オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳   作:ユリガスキー

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初投稿です。
対戦よろしくお願いします。


プロローグは突然に

 突然だが主人公たる俺の話、つまり自分語りをさせてもらう。

 

 「お前の話なんて聞きたくねぇ! 俺はTSVtuberの話を聞きに来たんだ!」と言っても聞いてもらうぜ? 

 お前らは単なる一読者、ここ『オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳』では主人公である俺が一番偉い!!!

 

 嫌と言うならブラウザバックでもするんだな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 あっあっ、うそ、嘘だから、ちょっとした冗談だから。ブラウザバックしないでください、すいません許してください! 何でもしますから!

 

 と、とりあえず俺が語りたいのは俺の趣味のことだ。そう、ズバリそれは『妄想』!

 

 いやVtuberじゃないんかーいとか、趣味が妄想ってなんだよって思うよな? だからそこら辺をもうちょい詳しく語るぜ。

 

 

 

 世の中には天才って奴がうじゃうじゃと存在している。

 新たな発明をしてノーベル賞を受賞した学者や、海外で「二刀流」と称されるアスリートに、U-Tubeにアップロードした楽曲が1億回以上再生されたアーティスト、はたまた霊長類最強の称号を欲しいままにする猛者もいる。

 

 彼ら彼女らは本当に凄い。一般人である俺とは歩んできた人生も、持って生まれた才能も、磨かれている感性もきっと段違いなんだろう。

 いや一般人である俺が天才を語るだなんて烏滸がましいとか思うかもしれないけど、まぁそこは戯言だとでも思って聞き流してくれ。

 

 とにかく何が言いたいかって言うと、一般人である俺では天地がひっくり返っても彼ら彼女らが浴びる賞賛を得られる機会はないってことだ。

 

 だったら妄想で満足するしかないじゃないか。

 新たな発明をしてノーベル賞を受賞して凄いと言われる俺を、スーパープレイを披露してニュースで取り上げられる俺を、俺がU-Tubeにアップロードした楽曲が流行りに流行りまくることを、霊長類最強に相応しい力を──ごめん、流石にそれは無理だわ。

 

 妄想はいいぞ? 現実では絶対出来ないことが何でもできるんだから。

 だが、この妄想が漏れたら恥ずかしいだけではすまない。だから俺は謎の組織や超能力者に頭の中を覗かれないように常にアルミホイルを巻いて、帽子を深く被っている。対策はバッチリだ。

 

 

 

 そんな俺にとってネット小説でよくある俺TUEEEは最高の参考書だった。

 現実という枠に収まっていた俺を異世界という舞台に連れてってくれた。

 

 あぁ、雑魚魔物相手に無双してぇ! 魔王ぶっ倒して賞賛浴びてぇ! 「今なんかしたか?」とか言いてぇ!

 

 おっとすまねぇ、妄想が暴走した(激ウマギャグ)

 

 まぁそんな感じでここ2年間異世界モノにどっぷりとハマっていた訳だが、一周回ってリアルもいいなと最近思い始めたんだ。

 

 

 

 ここまで説明すれば察しのいい読者は気づいたんじゃないか?

 そう、最近の妄想マイブームはVtuberだ!

 

 ネット小説のランキング上位作品だからと適当に読んでみたがめっっっちゃよかった。読まず嫌いして避けてきた過去の俺を殴りたいくらいだ。

 そこから現実のVtuberにも興味を持ったんだが……話が脱線するから置いとこう。

 

 

 

 

 

 

 そんな感じで趣味である妄想を満喫していた俺だが、色々あって若くしておっ死んでしまった!

 

 突然死んだ俺に対して読者も困惑してるとこ悪いが、このまま話を続けるぜ?

 

 死後の俺は女神を自称する奴に「望む力を与えて転生させよう」って言われた。

 だから俺は「俺が妄想したことを叶えるだけの力が欲しい」と望んだ。そう、上で熱く語ったことだな。

 

 まぁそんなこんなで俺は転生したって訳だ。

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

 ハロー読者諸君。君達にとっては僅か数行だったかもしれんが、俺にとっては18年ぶりの再会だ。

 

 そう、俺こと『春風 凪』が転生してからもう18年の歳月が流れているのだ。

 ちなみに転生して性別が女になってしまった。かつての相棒を失って悲しみに打ちひしがれたが、まぁそのなんだ……ぐへへ。

 

 転生して「妄想したことを叶えるだけの力」を手に入れた訳だが、どうやら俺の本質とやらはあまり変わらなかったらしい。一人称も「俺」のまんまだしな。いや、もちろん外行きの時くらいは流石に「私」とかに使い分けるが、なぁ? それくらい社会に出てると誰でもやっている訳で。

 

 

 

 そうそう転生した先で俺がやったことを説明したいんだが、その前に転生先のことを詳しく語らないといけないな。話にまとまりがないのは僕の悪い癖。

 

 転生した先は前世の日本とほぼ変わらなかった。ネット小説のジャンルで言うなら「現代」ってとこかな?

