オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳 作:ユリガスキー
「んにゃーー!! 久しぶりに三期生集合だにゃ!」
「凛ちゃん……もうボケが進行しているのね……」
「俺たちはつい先日、タコパするために3人で集まってただろ。しかもオフで」
「あ、あれ? 凛の感覚では7ヶ月くらい会ってない感覚にゃんだけど」
そんなわけがないでしょうが
どんな感覚だよ
人と猫の感覚って違うんやなぁ
「それはさておき、早速マイクリにログインしましょうか」
「おーっ!」「おーっ!」
俺たち3人は「一期生vs二期生vs三期生、マイクリ建築対決!」のため、マイクリでのコラボ配信をすることになった。
イベントの開催が決定した日の翌日に3人の予定がなかったため、行動するのは早ければ早い方がいいと即コラボが決まったのだ。
先輩方は日程の調整がまだできていないらしいので、俺たち三期生が一歩リードしていることになるぜ!
「実は私、マイクリって今までやったことがなかったのよね。プレイ動画も見たことがなくて」
「にゃにゃ!? そんな人間がまだいたとは驚きだにゃ!
それなら、この凛が彗月ちゃんにマイクリのイロハを教えてあげるにゃ!」
なんだか心配だな
泥舟に乗る姿が目に浮かぶ……
お前ら、凛ちゃんは"いちおう"ゲームは上手いんだからな?
「んにゃー! みんな失礼だにゃ! これでも凛は昔っからマイクリをやってきたマイクリ上級者なんだにゃ!」
「どーどー」
みんなをぎゃふんと言わせてやるにゃー! っと憤る凛ちゃんを宥めながら、三期生が建築する用の土地へと移動し始めた。
初期リスポーン地点である神殿、そして赤レンガを基調とした倉庫。この2つの建造物がある場所を中心とした時、12時から4時までの範囲を一期生、4時から8時までの範囲を二期生、8時から12時までの範囲を三期生の土地と決めて、それぞれの土地でお題の建造物を作ろう──と、昨日の配信で決まった。
さらに言うと、各々の方角……俺たち三期生でいうところの8時から12時の方角さえはみ出さなければ、土地はどこまでも使っていいとのこと。
つまり超天元突破した巨大建造物さえも作ろうと思えば作ることができるのだ!
まぁ、大きければ大きいほど評価が高いってわけではないんだけどな。それでも大きい建造物ってのは細部にこだわることができるから、大きいことに越したことはないはずだ。
「というわけで、あの山の麓まで整地をしながら何を作るか話し合うか」
「というわけでって、どういうわけにゃ。漫画やアニメじゃにゃいんだから、それだけじゃ凛たちには伝わらないにゃ!」
「あの山の麓までって……結構距離あるわよ? マイクリでの建築って、そんなに面積が必要なの?」
んなこたぁない
麓までって、神殿から500ブロック分はあるんじゃね?
初心者にさせる作業じゃねーぞ
どんなデカいものを作る気なんだよ
「というか、凛たちがこれからやるべきなのは整地とか話し合いとか、そんなちゃっちいものじゃないにゃ!」
「むむ? 流石にそれは聞き捨てなりませんぞ? 期日まで残り19日、拙者らは1日たりとも無駄にすることは許されぬはず。凛殿が何を提案するのか皆目検討もつかぬが、並大抵の言葉では拙者を説得出来ぬと知れ!」
「とりあえず、この世界を冒険するにゃ!」
「わーい! 冒険、しよー!」
即 落 ち 2 コ マ
うーん、この
いったい何を見せられてるんだ
いや時間を無駄にするなよ
「もうっ、2人とも真面目にしなきゃダメでしょ?」
「いやいや、俺たちは真面目に冒険しようと言ってるんだぜ?」
「え?」
「確かに俺たちに残された時間は少ないし、たとえそうでなくとも時間をかければかけるほどクオリティが上がるのがマイクリの建築だから、無駄なことには時間を注ぎたくない」
「けどな、自給自足の生活にお宝探し、村人を家畜化したり敵モブとの戦闘、果てには異世界にまで行ったり……マイクリには面白い要素がたっくさんあるんだ。それを知らないまま建築するのはもったいないぜ」
「もちろん建築だって物凄く面白いぞ? けど、今回の建築はアスライテ先輩から課せられた、いわば受動的な建築だ」
