ハァイ、フリーレン! 作:失踪のフリーレン
──────とある街にて。
旅の資金稼ぎと補給のため立ち寄った街の宿にてヒンメルは街の依頼をこなした疲れを癒すべく部屋のベッドの上で休んでいた。
この街に滞在して数週間程経ち寒かった懐も大分温かくなってきており、明後日には街を発つかなどと予定を考えていると部屋の扉がノックされる。
ヒンメルはベッドから起き上がると扉を開き来訪者を確認すると、そこには見知った顔がいた。
「ハァイ、ヒンメル。先に戻っていたんだね」
フリーレンが先日召喚した使い魔、ペニーワイズ。
最初彼の姿を見たときは奇妙な服装と顔に施された化粧から思わず殺気を飛ばしてしまったが、彼はヒンメルに敵意は無いと両手を上げながら必死に弁明し、フリーレンからも主従契約が有効に働いてる旨の説明を受け旅の仲間として受け入れたのだ。
その後数日一緒に過ごす内に彼のフレンドリーな性格や使い魔としての有用性を証明し一月立つ頃にはすっかり馴染んでいたのであった。
ヒンメルはペニーワイズを部屋に招き入れると椅子に座らせて自分も対面に座る。そしてフリーレンが居ないことに疑問を感じた。本日彼女は旅の資金稼ぎや物資調達のため出掛けていたのだ。いつもならばペニーワイズが彼女と共に行動しているのだが……その事について尋ねるとペニーワイズは肩を竦めながら答える。
「あぁ、フリーレンなら行商人と商談中さ。何でも珍しい魔導書があったらしくてね」
それを聞いて思わず笑ってしまう。彼女の魔導書好きは筋金入りだ。
「ところでさぁ……ヒンメル。明日の祭りにフリーレンを誘わないのかい?」
「な、何を言うんだペニーワイズ。そ、そんな……デートだなんて……」
ヒンメルは顔を真っ赤にしながら慌てるが、それを見たペニーワイズは目を細めニヤニヤと笑いながら問いかける。
「oh、 別にオイラはデートとは一言も言ってないんだが?」
「ぐっ……!」
完全にペニーワイズの話術に嵌ったヒンメルは言葉を詰まらせるが、やがて観念したかのように肩を落としながら呟いた。
「分かったよ……誘ってみるよ」
「その言葉が聞きたかったんだ! それじゃオイラも協力するよ!」
こうして二人はフリーレンを祭りに誘うべく作戦会議を始めるのであった。
◆◆◆
「──────というわけで最初に回るべきは服屋だ」
「服屋? 」
「ああ、今の季節を考えるんだ。長い冬が終わって春が始まったばかり、もう言わずとも解るだろう? 」
「なるほど、春物の服か」
「そのとおり! 店には着替えるスペースも設置されるんだ。後はヒンメルが選んだ服を着たフリーレンと食事に行くなり魔道具の店で一緒に悩んだり装飾品を贈ったっていい」
「でも、上手くフリーレンに合う服を選べるかな・・・・・・」
今まで女性に服を送る機会など無かったであろうヒンメルが不安そうな表情で呟くとペニーワイズは自信満々に答える。
「大丈夫さ、ヒンメル。確かにフリーレンはクソボケな面があるけど仲間からの贈り物を無碍にするような人じゃあない」
「そ、そうか。ありがとうペニーワイズ」
「でも、それでも不安というのならば・・・・・・」
突如ペニーワイズの雰囲気が変わる。
「この等身大着せ替えフリーレン人形でシュミレーションしようぜ!! 」
「うわあああああああああああ!!!!!!」
◆◆◆
ヒンメルは
精巧に作られたフリーレンの着せ替えショーに精神が耐えられなかったのだ。
あと翌々日にハイターも
祭りの雰囲気にあてられて酒を飲みすぎたのだ。
そんな感じで出立の予定は遅れることとなった。
【ペニーワイズ】
皆さんご存じ下水道から様々なものをオススメしてくるピエロ。
本来のペニーワイズとは性格が違うものとなっており、基本的にフレンドリーな感じになっている。
色々ズボラなフリーレンのお世話をしており、更にヒンメル一行の雑用も引き受けているため溶け込むのに時間はかからなかった。
ヒンメルの気持ちにも気づいており、主人のクソボケっぷりから放っておいたら延々と進展しないのを看破しキューピッド役を始めた。
性格は知〇風ハ〇ト氏の原作のペニーワイズを知らない人用の『IT』予告編参照。みんなでペニ泣き、しよう!
【フリーレン】
魔族スレイヤー。
とあるダンジョンから手に入れた召喚魔法によりペニーワイズと主従契約を結んだ。
ペニーワイズが便利すぎて更にズボラになっていってる自覚はある。
ヒンメルとのデートはとても楽しかったらしい。
【ヒンメル一行】
なんか変なのが来たと思っていたが、旅をしていく中ですぐ打ち解けた。
初失踪です。よろしくお願いします。