ネバーランドから帰ってきた....と思ったらモラリアに飛ばされていたウェンディが気づいたこと 作:留年生リズ
じょるじんワールド炸裂でしたね。ということで曲沿いです。
第十二話「マイケルはロンドンに帰ってから何を見たのか」
ネバーランドから、みんなで帰れたと思っていた。お姉ちゃんと、お兄ちゃんと、僕。
でも、お姉ちゃんだけは違った。ずっと何かに怯えていた。まだ5つだった僕には、何に怯えていたのか分からなかった。お姉ちゃんはずっと日記に文字を書き綴っていた。そしてある日、殺された。
“お兄ちゃんの姿をした何かによって”
僕の使命がはっきりした。お姉ちゃんの無念を晴らすことだと。
殺される前、お姉ちゃんはひたすら日記を書き綴っていた。自分の血をインクがわりにして。
その日記を僕はもう読むことができない。ページはその多くが破られ、かろうじて残っていたページは血まみれで、気味悪がったお母さんが捨ててしまったからだ。
でも、日記がなくとも、今だからわかることがある。
あれは”夢”なんかではなかった。
あの日、お姉ちゃんとお兄ちゃんと僕は、確かにネバーランドにいたんだ。ネバーランドから帰るとき、お姉ちゃんは何かの”錯覚”に気づいた。そしてネバーランドから帰ってきてから、お姉ちゃんは自分を狙う殺意に怯えていた。
お姉ちゃんはあのとき、ネバーランドの根幹に関わる何かを知ってしまったのだろうか。
***************
俺が辿り着くまで、どうか何も起こらないでくれ。マイケルは素直だから、きっとわかってくれるだろう。
あの姉弟が現実世界に帰ってから、俺はまた過ちを犯してしまったことに気づいた。
姉のほうに、このネバーランドの秘密を気づかれてしまったのだ。
おかしいと思ったんだ、12歳にもなって、ピーター・パンの存在を信じているなんて。
それにあの女は頭が冴える。現実世界に帰った時点で、すでにある錯覚に疑い始めているはずだ。”あの秘密”に気づかれるのも時間の問題である。
”あの秘密”だけは知られてはいけない。ティンクに暴かれでもしたら、いずれ「奴」に知られてしまう。そうすればネバーランド自体の死活問題に関わる。それだけは阻止しないといけない。
俺は自らへの怒りに震えた。奴の凶行をこの手で終わらせるためにも、あの女を殺さなくてはならないのだと。できれば、弟にトラウマが残る方法で。
***************
ネバーランドから帰ってきたものたちの中で、真実を知っているのは僕だけのはずだ。
『僕のお姉ちゃんは、ピーター・パンに殺された!本当なんだよ!』
お姉ちゃんが死んだとき、僕は何度もそう警察官に言った。なのに全く取り合ってくれなかった。しまいには”目撃した弟は精神異常者” ”愉快犯による快楽殺人” などと扱われた。実際はそんなんじゃなかったのに。
でももう無力じゃない。ピーターに復讐を誓ったあの時から、もう7年だ。体だって、ずっとずっと大きくなった。自分で決着をつけられるように。
”全ての準備は整った”
新学期始まってバイトも始めたので精神が忙しい