前回のアンケート結果により、アルファ達の呼び名は『セブンスターズ』に決まりました。
ご協力ありがとうございました。
そして、今回から【ミドガル魔剣士学園編】に突入します。
episode.8
アルファ達との別れたあの日から2年後。ボクは15歳になり、王都にある『ミドガル魔剣士学園』に入学した。まあ、入学してからもう2ヶ月が経ってるけどね。
「フーフフン♪フーフフン♪」
王都にある建物の屋上に座るボクは『スパイダーマンのテーマ』を鼻歌しながら今朝パン屋で買ったばかりのベーグルを頬張る。うん。モチモチとした食感と生地に練り込まれたナッツが合って美味しい!幾らでも食べれちゃうね。
「おっ?」
すると、王都の街中を歩くお婆さんの横を男が鞄を掻っ攫って走り去る光景を捉えた。朝から窃盗なんて、王都も物騒だよね。此処はニューヨークや『バットマン』に登場するゴッサムシティかな?
「さて、今日も元気に出動だ!」
食べかけのベーグルを口に放り込み、マスクとフードを被り直して屋上から飛び降りる。落下しながらウェブ・スイングで街中を移動し、窃盗犯へ接近する。
「グッモーニング♪こんな爽やかな朝から盗みだなんて感心しないね!」
「な、何だ!?」
窃盗犯に朝の挨拶を交わしながらウェブで拘束し、近くの街灯に吊し上げた。勿論、盗んだ鞄は既に赤ちゃんの如くボクの腕の中。安眠間違いなし!ベビーシッターのバイトやるのもありか?ママさんや赤ちゃん達に人気出ちゃうかな?
「テメェが王都を飛び回ってるスパイダーマンとか言う奴か!?」
「その通り!オジさん、"人の物を取ったらダメよ"って子供頃にママから言われなかったの?盗みなんかするより道端に落ちたゴミ拾いをしてた方が人の役に立つんじゃない?そして王都も綺麗になって一石二鳥!一先ず、憲兵さんが来るまでそこで大人しく反省してなよ」
「巫山戯んフガッ」
怒った窃盗犯のオジさんの口を塞いだボクはお婆さんの元へ駆け寄って鞄を渡す。
「はい、お婆さん。朝から災難だったね」
「ありがとうね〜。助かったよ、スパイダー
「惜しい!ボクの名前はスパイダー
「あら、ごめんなさいね〜」
「良いよ!今度から間違えないでね。それじゃ!」
お婆さんからお礼を言われたボクは直ぐにその場からウェブで飛び去る。そんなに"スパイダーマン"と"スパイダーボーイ"って間違えやすいかな?
「よう、スパイダーマン!朝から頑張ってるな!卸したばかりのリンゴだ、食っとけ!」
「良いの?ありがとう!丁度朝食後のデザートが欲しかったんだよね!」
市場の近くを通ると八百屋のオジさんからリンゴを貰った。ラッキー♪此処の野菜とフルーツはどれも新鮮で美味しいのばかりなんだよね。プライベートでもよく通うくらいだ。
「スパイディ、こっち来てくれ!魚運ぶの手伝って欲しいんだ!」
「良いよ!ワオッ!?どれも新鮮だね」
「当たり前さ。ウチは新鮮さが売りだからな!」
ボクが箱に入った新鮮な魚に驚くとお兄さんが自慢げに言った。うーん、今夜はムニエルにしようかな。カルトッチョも良いな。
「スパイダーマーン!今度はこっちのお花並べるの手伝って〜!」
「良いよ!どれもお姉さんみたいに綺麗なお花達だね!」
「もう、揶揄わないで!そんなに褒めてくれるなら後で貴方に花束をプレゼントするわ」
「やった♪部屋に飾るね」
「その次はこっちに来てくれよ!」
「次こっちお願いね!スパイダーマン!」
「はいはーい!順番に行くからちょっと待ってて!!」
次々に頼まれて朝からスパイダーマン活動は大忙しだ!学校間に合うかな………。
◾️◾️◾️◾️
「ふぅ〜〜、何とか落ち着いたよぉ」
あの後ボクは急いで制服に着替えて全力ダッシュで登校。朝からバタバタだったな〜。けど皆の役に立てて良かった。
「あ。今日も載ってる」
ボクは学園の中庭に置かれた椅子に座って今朝買った新聞に大きく掲載された記事を見た。内容はスパイダーマンに関するアンチ記事である。
「まさかこっちの世界にも居たんだね。"JJJ"」
"JJJ"。本名はジェイ・ジョナ・ジェイムソン。原作『スパイダーマン』にも登場する新聞会社『デイリー・ビューグル』の社長で、ケチで頑固な性格をしているけど何処か憎めない名物キャラ。
