ネバーランドから帰ってきた....と思ったらモラリアに飛ばされていたウェンディが気づいたこと 作:留年生リズ
戦闘を終えた私たちは基地に帰還した。どうやら今回の戦闘は将校らも見ていたらしく、モビルスーツから降りた先にいた。
「素晴らしいフライトだったよ、コーラサワー大尉にダーリング少尉。君たちに任せてよかった」
『ありがとうございますイシクラ中将、光栄です』
「当然です!何せ不死身と謳われるパトリック・コーラサワーが乗っているのですから!」
「パトリック、口を慎まんか!」
「うわ、また怒られてるよ、大尉も懲りないな……」
私の左隣にいたアレクがこそっと憎まれ口を叩いた。
大尉の自信過剰なところ、いい加減改善されないかしら。
「しかし最後の敵モビルスーツ、全く見覚えがなかったようだが、何かアクシデントでもあったのかね?」
『えっ……それは……』
「あのモビルスーツは我々にとって未知の機体ということしか分かりませんでした!」
「ふむ。いずれ脅威になるのなら、ガンダムと共に対処するしかあるまいな」
「その時は、ぜひこのパトリック・コーラサワーにお任せください!」
焦った。”あのモビルスーツのパイロットが私だけに喋りかけたんです”とか口にした暁には、聴取という名の拷問に遭うかもしれない。12年前と同じ目には遭いたくない。今回ばかりは、大尉に賞賛の意を贈ろう。
それから中将はマネキン少将と何か話をしながら去っていった。一体何の話をしていたんだろう。
「はあ、やっぱり怖い人だなあ、イシクラ中将。
特にあの顔。笑ってるようで笑ってなさそうだよね。ね、ウェンディ?」
『え、……そうだね。私もそう思う』
「聞いてないだろ、その顔」
『聞いてたよ、中将の顔が怖いって話でしょ』
「聞いてる……珍しい。あ、兄さんだ」
『アレク、私先に行くから』
「え、待ってよ、ウェンディ!」
私は先を急ぐように格納庫を出た。
アレクの腹違いのお兄さん。どこかであった気がして、この場で会うのは気まずかった。
「あの子、どこかで……?」
「兄さん!」
「アレク。新型に乗ったそうじゃないか。どうだった?」
「これまでとは比べ物にならない機動性だったよ!」
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あの戦闘からまもなく、次の作戦行動についての説明があった。今度も中東で紛争が起こっているらしく、連邦軍・民間問わず多くの死傷者が出ているらしい。
戦術予報はイシクラ中将が行う。大尉は何だか退屈そうだ。
「次の作戦の詳細は以上だ。何か質問のある奴は?」
『この前の戦闘で現れた、詳細不明機が介入する可能性は考慮していない内容なのですが、どのようにお考えでしょうか?』
「そう頻繁に現れないものと考えての作戦だ。これ以上の追求は無用とする」
いや、私がいる限りあのモビルスーツは現れる。だって戦争じゃなくて、私が目的なのだから。マネキン少将ならあれやガンダムが介入する可能性まで考慮するだろうが、いかんせんこの人はガンダムとの戦争を経験していないからできないらしい。
ガンダムだっていつまた現れるかわからないのに。そんなに呑気でいいのだろうか。
イシクラ中将の姿はもうない。
『戦あるところにガンダムあり、か……』
「大尉の自叙伝?あれ盛りすぎだよね」
『でも、実際はソレスタルビーイングは
「何だなんだ、俺の自叙伝を読んだのかあ?向上心のある奴だな!」
『いや、知り合いに押し付けられただけですから』
大尉は満面の笑みを浮かべて去っていった。少将に報告しに行くのだろう。
戦あるところにガンダムあり。これは大尉が自叙伝で綴った言葉だ。
実際ソレスタルビーイングは多くの紛争に介入している。でも、彼らによって新たな争いが引き起こされたのも事実だ。そのせいで、アグレル少尉はこの世を去っている。
『(戦争の重みをわかってないんだ、あの人は......)』
ウェンディとやたら話しているのはオリキャラです。
アレクサンドラ・クラシナ(アレク)
タクマ・クラシナの異母兄弟で、ウェンディと同い年です。
自叙伝はコーラサワーが劇場版の劇中劇も含めて勝手に書いて勝手に出したやつです。なぜか売れてる。
アグレル少尉とか久々に出した。