さて、前回は劣等感ツンツン男と化し、彼女から決別の言葉を引き出した所でしたね。その出来事の翌日から今回はスタートします。
いつものように学校へ登校しますが、彼女はいません。文化祭におけるクラスのまとめ役が居ないという事で、クラスメイト担任の先生に聞くと、どうやら彼女は風邪で休んだ様子。
恐らく、文化祭準備のストレスと昨日のストレスが合わさり、免疫力が下がってしまったのでしょう。それか、風邪は嘘であり、ストレスによる逃避行動として学校をサボった可能性もあります。
ひとまず、一時的なリーダー役をクラスの人気者である大城君に任せましょう。彼女とのランニング中に、これからどのように作業を進めるかを聞いておいたので、それを彼に伝えておけば安心です。
一方でアナタは“少し体調が優れないので保健室へ行ってきます”と先生に言った後、早退してしまいましょう。彼女のお見舞いへ向かうためです。
お見舞いなら放課後に行けばいいじゃないか、と思うかもしれませんが、彼女の両親は共働きをしており、今なら看病を名目に二人きりになれる可能性があるからですね。
スーパーなどで適当にゼリーやスポーツドリンク、冷感シートなどを買っておき、彼女の家へと向かいましょう。
彼女の住所は綿密な
今の時代、個人情報の取り扱いは厳重です。先生に聞いたという言い訳は使えません。彼女の友達に聞いたというのがギリギリでしょうか。とにかく祈りましょう。
♢
時刻は午前11時頃。彼女の家にたどり着きました。インターホンを鳴らしましょう。
ピンポン
返事がありませんが、しばらく待ちましょう。この時、インターホンのカメラに映らない立ち位置に居るのがポイントです。彼女がカメラ越しにアナタの顔を見てしまえば、気まずさからそのままUターンしてしまう可能性があります。
「……どちら様ですか?」
機械越しに彼女の声が聞こえてきます。いつもより弱弱しい声です。
“昨日帰ったっきり、風邪で学校を休んだから心配になって。お見舞いに”
「な、んで……」
アナタの声を聞いた彼女の動揺が玄関越しに伝わってきます。
ここは、苦渋の決断といった様子を
この時、立ち位置を調整し、その表情がインターホンカメラに映るようにするのも忘れないように。
“……ごめん。嫌だったらすぐ帰るよ。買ってきたもの、ドアノブに
この時、しっかりと足音を立てて去りましょう。インターホン越しでも伝わるぐらい音を立てるのがポイントです。タップダンスを習っておくと万全でしょう。
コツ……コツ……
「……ま、待って…っ」
そら来た。次のアクションを待ちましょう。
ガチャ
玄関の扉が開きます。
「……入って」
それでは遠慮なく。招かれるままに彼女の家へとお邪魔しましょう。
♢
“これ、ゼリーとか冷感シートとか買ってきたから”
とりあえず買ってきたものをリビングのテーブルに置き、話をする体勢に入りましょう。アナタと彼女の位置関係は、テーブルを挟んで対面のソファにそれぞれが座っている状態です。
「ありがと……丁度、冷感シート切れてて…」
とはいえ、昨日の悶着があった後。すぐに“お話ししましょう”という空気にはなりません。
「いくらしたの……?」
彼女は熱に浮かされているのか、少しだけ発話がゆっくりです。頬も紅潮しています。弱っている彼女に駆け引きは必要ありません。“お金は良いよ” “おごりで”、などとは言わず、レシートを彼女に見せましょう。
「お金……財布は私の部屋にあるから……ついてきて……」
彼女はフラフラと自分の部屋がある2階に向かいます。後を追いましょう。
♢
さて、彼女の部屋に侵入することができました。ひとまず買ってきた物の代金を受け取ります。
そして彼女が冷感シートを額に貼る間、部屋の中を見回してみましょう。
