グラファ殿との会談の翌日、闇魔殿には二人の勇士が訪れていた。「暗黒界の鬼神 ケルト」、「暗黒界の闘神 ラチナ」。暗黒界が誇る両翼が、我の前に跪く。
「良く来てくれた、ケルト。ラチナ。短い間であろうが、よろしく頼むぞ」
「「御意!」」
グラファ殿の好意、決して無駄にはするまい。決意を固め、闇魔界の参謀と共に作戦を練り始めた。
「エビルナイト・ドラゴンの討伐に向かうのは我、ケルト、ラチナ、暗黒界の戦士達、ダークソード、騎竜、ジェノサイドキングデーモン……はいないから、シャドウナイトデーモンを始めとしたチェスデーモン達……戦力面は十分だろう。後はどうやって奴を追い詰めるかだが……」
「奴は空中から攻撃してくる筈です。私とラチナ様は後方支援に回りますので、ダークソード殿と騎竜を中心として攻めたてるのはいかがでしょうか」
ラチナの右腕として活躍する、「暗黒界の策士 グリン」が言った。暗黒界随一の頭脳を持つ彼は、ラチナからの信頼も厚い。その為、このように率先しての発言が許されている。
「なる程……確かに私は空中戦は苦手だし、ラチナも近接戦闘には向いてない……ここはダークソードに任せる方が良いか」
ケルトも頷く。闇魔界の弱点の一つとして、空中で戦える戦力がダークソードくらいしかいないという点がある。暗黒界のように弓を扱える者も少なく、チェスデーモンや我はもっぱら地上戦向きだ。それがここまで痛手になって来るとは……この戦いが終わったら戦力増強を第一に考えねばならんな。
「ではダークソードと騎竜を中心に空中戦を展開、我とケルトはその援護、ラチナは後方支援に回る。これで良いな?」
「このダークソード、覇王様のご期待に答えましょう!」
「「暗黒界の誇りに賭けて!」」
今この時をもって、強力な邪竜討伐部隊が完成したのだった。
会議が終わった後、闇魔界に訪れた暗黒界の戦士達は宿で休息を取っていた。「暗黒界の騎士 ズール」が宿泊する部屋に、一人の客人が訪れる。
「失礼する。……久しぶりだな、ズール殿」
「ダークソード殿か。ライトロードとの戦争以来だ」
二人は先の戦争を通じて知り合った仲であり、共に切磋琢磨するライバル同士でもある。ダークソードは闇魔界産の酒を取り出し、コップに注いだ。ズールは「頂く」と一言言い、それを飲み干した。
「やはりここの酒は美味い。暗黒界には無い味だ」
「だろう。その点では自信がある」
「貴殿が醸造している訳ではなかろうに」
部屋に、明るい笑い声が響く。
「それにしても貴殿は相変わらずその長剣だけか」
「その短い剣ではいくら振ろうとも敵には当たらぬだろうよ」
「では試してみるか?」
「貴殿に『酔っ払いに剣を向けた者』という名が付くが、いいか?」
「なら止めておこう。また今度だ」
大きく湾曲した剣を操る二刀流のダークソード、まっすぐで巨大な長剣を操るズール。正反対だが、共に両界一の戦士と名高い。その異名のおかげで幾度となく剣を交わらせてきたが、それを通じてここまでの仲になれたと両者が思っている。
ダークソードとズールが部屋で過ごしている時……
「やっぱ二人とも我より強
「「いえいえそんな事は有り得ません決して!!」」