アウラ「じにだぐないよおおおおおおお!!」 作:まっしろたまご
とある街の宿屋。フリーレンが宿泊している部屋で、アウラは共同生活を送っている。
「アウラ。フェルンたちは?」
「二人で買い物に行ったわよ。仲睦まじくていいことね」
「そう」
再び魔導書に目を落とすフリーレンを、アウラはじっと見つめている。それはもう、流石のフリーレンも居心地が悪いぐらいに。
「アウラ。お前も何かすれば?じっと見られるのはあまり居心地のいいものじゃないんだけど」
「命令以外の行動は起こせないわよ」
「そう」
どうしたものか。そう悩みかけたフリーレンの頭に、一つの妙案が浮かぶ。
「そうだアウラ。そこに正座して」
「改まって何よ。別にいいけれど」
周りに布がないのを確認して、フリーレンは『とある薬』をアウラにぶっかけた。
「えっちょ何これ冷たいっ?!せめてかける前に説明しなさいよ!?」
「ごめんごめん。それは『服だけ溶かす薬』だよ前々から魔族の服には興味があったんだ。殺したら一緒に消えるし」
「セクハラもいいところじゃない!!!
じわじわとお馴染みのアウラの服が溶けていく。あっという間に、アウラはフリーレンにひん剥かれてしまった。
「魔力で構成されてると思ったんだけど……溶けるものなんだね」
「元は魔力でも服は服よ。溶けるに決まってるじゃない」
「それもそうか」
「ところで、替えの服は……?」
「……」
正直な話、フリーレンは全く溶けるとは思っていなかった。薬も外に出して水でもかければいいと思っていたが故、ここでの彼女はしょんぼりとする他ない。
しかし、ここでフリーレンに電流走る。俗にいいう『魔法の応用』。本来の用途ではないが今使えそうな魔法に心当たりがある。
「あっっつつつ!!!なに?!今度は何?!」
「いい感じの温度のお茶を出す魔法だよ。薬を洗い流せるかなって」
「倫理や道徳はどこ行ったわけ?!場所を弁えなさいよ!!」
「魔族に道徳を説かれる筋合いはないよ」
しばらくアウラの絶叫が響き渡った後、コンコンと扉がノックされた。
「戻りましたよフリーレン様。そろそろ晩ごはんに———」
「どうしたフェルン?」
「シュタルク様には少し刺激が強いので下がっていてください」
帰還したフェルンの目に飛び込んできたのは、一糸纏わぬ姿にひん剥かれ、お茶まみれにされたアウラの姿であった。七崩賢も落ちたものである。
「フリーレン様、もしかしてこれは……」
「うん。アウラに服を溶かす薬を使ってみたんだ」
「シュタルク様に使おうと思ってたのに……」
「どうかした?」
「どうもこうもありません」
プクーと完全にむくれてしまった。その後フェルン怒りの三つ編みが二人に炸裂し、流石にアウラには新しい服が与えられた。
彼女が数日怒りっぱなしだった理由を知らなかったのは、4人のうちシュタルクだけであった。