 

 ぶっちゃけ異世界ファンタジーを望んでいたのだが、文明の利器と天秤にかければ後者を選ぶだろうし、女神もそこら辺気を使ったのかなーって。

 とはいえ元の世界と全く同じかというとそうでもなく。総理大臣が違っていたり、大御所芸能人の名前を聞かなかったり、歴史もちょっと、いや少し……結構違ってたりするが、まぁ些細なことだ。

 

 さて、本題に入ろうか。俺が「妄想したことを叶えるだけの力」を使ってやったこと、いや「やらかしてしまった」ことを。

 

 

 

 【速報】シンガーソングライター「ウタウマー」チャンネル登録者数1億2000万人突破!

 【考察】伝説のMAD製作者「マッドマン」について【実は女性だった!?】

 「ハカセ」と「スケベヤ」が同一人物とか言う奴www

 「カミエシ」作"虹色の世界"6,000万で落札!

 俺気づいたんだけど『しろいの』って実は1人なんじゃね?

 

 

 

 これらは今日のネットニュースやU-Tube、匿名掲示板で話題になったことの一部だ。上で出ている人物名は全て俺の別名義だ。数字がおかしいところが気になるかもしれないが、ツッコミはもう少しだけ待っててくれ。

 もちろんこれ以外にも多くの別名義を持っている。というか上のは本当に一部でしかないのだ。

 

 

 

 『しろいの』というグループを作った俺は、その中で数々の名義を使い分け、それぞれの分野でトップに君臨した。例えば「ウタウマー」という名義では数百もの曲を作り、「ハカセ」という名義では癌の特効薬やエイズの治療法を確立したりとかな。

 中には、主にオタクコンテンツでその力を発揮した『しろいの』を「オタク文化の創造神」と呼ぶ人もいる。

 

 

 

 15年前、つまり俺が3歳の頃から活動を始めて、女神から「妄想したことを叶えるだけの力」を与えられたにしても、これだけのことを起こせるとは読者も思えないはずだ。

 

 だが事実として俺はこれらのことを成し遂げてしまった。それは本来賞賛を浴びる筈だった天才の未来を奪ったからだ。

 

 転生した俺はオタク文化が世間に認められる前、学校でアニメを見てるなんて知られれば白い目で見られる、そんな少し過去の時代に転生した。

 そして3歳の頃、機械に歌わせる「ボーカルノイド」が流行した時俺は思ってしまった。

 

 ──先駆者になりたい。

 

 そうして「妄想したことを叶えるだけの力」を駆使した俺が作った楽曲は流行りに流行りまくり、俺のハンドルネーム「ウタウマー」は瞬く間に有名になった。

 調子に乗った俺は、その後も多くの楽曲を作った。

 

 

 

 その結果、ボカノP界隈から多くの人が消えた。

 

 

 

 当たり前だ。いざ楽曲を作っても聞き手は皆俺の曲しか聞かない。

 誰も「ウタウマー」には勝てず、元いた人は去っていき、新たに参入する人も減った。

 

 そうしてそれは、楽曲作成だけに留まらず、ありとあらゆる分野にて頂点にたった俺は「オタク文化の創造神」と呼ばれた。

 

 その道中ではこれから芽吹くかもしれなかった種や、成長途中の蕾が無惨にも踏み潰されていた。

 

 俺が数々の名義を使い分けているのも、全ての名義で顔も本名も隠して活動していたのは、もしかしたら無意識のうちに種や蕾に罪悪感を抱いていたからかもしれない。

 

 だと言うのにネットで俺に関する賛美を見聞きするから嫌になる。それは俺の本質が一般人のまま変わっていないからだろうな。

 

 

 

 ──やっぱり俺は天才になれなかった。

 

 

 

 全てが嫌になった俺だが、それでも掴んだ栄華を離したくない。俺という人間はなんて矛盾した薄汚い屑なんだ。

 

 そうやって軽い鬱になった俺はネットを徘徊している時、とある記事を見た。

 

 

 

 『君もVTuberになろう! 「エトワール」三期生募集中!』

 

 

 

 VTuber。前世では妄想の対象にして、現実でも追っかけていた存在だ。ここ最近屑であることを自覚して鬱になってた俺は、その考えから逃げるために色々な活動をしていたため、VTuberが誕生したことに気づかなかった。

 癒しを求めた俺はエトワールのアーカイブを覗いた。

 

 

 

 そこには本物の天才がいた。

 俺がまだ摘んでいなかった芽が、偽物ではない本物が、綺羅星の様に輝いて、確かに生きていたのだ。

 

 近くで観察したい。折れない様に支えたい。一緒に活動したい。話をしてみたい。慈しみたい。愛したい。愛して欲しい。

 

 

 

 気づいた時には、俺は応募のボタンを押していた。




なんかシリアスっぽく終わったんですけど、豆腐メンタルな作者にシリアス展開は無理だと思うんでそこら辺は安心してもいいと思います(保険)
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