オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳   作:ユリガスキー

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ドキドキ! ロシアンたこ焼き!

「にゃんでー……にゃんで失敗するにゃー……」

 

「そりゃあ、火が通ってないうちからひっくり返そうとするからだよ」

 

「生地を投入する前から千枚通しを持ってた時点で、なんとなーくこうなるだろうなって思ってたのよね」

 

 凛ちゃんの作ったたこ焼きは、炒り卵のようにぐちゃぐちゃになっていた。

 原因は俺や彗月ちゃんが言っていた通り、ひっくり返すのが早すぎたせいだな。まさか、生地を投入して3秒でひっくり返そうとするとは思わなかったぜ。

 味は……まぁ、悪くはないけど、やっぱり食感が終わっているな。

 

「武士の情けや、写真は撮らんといてやる」

 

「なんで関西弁?」

 

 そう言って凛ちゃんの作ったたこ焼きを少量ずつたこ焼き器に投入する。そうして生地を追加で入れて綺麗にひっくり返せば……

 

「おぉーー!! 凄いにゃ! あのぐちゃぐちゃたこ焼きがちゃんとまん丸になってるにゃ!」

 

「ふっふっふっ。これでもたこ焼きマスターを名乗ってるんでね。凛ちゃんが上手くたこ焼きを作れるよう伝授して差し上げよう!」

 

「お願いしますにゃ!」

 

 伝授だなんて大袈裟に言ったけど、たかがたこ焼き。誰でも簡単に作れるもんだから、ちょっと教えればすぐに作れるように──

 

「って、まだひっくり返さなくていいから! 外側の色が変わってからでいいから。というか具材を先に入れようぜ! え? 「そんなことより凛はひっくり返したい」だって? それは後で出来るから! あぁ、ほら! このままじゃ生地が固まっちまう! あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

「つ、疲れた……たこ焼き1つ作るのにこんなに疲弊するとは……」

 

「あはは、お疲れ様渚ちゃん」

 

 くそー、たこ焼きを呑気にパクパク食ってる彗月ちゃんが憎らしいぜ……

 しかし、料理オンチというものを初めて目の当たりにしたが、ここまで酷かったとは。

 まさか、自分がやりたいからって理由で延々とたこ焼きをひっくり返す作業をし始めるとはこのリハクの目を持ってしても読めなかった。

 

「んにゃー、でも渚ちゃんのたこ焼きと比べると何か違うんだよにゃー」

 

「えぇそうねモグモグ。凛ちゃんのも美味しくないわけじゃないけど、渚ちゃんのとは明らかにレベルが違うわよね」

 

見た目からして違うもんな

たこ焼きってそんな差が出るもんだったんだな

 

「あぁ、それは1番大事な最後の仕上げをしてないからだな」

 

 1番大事な仕上げ? と2人は揃って首を傾げる。何か忘れてる手順があったかしらと考え込む彗月ちゃんに、そんなもんがあるなら先に言うにゃとジト目で睨む凛ちゃん。

 そんな2人を横目に、雄々しくポーズを取った俺は高らかに言い放った。

 

「1番大事な仕上げ……それは、愛情だッ!」

 

渚くんさぁ

何か忘れてることあったかって考えた時間を返せ

はー、くだらね

美味しいたこ焼きを作るためにメモを取り出したのに

 

「「美味しくなぁれ、萌え萌えきゅん♡」と凛ちゃんはまだ言ってないだろ? その一言があるかないかでここまで味に違いが出てるんだ」

 

「はぁー? そんにゃわけないにゃ。というか、渚ちゃんがたこ焼きも作ってる時にそんなこと言ってなかったはずにゃ。ねぇ、彗月ちゃん」

 

「いえ渚ちゃんは言ってたわよ。凛ちゃんが聞こえてなかっただけじゃないかしら」

 

「!?」

 

渚くんさぁ!(歓喜)

確かに言ってたなぁ

これは確かに大事やな

メモを取らせていただきました!

