ハァイ、フリーレン! 作:失踪のフリーレン
また今回捏造設定マシマシなのでご注意下さい。
感想、評価、誤字指摘ありがとうございます。
またあの夢だ──────
燃える家・・・、血濡れで倒れ伏す男・・・、角が生えた少女に抱えられた人の少女。
仲間の忠告を無視してしまった故に起きた過去の日の過ち・・・・・・この夢から覚めるときは何時も・・・。
『お母さん・・・』
目を開けるとまだ空は暗く、焚火の音だけが響いていた。
気怠い体を起こし辺りを見渡すと、焚火の前に座りながら手を動かしているペニーワイズが目に入る。
「ハァイ、ヒンメル。眠れないのかい? 」
ペニーワイズは作業する手を止めて、どこからかカップとポットを出しながらヒンメルに語り掛ける。
ヒンメルは寝床から移動しペニーワイズの横に座って、焚火に手を翳す。
「嫌な夢を見てね・・・」
「ほう、それはどんな夢だったんだい?」
ペニーワイズはカップにハーブティーを注ぎながら興味深そうにヒンメルに問いかける。
「あまり気持ちの良いものではないんだけどね」
そう言いヒンメルは語る。過去に自分の甘さにより起こしてしまった悲劇を・・・・・・。
ペニーワイズは相槌を打ちながら静かにその話を聞いていた。
ヒンメルが語り終えると、焚火の薪がパチリと弾けて火の粉が夜空に舞い上がる。
ペニーワイズは焚火に薪を足しながら口を開く。
「話してくれてありがとう。じゃあそのお礼にオイラも一つお話をしようか」
ペニーワイズはヒンメルのカップにお代り注ぎ、ヒンメルに渡す。
ヒンメルは礼を言いながらそれを受け取り、口に含む。
そしてペニーワイズはゆっくりと語りだす────────。
◆◆◆
昔々あるところに、人間の恐怖心を糧にする化け物が居ました。
特に幼い子供の恐怖心が好きだった化け物は、子供を見つけては襲い恐怖心を貪っていました。
しかしある日、化け物はかつて襲った子供達の遺族に退治されてしまいます。
その後実体を失った化け物は、只々世界を漂う存在と化していましたが、ある日一人の青年が化け物の目の前に現れます。
その青年は安っぽい下らない演劇が大好きでした。
時には嬉々として、時には体調を崩しつつも演劇を見る青年に化け物は尋ねます。
「なあ、なんでお前はそんなにも下らない演劇を見るんだ?もっと有意義な時間の使いかがあるだろう」と。
すると青年はこう答えました。
「確かに君の言う通り時間の無駄だったと本気で思うような作品も多い」と。
化け物は青年に問います。
「自覚しているのならなんでそれを辞めないんだ? 」と。
青年は化け物にこう答えました。
「でも、だからこそ見る価値があるんだ。時間という有限な資源を無駄にしたからこそ見終った後に下らなかったって笑い飛ばせるような作品に出合った時、その下らなさが愛おしいんだ」と。
化け物は青年の言葉に唖然としてしまいました。
それと同時に今まで自分の糧にしていた恐怖心とは真逆の感情に化け物は興味を持ちます。
そして青年にこう尋ねました。
「じゃあお前にとってその愛おしい下らない演劇を俺に教えてくれよ」と。
青年は少し考えた後、笑顔で頷きました。
こうして化け物は青年の側に付き添うようになり、只々自分の好きな物について語り続ける青年を見続けて、化け物はこう思ったのです。
「ああ・・・なんて美しいんだろう」と・・・。
こうして恐怖の感情を貪る存在だった化け物は新たな感情を知ったのです。
◆◆◆
ペニーワイズは語り終えると、とうに中身が無くなっていたヒンメルのカップを回収すると立ち上がりヒンメルに手を差し伸べる。
「さあそろそろ寝ないと明日に響くよ」
ヒンメルは差し伸べられた手を掴みゆっくりと立ち上がる。
「ああ・・・そうだね」
ペニーワイズがカップを魔法で洗うのを見ながら、ヒンメルは呟く。
「・・・なあ、ペニーワイズ」
「なんだい?」
「ありがとう・・・」
ペニーワイズはその言葉に少し驚きながらも優しく微笑むと口を開く。
「どういたしまして!」
ペニーワイズの返答を聞いたヒンメルは寝床に戻り、横になる。
そして目を瞑っている内にヒンメルの意識は夢の世界へと旅立ったのであった──────。
【青年】
某クソ映画レビューの人
知〇風ハ〇ト博士、お許しください!
【ペニーワイズ】
ヒンメルの話を聞いてある魔法の実現を目指し始めた
【ヒンメル】
救われた勇者