【カオ転三次】覚醒したは良いけれど、終末より前に自分の状況が終わってない?   作:エリム

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筆が乗ったので早めの次話投稿。
いつもこれくらいスルスル書けたらな〜
それではどうぞ!


嚆矢濫觴ー2

転生者の掲示板というコミュニティ発見の嬉しい出来事と、ここが【メガテン】世界かもしれないという衝撃の事実を知った次の日。

ボクはまた掲示板を覗くために図書館に来ていた。

…何しろ昨日は見つけたのが本当にギリギリで、詳しいことは全然知ることができなかったのだ。

 

「すいません。パソコンって今借りられますか?」

「ハイ・・・ハァ、またキミ?いつも来るけど一体何してるの?」

「調べものです。はい、カードです」

「偶には友達と遊んだりしても良いと思うけど・・・はい。2番のパソコンね。今日は岡田さん・・・この前のおばさんいないから大丈夫だと思うけど、一応ルールは守ってね」

「ありがとうございます。それじゃあまた後で」

 

ここ半月、ほとんど毎日来ているので図書館の職員さんからは「また来たのか」といった感じの視線を感じて少し居心地が悪い。

一番気さくなのは今日担当してくれたお姉さん。

一番めんどくさいのはこないだの日曜日の人だ。今日はいなくて良かった。

まあ、それぐらいじゃ通うのは止めないのだけど。

 

女神転生シリーズ、通称【メガテン】

ダークな現代ファンタジーの世界観で展開されるゲームシリーズ。派生作品も多くコアなファンが多いゲームで“俺”も多少遊んだことがあったけど、その世界に生きるとなれば話は違う。

何せ基本的に簡単に人が死ぬゲームだった。そうでなくとも派生作品も含めて大体人類文明は崩壊するし、そこまで行かなくても東京は酷い目に遭う。

ゲームならともかく、現実で首都が滅びたら普通に大混乱間違いなしだ。

とりあえず、知ってる作品の世界なら多少は対策できるのだけど…

 

「うせやろ…」

 

そんな淡い希望も掲示板を読み進めていくうちにあっさり打ち砕かれた。

簡単に纏めると

·この世界には【メガテン】及びその派生作品に登場した組織、存在、技術が粗方実在する。

·このためこの世界がどの作品の世界線かは不明。何ならどの世界線でもない可能性や、逆に全ての作品の世界線が共存している可能性もある。

·少なくともオカルト的には既存文明の崩壊ー【終末】の予兆は出てき始めていて、おそらく避けることは難しい。

·幸い転生者は霊的素質が高いため、力はつけやすい。だから皆で協力して【終末】乗り越えようぜ!

ということらしい。

所々知らない単語があるけど、全部の作品をやってた訳では無いし知識の抜けもあると思うのでそこは一旦置いておいて、大事そうなところのメモを取っていく。

小学校の帰りなので書くものには困らない。

それにしても頭を抱えたくなる状況だ。

とりあえず、手ごろに裏取りがしやすそうだったので試しにシリーズ通して悪名名高い【メシア教】を検索してみるととあっさり見つかった。というか、一神教系の最大宗教だった。

興味が無かったから気にしなかったけど、街にある教会の大半はメシア教っぽい。怖いからできるだけ近寄らないようにしよう。

それにスレにあるように、不可解な事件や情報操作されてるような事件も多かった。山奥なんかが多いから影が薄いけど、崩落や土砂崩れで通行禁止が2桁単位で起きるのは流石に異常だよ。

 

「ただまぁ、転生者は力をつけやすいっていうのは救いだよね」

 

この世界、一般人はレベル0だ。【覚醒】してレベル1にならなければオカルトを認識することも難しい。

オカルトが存在するのに認識できない。つまりそれはオカルトに遭遇した場合、何が起きたかも分からずにただ死ぬしかないということだ。一応、高位の存在だったり【異界】の中といった特殊な状況なら認識できるらしいけれど、対抗手段がなければ結果は一緒、

