オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳 作:ユリガスキー
アスライテ先輩が作ったスイカップはエトワールで大流行……なんて規模では収まらなかった。
シンプルな操作性やルールによって誰でも簡単に遊べるのに、プレイヤーの腕前1つで高スコアを狙うこともできる。そんなゲーム性が高い中毒性を生み、ネット上で大バズりしているのだ。
そんな時の人であるアスライテ先輩は「こんなに流行ると知っていたら250円じゃなくて1836円にしたのに! むこうは全然売れてないんだぞ!」と嘆いていた。アスライテ先輩ェ……
そんなスイカップにはスコアランキングというのがある。
マイスコアで過去の自分のスコアをランキング形式で見たり、オンライン上での本日・月間・総合のスコアをそれぞれ競うことができるのだ。
そんなオンラインのランキングにて燦然と輝く1位と2位の「
なんと、日菜先輩と俺でワンツーフィニッシュを果たしたのだ。ちなみに俺の方が2位だぜ。あと2分早ければ1位になれたのにぃ……
というわけで、図らずも「スイカッププロ」の称号を製作者から授かった俺は講師として金剛先輩の配信にお呼ばれしたというわけだ!
「いやーしかし、俺なんかが金剛先輩に何かを教えるなんて、烏滸がましいというかなんていうか」
「いやいや。全然ぜんぜん、そんなことないよ……?」
「うーーーん、やっぱり日菜先輩に教えを請うべきじゃないかな? 今からでも遅くない。うん、そうするべきだよ!」
「ひ、日菜ちゃんのは全然参考になんないよぉ!」
日菜ちゃんのプレイが参考になるわけがない
あれは渚とは別ベクトルでアタオカだから
そんな日菜ちゃんに助けを求めた者がいたとかなんとか
「昨日日菜先輩に指導を求めていたルフナ先輩は、なんやかんやあった後に『その場落としでマジギレルフナちゃんを作るまで耐久配信』をするはめになったからね」
「なにそれこわい」
寝る前にやってた配信が起きた後にまだやっていたのは軽いホラーだったぜ。
励ましの意を込めて「草」って送ったら発狂してて面白かったです(小並感)
「で、でも良かったよ。私は渚ちゃんに教えてもらえて」
「はっはっはっ! これでも「スイカッププロ」の称号持ちですからね。タイタニック号に乗ったつもりでいてくださいよ!」
「うん!」
ダメじゃねぇか!
沈んだ船の代表格
未来ちゃん気づいてくれ
「説明しよう!
金剛未来先輩はエトワール二期生のお1人、腰まで届く絹のような艶やかな黒髪の持ち主で、立ち絵を見るだけで「いい匂いしそう」と思わせてくれる、ほんわか美少女だぜ。
しかしてその本性は、エトワール随一にして唯一の陰キャなのだ! そのため初対面の人とは上手くコミュニケーションを取れないはずだから、今回のコラボ配信で上手く緊張をとってあげたいですな(ネットリ
ちなみに、豊かに実ったそのたわわ(隠語)もエトワール随一の大きさを誇っているぜ!(最重要事項)」
「え? え?」
え?
急にどうした?
なんで2回目?
「ど、どうしたの渚ちゃん」
「おや、金剛先輩は知らないみたいですね。俺は初めてコラボする人のことをリスナーのみんなに知ってもらうべく、初回だけはこうして簡易的な説明をするんですよ」
「い、いやそうじゃなくって、もう私たちコラボしてるでしょ? えっ、し、してたよね?」
「ん? 何を言ってるんですか。この俺が先輩たちとコラボしたことを忘れるわけがないじゃないですか」
「いや、でもほら、アスライテさんと渚ちゃんと私の3人で『お互いのことをもっと知ろー』っていう企画をやった、よね?
あっ、ほら! アスライテさんがカレーまんの話をしてたあの!」
「──か、カレー、まん……う、うわあああぁぁぁ!!!」
「いやーしかし、俺なんかが金剛先輩に何かを教えるなんて、烏滸がましいというかなんていうか」
「えっ」
「うーーーん、やっぱり日菜先輩に教えを請うべきじゃないかな? 今からでも遅くない。うん、そうするべきだよ!」
なぁにこれぇ
ループしとるwww
こいつ、あの一件がトラウマになって記憶から消しおった……!
