オタク文化の創造神と呼ばれた俺がVtuberになった訳   作:ユリガスキー

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お案件お配信ですわ〜!

 今日はノワール先輩とアスライテ先輩の3人で案件配信! というわけで、俺は昨日に引き続き事務所に来たわけなんだが……

 

「大丈夫ですかアスライテ先輩? 目の下の隈が凄いことになってますよ?」

 

 

 

「僕はレンタル・バーナギの社長、アスライテ・バーナー・ナーだぞ。こんくらい、なんてこたぁねぇさ」

 

「そんな……私なんかのために……!」

 

「従業員を守るのは僕の役目さ……」

 

「でも!」

 

「いいからいくぞ。案件が待ってるんだ……それに」

 

 

 

「俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ! だからよ、止まるんじゃねぇぞ……」

 

「社長っーーー!!!」

 

 

 

 

 

「何やってるのあなた達」

 

「おはようございます、ノワール先輩」

 

「えぇ……あぁ、うん、おはよう」

 

 おかしいな。ちゃーんとお嬢様っぽく挨拶したというのに、どうして顔が引きつっているんだろう(すっとぼけ)

 

「……言っておくけど」

 

「わかっていますよ。『1週間は完璧なお嬢様として振る舞う』ですよね?」

 

 さっきの茶番は完璧なお嬢様な振る舞いか、という視線は無視して、最終的な動作確認をしているマネージャーさんの元へと向かう。

 この俺の美貌に耐えられる裏方の人は俺の担当マネただ1人ということで、俺が事務所で配信する時のサポートはマネージャーさんが1人ですることになってしまったのだ。

 でも1人でサポートするのは大変だろうからと、配信が始まるまでの準備だけでも他の人にやってもらおう、ということで話しが纏まった。そうなると、いつも1時間前行動をしていた俺は他の人の邪魔(邪魔という言い方は酷いと思う)になってしまうので、今後は10分前に来るよう言われているのだ。

 だからアスライテ先輩とノワール先輩は俺よりも先に配信部屋に来ているってわけだな。

 

「……やはり違和感がありますね」

 

「えっ? あぁ、私のことですか。確かに、今の私の演技は違和感がありますよね」

 

「いえ、今の神崎さんは誰がどうみても完璧なお嬢様です。とても演技とは思えないほどに。けどそれは──」

 

 それだけ言って黙り込むマネージャーさん。

 まーた色々と考えているんだろうけど、流石のマネージャーさんでも判断材料が少なすぎてここから先を推理することはできないだろうな。

 

 思考に耽っているマネージャーさんに、いまだ倒れているアスライテ先輩の口にエナドリin哺乳瓶を突っ込むノワール先輩。

 

 うんうん、今日もエトワールは平和ですな。

 

 

 

♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

 

 

 

 今日の案件で取り扱うのは「ゲーミングPC」だ。

 Vtuberのファンは趣味でゲームや動画視聴を好む人が多く、パソコンを取り扱う業種の人にとっては将来的に顧客になる可能性が高いためか、割とこういった案件が依頼が来やすい印象はあるな。

 少なくともアナログのカードゲームよりは全然来やすいイメージはあるぜ。

 

 そして、今回プロモーション役として案件に携わるのは、パソコンについて詳しく語れて、上手くプロモーションが出来る3人が選ばれたぜ。

 まず講師役の1人として選ばれたのは、パーツを買い集めてパソコンを自作する配信をしたり、エトワールのみんなのトラブルシューティングをなくしたりと、パソコンについてエトワールの右に出る者がいないと言ってもいいほどにパソコンに長けているアスライテ先輩だ。

 その実力はエトワールの社内システムの半分以上を手掛けているんじゃないかと、まことしやかに囁かれるほどなんだぜ。

 講師役2人目は、俺こと神崎渚。

 そのパソコンの知識は……わざわざ説明するまでもないな!

 

 この2人を講師役として、パソコンについて一般的な知識しか持っていないノワール先輩に教えるというテイでリスナーどもにPRするってな流れで配信を進める予定だぜ。

 

 ちなみに、俺を除いたエトワールのメンバー9人の中でパソコンに長けているのはアスライテ先輩ただ1人。そして、俺とアスライテ先輩の手綱を握れるのはノワール先輩ただ1人。

 今回の案件を受けるにあたってこの人選は半ば必然だったのだ!