「今回が初めてのマイクリとなる彗月ちゃんには、そんなしがらみには囚われずに自由に遊んでほしいんだ。それはきっと無駄なことではないはずだからな」
「渚ちゃん……!」
意外にもしっかりとした理由だった
さっき異常な量の整地をやらせようとしたやつとは大違いや
↑同一人物定期
なーんか1つだけおかしいのがあったような……
「凛ちゃんもそういう思いで冒険しようと提案してきたんだろ?」
「凛ちゃん……!」
「へっ? あっ、そ、そうにゃ! 凛も渚とまったく同じことを考えてたにゃ!」
「…………」「…………」
「さ、さーてと! それじゃあ冒険の準備のため、いったん倉庫に帰るにゃ!」
凛ちゃんェ……
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
改めて説明する必要もないと思うが、倉庫には快適なマイクリ生活を送ってほしい一心で集められた素材が大量に納められている。
この倉庫にある素材はすべて「最初から最強装備を身に付けてもつまらない」がコンセプトとなっているので、素材のグレードはある程度セーブされた状態となっている。最高グレードのダイヤモンドや希少な素材は当然ここにはない。
この説明は昨日の配信で説明したばかりだから必要なかったな。まさかいないとは思うが「その説明は4ヶ月前に聞いたから忘れてたよ〜」という人は凛ちゃんと同レベルだと自覚するように。
「あらかじめ道具が準備されているなんて至れり尽くせりね」
「まぁ、ここにあるものはすべて終盤には使わなくなるものばかりなんだけどな」
「そうなの?」
終盤には使わない(中盤までお世話になる)
初めてでこれだけ手厚いサポートをしてくれるって有難いよな
四苦八苦するのも楽しさの1つだと思うんだけどなぁ
マイクリの第一歩は木こり派の俺、怒りで震える
「こだわりのあるリスナーには悪いが、せっかく用意した倉庫を使ってもらえないと俺が悲しいからな。みんなにはバンバン倉庫を使わせていくぜ」
「凛も基本的に苦労を乗り越えることは楽しみの1つだって思ってるけど……不意に死んで所持していたアイテムを全ロスした時に、こーゆーのがあると心の持ちようがかなり違ってくるにゃ。それを思うと倉庫の存在について凛からは何も言えないにゃ」
「な、なんだか凄く実感が篭っているわね」
「みんな一度は通る道だからな」
どんなに上手い人でも死ぬ時は呆気なく死ぬのがマイクリだからな。草原を普通に走っていたら、死角になって気づけなかった渓谷に落ちてそのまま落下死ってのはよくある話だ。
実際に昨日のアスライテ先輩も何度か全ロスしていたし。うっ、思い出すと頭が。
「と、いうわけで〜……装備一式もらいたいにゃ!」
「はいヨー、装備一式、お待ちアル」
「えっ? いや、え? あっ、1番レア度が高いものをお願いするにゃ!」
「これがこの倉庫で1番レア度が高い装備アルネ。これを使って彗月ちゃんのサポートをちゃんとこなすアルヨ」
「それは言われなくてもそうするつもりにゃって……あ、合言葉を間違えたかにゃ!?」
「そこの美声の彼女は何が欲しいネ」
「えっと、よくわからないからおまかせでお願いするわ」
「ピクッ…………誰のおまかせで?」
「え? 渚ちゃんのおまかせ、でいいのかしら?」
「お客さん、奥の部屋どうぞ」
「いや、ちょっと待つにゃ! なんで合言葉が昨日と変わっているんだにゃ!」
「お客さん。いったいどこで嗅ぎつけたかは知りませんが、合言葉なんてものは定期的に変更されるもんですよ。
ささっ、彗月ちゃんは俺と一緒に奥の部屋へと行こうか」
「んにゃーー!! 凛も一緒に連れてってにゃーーー!!!」
前回の話についての感想をたくさん頂きましたので補足をば。
日利5%は現実の時間に準拠されています。マイクリ内でのゲーム時間(現実の20分=マイクリの1日)準拠だと流石にノワールが承諾しません。この件については私の描写不足でしたので編集しておきました。感想にてご指摘くださった皆様、本当にありがとうございます。とても励みになります。
ちなみに、もし日利5%がゲーム時間準拠でエメラルドを100個借りていたら……1時間で115個、半日で579個、1日で3354個返済する必要があるそうです。複利って恐ろしいですね。