オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳   作:ユリガスキー

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報道しない自由が、俺にもあるッ!(前編)

「毎週お馴染みエトワールの1週間をあなたにお届け。実質公式と言っても過言ではないこの配信をお送りするのは……この俺! 神崎渚だぜ!」

 

実質……?

待ってました

今日は一人称俺なんですね!

いやー、今回のは特に楽しみだわ

どんなニュースが流れるのかなぁ(すっとぼけ)

 

 ぐ、ぐぬぬ……やはり()()()()コメントが多い気がするぜ……

 

 

 

 一昨日行われた三期生のコラボ配信。なんとそこで凛ちゃんが盛大にやらかしてくれたのだ。

 エメラルド喪失のショックが大きすぎた凛ちゃんは配信の切り忘れチェックを怠ってしまい、みんなの裏側を長時間に渡って配信に垂れ流しにしてしまった。

 そのため凛ちゃん視点の配信はすぐさま非公開になったのだが……やはりと言うべきか大量の切り抜きがアップされていた。彗月ちゃんが浮かれているさまも、猫じゃない凛ちゃんも、お嬢様ーって感じの俺の様子も、まるっきり全部がだ。

 

 トゥイッターを覗いてみれば、自然体を見れて嬉しいだの、素の状態も可愛いだの、むしろそっちが好みだの……

 そこまでダメージを受けていない彗月ちゃんはともかく、凛ちゃんにそういうコメントがくるのは本人にとって複雑だろうが、ぶっちゃけ問題はないだろう。まさか本当に裏でもずっと「にゃーにゃー」言ってると思っている人はいないだろうし、凛ちゃんの根っこの部分は猫の時とそこまで変わっていないからな。

 

 だが、俺の場合は話が違う。あれはあくまでも「凛ちゃんを騙すための演技」に過ぎないからだ。だからこそトゥイッターで否定したのだが「必死で草」とか「はやく元のお嬢様に戻ってください(怒)」や「私のお嬢様のお師匠になって渚ちゃん!」などと、俺の言葉を信じている者はほとんどいなかった。

 勘違いされることによって俺が困ることはないのだが……それでリスナーが浮かれているのを見ると、なーんか癪に障るんだよな。

 やはりこの怒りは、切り忘れの張本人である凛ちゃんに全てぶつけるしかあるまい……

 

 

 

「お前らが何を言ってるのか皆目検討もつかねぇが、時間は有限なんだ。とっとと1つ目のニュースにいくぜ!」

 

 

 

 

 

「今週の出来ごとを語るのなら、この話題は避けては通れねぇ! アスライテ先輩主催の『一期生vs二期生vs三期生、マイクリ建築対決!』だー!」

 

 3日前に突如として始まったエトワール全体を巻き込んだ大規模コラボ。当然と言うべきか、今回のニュースでも大々的に取り扱っていくつもりだ。

 おさらい程度に事の経緯……は大丈夫だと思うから、この場ではここ2日の進捗状況だけ語るとしよう。

 

 一期生は一昨日の夜、切り忘れ事件が起きた日の夜に集まって何を建てるかの話し合い配信をして、巨大クリスマスツリーの建設が決まった。

 ただ、それだけだとインパクトに欠けるのでは? という意見も話し合いの中で出ていた。その解決策として、ツリー内部を空洞にして内部も飾り付けをしたり、簡易的なツリーハウスを作るなどして付加価値をつけて評価点をあげるなどなど、色んな案がでていたが……それらが実現するかどうかは時間の問題、つまりは一期生みんなの働き次第だろう。

 とはいえ、一期生は他と比べて人数が1人多いうえ、マイクリ上級者であるアスライテ先輩とルフナ先輩がいる。ノワール先輩とマリー先輩もカジュアル勢ではあるが何もできないわけではない。

 そう考えると、優勝に最も近いのは一期生だと言えるだろうな。

 

 それに対して、二期生は苦しい状況と言わざるを得ない。二期生の3人である金剛先輩、日菜先輩、カレン先輩は皆揃いも揃ってマイクリをほとんどプレイしたことがないからだ。

 昨日は3人で集まって配信をしていたが、マイクリで遊ぶのがメインとなっていてクリスマスについての話し合いは一切行っていなかった。

 

 そして俺たち三期生はというと、一昨日の切り忘れ事件があったマイクリ配信以来、まだ1度もマイクリ配信をしていない。その一昨日の配信というのも、二期生同様遊びがメインの配信となっていたため何の進捗もない状況となっている。

 ただ、二期生と違うのはマイクリ上級者である凛ちゃんと俺の存在だ。多少の遅れ程度なら余裕で巻き返せるだろうな。

 

「──というのが今日までの状況だな」

 

相変わらずわかりやすい説明

こうなってくると二期生が不憫だな

戦力が偏りすぎだろ

というか渚がいる三期生が優勝するんじゃね?

