【カオ転三次】覚醒したは良いけれど、終末より前に自分の状況が終わってない?   作:エリム

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伝説じゃなかったのか…
皆さんありがとうございます!


嚆矢濫觴ー1

 紅い月光で染まる障子

 外からはうめき声や甲高い鳴き声のようなものや、パチパチと燃える音が聞こえる大きな和室

 

 (声が、出せない・・・)

 

 そんな場所に、ボクとおばあ様とお母様の三人はいた。

 しかし、外と同じく三人も異常だった、

 見た目は普通なボクでも声を出すことができず、母様は・・・

 

ー祓え給え 清め給え 神ながら守り給え 幸い給えー

 燃えながら(・・・・・)ボクを抱きしめて祈りを捧げる。

 まるでーいや、確実にこれが最後にして最大の愛情だと言わんばかりに。

 そして・・・

 

ー・・・祓へ給ひ清め給へと白す事を聞こし召せと 恐み恐みも白すー

 その横で足元から凍り付きながらも(・・・・・・・・・・・・)長い詞を詠みきったおばあ様が、ボクの右手首に数珠のようなブレスレットをつける.

 そして、隣に置いてあった小刀で普段から首にかけているーというか、外すと結構怒られたーお守り袋を切り落とした。

 

 ”プツン”

 

 その瞬間、まるで首の紐と一緒に自分の中に今まであった何かが切られたように感じ、強烈な眠気がボクを襲う。

 

 (待って!まだおばあ様たちと話したいことが・・・!)

 

 そう思って何とか眠気を振り払い、声を出そうと息を吐くものの声帯は震えず、更に身体も金縛りになったように動かない。

 どんどん意識も落ちていく中、優しく頭と背中を撫でられ、おばあ様と母様の言葉が聞こえる。

 

 「色々と思うところや無念もあるが、悠希に望むのは達者で往生して欲しい。それだけじゃ。他は全て些事でしかない。」

 「お母さん、お仕事ばかりであまり一緒にいてあげられなくてごめんね。けど、悠希のことを忘れたことはひと時もなかった。悠希、愛してる。幸せに生きてね。」

 「ここなら魑魅魍魎は来ぬ筈じゃ。これだけの異界、根願寺や忌々しいメシアの者どもが放ってはおかんじゃろう。その隙をつけば生き延びることができるはずじゃ。…すまんが、わし等にできるのはここまでじゃ。」

 「何が何だかお母さんバカだからよくわかってないけど、悠希は頭もいいしきっと大丈夫。だからー」

 

 とうとう眠気に逆らえず意識が闇に落ちるその間際、聞こえたのは「「またね(の)」」という二人の最期の言葉ー

 それを最後にボクの記憶は闇に包まれた。

 転生を自覚してからを、走馬灯のように振り返りながら・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 ボクがしっかりと”俺”を思い出したのは、6歳の誕生日だった。

 それまでも日常のふとしたところに何とも言えない違和感ー”俺”思い出してからそれは既視感だと理解したーはあったものの、きっかけとなったのはその時貰った誕生日プレゼント。

 偶然なのか必然なのか、それは”俺”が6歳の時に貰った腕時計。それによって生じた途轍もない既視感は”俺”を思い出す呼び水となり、膨大な記憶の奔流でボクは気絶してしまった。

 目が覚めてから第一にせっかく仕事を早めに切り上げて帰ってきた母様や、お祝いの料理を作ってくれていたおばあ様に謝ったのは親戚中で笑い話になったらしい。

 それはともかく、”俺”を思い出したボクは落ち着いた後、相違点を探すことにした。

 ”俺”は記憶に残ってる限り21歳男性。両親は母が小学校に入る前に病死して父子家庭。高校を出て通信インフラの会社で働いていた。趣味は動画サイトを中心にしたネットサーフィンやゲーム、ラノベといった現代の若者オタクだけど、仕事の都合やや仲の良かった同級生が自衛隊にいたからミリタリーもかじっていた。

 ちなみに最期は自転車に乗っていたら子どもが飛び出してきて、慌てて避けたら電柱に激突・・・までなので多分打ち所が悪かったんだと思う。

 対してボクは、現在小学校に入学したての1年生。”俺”は10月が誕生日だったけどボクは4月8日が誕生日。家族は母様とおばあ様の3人家族で、おばあ様が普段はボクのことを見てくれている。(父親は少なくとも3歳の頃にはいなかった)

