アウラ「じにだぐないよおおおおおおお!!」   作:まっしろたまご

2 / 2
『セクハラも受け入れようじゃない』

 とある街の宿屋。フリーレンが宿泊している部屋で、アウラは共同生活を送っている。

 

「アウラ。フェルンたちは?」

「二人で買い物に行ったわよ。仲睦まじくていいことね」

「そう」

 

 再び魔導書に目を落とすフリーレンを、アウラはじっと見つめている。それはもう、流石のフリーレンも居心地が悪いぐらいに。

 

「アウラ。お前も何かすれば?じっと見られるのはあまり居心地のいいものじゃないんだけど」

「命令以外の行動は起こせないわよ」

「そう」

 

 どうしたものか。そう悩みかけたフリーレンの頭に、一つの妙案が浮かぶ。

 

「そうだアウラ。そこに正座して」

「改まって何よ。別にいいけれど」

 

 周りに布がないのを確認して、フリーレンは『とある薬』をアウラにぶっかけた。

 

「えっちょ何これ冷たいっ?!せめてかける前に説明しなさいよ!?

「ごめんごめん。それは『服だけ溶かす薬』だよ前々から魔族の服には興味があったんだ。殺したら一緒に消えるし」

「セクハラもいいところじゃない!!!

 

 じわじわとお馴染みのアウラの服が溶けていく。あっという間に、アウラはフリーレンにひん剥かれてしまった。

 

「魔力で構成されてると思ったんだけど……溶けるものなんだね」

「元は魔力でも服は服よ。溶けるに決まってるじゃない」

「それもそうか」

「ところで、替えの服は……?」

「……」

 

 正直な話、フリーレンは全く溶けるとは思っていなかった。薬も外に出して水でもかければいいと思っていたが故、ここでの彼女はしょんぼりとする他ない。

 

 しかし、ここでフリーレンに電流走る。俗にいいう『魔法の応用』。本来の用途ではないが今使えそうな魔法に心当たりがある。

 

「あっっつつつ!!!なに?!今度は何?!」

「いい感じの温度のお茶を出す魔法だよ。薬を洗い流せるかなって」

「倫理や道徳はどこ行ったわけ?!場所を弁えなさいよ!!」

「魔族に道徳を説かれる筋合いはないよ」

 

 しばらくアウラの絶叫が響き渡った後、コンコンと扉がノックされた。

 

「戻りましたよフリーレン様。そろそろ晩ごはんに———」

「どうしたフェルン?」

「シュタルク様には少し刺激が強いので下がっていてください」

 

 帰還したフェルンの目に飛び込んできたのは、一糸纏わぬ姿にひん剥かれ、お茶まみれにされたアウラの姿であった。七崩賢も落ちたものである。

 

「フリーレン様、もしかしてこれは……」

「うん。アウラに服を溶かす薬を使ってみたんだ」

「シュタルク様に使おうと思ってたのに……」

「どうかした?」

「どうもこうもありません」

 

 プクーと完全にむくれてしまった。その後フェルン怒りの三つ編みが二人に炸裂し、流石にアウラには新しい服が与えられた。

 彼女が数日怒りっぱなしだった理由を知らなかったのは、4人のうちシュタルクだけであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。