ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会・笑顔を信じる者たち 作:光になりたい男
なんか、急に劇場版と7thの内容来ましたけど…生放送とかで発表しなかったの以外すぎる。生放送の枠取れなかったのかな。来週Liella!の方の生放送あるし。
今回でアニメ一期1話はラストになります。色々あって、中盤にめっちゃ時間かかった…
ってわけで、本編どぞ。
side慎吾
人生初めての戦いというものを終え、今まで経験したことのないタイプの疲労感と痛みに襲われながら、俺は人間の姿に戻った。
「…まさか…本物のウルトラマンになるとは…」
トリガーのハイパーキーを見ながら思わずつぶやく中、俺は大事なことを忘れているのに気付いた。
「……あー…そういや俺、侑と歩夢に生存報告してないね!?」
スマホを見てみれば、いくつもの不在着信とメッセージが。
「あーやべぇやべぇ……もしもし歩夢?」
『…!慎吾くん…?…ほんとに慎吾くん!?生きてるよね!?』
『慎吾!良かった生きてた…』
…こりゃ謝っても足りないかもな…
「あー…まあ色々あって、ウルトラマンに助けられてさ……侑も無事だったんだ…」
『うん!私の方もウルトラマンが助けてくれて!』
「良かった…とりあえず合流しよう。…家に帰れるかはわかんないけど…」
ひとまず二人と合流場所を決め、俺はボロボロの体に鞭打って、その場所へと急いだ。
◆◆◆◆
「!慎吾くん!」
「慎吾!」
「…!歩夢!侑!」
歩くこと数分、俺達は無事に数十分ぶりに再開することができた。
「大丈夫だった…?」
「まぁなんとか…宇宙人に鞭で打たれたりはしたけど…」
「あー…実は私も…」
「…えぇ!?全然大丈夫じゃないよ!病院に…」
「今はどうせ閉まってるしな、時間的に。大病院は、それこそ怪獣のせいで大怪我した人でごった返してるだろうし…」
「ま…まあそっか………じゃあ、帰ろっか。」
「…だね。」
「おう。帰ろ帰ろ。」
俺達は、もう一度歩き出した。
…いつもの、今まで通りの日常へと。
◆◆◆◆
あれから数分、俺達はしばし歩き続け、少々夜遅くなってしまったもののなんとか家へとたどり着いた。
「…結局、何だったんだろうね、今日の事………歩夢?」
「…どした?まさかお前もどこか怪我して…」
マンションへとつながる階段前で、不意に歩夢が足を止めたのを感じて俺達は後ろを振り返った。
「こんな時に言うのも、おかしな事かも知れないけど…今言わないと、一生言えない気がするから…言うね。」
「「……?」」
「……3人で始めようよ、侑ちゃん、慎吾くん!」
…何を…と聞く前に、俺の脳内では歩夢の言葉が何を指しているかを理解していた。
きっと、侑もまた。
「私も、見てたの。スクールアイドルの……せつ菜さんのだけじゃなくて、たくさん…本当にすごいと思ったよ!自分の気持ちをあんなにまっすぐ伝えられるなんて…スクールアイドルって、本当にすごい!」
…侑だけじゃなかったんだ、あのステージにときめいてたのは…
「私もあんなふうにできたら、なんて素敵だろうって…」
「歩夢……」
「ごめんね、最初に言えなくて…本当は私も、せつ菜さんに会ってみたかった。……けど、会っちゃったら自分の気持ちが止まらなくなりそうで怖かったの……」
儚げ、不安そうな声を漏らした歩夢だったが、自分を奮い立たせるかのように拳をぎゅっと握った。
「それでも、動き始めたのなら、止めちゃいけない、 我慢しちゃいけない……」
歩夢は、少しの間目を瞑り、手を握りしめ。
「──私、好きなの!」
歩夢は、自分の心を吐露した。
「ピンクとか、可愛い服だって…今でも大好きだし、着てみたいって思う!」
歩夢はこちらへ歩み寄ると、俺達の手を握った。