 

「二期生には後半何らかのサポートが入ると思うぞ? 流石に3人だけで1から建設するとなると一期生、三期生には太刀打ちできないからな」

 

「あと、俺も基本は凛ちゃんと彗月ちゃんのサポートに回る予定で、ある程度は自重するつもりだぞ。だから勝負は最後までわからないぜ?」

 

 景品が俺にとって得になる物だったら、自重する気はなかったんだけどな。

 

 最優秀クリスマス建築に選ばれたグループには、運営から「超有名ブランドの高級クリスマスケーキ」が贈られることになった。そのブランドについて俺はよくわからないのだが、景品が豪華すぎると話題になっていたし、一部のメンバーは凄いやる気を出していたので、良い景品ではあるのだろう。

 ただなぁ……その"高級"クリスマスケーキとやらを日本国民全員分購入しても余り有る個人資産を保有している俺にとっては何の価値も見出せないんだよな。

 味についても俺が作った方が絶対に美味いものが出来上がるし。

 

「さてと、マイクリについての話はこの辺でいいかな。次のトピックは王女王、アスライテ先輩とノワール先輩のてぇてぇについて──」

 

は?

いやいや1番重要な話を忘れるなよ

それよりも、なぎりんてぇてぇを聞きたいなぁ

 

「はぁ? お前ら正気かよ。今1番ホットで話題な王女王をてぇてぇしないで、何をてぇてぇするんだよ。

それに、何の意味もなくこの場で取り上げることはしねーよ」

 

今1番ホットで話題なのはなぎりんだと思います

あー、あの件か

なんかあったっけ?

話題逸らしのために話したとかではなく?

 

「ったく、お前らは……1から話してやるから、耳の穴かっぽじってよく聞けよ?」

 

 事の発端は金剛先輩の義務オフコラボにまで遡る。

 あの日、レンタル・バーナギの社長であるアスライテ先輩がノワール先輩と直接取り引きをする対価として「252枚の反省文を年内に書く」ことを約束した。

 その話題は一昨日の一期生マイクリコラボの時にも上がっており、その後なんやかんやあった末に、「もしノワール先輩が年内に反省文を書くような事態になれば、その約束は取り消す」という宣言をノワール先輩自らがしたのだ。

 アスライテ先輩が言葉巧みに説いていく様は、まさに芸術の域だったぜ。

 

なんやかんやってなんだよ(困惑)

↑見てないなら見てきたほうがいいぞ

誘導というか煽動というか、とにかく凄かったわ

アスライテはやべー、俺は改めてそう思った

 

「アスライテ先輩の言説が優れているってのは概ね同意するんだが、今回は相手がノワール先輩だったからってのも大きいと思うんだ」

 

 

 

「そのことを理解してもらうために、お前たちにも語らねばなるまい。王女王が今1番ホットで話題な理由を。

基本誰にでも優しいノワール先輩だけど、アスライテ先輩にだけは当たりが強いだろ? あれは10年来の親友だから気兼ねなく接することができるからというよりも、常にアスライテ先輩に振り回されて既に慣れているからってのが理由の大半を占めているはずだ。しかし、長年振り回されてきたはずのノワール先輩は1度たりともアスライテ先輩のそばを離れようとはしなかった。それはやはり、どんなにアスライテ先輩が振り回してこようと、最後の最後にはノワール先輩が笑顔になるように動いていることを知っているからだろうな。だからこそ、今回のアスライテ先輩の提案も「最後に何を見せてくれるのか知りたい」と思って受け入れたんだろう。

俺はその時痛感したんだ。"王女王てぇてぇ"と。俺はそんな2人の信頼と絆に惚れたんだ……」

 

おはベルモット

なんて雑なシレン構文

説明が長い割に内容が薄いところも再現されている(+810)

 

「黙れ! 貴様らに王女王の何が分かる!

 

とまぁ茶番はこのくらいにして、「何を見せてくれるのか知りたい」とノワール先輩に思わせたってのは本当だぜ?」

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