「グガッ、強き者よ...。この先に、何か用事おありですか?」
「強き者たちって俺たちのこと?」
そう聞くとゴブリンたちは頷く。
するとリムルが喋ろうとした。
「初めまして、でいいのかな?私はスライムのリムルと言います」
「!?」
「グガッ、強き者よ!あなた様のお力は十分に分かりました!!! 声を沈めて下さい!」
「あれ?思念が強すぎたかな?」
「もうちょっと抑えなきゃビビられて会話ができないと思う」
そうして、リムルの思念を抑えてゴブリン達に話を聞いた。
「それで俺たちに何か用か?」
「左様でしたか。この先に、我々の村が在るのです。強力な魔物の気配がしたので、警戒に来た次第です。」
「強い魔物の気配? 私には感じられないけど...?」
多分リムルのことだな。
魔素が駄々洩れだし。
俺?俺はヴェルドラにバレてからすぐに魔素を抑えたから大丈夫。
リムルには...教えなくていいか。
それから暫くゴブリンと会話したのだが、話の流れで村にお邪魔する事になった。
村は...うん、個性的な村でした。
何というか普通にボロボロだった。
その中でも幾分かマシな建物に案内された。
そしてリムルと待っていると一匹のゴブリンが入ってきた。
「お待たせ致しました。お客人。」
「大丈夫です。それほど待っていないので」
「それで俺たちに何か用か?」
「実は、最近、魔物の動きが活発になっているのはご存知でしょう?」
「ああ、さっき聞いたな」
「ええ、我らが神が、この地の平穏を守護して下さっていたのですが、ひと月程前にお姿をお隠しになられたのです...
その為、近隣の魔物が、この地にちょっかいをかけ始めまして...
我々も黙ってはいられないので、応戦したのですが、戦力的に厳しく...」
神って言うのはヴェルドラのことだろうな。
時期もあってるし。
「要するに俺たちに助けてほしいってことだろ?」
「でも私スライムだから期待されているような働きはできないよ?」
「ははは、ご謙遜を! ただのスライムに、そこまでの妖気は出せませんよ!」
「妖気?」
そろそろリムルも気づくだろうな
「ふふふ。流石は村長、わかる?」
「勿論でございますとも! そのお姿でさえ、漂う風格までは隠せておりませぬ!」
誤魔化したな
魔素も抑えてるし
「おお...。我々を試されていたのですね!助かります。その妖気に怯える者も多かったもので...。」
「それで、その魔物の戦力はどれくらいなんだ?」
「はい。狼の魔物で、牙狼族です。本来、牙狼族一匹に対し、我々10匹で対応しても勝てるかどうか...、それが、100匹ほど......」
「こっちの戦力は?」
「はい、この村は100匹くらい住んでます。戦えるのは、雌も合わせて60匹くらいです。」
なんという無理ゲー。
そりゃ誰かに頼りたくなるわ
「その情報はどうやって手に入れたの?」
「この情報は、ゴブリン戦士達が、命がけで入手したものです.....」
「ごめん。悪いこと聞いた」
「村長、一つ聞きたいんだが俺達がこの村を助けるなら、その見返りはなんだ?お前達は、俺達に何を差し出せる?」
別に助けてやってもいいが俺達もあまり戦闘らしい戦闘をしたことがない。
さらに俺もまだできることを把握しきっていない。
ぶっつけ本番で失敗したら目も当てられない。
だから気安く受けてはいけないのだ。
「我々の忠誠を捧げます! 我らに守護をお与え下さい。さすれば、我らは貴方様に忠誠を誓いましょう!!!」
忠誠ねぇ
俺は正直いらないが...
「ねぇティオ。私は受けたいと思う」
「わかった。
お前たちの願いかなえてやるよ。」
こうして、俺達はゴブリン達の主になったのだ。