オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳 作:ユリガスキー
・銀行強盗リベンジだぜ!
・って、は? ゲームジャンル変わったんだが???
・いつまでも情報が完結しない……!
「と、とりあえず王城に行って話を進めるか」
なんだかつっこみ疲れたが、まだまだ探索してない場所がある。
それは街の中央にでかでかと存在感を主張している王城。その面積は、ざっと街全体の5分の1を占めている。
ここまでデカデカと主張されれば「何かあるに違いない」と、あえて王城だけは探索してなかったのだ。
さてさて、いったい王城の中はどんな感じなんだ……
「って、ちっっっさ!! 縦10、横10マス!? なんでだよ!!」
ファーーww
何であの外観からこの内装になるんだよ!
壁の太さ100メートルくらいあるんかこれw
あまりにも無駄が多すぎるwww
「ふむ、もしかして君は勇者かね」
ボタンを触ってないのに勝手に自キャラが動きだし、王様と会話をしだした。
イベントが始まるのはいいんだけど、こっちを置いてけぼりにしないでほしい。魔王のことについて色々と喋ってるみたいだけど、俺達は城の内装のしょぼさからまだ抜け出せてないんだ。
「なんか放心してる間に会話終わったけどさ、とにかく魔王を倒せばいいんだよな」
だいたいあってる
THE・王道のストーリーやね
「んじゃあ、さっさと倒しにいくか」
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
「あ"あ"あ"あ"……やっと終わったーー……」
俺の目の前で魔王は粉々に砕け散り、空を覆っていた暗黒の雲は消え去った。
あれから色んなことがあった。
「四天王の塔」には「時間がなくてさ☆」というふざけた理由で1人しかいなかったし、魔王城攻略のために何故か謎解きが始まったり、魔王は金の剣じゃないとダメージが通らないから素材のために周回したり……
「なんかどっと疲れたぜ…………ん?」
マジでふざけたゲームだったなw
でもこれで終わりだよな?
なんでエンディングが始まらないんだ?
「やっぱ変だよな? なんで何も起きないんだ?
……一回王城に戻ってみるか。何か変わってるかもしれないし」
そうして街に戻って王城に入ったのだが……
「おぉ! よくぞ魔王を倒してくれた。そなたこそ真の勇者よ!」
というセリフに変わっただけで特に何も起こらない。
「えぇ……何をしたらゲームクリアなんだよ……」
何か見落としてることある?
↑でも一本道だったよね?
クリア演出が用意されてないとか
↑やっぱクソゲーじゃねぇかw
「見落としてる、か…………そういえば最初に渡された紋章を使ってないよな」
ジャンルがドット絵RPGに変わってからすぐに渡された、このゲームのアイコンにもなっているアイス・ラテが描かれた紋章。
確か重要っぽさそうなことが書かれていたはずだと確認してみるも、『使命を忘れた時はこれを眺めて思い出そう!』と書かれているだけで、紋章そのものには何もなかった。
これでもないのか
じゃあ結局このアイテムは何に使うんだよ
「……使命。そうか、わかったぞ! 俺達はずっと勘違いしてたんだ」
魔王が復活したというのはミスリード。
王様も含め、誰1人として「魔王を倒すのが『使命』」とは言っていない。
「『これを眺めて思い出そう』この文はヒントだったんだ。これ、つまりゲームのアイコンになったアイス・ラテを見て
……製作者性格悪くね?
魔王はそれを隠すためだけに作られたってことかよ!?
使命がそれだとして銀行ってないよな
どこに強盗すればいいんだ?
「確かに銀行はないかもしれない。けど、この世界にはあったはずだぜ。唯一お金を使う場所が」
そのために他の店ではわざわざ物々交換をさせてたんだろうな。
宿屋に着いた俺は店内に入って辺りを見回す。
「ここが銀行だってことはどこにも書かれてないし、誰も言ってない。けど、内装や警備員の数まで一致してるのを見れば、この宿屋はあの最高難易度の銀行と見立てることもできるんじゃないか?」
だいぶ強引だとは思うけど
けどギリギリ納得できる……かな
じゃあここから強盗するのか
でもそんな場所どこにもなくね?
「ここが本当にあの銀行だとしたら、あるはずだぜ。金庫の中に直接入れる裏道が」
宿屋の外に出て、銀行でバグが起きて建物を半分はみ出していた窓と同じ位置を調べると── 「乗り越えますか」 ──あの時と同じテキストウィンドウが表示された。
「ドット絵RPG特有の俯瞰的な視点では見つけらない位置にこの窓を設置したあたり、ゲームジャンルを変えたことにも意味があったんだろうな」
そうして俺は、壁の中を移動しながら金庫があった場所へ──
「愚かな奴だ。どこかでクリアした気になっていたら、ここで死ぬこともなかっただろうに」
マジかよ
宿屋の主人がラスボスだったのか!
こんなの見つけられるわけがないだろ!?
「こいつを倒せば、いよいよ本物のお宝が手に入るってわけか。ははっ! わくわくしてきたな!」
「我が財宝を狙う卑しき者よ。塵芥となるがいい!」
「っしゃ! いくぜ!
って、なんでシューティングゲームに変わってんだよおおおぉぉぉ!!!」
草
えぇ……
か、変わったのに何か意味があるかも
↑多分ないぞ
↑↑絶対ないぞ
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
今俺はエンディングを眺めている。
宿屋の主人を倒したことで巨万の富を得て、見事ハッピーエンドを迎えることができた。
当初の目的も達成できたな
まぁ、クリアしてもお金が戻るわけではないんだけどね
↑しーっw
にしても本当にやべーゲームだったよな
「あぁ、本当にやべーゲームだったぜ。この俺がこうまで振り回されるなんて──待てよ?」
何か、何か大事なものを見落としてるいるような気味の悪い感触がある。まるで重要なフラグを見落としたまま全てを理解して読了した気になっているかのような……
考えろ、考えるんだ俺。
「俺をここまで振り回すことができる存在……1836円のゲーム……アイコンのアイス・ラテ……アイスラテ……! ま、まさか、このゲームの製作者は……!」
アスライテ:ワシじゃよ
「ぎゃあああぁぁぁ!!! で、でたあああぁぁぁ!!!」
マジかよwww
うっそだろオイ
まさかの本人登場w
どうりでやべーゲームだと思ったわ
¥50,000
アスライテ:クリア報酬だ、受け取りな(^_-)-☆
「うぇ! ちょ、アスライテ先輩、スパチャとか大丈夫ですから!」
¥10,000
クリアおめでとう!
¥2,000
ぼくのお金も盗まれちゃった……
¥5,000
いいもん見せてもらったわ
¥50,000
アスライテサブ垢:
¥1,836
↑サブ垢で無言上限赤スパとは流石だぜ……あっクリアおめでとうございます
「お前らも悪ノリするんじゃねぇ! その金は! 全部! 他の子にスパチャしろよおおおぉぉぉ!!!」
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