オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳 作:ユリガスキー
トゥイッター上でコラボの約束をして10分後に配信実行したってマジですか(白目)
マジで唐突に始まりやがった……
何気に今までいたストッパーがいないのもヤヴァイ
「おやおや、なんだか散々な言われようだね」
「そりゃあアスライテ先輩とのコラボ、しかもゲリラ配信となれば皆こう言いますよ」
「ここまで言われている理由の半分はキミのせいだろうけどね」
季節が巡るのは早いもので、なんともう12月。今年も残すところあと1ヶ月となった。
12月は俺たちVtuberにとっての一大イベントの1つ「クリスマス」がある大事な月だ。
そんなクリスマスシーズンに特別なことをしよう! と提案した者が1人。そう、アスライテ先輩だ。
アスライテ先輩はエトワール専用のマイクリ鯖を立ち上げて「今年のクリスマスはマイクリ内で皆で祝おう!」とトゥイッターにて10分前に宣言した。
運営もすぐにレスポンスしたのをみるに、ちゃーんと許可をとった上での行動なんだろう。ただ、いつものようにサプライズを企てていたみたいで俺はアスライテ先輩の宣言を見るまで何も聞かされていなかった。おそらく他のみんなもそうだと思う。
偶然にも夜更かしをしていて、その宣言にいち早く反応した俺はアスライテ先輩に目を付けられた。
どうやら鯖を立ち上げたはいいものの、それ以外は何も準備していないらしい。だから今のうちに資材集めやら何やらをしておきたい……とのことだった。もちろん俺はオッケーの返事をした。
そしたら何故か今すぐコラボしようということになって、真夜中だというのにコラボ配信をすることになってしまった。相変わらずやべー奴や……
「っと、こんなことしてる場合じゃない。ボクたちに残された時間は少ないんだ。誰かに気づかれる前に早くイタズラの準備を……じゃなくてみんなが快適に遊べるように資材集めをしとかないとね」
「誤魔化しきれてないですよ」
まぁそんなことだろうと思ったわ
くそっ、この時間帯はツッコミ組はみんな寝てる……!
多分渚が反応しなかったら1人で黙々と準備してたんだろうなって
「それじゃあ早速ログインしようか」
「アイアイサー!」
マイン・クリエイトことマイクリは世界的に有名なゲームで、Vtuberを知っていてこのゲームを知らないと言う人はおそらくいないだろうが、まぁ一応説明しておこう。
マイクリでは世界のすべてがブロックで構築されている。ブロックを破壊したり積み上げたり、遊び方は各プレイヤーに委ねられている。
建造物を作ったり、モンスターを討伐したり、神殿や裏世界を探索したりなどなど……とにかく自由度が高いのがこのゲームのうりだ。
他のプレイヤーと同じ世界で探索や冒険をすることが出来るので、その機能を利用してエトワール用のサーバーを作ったってわけだな。
「ほほう、他の人の動画や配信でゲーム自体は知っていたけど……いざ自分でやってみると何かこう、込み上げてくるものがあるね」
めちゃくちゃわかる
新しいワールド作るたびに初見のワクワク感がよみがえるんだよね
そういえばアスライテはマイクリ初めてなんだっけ
↑初見で資材集めしようとしてるのかよ
「ふっふっふっ、不肖ながらこの俺は、マイクリについては一家言ありましてね。初心者であるアスライテ先輩の手助けになるかと」
「あぁ、その心配はいらないよ。既に予習は済ませてあるからね。wikiも一通り目を通したし、知識だけならマイクリのことは大体わかっているさ」
そ、そんな……! いったいなんだってそんなことを……!
