、起こしてしまったかな。
「ごめん、起こしちゃった?」
「大丈夫よ。それより………」
謝るボクにアルファは優しく微笑みながら両手を広げた。察したボクは少し照れ臭そうにはにかみながらアルファに近付きハグをすると、彼女もボクを抱き締めてくれた。これがボクとアルファとの間に作ったルールの1つ、【行ってきますの"ハグ"】である。まあ、アルファが一方的に決めたけど。
「行ってらっしゃい。無事に帰ってきて」
「何も無かったら早く帰るよ。行ってきます」
優しく抱きしめるアルファから離れて、ボクはマスクとフードを被って夜のパトロールに向かった。年はボクと同じなのに、これじゃあアルファの方がお姉さんみたいだ。現にベータ達のリーダー的立場でボクをサポートしてくれてる。ホント、頭が上がらないよ。
「さあ、スパイダーマンタイムだ!!」
スイッチを切り替えたボクは森の中をウェブ・スイングで駆け抜ける。何も起きなければ良いけど。
◾️◾️◾️◾️
なんて、生意気な口を叩いた昨夜のボクを今直ぐ殴りたい。そんな暇無いけど。
理由は、王都の学校へ行く筈の義姉さんが行方不明になったからだ。しかも自発的に家を出たのではなく、何者かに誘拐されたらしい。そのせいでカゲノー家は大慌て。早く義姉さんを見つけ出さないと義母さんが義父さんの残り少ない頭髪を毟り取ってしまうだろう。
「義姉さん程の人がその辺の盗賊に捕まったとは考え難いし、ボクが片っ端から捕まえたから可能性は限りなく低い………」
となると、考えられるのは………ディアボロス教団だ。厨二臭いネーミングだけど、奴らは教会を裏で牛耳る程の大組織。奴らの目的は、『魔人ディアボロスの復活』と『英雄の血を継ぐ子孫の抹殺』である。
調べてみたら、『悪魔憑き』はその英雄の子孫のみに発症する現象で、教会が『悪魔憑き』を秘密裏に殺していたのも英雄の血を絶させる為であった。
義姉さんがディアボロス教団に攫われたのも、義姉さんが英雄の子孫の可能性があるからだろう。
「なら、義姉さんが居る場所は奴らの隠れアジト」
ディアボロス教団の潜伏先を印付けた地図を見て、ボクは義姉さんが囚われていると思われる場所を特定する。前からカゲノー家から遠い場所順に奴らのアジトを壊滅し、敢えて一箇所だけ残しておいたのが功を成した。自分でも驚く程に運が良い。
「急ごう」
ボクは義姉さんを救出する為に窓から飛び降り、屋敷から抜け出した。待ってて、義姉さん。
◾️◾️◾️◾️
廃村に辿り着いたボクはスパイダースーツに着替え、ディアボロス教団の隠れアジトへ向かおうとした。
「待って、ピーター」
外へ出ようとしたその時、アルファに呼び止められた。アルファだけじゃない、他の皆も集まっていた。しかも普段から着ている服でなく、統一された黒いスーツを全員が身に纏っていた。
「皆、どうしたの?それにそのスーツは、ボクとイータで作ったスライムスーツでしょ」
「ええ。必要だと思ったの、貴方の力になる為に」
ボクの力になるだって………?ボクは彼女達の意図に察してしまった。
「まさかッ」
「私達も貴方と共に戦うわ」
「ダメだ!!」
ボクは思わず叫んだ。ボクの叫び声にベータ達がビクリと震える。ゴメン。驚かせてしまった事は謝るけど、今はそんな事気にしてる場合じゃない。
「アルファ、君は自分が何を言ったのか分かっているのか?」
「分かってるわ。ディアボロス教団に攫われたクレア様を救いに行く貴方に着いていくと言ったの」
彼女達がどうしてボクがディアボロス教団のアジトに向かおうとした事を知っているのかは分からないが、気にせず彼女達を説得し続けた。
「ボクがやろうとしているのは君達がいつもやってる遊びでもトレーニングでもない。下手すれば命を落とすかもしれないんだぞ」
「大丈夫よ。貴方に鍛えられたから、全員自分の身は自分で守れるわ」
「ボクが君達を鍛えたのは危険な目に遭わせる為じゃない!!君達に生きて欲しいからやったんだ!!」
考えを変えないアルファにボクは怒りを込めて叫んだ。そうだ。ボクがこれまでアルファ達を鍛え見守って来たのは、彼女達が将来此処を出ても生きていける様にする為だ。間違ってもボクのスパイダーマン活動を手伝わせる為じゃない。
これは、ボク独りでやらなくちゃいけない事だ。
「ピーター、聞いて」
アルファは怒るボクを落ち着かせようと手を握り、真っ直ぐな目でボクを見た。
「貴方は今まで私達を助け、守ってくれた。私達だけじゃない、沢山の人達の為に貴方は戦っている」
「そうだ。それがボクの責任だから」
「そう。貴方は貴方の意思で自分の責任を果たそうとしてる。だから、私達も私達自身の意思で貴方の力になると決めたの」
アルファの強い意思の籠った瞳にボクは言葉を詰まられた。だけど、彼女達を危険に晒す訳にはいかない。
「それでもダメだ」
「
「それはッ………!」
「貴方が私達に言ってくれた言葉。そして、貴方がスパイダーマンとして戦う理由。なら、私達は"この力"で貴方を………スパイダーマンを支える事が私達の"責任"なの」
今度こそボクは言葉を完全に詰まられた。それを言われた以上、ボクは彼女達を止める事が出来なかった。
………こうなった以上、ボクも腹を括るしかない。
「………約束して欲しい。危険だと思ったらボクを置いて逃げるんだ。ボクが命を懸けて君達を守ってみせる」
「そんな事にはならないわ。私達が貴方を守るから」
アルファは挑発する様に笑って言った。後ろの皆も同様なリアクションをしたのを見てボクは溜め息を吐いた。そんな風に育てた覚えは無いんだけどなぁ。
「分かったよ。なら………これからボク達は、チームとして動く」
ボクは皆の顔を見ながら宣言する。もう、後戻りは出来ない。彼女達を巻き込んでしまったのは、ボク自身の弱さが原因だ。
それでも、ボクは皆を守ってみせる。ボクを守ると言ってくれた皆を。
「チーム名は………『アベンジャーズ』。ボク達はボク達の正義を持って、悪と立ち向かう」
さあ、
仲間と共に義姉の救出に向かう男、スパイダーマッ!!
そして、今回のストーリーで結成したチーム【アベンジャーズ】が本家のシャドウガーデンの代わりとなっております。
シビル・ウォーが勃発するかはまだ不明………。
唐突ですが、主人公ピーター・カゲノーのイメージソングはキナニタツヤさんの『スカー』です。BLEACH千年血戦編のOP曲であるこの曲ですが、ピーターのこれからの運命にピッタリだと思ってリピートしながらストーリーを描いてます。
早くピーターの顔を一護並みに曇らせたいです(ゲス笑)。
感想ありましたらコメントお願いします。
主人公ピーター・カゲノーの正妻ポジションは誰が良い?
-
アルファ
-
ベータ
-
ガンマ
-
デルタ
-
イプシロン
-
ゼータ
-
イータ
-
七陰〔仮〕の全員(共有財産として)