そして、生粋のスパイダーマンアンチの代表キャラでもある。まさかこの世界にも居ただなんてボクも記事を読むまでは知らなかったよ。しかも本家同様で新聞会社の社長だし。
「なになに?『昨夜、夜の王都で起きた暴力事件をスパイダーマンが解決。だが奴はマスクを被った不審者の塊であり、いつか大きな事件を引き起こすに違いない。あの巫山戯たマスクを被った蜘蛛男が居る限り、王都に安息は訪れないだろう』………か。相変わらずの辛口コメントだね」
「何が辛口コメントなんだ?」
ボクが記事の内容に感想を呟くと、目の前に立っていた男子生徒が訊いた。ボクは彼の姿を見て挨拶する。
「おはよう、ハリー」
「ああ。おはよう、
金髪が目立つ容姿端麗な男子生徒はハリー・オズボー。ボクのクラスメイトの1人で、原作『スパイダーマン』の登場キャラクターであるハリー・オズボーンと名前が似ている。
ちなみに"ピート"と言うのはハリーがボクに付けたあだ名だ。ボク自身も結構気に入ってる。
「それで、何が辛口コメントなんだ?」
「今日の新聞にまたスパイダーマンのアンチ記事が書いてあって、それを読んでたんだ」
「教室で読んだらどうだ?」
「ヒョロとジャガに邪魔されるに購買のサンドイッチを賭ける」
「………それもそうだな」
ボクがそう言ったらハリーは呆れ顔で溜め息を吐き、ボクの隣に座った。え?先に教室へ行って良いのに。
「それで、スパイダーマンのアンチ記事だったか?」
「あ、うん。そうそう。結構辛辣な内容が書いてあったから気になってさ。スパイダーマンは王都の皆の為に頑張ってるのにね」
ボクがそんな事を言うと、ハリーは真剣な顔をしながら言った。
「だが、彼は何処の騎士団にも属さず自警団として自分勝手な活動をしている身だ。彼を煙たがっている記者の心情も理解は出来る」
「ハリーってスパイダーマンアンチだっけ?」
「別にアンチとかじゃない。………ただ、人助けがしたいなら正規の活動をすべきだと思っただけさ」
ハリーの言葉にボクは何とも言えない心情になった。そしてボクは本心を混ぜて言った。
「スパイダーマンなりに考えた上での行動じゃない?騎士団に入るより自警団の方が自由に人を助けられるとか」
「確かに騎士団より自警団の方が自由に動けるかもしれない。だけど、正義には秩序が必要なんだ。もし彼を真似する人が出て来て、その人が死んだらどうする?それこそ本末転倒だろ」
「それを言ったら騎士団に憧れた人が勝手に人助けしちゃう場合もあるでしょ?」
「それもそうだが………」
今度はハリーが何とも言えない顔になったので、ボクは謝罪する。
「ごめん。ハリーを困らせるつもりは無かった。よし、この話はお終い!教室へ行こう。どっちが先に辿り着くか競走だ!負けたらお昼奢ってね!」
「あ!?ズルイぞ、ピート!」
ボクはそう言って教室目掛けてダッシュした。遅れたハリーは慌てて後を追い掛ける。
さっきのハリーの言葉で少し心にモヤモヤが残っているけど、お昼の為に競走は勝つ!
競走はボクが勝ち、ハリーにお昼をご馳走になった。やったね!
◾️◾️◾️◾️
「ピーター・カゲノー君。私と付き合って下さい」
「…………………………何で?」
放課後。学園の屋上に呼び出されたボクは、肩まで切り揃えた白髪に、切れ長の赤い瞳が特徴の女子生徒。ミドガル王女のアレクシア・ミドガルから突然の告白を受けた。
……………もう一度言うけど、何で?
何故か王女に告られた男、スパイダーマッ!!
過去のアンケートに従い、原作『スパイダーマン』の名キャラクターをオマージュしたオリジナルキャラを2人登場させました。
これから次々に登場させる予定です。
【ピーター・カゲノー(15歳)】
【挿絵表示】
【ハリー・オズボー】
【挿絵表示】
感想ありましたらコメントお願いします。
アレクシア・ミドガルをサブヒロインにするのは?
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あり(花◯香菜さんボイスは良い文明)
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なし