Vtuberにとって未知のゲームに手をつけるのは人気(登録者)を増やす上で大事な手法の1つだ。そのゲームを好きな人が見に来てくれて、そこからチャンネル登録に繋がる可能性が……ってわざわざ説明するまでもないか。
個人的な見解だが、そういった層は特に「初見の反応」を好んで見る傾向があると俺は思っている。
俺含め、みんなは「この緑の子はなんだろ〜。うわぁ! 爆発したぁ!」とか「うぇ〜! 夜になったら何かいっぱい出てきたんだけどぉ〜!」っていう反応が好き好き大好き〜〜なんだ。
「リスナーのみんなは初見の反応を見たかったはずなのに……なんで情報を仕入れてしまったんですか!?」
「それもこれも、エトワールのみんながボクのイタズラにかかって阿鼻叫喚する様を見届けたかったからさ……」
「……! そこまでの熱意とあれば、この神崎渚、全身全霊でお手伝いさせていただきますぜ!」
こいつら……
リスナーを置いてけぼりにして2人で盛り上がるな
他のメンバーが不憫すぎる
「渚くん……! 本当にありがとう……!」
「いえいえ、そんなそんな」
「というわけで、まずは名誉ある1人目の餌食となってくれ」
そう言ってアスライテ先輩はボタンを設置して…………って、ちょっと待て。なんで今ログインしたばかりなのにボタンなんか持って──
ドッドドドッドドドッドドド!!!
「うわあああぁぁぁ!!! じ、地面がぁぁぁ!!!」
ナギサはアスライテに爆破された
草
ファーーーwww
TNTを仕込んでおったか
流石アスライテ。仲間にも容赦なく仕掛けていくぅ!
↑流石……なのか?
「う、うぅ……イタズラの準備を手伝う相方になればイタズラの対象にならないと思ったのにぃ……」
「はっはっはっ、甘いあまい。凛くんの見通し並みに甘いよそれは」
「グラブジャムンよりも甘かったか……」
何気に貶される凛ちゃん
まぁ、あながち間違ってはないな
リスナーも辛辣で草生えはすよ
「さて、と。イタズラついでに初期位置もいい感じに平らになったし、渚くんには整地*1をお願いしてもいいかな」
「それはいいですけど、アスライテ先輩は何するんですか?」
「ボクは木材や石材、鉱石なんかを集めてくるよ。ある程度整地が終わったら、それら資材を入れる倉庫を作ってほしいな。外観はキミのセンスに任せるよ」
「倉庫の件は全然いいんですけど……1人で資材集めきれます?」
木材や石材はこの世界にありふれた存在であるため、その2つに関しては心配していない。この2つを集めることについては、時間と精神の問題だからな。
しかし、鉱石となると話が別だ。鉱石はレア度が上がるにつれて探し出すのも難しくなってくる。最も希少な鉱石であるダイヤモンドともなると、慣れてる人でも1時間に50前後しか取ることができないほど数が少ないのだ。
あっ、今マイクリのこと知らない人は「50って多くない?」って思っただろ。
けどな、防具一式と武器を全てダイヤモンドで統一するためには、ダイヤモンドが26個も必要なんだぜ? それ以外にも「つるはし」*2というマイクリで最も重要なツールにも3個必要なんだ。しかもそれらは使ったら無くなる消耗品。50個なんてあっという間になくなってしまうんだぜ。
情報を仕入れたとはいえ、プレイ自体は初めてであるアスライテ先輩。いくらアスライテ先輩といえど、鉱石を人数分集めるのは流石に無理だろう。
「大丈夫、だいじょうぶ。リソースパック*3を導入して、ボクだけ鉱石を透視出来るように設定してあるから」
「えぇ……(困惑)」
草
ガチやんけ!
初心者とは
何がこいつを駆り立ててるんだ
渚も困惑してて草
「もしリスナーの中にVtuberとか動画配信をやってみたいと思う人がいたら、今のアスライテ先輩を参考にしちゃダメだぞ? なんでこの人はみんなが望んでる「初見の反応」とことごとく逆のことをやっているんだ」
「そこら辺の反応はノワールくんやルフナくん辺りがやってくれるさ。さぁ、雑談はこれくらいにしてキリキリ作業を進めていこうか」