 

「ほらほら、さっさと言いな?」

 

「えぇそうね。全ては美味しいたこ焼きのために」

 

「え? え? ……え、えぇと、お、美味しくなぁれ、萌え萌えきゅん……?」

 

「ブラボー! ブラボー!」

 

「はぁー! 真っ赤になった凛ちゃんを見てメシが進みますわ! パクパクですわ!」

 

タイムスタンプ押しときました

↑有能

心なしか今食ってる冷凍のたこ焼きが美味しく感じるわ

 

「……う、うにゃー! 2人とも、よくも凛を揶揄ってくれたにゃ!

こうなったらロシアンたこ焼きでわからせてやるにゃ!」

 

「導入がちょっと雑じゃないかしら」

 

「それにまだロシアンたこ焼きを始める時間じゃないしな」

 

「恥ずかしいからって段取りを飛ばさないでほしいわね」

 

「2人ともうるさいにゃ! ほら! さっさとロシアンたこ焼きを作るにゃ!」

 

「アイアイサー!」

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

「というわけでデスソース入りのたこ焼き出来上がりぃ! 比較の写真も載せてっと……いやー、我ながらかなり上手く出来たんじゃないか?」

 

これ右が通常ので左がデスソース入り?

ソースかける前から既に違いがわかんねぇ

どっちもおんなじようにしか見えない

 

「あとは作った渚ちゃんに場所でバレないように位置を入れ替えてっと。ほら、今度は凛ちゃんが入れ替えて」

 

「わかったにゃ。ほいほいほいっと、そして上からソースをかけて青のりとかつお節をまぶせば……よし! これで完璧にゃ!」

 

 俺がデスソース入りのたこ焼きを作っている間、後ろを向いてもらっている2人には何処がデスソース入りなのかをわからなくさせる。

 そうしてたこ焼きが完成したら、今度は俺が後ろを向いて彗月ちゃんが場所を入れ替える。

 最後に凛ちゃんがたこ焼きの場所を入れ替えてソース等のトッピングをかければ、みんなどのたこ焼きがデスソース入りかわからなくなるって寸法よ。

 

「それで、デスソース入りのは幾つ入ってるのかしら?」

 

「2個入ってるぜ」

 

「ということは、9分の2の確率でドボン……ってことかにゃ」

 

ソースもかかったらいよいよわかんねーな

2個って少なくね?

↑9分の2って考えたら普通じゃない?

3個ずつ食ったら2人は1個当たるってことだしな

 

「それで、もちろんデスソース入りを当てた人は罰ゲームってことでいいかにゃ?」

 

「お決まりのね。私は別にいいわよ」

 

「俺も別に構わんけど、内容は何にするよ」

 

 俺がそう言うと凛ちゃんは「待ってました!」と言わんばかりの顔をして、俺の方を指差した。

 

「今、凛と渚ちゃんは彗月ちゃんに対して「2回なんでも言うことを聞く」っていう罰があるにゃ。それをデスソース入りを当てた方が引き取るってのはどうにゃ?」

 

「えーと? もし俺がデスソース入りを1個食ったら、凛ちゃんの罰が1回減って、代わりに俺の罰が1回増えるってことか?」

 

「そういうことにゃ! 凛と渚ちゃんの罰はあと2回で、デスソース入りの数とおんなじだからちょうどいいにゃ!」

 

 あー、何で普通に罰ゲームを追加させるんじゃなくて、彗月ちゃんから下された罰を移し替えるようなマネをするんだ? とか思ったけど、彗月ちゃんの1個目のお題の「コスプレ衣装を着る」ってのがキツすぎて、2個目3個目に何を言われるのかを恐れて彗月ちゃんからの罰ゲームをなくしたいって考えなんだろうな。

 

「でもそれだと彗月ちゃんが何の得もしてなくね? なんだったら損しかない気が」

 

「私は別に構わないわよ。でも渚ちゃんの言う通り、私には何の得もないから、私がデスソース入りを当てても罰ゲームはなしってことでいいかしら?」

 

「それでオッケにゃー! ぐふふっ、これで彗月ちゃんからの罰を回避するにゃ」

 

「聞こえてるぞー」

 

 でもなんだって彗月ちゃんはこんな提案を受け入れたんだ?