というか下手に認識できてる分、普通に死ねるかもわからない。伊達に【普通に死ねたら幸せな世界】ではないということだ。

だったら【覚醒】すればいいとなるわけだけど、これは言うは易く行うは難しの典型。

何せ転生者でない人々、スレの言葉を借りると【現地民】が【覚醒】するには大変で、霊能力者を名乗っているのに【覚醒】していなかった人もいたらしいし【覚醒】していても低レベルなことが多いらしい。

これは成長限界っていうのも関わっているらしくて、普通は直ぐに伸び悩んでしまうそうだ。

その点、転生者は【転生】という神話体験を経験しているからか、総じて霊的素質が高く比較的【覚醒】しやすくて成長限界も遠いとらしい。

もっとも、ある程度は才能に左右されてしまうみたいだけど。

だけど試してみる価値はある。

どうやら覚醒修行を行うオフ会も定期的に開催されてるみたいだし、次・・・のは時期的に予定があるから、その次のやつにに参加してみるのも良いかもしれない。

 

「それにしても、組織の名前遊びすぎでしょ。安価で決めたりなんてしてるから本部なのか支部なのかよくわからなくなってるし」

 

今日は時間があるので気になったことを調べたりしながら、様々なスレを覗いてみた結果分かったことがもう一つある。それはこの転生者コミュニティは組織としての名前があるということだ。

その名も【ガイア連合山梨支部】。

どう考えてもふざけているけど、ネットでのおふざけが好きな転生者ー”俺ら”らしいといえばらしい名前なのかもしれない。

 

そんな感じでメモを取ったりしながら有意義なネットサーフィンを終えて、現在は帰宅の途。

いつも通る小さな神社の前を過ぎたときふと思った。

 

「オカルトがあるなら、もしかしてこれにも意味がある?」

 

そうして服を引っ張って見つめるのは自分の胸元・・・というより服の下にあるいつも首からかけているお守り袋。

お風呂やプールの時など、どうしても外さないといけないとき以外は絶対外してはいけないと言われているコレ。

外す時もいつも待たされる水を飲んでから。と口酸っぱく言われているボクが物心ついた時にはもう身に着けていた、もはや身体の一部のようなもの。

 

「ヤバい。ただの信心深い家だと思ってたけど、状況証拠は充分にそういう家である可能性を示してるよ」

 

例えばこのお守り袋。

例えば家にある多数の神棚。

例えば変わった礼儀作法や習慣。

例えば叔父家族の住んでる妙に大きな家。

今まで流していた反動もあるのか、思えば思うほど増していく疑問。

 

「・・・やめやめ。ここで悩んでも答えなんて出ないし、おばあ様にそれとなく聞いてみよう。もしかしたら本当にただの信心深くて色んな風習が残っているだけかもしれないし」

 

頭を振り、とりあえず疑問を後回しにして再び道を歩き始める。

そう。別に怪しいところはあっても確定したわけではないし、仮にそう(・・)だとしても今まで伝えなかったということは何かしらの理由があるはず。

なら探りを入れながら、どんな状況になっても大丈夫なように心構えと情報収集をしておくのがベターだと思う。

 

「おばあ様ただいま~」

「お帰り悠希。手を洗ったら”ほの様”達にも挨拶するんじゃよ」

「はーい」

 

近いうちに変わってしまうかもしれない日常だとしても、無理に壊す必要はないのだから。




はい。半分説明と露骨な伏線張りの回でしたね。
説明はある程度端折ろうかとも思ったのですけど、一応書いておいたほうがいいかなと考えまして。
感想であったのですが、時期としては本家様の★ガイア連合地方派遣社員スレ その8の少し前、つまりガイア連合が全国の裏業界である程度認知された頃が今のイメージです。
それでは、できるだけ次も早く上げたいと思いますのでこれからもよろしくお願いします。
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