オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳   作:ユリガスキー

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クリスマスの準備の準備を始めるぜ!(後編)

「アスライテ先輩ー。こっちは倉庫完成しましたよー」

 

はぇ〜、わかっていたけどすっごい

神建築やんけ!

ワールド作って2時間でこれ作れるってマ?

パク……参考にしよ

 

「オッケー、ボクも一旦帰ろうかな」

 

「道中で死んで全ロス*1しないでくださいよ」

 

「誰に言ってるんだね、ちみ。そんな初歩的なミス、このボクが犯すはずがないだろう」

 

 確かにそうだ。警告しておいてなんだが、アスライテ先輩が全ロスする可能性は限りなく低いだろう。

 倉庫を作りながらアスライテ先輩の配信をつけて発掘作業を眺めていたのだが、PvPプレイヤーさながらの俊敏さで、それでいて安定感のある立ち回りで発掘作業をしていた。

 この人は本当にマイクリ初見なんだよな?

 

「いや、これは"フリ"というやつなのでは?

くっ……すまない渚くん。ボクとしたことが察しが悪くて」

 

「いやいやいやいや、違いますから、違いますからね!?」

 

先輩にもフリをするとは流石やな

しかもあのアスライテ相手にフるとは

偉くなったな、渚

 

「お前らも悪ノリしてんじゃねぇよ! わかってんだろ、アスライテ先輩はやる時はマジでやる人だって!」

 

 今の時刻は午前4時。

 俺は明日事務所でオフコラボの予定があるから、もうそろそろ配信を終わらせてぐっすりおねんねと洒落込みたいところなのだが……もし仮に、ここで全ロスなんかしてしまった日にゃあ、追加で2時間2人で仲良く発掘コースとなっちまう。

 流石にそれはごめんこうむるぜ!

 

 何か、何かで話題を逸らさなきゃ……!

 

「そ、そういえば、スイカップが今年度の人気ゲームランキングTOP10に選ばれましたね! いやー、めでたいめでたい!」

 

 以前スイカップが流行りに流行りまくった話はしたと思うんだが、あの後さらに色んな配信者がこぞってスイカップをプレイしたことによってプレイ人口は加速度的に増加、ステームの売上ランキングにて3週連続で1位をとって、今現在もTOP3を前後している。

 その影響もあってか、大手ゲーム会社が毎年発表している「今年度の人気ゲームランキング」にてTOP10に入ったのだ。

 

「へへへっ、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの名ゲームクリエイターさんよぉ……次はいったいどんなゲームを作っているんだい……オジサンにちょいとだけ教えてくれよ、ぐへへへへ」

 

き、きめぇ

きもいけど確かに気になる

どっかで次のゲームの構想はあるって言ってたよね?

↑詳細は頑なに喋らなかったけどね

 

「そうだね……本当はまだ喋るつもりはなかったんだけど……」

 

 そう言ってアスライテ先輩は、真剣な面持ちで語り始めた。

 えっ、どうしたんだ、こんなアスライテ先輩見たことないぞ!?

 

「ハフリーズ……だったかな? ルフナくんとマリーくんが巻き込まれた炎上事件。くだんの件でキミは真っ先に事態を収めてくれただろう?」

 

「だからキミには礼を言いたいと思っていたんだ。本当なら直接対面して言いたかったんだけど……早いうちに言ったほうがいいと思ってね」

 

「本当にありがとう、渚くん」

 

 

 

「えっ、えっ……えっ?」

 

 あ、あのアスライテ先輩が真面目な話し方で真面目な話を……?

 ね、眠くて幻聴が聞こえているのか……?

 

「い、いや、そこまで感謝しなくても。あっ、ほら、ルフナ先輩とマリー先輩はあんなことがあってもまったく気にしない人たちですし、事態を収めたとか大袈裟ですって」

 

「確かに2人は気にしないだろうね。でも外野はそうもいかない。あのままだったら直近のルフナくんの誕生日配信は間違いなく休止になってただろうし、このクリスマスイベントもどうなっていたかわからない。だから本当に感謝してるんだ」

 

ね、眠くて耳がおかしくなったか?

↑奇遇だな、俺の耳もおかしくなってるわ

あのアスライテが真面目な話をしている……?

こわいこわいこわい

明日は槍がふるだろうな……

 

「そんなキミだからこそ、次のゲームについて話してもいいかもしれない」

 

「えっ、あっ、はい」

 

「あっ、でもゲームの内容については内緒にしてほしいんだ」

 

「え?」

 

 内緒にってどういうことだ? この場で喋ったらリスナーのみんなにも内容が漏れて秘密を守ることなんてできないはず……あっ、もしかして裏でゲームの内容について話して、それをリーク配信で改めて喋ってねってことか?