「自分に素直になりたい。……だから、見てて欲しい。」
そう言うと、歩夢はカバンを投げ捨てて階段を駆け上った。
「私は───スクールアイドル、やってみたい!」
歩夢の言葉に、俺と侑は息を呑み。
階段の踊り場…いや、今からはステージとなるであろうそこで、歩夢は大きく一度息を吸って、吐いて。
飛び立てる Dreaming sky
一人じゃないから
どこまでも行ける気がするよ
空の向こう──
強く 願う 今
高く 高く ほら
歩夢の声で、ここの景色は一瞬にして変わる。
花びらが、無数のかわいいものが集まる、そんな空間に。
ずっと隠してた ココロの奥
芽生えてた気持ちを見ないふりして
自信持てなくってうつむいてた
そんな私の背中押してくれたね
あの日見た衣装に身を包んだ歩夢が、ステージに変わったいつもの場所で、歌って、踊って──
その姿は、キラキラ輝いていて。
繋いだ手 その温もりが
胸いっぱいの勇気をくれたから
歩き出そう Dreaming way 未来へと続く
始まったばかりの夢から差す光
トキめくよ Dreaming light
言葉じゃ足りないから
歌に乗せるんだあなたに届いてほしいよ
Beating my heart
歩夢の姿は、いつになく、見たことないほどにキラキラ輝いていた。
◆◆◆◆
ステージから下りた歩夢は、呼吸を整えながら階段を一歩一歩下り、俺達の元へ。
置いてあったカバンを再度肩にかけると、その中から3枚の何か…パスケースを取り出した。
「今はまだ、勇気も自信も、全然だから……これが、精一杯。」
歩夢はそう言って、俺と侑に、その手に持ったパスケースを差し出す。
「私の夢を…一緒に見てくれる?」
そう問いかけられれば、俺と侑が何と返すのかは、もう決まりきっている。
俺達は笑みを返すと、歩夢が差し出したパスケースを、彼女の手といっしょに握り、この手に受け取った。
「「もちろん!」」
「私は、いつも歩夢の隣りにいるよ。」
「…もちろん、俺もな。」
俺達の言葉を聞いた歩夢は、目に少しばかりの光を浮かべ。
「───うん!」
そう言って、彼女は微笑んだ。
◆◆◆◆
あれから、何時間経っただろうか。
すっかり世界は暗く静まり返り、数時間前まで起こっていたあの災害などなかったかのような様相を醸し出している。
……いや、そんなことはない。俺の部屋で絶え間なく流れる報道番組や、暗い外の風景に浮かび上がる赤いランプが、今もまだ、この世界が日常を失ったという事実を嫌と言うほど伝えてくる。
「…慎吾。」
「…ごめんな、遅くに呼び出して。」
俺は自分の部屋に帰ると、メッセージアプリで侑を俺の部屋に呼んでいた。
理由は、もちろん。
「いいよ。私もすることなかったし。…それに、私も聞きたかったから。」
「ま、そりゃ気になるよな。……話すよ。俺が持ってたこれについて。」
そう言って俺は、床に放り投げていたカバンからGUTSスパークレンスを取り出した。
「…それって、おもちゃじゃないんだよね?」
「ああ。…ほぼ間違いなく、あの世界の…ウルトラマントリガーの世界にあった、GUTSスパークレンスと同じやつだと思う。」
「なら…なんで慎吾のとこにそんなものが…」
…うーん、なんて説明しよう。流石に転生者だから!とか言うのは、今の状況でも受け入れられないだろうし。てか逆に混乱するか。
「…正直、俺もわかんないんだよ。気がついたら家にあって、別に玩具版を二個も買った覚えもなかったもんだから適当にトリガー引いたら実弾が出てきて…」
「…あ、そういやいつか隣からピュンって聞こえた時あったけど…」
「まあ多分それだろうな。…それに、俺が買ってないブランクのキーもあって…あれプレミアムの方限定だったからな…」
