オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳   作:ユリガスキー

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案件でトレカ配信!(前編)

 あの後凛ちゃんは頭が爆発して猫になっていた。

 リアルで猫になってるとこを見たが、なんていうか、その、下品なんですが……いや本当に下品だからやめておこう。

 

 

 

 俺の容姿はひじょーーーに優れている。これは贔屓目とか抜きなマジな話だ。

 腰まで伸びた白い髪は絹のような滑らかさを持ち、ぱっちりお目々はルビーのように赤く、魔眼のように見るもの全てを魅了する。今明かされる衝撃の真実、実は俺はアルビノだったのだ!

 せっかくTS転生するなら誰だって美少女に、欲を言えばアルビノ美少女に生まれたいと思うもんだろ? つまりそういうことだ。

 顔の造形だけに留まらず、スタイル抜群で、あとおまけになんか神秘的な雰囲気を纏ってる。

 そんなわけで初対面の人、というか初対面に限らず会う人みんな毎回凛ちゃんやスタッフみたいにフリーズしてしまうのだ。

 

 最初の頃はもう優越感に浸りまくったんだが、何十回何百回も繰り返されると流石に飽きてくるというかめんどくさくなる。

 もしTS転生する機会があったら覚えておいた方がいい。美少女過ぎるのが欠点になる日もくると。

 

「あら、もしかして私で最後だったかし──」

 

 新たな犠牲者、(おそらく)彗月ちゃんもフリーズしてしまった。

 

 

 

 配信まであと30分しかないんだが俺はどうすればいいんだろうか。

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

「お前らーっ! 元気かーーっっ!!

俺は! 元気!! だーーーっっっ!!!」

 

うるさっ

テンション高すぎだろオイ

まぁ同期と顔合わせってなったらな

一応案件だってこと忘れんなよ?

 

 なんか俺が無駄にテンション高いとか思われてるが意味もなく張り切ってるわけではない。

 あれから数分で凛ちゃんも彗月ちゃんもフリーズから戻ってこれた(流石はエトワール所属なことだけあるぜ)が、スタッフの半数以上が持ってかれたため勢いで乗り切るしかないのだ。

 これでなんか進行がおかしくても乗り切るしかねぇ。

 

「んにゃーテンション高いにゃ! でも案件に向けてやる気があることなのはいい事だにゃ!」

 

「いや現状を打開……というか直視したくないから空元気になってるだけだよ」

 

 そう言って魂が抜けてるスタッフを指差したら、2人は「あー……」と口を揃えて言った。

 

え? 何が起きてるん?

何起きよ

まさか渚なんかやらかしたのか

 

「いや俺は何もしとらんわ!」

 

「まぁまぁ渚ちゃんも落ち着いて。一応こっちのほう優先させるからこの話はまた後日の配信でってことに……ね?」

 

「はぁい、彗月ママ♡」

 

「きしょいにゃ」

 

あれを見てまだママと言えるのは流石だぜ

まぁここだけ見たらママだから(震え)

ママは今はママだから

 

 さて、散々引っ張ってしまったが今回は案件、しかも三期生全員参加の生配信なのだ。

 

 「100円で大層な物が手に入る」のキャッチコピーでお馴染み、100均ショップのタイソーが出した新作トレーディングカードゲーム「恐竜王」の宣伝をしながら実際に遊んでみよう……というのが今回の案件だ。

 20年以上も続くトレーディングカードゲーム界にまさかの100均ショップが参戦。しかも値段はもちろん100円と今現在色々と話題になっているのだ。

 

 通常のパックの他にも構築済みデッキも販売されており、これ1つ買うだけですぐにでも遊べるのだ。お値段はもちろん100円! 40枚のカードがこの値段なのは素直に凄いと思うぜ。

 今回の案件ではこの構築済みデッキ3種類でそれぞれ戦っていくつもりだ。

 

 

 

 ということを俺たち3人が超絶わかりやすくリスナーに伝えたところでスタッフから構築済みデッキ3種類を渡された。

 

「んにゃー、どのデッキを使うか迷うにゃ」

 

「赤の三畳紀、緑のジュラ紀、青の白亜紀、それぞれ時代によって戦術も変わってくるのね」

 

 おやおや、お2人さんはまだ迷ってるみたいなんで俺は先に選ばせて貰おうかな。

 

「三畳紀もーらい!」

 

「にゃーー!! 凛もそれに目をつけてたのに! ずるいにゃ!!」

 

「はっはっはっ、こういうのは早い者勝ちなのだよ」

 

「あら、早い者勝ちなら私は緑のジュラ紀を貰おうかしら」

 

「にゃにゃ!? 彗月ちゃんもずるいにゃ!」

 

「まぁまぁ。ほら、白亜紀のティラノとかカッコよくね?」

 

「わぁ〜、ティラノサウルスもかっこいいわね。私そっちに変えようかしら」

 

「ダメにゃ! ティラノはもう凛のものだにゃ!」

 

 うーん、かわいい(脳死)

 年上なのは判明したはずなのに、なんかこう……近所のガキ感がすげぇ。

 ふっと横を見ると同じことを思ったであろう彗月ちゃんと目があった。

 

 

 

 ……なんだこの間は。まるで保育園のお遊戯会で活躍してる自分の娘を見て「あれ私の娘なんですよ」と自慢と気恥ずかしさが織り混ざった感情を互いにぶつけ合って無言になってしまったかのようではないか。

 

 うん、何言ってんだ俺。さっさとデュエルするか。

 

「彗月! デュエル開始の宣言をしろ!」

 

「デュエル開始ぃぃぃ!!!」

 

「ちょ、案件で別のカードゲームのネタを出すにゃバカ!」

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