オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳 作:ユリガスキー
「ノワール先輩には悪いですが、俺にも譲れないモノがあるんでね。全力でボコボコにしてあげますよ」
「私こそ、凛ちゃんの期待を裏切らないためにもボコボコにしてあげるわ」
あのー、俺らを置いてけぼりにしないでくださーい
初っ端からバチバチで草
2人とも気合い入ってんな
なんなら気合い入りすぎな気もするけど
「さて、今回のコラボに至った経緯を……僭越ながらこの俺が説明しましょう」
「えぇ、お願いするわ」
「うるせぇーー!! 説明なんてかったるいことしてられっかーーー!!!」
「…………へ?」
「経緯を知りてぇ奴ぁ、今すぐにでも昨日の俺の配信を見に行ってこい!!!」
「え、あ、あの、台本は──」
「お嬢ちゃん、戦争に台本はないんだぜ」
「」パクパク
え、えぇ……
なんだこいつ(なんだこいつ)
呆けてる姫もかわいい(現実逃避)
いや、これも渚が仕掛けている番外戦術の可能性も……
↑完全に否定できんのが腹立つな
「というわけで、本日やるゲームはこちら! 世界のアソビ大百科だー!」
ボードゲーム,トランプゲーム,オリジナルのバラエティゲームなどを100種類も収録しているテーブルゲーム集、それが「世界のアソビ大百科」だ。
色んな種類のゲームがありつつ、その1つ1つが比較的短時間で終わるという性質上、今回の俺たちのように配信の勝負事に選ばれることが多いゲームなんだぜ!
「当然俺たちもアスライテ・スペシャルルールである「3本先取」「交互にゲームを選ぶ」「ルールを守って楽しくデュエル」を適用するぜ!」
「…………ハッ! え、えぇ、もちろん。エトワール所属ならアスライテ・スーパールールを適用するのは当然のことよね」
スペシャルルールです姫!
あと別に当然でもなんでもないです姫!
ダメだ、完全にボディに入ってやがる
というか、アソビ大百科で勝負すんのかよ!?
勝てるわけないやん(絶望)
「まぁ、でもぉ? ただ単にゲームをするってのもつまらないですよねぇ?」
「え? え、えぇ? 当然、よね?」
「と、いうわけで、敗者には罰ゲームを。「勝者は敗者に1つだけ命令を下すことができる」という凛ちゃん式罰ゲームを採用しましょうか」
「凛ちゃん式……いいわね、それでいきましょうか」
あかん(アカン)
名前の響きだけで決めとるやんけ!
さ、流石に罰ゲームは拒否した方が……
↑もう手遅れですね
あーもうめちゃくちゃだよ
あとは俺が勝って、凛ちゃんとノワール先輩のコラボ配信の同時視聴を認めさせるだけ。
ストレート勝ちで勝負を終わらせて、配信終了後すぐに同時視聴と洒落込もうじゃないか。
「罰ゲームの内容も今のうちに決めておきましょうか。もし、ノワール先輩が勝ったら俺にどんな命令をさせますか?」
「そうね…………
今日から1週間、渚ちゃんにはお嬢様言葉で喋ってもらいましょうか」
「!?」
「もちろん、マリーのような似非ではなく、切り忘れ事件の時の清楚なお嬢様言葉でね。渚ちゃんは……同時視聴の許可が欲しいのだっけ?」
そう言ってくすりと笑うノワール先輩には余裕があった。先ほどまで慌てていた人物とは思えないほどの余裕が。
ノ、ノワール先輩を手玉にとっていたつもりが、いつの間にか立場が逆転してしまっただと!?
「それじゃあ、お互いの罰ゲームが決まったことで、早速勝負を──」
「ちょちょちょ、ちょっと待ったーー!! 流石にそれは釣り合わないというか、ちょっとあんまりじゃあないっすか!?」
な、なんだ、いったい何が起こっているというのだ!?
まさか、混乱していたのも全てブラフだったというのか!?
↑でも、ちゃんと混乱していたような……
ってか、罰ゲームの内容天才かよ
ガチ清楚お嬢様渚が見られると聞いて
凛:流石ですにゃ! そのまま渚なんてやっつけてくださいにゃ!
↑草
配信が始まる前に打ち合わせていた罰ゲームの内容と全然違うじゃないか!
くそっ! 台本と違うことをするとは、なんて酷い先輩なんだ……!