「どどど、どうしよう! このままじゃ先へ進めないよぉ!」
「ん? どうしたんですか金剛先輩。そんな鳩が豆鉄砲食らったような顔して」
「渚ちゃんが1回目のコラボのことを忘れちゃったみたいで──って、あっ」
「1回目……コラボ……カレー、まん……う、うわあああぁぁぁ!!!」
「説明しよう!
金剛先輩は、その陰キャ具合をあまりにも極めすぎてしまったため、初配信から3ヶ月間ものあいだ誰ともコラボをしなかったのだ。そのことに業を煮やした運営によって『1ヶ月に2回のコラボ+2ヶ月に1回のオフコラボ』を強制させられたんだぜ! ちなみに、今日のコラボ配信も義務配信となっているぜ!」
「そ、その説明も2回目だよぉ!」
バグったwww
多分これ一言一句同じこと言ってるわw
その時の配信見てなかったから助かる
「うぅぅ……ほ、ほんとにもう、どうすればいいのぉ……」
「ふぅ、まったく。金剛先輩、今日の配信の目的はなんでしたか?」
「えっ、今日の配信? す、スイカップをやるんだよね?」
「えぇ、そうです。なら俺が前回のコラボ配信のことを覚えてるかどうかなんて関係ないじゃないですか。こんな奴の戯言は無視してさっさとスイカップをやればいいんですよ」
「な、なるほど……! 一理あるよ渚ちゃん!」
まてまてまて
こいつ前回のコラボのこと覚えてるじゃねーか!
というか今混乱してるのも渚のせい定期
気づいて未来ちゃん
「はっ! そうだよ。みんなのおかげで気づけたよ! 渚ちゃん、私をからかったんでしょ!」
「フッ、どうやら緊張はとけたようですね」
「え?」
「1度コラボしたとはいえ、まだ2回目の相手。まだ少し固さが残っているようだったので軽くふざけてみたんですよ。
どうです? ほんの少しだけ気持ちも軽くなったような気がしませんか」
「! い、言われてみれば……! 渚ちゃんは私のためを思って……」
騙されないで
渚の顔見ろよ、すげー悪そうな顔してるよ
なんでその声色でそんな顔作れるんだよ
@気づいて未来ちゃん
「そ、そうだよ、もう騙され──」
「はいっ! というわけでスイカップやっていきましょーー!!」
「うぅ……やっていきましょー……」
今の茶番だけでも既に10分以上使ってしまったからな。今日の目標を達成するためにも時間を無駄にすることはできないぜ。
あっ、「お前が無駄になるよう誘導したんだろ」は禁句な。
「まぁとりあえず、金剛先輩には2,3回くらい実際に遊んでもらいましょうか。指導内容や方法はそれを見てから決めるんで」
「え? いきなり指導から入らないの? なんかそういうコツ……みたいなのがあるんだよね?
トゥイッターで見ただけだからよくわかんないんだけど」
「んー、金剛先輩は今回が初のスイカップですからね。せっかくなんで最初のうちはスコアとか気にせずに遊んでもらいたいなー、と」
せっかくアスライテ先輩が作ったゲームなんだ。今この瞬間は何も考えずに楽しく遊んでもらいたい。
「勝ち」を意識しだして「真剣」になってしまったら、無邪気に楽しめなくなっちゃうからね。世の中には両立できる人も結構いるみたいだけど、金剛先輩はそういうタイプってわけでもないし。
それに、後々地獄を見るんだから今だけは幸せを味わっても良いはずだ。
「それに、そういうコツというのは中級者から上級者が扱うようなテクニックだから初心者の金剛先輩にはまだ早いです。明日明後日に大会が迫ってるっていうわけでもなければ、段階を踏んでいくのが1番の近道ですよ」
思ったよりマジメだった
これは光の渚
「おぉ……なんだか本当に講師っぽい……」
「ふふふ、だから言ったじゃないですか。アイアム、タイタニッークって。
ミーに任せておけば、何も問題ありまセーン! さぁ、いきますよ金剛ガール!」
「おぉー!」