オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳   作:ユリガスキー

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ザ・エンドってね

 

 

lose…  winner!

8    325

 

 

 

「」

 

し、死んでる……

そりゃこんな大差つけられたらなぁ

俺、ヨットの理論値始めてみたよ

それで言うならヨットで1桁点取る奴も始めてみたわ

 

 やはり日菜先輩の運は凄まじい。宣言通り上から順番に役を埋めていきながら理論値をとってしまうとは。しかも、ただの1度もキープしないというオマケつき。

 ここまできたら俺の運が悪いとか、そんなの些細なことだ。だってそうだろう? たとえ俺が並の運を、いやド級の運勢、ド運勢を持っていたとして、当たり前のように理論値をたたき出す日菜先輩の足元にも及ばないのは自明の理。日菜先輩の豪運と張り合おうとするなんて、小さな公園の小さな砂場で作った小さな砂山で富士山と張り合うようなもんだ。

 

「──そう、だから俺が運ゲーで負けたって仕方ない。仕方のないことだったんだ! 俺が弱いんじゃない、日菜先輩が強すぎるんだ!」

 

おっ、復活した

まぁそれはそう

日菜ちゃん相手に運ゲーは、ねぇ?

ぶっちゃけ運ゲーに持ち込まれた時点で詰んでる

 

「へー、日菜にボコボコにされるために起き上がるなんて……いーこいーこしてあげよーかなー?」

 

「エ!? イ、イーコイーコ、シテホシィ……ハッ! そ、そんなのに揺さぶられる俺じゃないですからね!?」

 

「思いっきり揺さぶられてるじゃない」

 

 くそっ、やはり日菜先輩は敵に回すと厄介すぎるぜ……!

 やはりここは運が絡まないゲームを考える暇すら与えないくらいに押し付けていくしかないな。

 

「というわけで! 次やるゲームはチェスだぜ!」

 

「えー、日菜、チェスなんてやったことないよ?」

 

「経験者が未経験者をいじめるなんて許されないわよ!」

 

そーだそーだ!

卑怯だぞ渚ー!

自分に有利なゲームを提案して恥ずかしくないのかー!

恥を知れ、恥を

 

「ふはははは! 勝てばよかろうなのだァァァッ!!

 

 

 

というか向こうだってヨットを提案するくらいだしどっこいどっこいだろうが」

 

それはそう

というか渚ってチェスできるんだね

 

「ん? 俺はチェスなんかやったことないぞ? なんならルールもよくわかってない」

 

「え? ならなんでチェスを持ちかけたのよ」

 

「いやいや、知らないんですかノワール先輩。アソビ大百科って遊ぶ前にルール説明してくれるんですよ?」

 

 駒の動かしかたさえ頭に入れれば、あとは頭の中に無数の盤面を作って無限回数の試行を繰り返すだけ。そうすれば容易く理論値を導きだすことができる。

 それに、その程度を求めるくらいなら時間もそんなにかからないしな。

 

いや言ってることおかしいぞこいつ

やってることまんまチェスコンピューターやんけ!

↑チェスコンピューターはまだ理論値出してないから渚の方が上やぞ

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

「わァ……あぁ……」

 

「さ、30秒で終わっちゃったわ……」

 

スカラーズメイトじゃねぇか!

渚本当にチェス未経験なのか?

無からスカラーズメイトを思いつくとか天才かこいつ?

↑渚はスペックだけみたらガチの天才だから

 

「ほーん、結構有名な定石だったのか。えーと、なになに……『初心者ハメ殺し戦法』『対策知らんと4手で終わっちゃうんだよね』『みんな1回は通るやつやん』ですって、日菜先輩。

チェス未経験なら負けちゃってもしょうがないっぽいですよー……プププ」

 

「あぁーー!! 今日菜を笑ったね! こうなったら手加減抜きの本気でやっちゃうよ!」

 

 いや、手加減抜きの本気って……最初から運ゲーの極地であるヨットを提案していたじゃないか。

 そんなツッコミを皆から受けた日菜先輩は「戦争」を選びながら語り始めた。

 

 

 確かにヨットはアソビ大百科を代表する運ゲーかもしれない。だがしかし、ヨットはスコアを競い合うゲームであって、運を競い合うゲームではない、と。

 それって同じことでは? と思っているお前らに向けてよりわかりやすく説明するなら……ヨットは()()()()()スコアアタックってとこかな?