 

「スイカップをリリースする前にも()()()()()()()情報が漏れてしまってね。二の舞を演じないように今回のゲームについては情報セキュリティを強化しているんだ」

 

「…………ん?」

 

「機密保持のため、本当は誰にも言いたくなかったんだけど……お礼を兼ねて先に伝えておこうかな。まぁ、キミが情報を漏らさなければリークされる心配はないから問題ないね。なんたって()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 一旦話を整理しよう。

 スイカップで(リーク犯)がリークしたから、アスライテ先輩は情報セキュリティを強化した、と。けど、特例として俺だけには情報をくれるらしい。

 

 この後に俺が取るであろう選択は2つ。

 1つ目は、もらった情報をそのままリーク配信で発表すること。けど、そんなことをしてしまった日にはリーク犯が誰だかバレてしまう上に、おそらく、いや十中八九アスライテ先輩からお仕置きという名の無茶振りをさせられるに違いない。

 2つ目は、もらった情報をリークせずに俺の内だけに留めること。これならアスライテ先輩からの無茶振りは回避できるが、まず間違いなくリスナーどもが騒ぎたてるだろう。「リーク情報ください」とか「リークして、やくめでしょ」でコメントが埋め尽くされて小馬鹿にされるに違いない。

 というか、俺の活動目的を考えたらリークしないっていう選択肢はないんだよな。

 

 うん、詰んでね?

 

「というわけで、この配信が終わったら早速ゲームの内容を──」

 

「い、いやぁ、大丈夫っすよ! 俺も1リスナーとして発売日まで楽しみにしてますよ!」

 

「いやいやいや、お礼も兼ねてるんだから、そんなこと言わずに是非」

 

「いやいやいや! 大丈夫、だいじょうぶですから!」

 

 

 くそっ! また話題を逸らさなくては!

 

「そ、そういえば、俺今反省文が30枚もあって大変なんですよね! 今年だけで252枚も反省文もらったアスライテ先輩はいったいどうやって処理してるか聞いてもいいですかね!?」

 

露骨に話を逸らしやがったw

まぁ、どっちに転んでも損しかないからな

リークしなかったら延々と粘着してやるッ!

↑わたしも同行するぞ!

 

「ん? あぁ、ボクは反省文をツケてもらってるからね」

 

「えっ、つけ? つけってあの居酒屋とかでよくある会計を後日に払いますよーっていう、あのツケですか?」

 

「うん、そう」

 

反省文をツケるってなんだよw

ってことは年末にもなって252枚反省文が溜まってるってコト!?

もはや払う気ないだろwww

よく運営はツケを許したな

ノワール:ちょっとずつでいいから書きなさいよ

 

「げげっ、もう起きてしまったか」

 

ノワール:何が「げげっ」よ。こんな早朝に監視しなきゃならない私の身にもなりなさい

 

「早朝というか、まだ夜なんですけど。相変わらず起きるの早すぎませんかね。

というか、どうしますかアスライテ先輩。ノワール先輩に監視されていたらイタズラの準備なんて出来ませんよ? 残りは裏でやりますか?」

 

「いや、ボクもVtuberの端くれだ。ノワールなんかにおそれをなして準備中の様子をリスナーに見てもらうのをやめるなんてことはしないさ。

だからこっちのことばでしゃべろうか(だからこっちの言葉で喋ろうか)」

 

あー、なるほど。たしかにこれならみられてももんだいないですね(あー、なるほど。確かにこれなら見られても問題ないですね)」

 

「ふふふっ、流石「人間が喋れるありとあらゆる言語を習得している」と豪語するだけのことはある。これなら問題なく準備を進めることができ──」

 

何語やこれ

才能の無駄遣いが過ぎる

これ確かアフリカの部族の言葉じゃね?

言われてみればアスライテと未来ちゃんが行ったアフリカの部族の話し方に似てるかも

じゃあ誰か解読できる?

↑無理に決まってんだろjk

 

 アスライテは地面と強く激突した

 

「は?」

 

「…………てへっ、ドジっちゃった♡」

 

「な、な、な、なにやってんすかあああぁぁぁ!!!」

 

あーあ、フラグ立てるから

これは2人仲良く2時間資材集めコースやな

ノワール:良かった……これでイタズラの準備はなくなるはず……

↑絶対ない

↑↑100%ない

↑↑↑半分くらいわかってて言ってそう

 

 

 

─────

 

───

 

 

 

 

   この配信は終了しました

*1
所持アイテムを全て失くして(ロスト)してしまうこと。マイクリ内で死亡すると所持していたアイテムは全てその場にばら撒かれ、5分以内に拾わないと全て消失してしまう。

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