ネバーランドから帰ってきた....と思ったらモラリアに飛ばされていたウェンディが気づいたこと 作:留年生リズ
第八話「私と一緒」
「少尉さん、基地の中を、見てもいいですか?」
『なぜ?』
「あのモビルスーツを、見たいんです。見て、心を落ち着けたくて」
『うーむ……』
基地の中は慌ただしかった。ガンダムによって世界がめちゃくちゃになっているがために、例え誰かが死んだとしても、ガンダムを捕まえて、世界に安らぎをもたらさなくてはならないようだ。
それがなんだか憎たらしくて、同時にどこかほっとしたようなものを感じた。だってこれが、この世界の“普通”なのだから。
『特別に許可が降りた。私のもとを離れない限り、中に入ってもいいそうだ』
「ありがとうございます……」
『しかし、どうだろうな。昨日の偵察で、ヘリオンはやられてしまったし、少尉のイナクトも大破したと聞く……』
「ガンダムってそんなに強いモビルスーツなの?」
『当たり前、と言っても過言ではないだろうな……。イナクトを2度も大破させられるモビルスーツなど、ガンダムくらいしかいないのだからな』
「そう………」
『まあなんだ、こういうのはいくらかかっても地道にやっていくしかないのかもな』
コーラサワー少尉と呼ばれた人は、もう元いた基地に戻っているようで、軍人さんと電話?越しで話しているのが見えた。
『だから!そのデカブツがどデカいビーム砲を打ってきて!避けることしか出来なかったんですよー!』
『ええいやかましい!そのせいで部下が何人死んだと思ってるんだ!全く、これだからAEUの軍人は!』
「少尉さん、そのガンダムの顔ってどんな顔?」
『太った男のような顔だったそうだ。なんでも、この前の公開演習に現れたのとは別の機体らしい』
「公開演習に現れたのは?」
『これだ。偶然撮れたものらしい』
そういうと少尉さんは、公開演習の時に現れたガンダムの写真を見せてくれた。なるほど、確かに違う顔ね。
『ブレードアンテナ……なんだろうが、それが他の3機とは違う。ああそうそう、写真のことは内密にしてくれ。ガンダムの存在が既に世間に知れ渡っているとはいえ、これを子供に見せたとなると、私の首が飛びかねんからな』
少尉さんは写真を粉々に破いてしまった。どうして世間に知れ渡っているのに、隠しておかなければならないんだろう?みんな知ってるなら、別に隠さなくてもいいのに。
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少尉さんと1時間ほど基地の中を回って、結局帰ることになった。
『落ち着いたか?』
「だいぶ。それにみんな、私と一緒だなあって思った」
『一緒、と言うと?』
「私はロンドンに帰れなくて困ってる。軍人さんたちも、ガンダムが出て困ってる。だから、同じだなあって」
『そうか………。案外、そうなのかもしれないな。
今日はすまなかった。イワノフ少佐のことは、また追って伝えよう。お前は引き続き元大尉の家にいてくれ。便りを送るよ』
「ありがとうございます。じゃあ、さようなら」
こうして謎が深まったまま一日を終えることとなった。