 ヨットそのものは確かに運ゲーで、高スコアを取れるかどうかは運次第だ。だが高スコアを取るという行為そのものは、あくまで個人競技に過ぎず、互いの運を直接ぶつけ合うわけではない。

 だから、()()()()()()()()()同士が戦えば、どちらもカンストしてしまい永遠と勝負がつかなくなってしまう。

 

 そんなヨットと比べたら、日菜先輩が選んだ「戦争」は直接的に運を競い合うゲームと言えるだろう。

 26枚のカードを分け合って山札を作り、上から順番に場に出して数の大きい方が勝ち。勝ったプレイヤーは場に出たカードを手に入れる。これを山札がなくなるまで繰り返して、より多くのカードを獲得したプレイヤーの勝利……

 お察しの通りの運ゲーだが、これはただの運ゲーじゃないぞ? あのヨットにだって一応戦略はあったが、戦争にそんなチンケなものは存在しない。

 山を配られた時点で勝負が決まり、プレイヤーが介入する手段は皆無。まさに究極の運ゲー、運の殴り合いと言っても過言ではないだろう。

 

戦争なら引き分けることもないもんな()

ある程度運が良い者(日菜ちゃん以外存在しない)

ヨットを上限のあるスコアアタックって例えてる人初めて見た……

上限を取れる人なんて普通いないのよ

渚相手にするならオーバーキルもいいとこだけどな

 

「んー⭐︎ 流石渚ちゃん! 日菜の言いたかったこと、全部言ってくれるなんて⭐︎」

 

「ふふふ、いえいえそんな、おきになさらず」

 

「ど、どうしたの? まるで悟りを開いたかのような顔と声色で」

 

「いえ、ね? 死を目前にすると、人間こんなにも心穏やかになるものなのかと……ふふふふふ」

 

「な、渚ちゃん! しっかりしてー!」

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

lose…  winner!

0    26

 

 

 

知 っ て た

親の顔より見たスコア

↑もっと親のスコア見ろ

親のスコアってなんだよ(困惑)

 

「最弱のカードを順に繰り出す渚ちゃんと、最強のカードを順に繰り出す日菜ちゃん……これは酷い」

 

「ふっふっふっー⭐︎ この調子でいけば渚ちゃんにも勝てちゃうね⭐︎」

 

「えぇ、そうですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次、があればですけどね」

 

「へ?」

 

 ノワール先輩の作戦は、()()()()完璧だった。

 俺にコラボを持ちかける時にはチャットだけのやり取りで自身の思惑を悟られないよう注意して、ノワール先輩でもギリギリ勝ち目があるアソビ大百科を選んで違和感をなくし、罰ゲームの内容を事前に変更することで動揺を誘い、俺に勝てる可能性が最も高い人を呼んだ。

 俺にコラボを持ちかけた時から日菜先輩が登場するまでのすべてに策が巡らされている。そこまで計画を練り上げたノワール先輩は確かに凄いが……

 

「1つ、たった1つだけ。ノワール先輩の計画から外れているモノがあるんですよ。

 

 

 

 

 

──アスライテ・スペシャルルールがね」

 

 ノワール先輩のあたふたする姿が見たい。

 ただそれだけのふざけた動機で提案したアスライテ・スペシャルルールだが、このルールには1つ欠点がある。

 「交互にゲームを選ぶ」というルール。それ即ち「選んだゲームに絶対勝てるのなら、先行をとった方が必ず勝つ」ということに他ならない。

 

「……! マインドコントロール!」

 

「人聞きが悪いなぁノワール先輩。ちょっと思考を誘導しただけですよ」

 

「え? え??」

 

 日菜先輩が登場して大いに慌てふためいた俺は、日菜先輩に離反を促し、これに振られたことでヤケになったフリをして素知らぬ顔で先行をとった。

 オセロ、ヨット、チェス、戦争のワンサイドゲームの連続は「3本先取」というルールを忘れさせるだけの絶大なインパクトがあった。

 仕上げに俺の話術を肉付けすることで、ノワール先輩に日菜先輩、この配信を見ているすべての視聴者は、目先の勝敗に目を奪われて本来の勝利条件が頭から抜け落ちてしまった。

 ゲームのやり直しを、ルールの改訂を要求できなくなるところまで。

 

あの一瞬でそんなとこまで考えてたのかよ

日菜ちゃんの運の良さすら利用した作戦だった……?

これまでのゲームすべてが渚の手のひらの上ってコト!?

やっぱこいつやべー奴だ

 

「そしてもちろん、俺が最後に選ぶゲームは『五目並べ』。当然、二人零和有限確定完全情報ゲーム(運の絡まないゲーム)を選びますよ」

 

 (先手)(後手)を交互に置きあって、縦・横・斜めのいずれかに自分の石を5つ並べたら勝ちというシンプルなゲーム。

 この戦いを終わらせるには、運が絡まない五目並べこそ相応しい……!