「そっか………それで、さ。…ここまでの話を聞く限り、やっぱりさっきのウルトラマンって…」
……まあ、気づくよね。侑に隠せるとも思ってなかったけど。
「…うん。多分、侑の想像通りだと思う。」
俺はそう言って、先程手に入れたばかりの、紫色のキーを侑に見せた。
「…俺、ウルトラマントリガー…らしい。」
「……どうするの、これから。」
これから…これからねぇ。
…何も考えてなかったぞ。
「えー…?…これから……どうしよっか?」
「私に聞く、それ…?」
「いやまあそうなんだけど……ってか、驚かないんだな、俺がウルトラマンって知っても。」
「まあなんというか…怪獣が出てきて、遺跡に落ちて、宇宙人に襲われて…ってことが続いたら、友達がウルトラマンになったこともなんか薄まると言うか…」
「まあそうか…」
「それに、あのドラマの方のトリガーの展開、ちょっと思い出したから。…あの状況なら、きっと慎吾がトリガーになってたんだろうなって。」
「…まあ、そうか……」
確かに、それもそうだわ。俺も侑の立場なら流石に察するわ。
「で、これからの話だっけ。…ごめん、何も考えてない。」
「えぇ…?ウルトラマンになったのに?」
「いやまあ、なったときはすんごいなんか…啖呵切ったというか、すごい気力に溢れてたー…みたいな感じだけど、一度こう戦いを終えたらさ……」
「まあ、確かに。私もそうなるだろうしなぁ…」
「……まあとは言え…戦わないとだろうな。あの宇宙人…闇の巨人たちと。」
俺はそうつぶやくと、テレビに映るあの場所を見つめた。
ニジガクからもほど近い、元はビルが立ち並んでいた場所。
そこは今や、見るも無惨な空き地…いや、荒れ地へと変貌していた。
「…そう、だよね。…そういうと思ったよ、慎吾は。」
「…ま、ウルトラマンになっちゃったわけだしな。…問題は山積みだろうけど…」
…そう。最初の怪獣はなんとかなったものの、これから先が問題なのだ。
トリガー本編のGUTS-SELECTのような防衛チームもない。機器の開発を担当する人間もいない。…何一つ、今の俺には…今の地球にはないのだ。
「でもまあ、やるしかないみたいだしな。ちゃんとニジガク卒業したいし。そのためには地球がないと。」
「…うん。私も、できることがあったら手伝うから…」
「ありがと、侑。」
……いい友達持ったなあ、俺って。
「…よし!んまあ話すことはこのぐらいなもんだけど…侑もうご飯食べた?」
「いや、まだ食べてないけど…」
「じゃあ食べてく?ちょっと時間掛かるけど…」
「あっ、食べる食べる!やったー慎吾のご飯だぁ!」
「おっけおっけ、んじゃ座って待ってて。」
「オッケー!…あ、歩夢も呼ぶ?」
「お、ナイスアイデア。連絡よろしく!」
「了解。」
よしよし。…考えたら久しぶりに人に飯作るな…
…あ、そうだ。
「…侑ー。」
「ん?どうしたのー?」
「…俺のあの…ウルトラマンのことなんだけど、歩夢には…」
「あー、わかってるよ。…流石に、このことは気軽に言えないよ。」
「ありがと。…正体バレ、できることなら侑が最初で最後がいいよ…」
「バレ、どころかほぼ目の前だったけどね。…意識なかったけど。」
「それもそうか…初変身なのにな…」
「ねー。…あ、歩夢も今から来るってー。」
「あいよー。」
……さーて、今からはご飯で笑顔ってか。デリシャスマイル。
「…やらないとな…こういう日常、続けるためにも……」
俺はふと、窓の外の景色を眺めながら呟いた。
生徒会をも巻き込んだ、策略、いたずら、駆け引きの連続が虹ヶ咲学園で巻き起こる。
そんな中、スクールアイドル活動を始めたい俺達の前に、最強にかわいいあの後輩がやってくる。
彼女は、そのいざこざに大きな関わりがあって…
スマイルスマイル!