 だからノワール先輩は俺に罰ゲームとしてお嬢様言葉を強要して少しでも負担を減らそうとしたってわけだな。あまりの必死さに、な、涙が出ますよ。

 

 

 

「そもそも、今回案件をオファーした「LEVONO」というのはどういった会社なのかしら」

 

「えっ、まさかそんなことも知らずに案件を受けて、あまつさえ予習もせずに配信に臨もうとしたのかい? 正気じゃないね」

 

「そういう前振りでしょうが!」

 

「LEVONOはパソコンを、特にゲーミングPCに力を入れている会社ですね。コスパの高さと冷却・静音性、デザインの良さが評判になっています。「安くて性能の良いパソコンが欲しい」という方にはおすすめできる会社ですね」

 

「な、渚ちゃん……!」

 

 おぉ、ノワール先輩から期待の眼差しを感じるぜ。「もうこの案件を成功させるのはあなたをおいて他にいないわ!」的な視線を!

 

 ならば、その期待に全力で応えないといけませんな!

 

「特にコスパは本当に高いよね。同じ性能のパソコンを自作したら4,5万くらいしか安くならないんじゃないかな」

 

「ちょっと、それ言っても大丈夫なの?」

 

「大丈夫ですよノワール先輩。今のアスライテ先輩のコメントはとても良かったですから」

 

 4,5万も安くなるのは結構デカいが、その分知識が必要で、誤った取り扱いや組み立てのミスが損傷や故障の原因となる可能性があり、メーカーの保証が利かないなどのデメリットも多い。

 これらの手間をメーカーに丸投げ出来るなら、4,5万払うのは結構アリなんじゃないか。

 

 個人的には一度は勉強のために自作で組んでみるのもありだとは思うが……これは案件を受けている最中に言うことではないか。

 

「なるほど、流石は渚ちゃんね!」

 

「あれれー、なんで渚くんが褒められているのかなー? ボクが最初に言い出したはずなのになー?」

 

「Sharap」

 

「(´・ω・`) 」

 

アスライテ……涙拭けよ

無駄に発音良くて草

す、すげぇ、渚が真面目に解説してやがる

↑一応解説だけは元々まともにやってたから

 

 このまま解説を交えてパソコンをアピールするのも良いが、やはりVtuberならゲームで遊んでパソコンをアピールするのがなんぼってもんよ!

 

 というわけで、当初の予定通り3人仲良くアーペックスで遊んで性能をアピールしていくぜ!

 

「おぉ……これは凄いわね。いつも使っているパソコンよりもぬるぬる動いているわ」

 

「スペックの良いパソコンでゲームすると、それだけでテンション爆上げだよね」

 

「わかります! なんだかゲームが上手くなった気がするんですよね♪」

 

気がする……?

お前は元から上手いだろ定期

でも本当に性能いいなこれ

買ってみようかな

 

 おっ、どうやらリスナーどももゲーミングPCに興味を持ったみたいだな。

 この調子でいけば案件は大成功……しかし、まだ足りない。たったこれしきのことでノワール先輩の期待に応えたとは言えないよなぁ?

 

 ちょうどタイミングよく試合が終わったところで、ジェスチャーを使って2人からコントローラーを借り受けた後、そのまま次の試合を始める。

 

!?

なんだ今の動き

一瞬で3人キルしていったぞ!?

姫もアスライテもめちゃくちゃ上手くなってるんだが???

あっ(察し)

 

「な、渚ちゃ「うおおおぉぉぉ!!! これがLEVONOのゲーミングPCの性能とやらか!!!」

 

「流石はLEVONOです。LEVONOのゲーミングPCを使うとこんなにもプレイングが上がるのですね」

 

「いや、ちょ「ふはははは! 圧倒的じゃないかLEVONOのゲーミングPCは!」

 

うおおおお!!!

LEVONO SUGEEEEE!!

これはもう買うしかないですね

ぼくもゲームがうまくなりたいから、おこづかいでかってきます!

こ れ は ひ ど い

こ れ は す ご い か ら 買 う し か な い

↑草

 

「あっ、どうやらたった今、紹介しているパソコンが売り切れてしまったようですね」

 

「え」

 

マジかよ

うわ、さっき買っとけばよかった

案件の仕事終わっちまったwww

まだ30分も経ってねぇぞ

他の商品も売り切れてて草ァ!

……てかこいつ3人同時プレイしながら商品ページ見てるのか?

↑化け物やん

 

「うんうん、気持ちはわかるなぁ。万年ダイヤ帯のボクとシルバー帯のノワールが、LEVONOのゲーミングPCを使うだけでプレデター級の実力を手に入れられるんだからね」

 

「いや、それは渚ちゃんが「皆さんも是非LEVONOのゲーミングPCを買ってくださいね♪」

 

 

 

 

 

 

 

「いやもう売り切れちゃってるから!!」

 

 これにて、一件落着! 案件大成功ナリ〜!

 

 

 

─────

 

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