ネバーランドから帰ってきた....と思ったらモラリアに飛ばされていたウェンディが気づいたこと 作:留年生リズ
結局ワープゲートのことは何もわからず、私はおじいさんの家に帰ることになった。
『ウェンディ!』
「おじいさん!」
『何もされていないようじゃな。わしは安心じゃ。
さあ、今日は遅いしもう帰ろう。』
「うん。」
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「ここは......夢?」
『................』
「誰が呼んでるの?」
『....!...え...!...ねえ...!』
「ジョン?マイケル?どこにいるの!?」
『...ねえちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃん!!』
「マイケル!ここにいた!ああやっと会えた!
何もされてない?大丈夫?」
『僕は平気、でもお兄ちゃんが....』
そう答えたのはマイケル。ジョンの正体は幻影だって、マイケルも分かっていたのね。
「ジョン?どこにいるの?出てきて!」
私は必死にジョンの行方を探す。
すると目の前にジョンの姿をした影が現れた。
『気づきやがったな、お姉ちゃん....いや、ウェンディ・ダーリング』
「ジョン!あなた、いったいどうやって!?」
『もうジョンじゃない。俺の本当の名前はシャドウさ』
「シャドウ!?」
なるほど、幻影だからシャドウって訳ね。
それじゃあ、答え合わせを始めましょうか。
「フィルはどこ?迷子たちの中にいたはずよ。殺したなら覚えているはずでしょう!」
『さすがだな。その通りだ。
あいつは大人になった。だから殺した。それだけだ。それ以上は言わずともわかるだろう』
「じゃあフィルだけじゃなくて、大人になった子供はみんな殺してるの?」
『ああ。だが殺しきれず逃げられた子供だっている。
ネバーランドには俺たちが生まれる以前から欠陥があった。ネバーランド自体の"時空の歪み"だ。ネバーランドでは年を取らないはずなのに、稀に時空の歪みで大人になっちまうガキがいる。俺はピーターと手を組んで、それを気付かれないために大人になったガキどもを殺してきた』
「なんて酷いことを....」
『だが俺たちの手から逃げ切った奴らがいる。そいつらはフックに匿ってもらって、海賊をやっている。
フックだって元々は、手を組んだ当初に攫った子供だったんだ。だのに時空の歪みで大人になって、この世界の真実に気づきやがった!あいつはそれを公にするために、逃げた子供を匿って、ずっと海賊をやっている!』
やっぱりフック船長と海賊たちは、正義の味方だったって訳ね。
私たちの仮説は大体あっていた。
子供の間引き、それに処刑は本当に行われていた。それから逃れようとする子供がいて、フック船長は彼らを匿っていた。彼らは今、海賊として元凶であるピーターを殺そうとしている。フック船長には、それとは別の個人的な因縁があったけれど。
でもなんで私とマイケルは帰されたの?私はロンドンに帰れた訳じゃないんだけど。
『でもあるときピーターが言ったんだ。もう終わりにしようって』
「え?」
『子供を攫うのは、もう終わりにしようって!
俺は反対した!でもやつは聞かなかった。次で最後にするって言ったんだ。
次の子供はちゃんとメインランドに帰してあげるんだ、とも。
俺はピーターを殺さなくちゃならなくなった。だって、こんな楽しいこと、今更やめられるかよ!!』
『怖いよお、お姉ちゃん……』
だんだんおかしくなるシャドウ。まるで、自分は悪くないと言っているようだった。
「なんにせよ、子供の殺すのは良くないわ。あなたも一緒にやめればいいじゃない。ピーターならわかってくれるわ」
『何で……何でそんなこと言うんだ!!ピーターもお前も!!
殺してやる……憎悪を込めて殺してやる!!!!!』
いつの間にか短剣を手にしたシャドウがこちらに向かってくる。
とんでもない速さだわ!まずい、このままだと避けきれない!
マイケルを守るため、シャドウに背を向けた、その時……
キィン!
剣同士がぶつかり合う音がした。
恐る恐る目を開けると……
「……!!」
『遅くなってごめん。もう大丈夫だ、ウェンディ』
「ピーター!!来てくれたのね!!」
『僕だけじゃない。あいつを倒すために、みんな集まってくれたよ』
振り向くと、フック船長と海賊たち、タイガーリリーとピカ二二族のみんな、マーメイドたち、迷子の子供たちまでいた。
『シャドウめ、今度ばかりは地獄に落ちてもらうぞ!』
『フィルの仇、討たせてもらうからな!!』
『みんなであの悪いやつを倒しましょう!』
まるで、みんなでフック船長を倒そうと意気込んだ、あの時が蘇るようだった。
もうひとりじゃない。今度こそこの悪いやつを倒して、ロンドンへ、私たちの家へ帰るのよ!
結局終わらないし。次でネバーランド編終わらせます絶対。