 ぶっちゃけ彗月ちゃんにとって「何でも言うことを聞かせられる」権利は俺と凛ちゃんとでは価値が大きく違うだろうし。

 まさか、俺がこのゲームに絶対勝てる秘策があることを見抜いたわけでもあるまいし……

 

「それじゃあみんな1個ずつ手に取るにゃ! 準備は出来たかにゃ? それじゃあ、いっただきまーす!」

 

「いただきまーす」「いただきます」

 

 

 

 

 

 

「んにゃーー!! か、からっ、辛いにゃー! 水! 水〜!」

 

「だっはは! 一発目で引いてやんのー!」

 

「ほら凛ちゃん牛乳あるから」

 

「ゴクゴク……ぷはぁ、死ぬかと思ったにゃ……まだ舌がヒリヒリするぅ……」

 

一発目で引くとはwww

流石凛ちゃん、もってるわ

これが言い出しっぺの法則ってやつですか

 

「これって次渚ちゃんがデスソース入りを当てたら差し引きゼロになるわよね? もしそうなったら見どころなくなっちゃうけど大丈夫かしら」

 

「あっ」

 

「なんも考えてなかったんかい。まぁでも大丈夫。2個目も凛ちゃんが引いてオチを作れるから」

 

「んにゃー! 言ったな! こうなったら見どころ云々を抜きにして、この地獄のような辛さを渚ちゃんにも味わってもらうにゃ! ほら、さっと次のたこ焼きを選んで──」

 

「ちょい待ち。2回目は自分が選ぶんじゃなくて他の人に選んでもらおうぜ?

時計周りに、凛ちゃんが彗月ちゃんに、彗月ちゃんが俺に、俺が凛ちゃんにってな感じで。ってなわけでほら、これが凛ちゃんのたこ焼きな」

 

「勝手に決めて勝手に選ぶんじゃないにゃ。はい、これが彗月ちゃんのたこ焼きにゃ」

 

「了承はするのね。はい渚ちゃんどうぞ」

 

「まぁ流石に2連続とかそうそうあるわけじゃにゃいし……それじゃあ、いっただっきまーす!」

 

「だきやーす」「まーす」

 

 

 

 

 

 

「に、にゃーーー!! にゃーーー!!」

 

「はい牛乳」

 

「ゴクゴクゴクゴク……にゃ、にゃんでぇ……にゃんで2回も連続で当たるのにゃ……」

 

これで渚の罰は0になったのか

代わりに凛ちゃんの罰が4つに増えたけどなw

凛ちゃん運悪すぎだろ

あの渚がデスソース入りを当ててない? 妙だな……

 

「うぅ……運ゲーなら渚ちゃんに絶対勝てると思ったのにぃ……」

 

「ふっ、甘いな凛ちゃん。俺はどれがデスソース入りか最初からわかっていたんだぜ」

 

「にゃにゃ! どういうことにゃ!」

 

「俺は"匂い"でどれがデスソース入りかを判別していたのさ!」

 

「えぇ……」

 

匂いて

警察犬かよ!

人間には不可能だろw

やっぱこいつ人じゃねぇわ

 

「そ、そんなのありかにゃ!? というかそれってインチキだにゃ! イカサマだにゃ!」

 

「バレなきゃイカサマじゃあないんだぜ。というわけで凛ちゃんは大人しく罰ゲームを4回喰らっとくんだな!」

 

「う、う、う、うにゃーーー!!!」

 

 

 

─────

 

───

 

 

 

 

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