エビルナイト・ドラゴンの討伐が終わってから数日、我はこの間絶好調だった。なんせ失っていた力を取り戻した事で体は巨大化し、攻守も上がったからだ。勿論ケルト達よりも強くなり(元々上だったと信じたいが)グラファ殿に並ぶ程強くなれた。これなら安心して闇魔界の強化に取り組める……と思っていたが、そうはいかないらしい。「
「その者達は何故避難してきた?」
「以前は平和に暮らしていたそうですが、ある日突然悪魔の軍勢に襲撃されたと……応戦しても圧倒的な力の差に敗北、逃亡の途中にも数を減らし、僅かな者が保護されている状態です」
「……悪魔の軍勢?特徴は?」
「それが、まだ聞き出せていません。傷がある程度回復するまでは……」
「そうか。なら、回復するのを待とう。だがその悪魔の軍勢が攻めて来るかもしれん。『ヘルポーンデーモン』や『デスルークデーモン』には見回りを強化しておくよう伝えておけ。勿論、避難民の治療も忘れるな」
「はっ!」
部下を下がらせ、情報を整理する。悪魔の軍勢……
「……やはり、話を聞かねばならないか」
この先、大きな戦いが起こるかもしれぬ……そう思い、一人窓の外を眺めた。
数日後、無事に避難民が回復したという事で彼らの代表である「C・リペアラー」に話を聞く事が出来た。
「あなた様が……」
「我が闇魔界の覇王である。そなたがこの者達の代表で間違い無いか?」
「はい、私が代表のC・リペアラーと申します」
「うむ。では早速聞くが、そなた達を襲った悪魔の特徴を教えてくれ」
「はい。確か、白と金の骨のような装甲を付けてて……『メンタルスフィア・デーモン』と名乗っていました」
「……メンタルスフィア・デーモン?キングデーモン、聞いた事はあるか」
「いえ、私もそのような名の悪魔は初めて聞きました」
「ふむ……しかし、自らをデーモンと名乗るのだ、悪魔族と見て間違いは無いと思うが……」
思案にふけっていたその時、部屋の扉が勢いよく開かれ、兵士が入って来た。
「覇王様!謎の悪魔の軍勢が防御陣を突破しかけて……!」
「何!?キングデーモン、今すぐ他のチェスデーモンを連れてゆけ!ダークソードも騎竜に乗るのだ!その他はこの者達の避難を!」
「「はっ!」」
皆に命令を出し、急いで防御陣へと向かう。謎の悪魔とは先程のメンタルスフィア・デーモンと見て間違い無いだろう。
着いた時には、壮絶な戦闘が開始されていた。未知の敵に拮抗状態に持ち込めているだけ上出来と言えよう。しかし、何かおかしい。悪魔の軍勢という割には妙にメカメカしい奴らばかりのような……しかし、今はそんな事を気にしている場合ではない。チェスデーモンとダークソードと共に戦いに加わった。
敵に魔導弾を撃ち込んでいると、突如として空に向かって一筋の光が上がった。眩い中からやがて現れたのは、まさしく悪魔。白い装甲に金の翼と爪。その顔は邪悪に歪んでいた。
「……貴様か、メンタルスフィア・デーモンというのは」
「いかにも。我こそがメンタルスフィア・デーモンよ!闇魔界の覇王……大人しくC共を渡せ。そうすれば闇魔界は見逃してやろう」
「ほう……貴様ごときに我が闇魔界が攻略出来るとでも?」
「……少し、分からせる必要があるらしい……」
メンタルスフィア・デーモンは呟くと、高く上昇する。未知との戦いが幕を開けた。