一見綺麗ですが、逆さまに本が置かれた学習机。椅子の下には鉛筆と消しゴムが落ちたまま、片付けられていません。棚の収納箱も半開き、何やら棒状の物が飛び出しています。荒れていますね。ここ最近のストレスが原因でしょう。
“じゃ、お大事に”
彼女がベッドに寝転んだのを確認して、部屋を去ろうとしましょう。この時、やや冷たく言い放つのがポイントです。
「ま、まって…っ!」
そうすると、このまま縁が切れてしまいそうな不安に耐えられなくなった彼女の方から呼び止めてきます。わざわざお見舞いに来たことからも、そんな事は無いと想像できるはずにも関わらず。
風邪で冷静な判断を失っているとはいえ、流石に可愛いと言わざるを得ません。
「昨日はごめんなさい……。酷い事、言って……」
彼女はベッドに寝転び、壁の方を向いているため表情は見えません。
「全部、嘘なの……。アンタの……○○の顔見たくない、なんて嘘……」
しかし、語り口調からは必死さが伝わってきます。先の暴言を許して貰おうと、風邪でぼやける頭を駆使して必死の弁明。
「 “小さい”って言われたから……売り言葉に買い言葉で…」
ここは何も言ってはいけません。彼女の不安を煽れるのもそうですが、何も言わなくとも彼女の方からベラベラと弁解してくれます。
「昔……っ、クラスで特別背が低くて……。運動も全然できなくて……。“チビ”って馬鹿にされて……虐め、られて……」
彼女はすでに鼻声です。肉体的にも精神的にも弱っている所に、過去の嫌な思い出を引き出してきているのですから、泣いてしまうのもしょうがないでしょう。
「だから……過剰反応して……。ごめんなさい……」
まだ返事をしてはいけません。一歩、ドアに向かって歩きましょう。
ベッドの上で彼女が一層丸まります。布団とシーツを引き裂かんばかりに掴む音が聞こえますね。
「ごめんなさい……ごめんなさい……っ!」
体勢を整えた後、彼女のベッドへと寄りましょう。うわ言の様に謝罪を繰り返す彼女の背中に手を置きます。
瞬間、分かりやすいほどに彼女の体が震えました。
「ご、ご、ごめん、なさい…」
“許してあげる”
ここは傲慢に。アナタが支配者です。彼女が弱っている間に刷り込みましょう。
「ほ、ほんと……?」
“うん。
彼女の背中をゆっくりと
“怖かっただけなんだよね。傷つきたくないから、敵を遠ざけようとした”
「……うん…」
“でも、俺は敵じゃない”
「…うん……」
“だから、俺の前では牙を見せなくてもいいんだよ”
「…………ぅん…」
ごろん、と彼女が転がりました。横向きから仰向きの状態になった彼女の表情は、
言い換えればアナタに弱っている所を晒しても構わないと、完全に心を許してくれた状態です。
「文化祭の準備……私、休んじゃったから……」
“大丈夫、大城君に任せてるから。何をするかは
彼女の最後の不安を取り除いてあげれば、後はイチャイチャし放題です。まず枕の隣に置いてあるタオルで、彼女の額の汗を拭いてあげましょう。
その勢いのまま彼女のパジャマの第二ボタンまで外します。
「ぇ、ぁ…その…」
“首と鎖骨を拭くだけだから、大丈夫”
そう、大丈夫。全く問題ありません。
風邪で赤くなっている彼女の頬が、更に朱に染まります。首や鎖骨をタオル越しにまさぐるアナタの腕に、彼女は手を添えようとしますが、反対の手で優しくベッドに押し付けてあげましょう。
「っ…」
一瞬、彼女の手に力が入りますが、すぐに緩みます。
「ん……」
そのまま目を細めてぐったりと動きません。そんな彼女の汗をきちんと拭いた後は、パジャマのボタンを閉めて、元通りにしてあげましょう。
「……」
彼女の顔の朱が増し、僅かに恨めしい瞳でこちらを見つめてきます。何を勘違いしたのでしょうね。
続いて彼女が寝ている氷枕に手を当てましょう。そして冷えた手のひらを彼女の頬に当てます。