 まあ転生したわけだし、生い立ちが違うのは当たり前。当然時代も違うのだけど、なんとびっくり!”俺”が生まれるよりも前の時代だった。

 けど、逆行転生とは違うようで歴史が少し違う・・・というより、明らかに未来を知ってる人間が干渉したとしか思えない世界だ。

 特にサブカルなんかは明らかに未来の作品が数本存在して、見つけた時は愕然としてしまった。

 

 「本当、転生者(お仲間)は好き勝手してるよね。・・・まぁ面白かったけど」

 

 そんな感じで転生を自覚してから二週間。

 色々落ち着いて最近の趣味はネットサーフィンで情報収集。

 もっとも、家にパソコンは無いから市民図書館の貸し出しインターネットを使ってる。

 この時代、”俺”の時はダイヤル接続だった気がするけど、こうして簡単に借りられるということはもう少し進んでいるのだと思う。これも転生者(お仲間)が干渉してるんだろう。

 

 「さてと。今日もやっていきましょうか」

 

 今捜しているのは転生者(お仲間)、または転生者(お仲間)に関する情報だ。

 細かい差異は調べれば多くあるものの、明らかに干渉と思える出来事が起こっているのはここ10数年あたり。そして個人と考えるには幅が広すぎる分野で起こっている以上、複数人やもしかしたらコミュニティがあるかもしれない。

 やっぱり同郷(?)の人間がいると思うと話してみたくなるもので、こうしてネットの海にほとんど毎日潜っている。

 もっとも、成果は今の所あまりないのだけど。

 

「やっぱり、母様に連絡手段が欲しいとか言って携帯でも買ってもらう?けど、ネットになんて接続したら通信料高そうだし・・・そもそも、いくら勉強は問題なくてもずっと携帯弄ってたら怒られるよね。う~ん・・・」

 

 この貸し出しインターネットは利用時間が1回90分までになっている。

 規約上は順番待ちの人がいなければ受付に言って連続で借りられるのだけど、先週の日曜日にきちんと待ち人がいないことを確認して連続貸し出しをお願いしに行くと何故か叱られて学校にも通報された。

 次の日。担任の先生から「たくさんの人が使うものを独り占めしてはいけない」と怒られたけど、「ボクは規約上問題ないから借りようとしたんですけど」とすごく言いたかった。

 この時間的制約が、実のところ1番大きなネックなのだ・・・

 

ーー閑話休題ーー

 

 そんなことを思いながら「これも違う、こっちも違う」とネットの海を彷徨い、「今日も収穫なしか~」と諦めかけたその時、その掲示板にボクは辿り着いた。

 最初はよくあるオカルト系だと思った。実際、何個かはそういうサイトを見つけていたし。

 しかし、アクセスすると転生者でなければ知らないような知識をパスワードとして求められ、「見つけた~!」と思わず叫びそうになった。

 同郷の人間と話すことができる・・・とドキドキしながらURLをメモした後パスワードを打ち込み、まずは雰囲気を掴もうと手頃なスレを覗いてみる。

 しかし、そこに書かれていた情報を見て、ボクは別の意味でドキドキすることになった。

 

 「・・・え?ここって【メガテン】の世界なの?」

 




平坂 悠希(ひらさか ゆうき)
今作主人公
見た目のイメージは(この時点では)黒に近い焦げ茶色の髪に黒目の男の子。ただし、母が美容師なため肌ケアや髪の手入れもしっかりされてるので、服装によっては女の子にも見える。覚醒前からロリ属性は見え隠れしてたのだ…
本人は【ちょっと信心深くて古い因習が残ってる一般家庭】だと思いこんでいたが、実歳は霊能力者一族の傍系。
もっともこれは前世も歴史だけはある一族だったため、所々おかしな所があってもこんなものだと素直に受け入れていたから。
オカルトが実在する世界での因習…そういうことですね。
ちなみに母親は具体的なオカルト知識や力は持っていません。

こんな感じで本編で表しにくい設定はあとがきで書いていこうと思います。
質問なども先の展開に関わってこなければ答えますのでお気軽にどうぞ!感想、誤字報告なども大歓迎です。
それでは、また次回お会いしましょう!
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