 

「先行は日菜先輩に譲りますよ。ちなみに、五目並べは最善手を打てば先行が勝てるんで、間違えなければ俺にも勝てるかも、ですねw」

 

「ぐ、ぐぬ、ぐぬぬぬぬ!」

 

もう勝ち誇ってるじゃん

↑実際決まったようなもんだろ

ガチ清楚お嬢様な渚を見たかった……

凛:そ、そんにゃ……

 

「…………1回も間違えなければ日菜が勝てるんだよね?」

 

「? えぇ、そうですよ?」

 

 

 

 

 

「ならっ! こうすればよかったんだーーー⭐︎⭐︎⭐︎」

 

 そう言って日菜先輩は目を瞑ると、配信に音が乗るほどコントローラーをガチャガチャいわせて、って

 

「ま、まさか! 五目並べ(運の絡まないゲーム)に運を絡めようとしているッーー!?!?」

 

擬似的にランダム打ちしてるってコト!?

そんなのありかよ!?

やってることめちゃくちゃやん

凛:うおおぉぉ!! 流石ですにゃ!!!

 

「そ、そんなの無理に決まってるじゃん、ムリムリ!」

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

「ムリじゃなかったーー!?」

 

 禁じ手を、ルールの設定で禁じ手を禁止にしていれば、日菜先輩の打つ回数が増えて豪運が途切れる瞬間もあったかもしれないのに!

 いや、そもそも調子に乗って先行を渡さなければ、こんなことにはならなかったか……

 

「本当に……ありがとう……! それしか言う言葉が見つからない……」

 

「あはっ⭐︎ 代わりに日菜の指はお星様⭐︎になったけどね……」

 

「お礼は今度たっぷりとさせていただくわ」

 

 

 

「い、いやー、み、みんな今日は楽しかったな! ではでは今日の配信はここまで! ばいなら!」

 

「配信は終わってもいいけど罰ゲームはちゃんと受けてもらうわよ?」

 

「くっ……! ならばこの7日間、ほとんど配信をせずに過ごしてやるしかない……!

 

聞こえてるぞ!

毎日配信しろ!

毎時配信しろ!!

毎秒配信しろ!!!

 

「えー、日菜、渚ちゃんとコラボしたかったのになー」

 

「ぜひやりましょう」

 

「やったー⭐︎」

 

即落ち2コマ

ファンの鏡やね()

うーん、この

 

「あら? 私は今日から1週間お嬢様言葉で話すって言ったのよ? 配信上だけとは一言も言ってないわ」

 

 あー、つまるところ、今から604,800秒(1週間)はいついかなる時もお嬢様であり続けろってことかな?

 まぁ、実際に家や外でお嬢様言葉を使っているかを確かめる術はないから、メンバーや社員に会う機会があればお嬢様言葉で話してねーってことだと思うけど。

 

「なるほどなるほど、つまりここ1週間は外に出ずに家に篭っていればいいわけですね」

 

「えー、日菜、渚ちゃんとオフコラボしたかったのになー」

 

「ぜひやりましょう」

 

「やったー⭐︎」

 

いや草

即堕ち2コマ

オタクの鏡やね()

うーん、こいつ

なんかデジャヴ

 

「これで、これで私の負担は大幅に減るわ……!」

 

「うん? なんかあったんですか?」

 

「ほら、今週末に案件のための収録があったでしょ? 今回の収録はアスライテに加えてあなたまでいるからどうなることやらと気を揉んでいたのよ。そんな中で凛ちゃんに相談を受けて「これだ!」ってなったのよね」

 

これで問題児が1人減るわけか

アスライテに加えて渚までいたらたまったもんじゃないよな

でもお嬢様言葉で話すってだけで問題児じゃなくなるわけではなくないか?

↑あっ……

アスライテ:あ

 

 だから配信外でもお嬢様でいるよう罰ゲームを設定したのと、嬉々として語るノワール先輩。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……あれ? 案件のことって口外しても大丈夫だっけ?

 

 

エトワール公式:ノワールさん……反省文3枚です……

 

「へ? …………あ、あぁ、ああああ!!」

 

アスライテ:ずっと前から色々と用意していたのに……

 

「ぐ、ぐぐぐ……!」

 

「うぅ……指が痛いよぉ……」

 

「禁じ手の設定ィ……後手の選択ゥ……」

 

なんだこれは

なんなんだこれは

まさに地獄絵図

姫と日菜ちゃんは勝ったはずなのに

なんかしれっとアスライテもダメージ受けてるし

凛:いやっふー! 流石はノワール先輩ですにゃー!

猫の1匹勝ちか……

 

 

 

─────

 

───

 

 

 

 

   この配信は終了しました




Q.戦争のルール元ネタのゲームとなんか違くない?
A.文字数が長くなり過ぎたので説明を省きました。一応本質は同じなので……

Q.渚の企みが発覚した後にでもやり直しの要求はできるんでねーの?
A.そこまで含めて誘導されてます。
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