「ぐぬぬ……やってくれましたね、ノワール先輩」
「ふふふっ、いつまでもあなた達のいいようにされている私ではないわよ?」
そう言って満足気に笑うって見せるノワール先輩。
ノワール先輩的には事前の打ち合わせと違うことをして俺を驚かせよう! という、ちょっとしたイタズラ程度の認識なのだろう。
だが、
「いやいや、罰ゲームを提案されたくらいで何が変わるんだよ?」とか思っているお前らに向けて、これから起こりうるだろう2つのことを説明するぜ?
まず初めに「凛ちゃんも同じ罰ゲームを提案してくる」こと。
というのも実は、配信切り忘れが発覚したあと、それはもう申し訳なさそうに謝る凛ちゃんを落ち着かせる振りをしながら言葉巧みに誘導し、凛ちゃんの深層心理にお嬢様云々に触れてこないよう働きかけていたのだ。
そうして最後の仕上げに今夜の三期生コラボにて更なる働きかけを……なーんて思っていた矢先にこれだ。
そのせいで俺の誘導も失敗に終わり、今後凛ちゃんが罰ゲームを吹っ掛ける時は意気揚々と「お嬢様言葉を使うにゃー!」なんて言ってくることだろう。
…………俺の力があれば、言葉巧みと言わずマインドコントロールすることも容易いのだが、力を際限なく使ってしまうと俺の精神衛生上大変よろしくない。一般人である俺がソレに耐えられないのは目に見えてる。
そんなわけで、踏み込んでいい基準は予め決めており、今回はそれを超えたから誘導はできなくなったってわけなんだぜ。
そして2つ目。凛ちゃんが罰ゲームを提案をするということは「彗月ちゃんもそれに乗っかって罰ゲームを提案してくる」こと。
今朝方まで発熱して配信をお休みしていた彗月ちゃんは、今日までの騒動の全てを把握しているわけではない。なんとなーく、俺がガチのお嬢様だとリスナーが思っている? 程度の認識しかないだろう。
そんな彗月ちゃんが今夜の三期生コラボで「お嬢様について積極的に触れようとしない凛ちゃん」「お嬢様云々の罰ゲームを提案しない凛ちゃん」を見てどう思うだろうか。
(革命が絡まなければ)比較的常識人サイドである彗月ちゃんは、あまり触れない方がいい話題なのかと察してくれるだろうし、最低でも罰ゲームにお嬢様云々の提案はしなかったはずだ。
しかも、彗月ちゃんは俺への罰ゲーム権を現時点で2つも有している。負けなければ問題ない凛ちゃんとは違って、罰ゲームを提案してもいいという雰囲気がある時点で詰んでいるのだ。
えー、長々と話したが、つまるところ「同期2人が罰ゲームを提案しないよう画策していたのにノワール先輩の思いつきで全部崩された」ってわけ。チクショウメー!
え? 触れてほしくないなら、そうとはっきり言えばいいじゃないかって?
おいおい、俺だってVtuberの端くれだぜ? 向こうが何も提案しないのならともかく、提案されたとあれば断ることはできないだろう?
至極当然の原理ってやつだぜ。
「と、いうわけで! 同時視聴の許可だけじゃ釣り合ってないんで、俺の方も台本を無視して罰ゲームの内容をグレードアップするぜ!」
「何がというわけなのか分からないけど……まぁ、いいわ」
というか渚は最初から台本無視してるだろ
いや受け入れるんかーい
姫は何を考えているんだ……
まーた碌でもないこと企んでるよ
渚の提案を受け入れる必要はないですぞ!
「同時視聴の許可は当然だしてもらうとして……追加で凛ちゃんのように語尾に「にゃん」とつけてもらいましょうか」
ダ、ダニィ!?
うおおおぉぉぉ!!!
よっくやった渚ァ!
是非とも渚の提案を受け入れるのですじゃ!
手のひらくるっくるで草
凛:り、凛は、凛はいったいどっちを応援すればいいんだにゃ……!
↑お前は幸せそうでいいな
「ちょっ!?」
「負けなければ何の問題もないですよ、ノワール先輩。凛ちゃんにカッコいいとこ見せるんでしょう?」
「…………え、えぇ、そうね。負けなければ何の問題もないんだから。
いいわ、その勝負受けてたとうじゃない!」
「よっしゃー! 色々と脱線してしまったがノワール先輩とのアソビ大百科、さっそく始めていくぜー!」