ネバーランドから帰ってきた....と思ったらモラリアに飛ばされていたウェンディが気づいたこと 作:留年生リズ
フックの顔が曇った。
『何?』
「えっと、その……うーん……」
『何!?はっきり言ってよ!』
「じゃあ言うけど、君のいたロンドンに帰るのは諦めた方がいい」
『どういうこと?』
「危険だからだ。
“にせもの”を殺したピーターは君の部屋に来た両親も殺してしまった。マイケルにトラウマが残ったのはそのせいなんだ」
『マイケルは今どこにいるの?』
「母方のおばさんが引き取って、今精神科の病院にいる。だがおばさんが付きっきりでいてくれる訳じゃない」
『マイケルがひとりのときを狙って会いに行くかもしれないってこと?』
「そうだ」
そんな。このままではマイケルも殺されてしまうかもしれない!
『何とかならないの?』
「この世界にいる以上、君にできることは無い」
『そんな……』
姉である私に何も出来ないなんて。この世界に来たことをこんなにも憎んだことは無かった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[よお、マイケル]
[ジョン….何をしにきた]
[君もわかっているだろう。君にとっていい提案をしに来たんだ。
ともにウェンディの復讐を果たさないか?]
[!ウェンディ…]
「マイケル!!そいつの提案に乗ってはダメだ!!
ウェンディを殺したのはそいつだ!ウェンディにもそう言って来た!」
[やはりきたな邪魔者が。
ロスト連中を侍らせていた王はとっくに死んでいるというのに!!]
「……はあ?ウェンディを殺したのはパンじゃなかったのか!
じゃあ誰が殺した!お前は知っているんだろう!」
[もしかして、お前がウェンディを……?]
「違う!むしろ僕は君たちを守ろうとしていたんだ!
パンは君らを元の世界へ返す時、僕をこっそり船内に忍ばせていたんだ。
だがそいつが、シャドウが、ウェンディの複製体を作り、本物を別の世界へ飛ばしてしまった。
こことネバーランドと、本物のウェンディがいる世界は時間の流れが全く違っていて、住んでのところで間に合わなかった。
今度こそあの日の惨劇は繰り返させない!
だからマイケル、話を聞いて!!」
[そいつの話など聞かなくていい。
姉の復讐をしたいんだろ?こっちへおいで、迷える子羊よ]
[僕は….僕は……!!!]
[せっかく役者が揃っているんだ。特別に、あの後からの話をしよう。
ウェンディを救えなかったパンは悲しみと怒りで我を忘れ暴挙に走った。全ての”影”の消滅のために全ての光を消し去ったのさ。
ウェンディだってそうだ。彼女はいわば光だ。だからパンは無意識にワープゲートを消し去って、あの世界から出られないようにした。全く馬鹿馬鹿しいよな]
「お前….!!!!」
[だがパンはただ一人殺さなかった。ティンカーベルさ!!
ティンクはウェンディが殺されたと知っても、仲間とネバーランドでのうのうと暮らしていた。だから俺が殺してやったのさ!!]
「つまりはお前が仕組んだことだったのか!」
[聞き捨てならないな。
俺がやったんじゃない。全ては定められていたのさ。
お前が片手をワニに喰われたことも、二人がネバーランドに来ることも、そしてそいつが俺についてくることもな!!]
「!!」
[お前を消し去る術をパンの犠牲で辿り着いた!
今こそお前も闇に葬られる時だ!!]
[ごめん、僕はやっぱり…]
「マイケル!ああ、やはりダメなのか、惨劇を止められないのか!
マイケル、正気を取り戻すんだ!!
向こうに着いたら必ず僕を攫いにきてくれ!!君の姉を救う手立てはそれしかない!
君の本当の姉も、僕が必ず救って見せる!!」
[!!君は……]
「僕の名前は、ジェームズ・フッk」
パァン!
[おい。本物はどこにいる]
[目覚めたか。
よう、二代目]
次から新章です。多分