「ひゃ…ぁ…」
繋いでいる手がぴくり、と彼女の驚きを伝えてきます。しかし、火照った顔にひんやりとしたアナタの手が気持ち良いのか、次第に目を閉じていきます。
反対の頬に、まだ冷たい手の甲を押し当ててあげましょう。これまた驚きが伝わってきますが、すぐに安楽としています。
彼女が眠るまでの間、これを続けてあげましょう。
♢
さて、彼女が寝たのは午前10時ごろ。次に目を覚ます頃にはお昼時になっているでしょうから、ご飯を作ってあげましょう。
冷蔵庫を開けると丁度良い具合に食材が揃っています。風邪をひいている人間には湯豆腐と生姜入りつみれを投入した鍋でバッチリ。
今のアナタを客観的に見ると、学校をサボって風邪を引いている異性の家に押し入り、あまつさえ他人の家の冷蔵庫を勝手に開けて料理を作る恥知らずです。とはいえ、彼女に悪く思われなければOK。優しくさえすれば、悪印象を持たれる事はないでしょう。
彼女の部屋に料理を運ぶと匂いに釣られたのか、彼女がちょうど目を覚ましました。勉強机の上に料理の乗ったお盆を置き、彼女を椅子に座らせましょう。
「これ、○○が作ったの…?」
“うん、嫌じゃなければ昼食代わりにして欲しいな”
「い、嫌なんかじゃない! ありがとう……」
彼女が料理を食べている間、すっかりぬるくなってしまった氷枕を取り換え、彼女が再び寝る体勢を整えます。タオルも新しいものを洗面所から持ってきましょう。
そうしているとあなたのお腹が鳴りました。それを聞きかねた彼女がレンゲに乗せた“つみれ”を差し出してきます。
「ん……」
“いや、それは
「私の物をどうしようと私の勝手。ん……」
断っても口に押し込んできそうなので、遠慮なくいただきましょう。
「私の分だけじゃなくて、自分の分も用意しなさいよ……」
それからは彼女とアナタ、交互にレンゲの中身を啜ることに。きちんと彼女がフーフーしてくれるので、その仕草をオカズにしながらポン酢味の湯豆腐とつみれを味わいましょう。
デザートにゼリーを食すと、彼女は再びベッドへ。しかし、食べてすぐに横になるのは逆流性食道炎の原因にもなりかねないので、しばらくは壁にもたれたまま布団にくるまっています。
物欲しそうな目でアナタを見てくるので、彼女の隣に座ってあげましょう。
すると彼女は何を思ったのか、アナタの膝の中に割り込んできます。まるで背面座位のような体勢になりましたが、股間に血液を集中させること無く、しっかりと彼女を抱いてあげましょう。
「……」
少し力を込めたら折れてしまいそうな彼女の首。その頸動脈の部分に手を当てましょう。
「ぁ、ぅ……」
僅かな拒絶。急所を触られるという事態に体は拒絶しながらも、頭ではアナタが危害を加える事などあり得ないと判断するでしょう。
手に伝わる脈動が加速したのは一瞬の事。すぐに落ち着きを取り戻しました。それどころか、さらに安穏としている様子。自分以上に信頼できる人に急所を守られているのでそれも仕方ないのでしょう。
僅かに汗でしっとりとしている彼女の喉を撫でましょう。アナタの存在を彼女の体に刷り込む様にねっとりと。
彼女から漂う
「………すー……すー……」
ついには寝てしまいました。据え膳どころか、もう口の中で咀嚼しているレベル。彼女を抱いたままベッドに寝転がります。彼女の頭が氷枕の上に来るように気を付けましょう。
彼女が再び目を覚ますまでやるべきことはありません。特にすることが無ければ、彼女の隣で寝てしまうのが良いでしょう。彼女の風邪が良くなり、目を覚ました時に大層慌ててくれるでしょうから。
今回はここまで。もうここまでくれば、彼女は落ちたも同然です。向こうからの告白待ちレベル。しかし詰めを誤る恐れもあるので心配な方は最後までご視聴ください。