ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会・笑顔を信じる者たち 作:光になりたい男
今回も終わりのあのコーナーはやることにしました。書いてて楽しかったんだ、しょうがないね。いっそ飛ばして、どうぞ。
今回は予告通り戦闘編入ってます。
それじゃ、本編どうぞ。
中須さん…じゃなくてかすみんの案内のもと、俺達は練習場所へと向かった。
そこでまず、歩夢はその場にいたおばあちゃんズと一緒に、ゲートボールを楽しんでいた。
「よっ…!やった!」
「「「「おぉー…!」」」」
おぉ、うまいうまい……って違ぁう!
「これが同好会?」
「いや明らかに違うでしょこれ…」
「別の場所にいきましょう…」
まあそうなるわな。
◆◆◆◆
そんでもって俺達は場所を変えtガガガガガガガ
「俺の耳がァーっ!」
「ウルサスギテキコエナイヨー!」
「なんてぇ!?」
工事中やないか!あちょっと待って耳終わっちゃう…
◆◆◆◆
そんでもって再び場所を変え、今度は公園に。
そこで俺達は、そこにいた子どもたちと遊んでいた。
「お兄ちゃんウルトラマンごっこしよー!」
「おっ、いいよ!どのウルトラマンやる?」
「じゃあ、お兄ちゃんはー…この前出てきたトリガーやって!」
「……お、おっけー。」
…なんで自分自身の役やってるんだ俺…
「ここも無理ですねぇ…」
「なんでわざわざ学園の外に?」
「かすみんは生徒会に睨まれてますから…校内での活動は厳しいのです…」
いや何したの…?生徒会に目つけられるってよっぽどでしょ…
「いくぞートリガー!」
「あぁ…じゃなくて、チャッ!」
歩夢も手につけるタイプの人形…あぁあれだ、パペットで子どもたちと遊んでるし…
「うーん…あっ、あそこなら…!」
あ、侑さん思いついた感じですか?
◆◆◆◆
そんなこんなで子どもたちと別れ、向かったのは木々に囲まれた広場的な場所。そういや、何回か来たことあったねここ。
「おぉ−っ!広いですーっ!」
「ここなら、迷惑にならないんじゃない?どうかな?」
「バッチリです!ここにしましょう!」
おお、良かった良かった。ようやっとスタートなわけね。
かすみんは広場の中央にある円形のベンチに駆け寄ると、そこへカバンを置いて、その中から取り出した一枚のプレートをカバンの上においた。
それには、「かすみんの スクールアイドル同好会」と記されていて。…って、あのプレート取り戻せたんだ…
「あれ?このネームプレートって…」
同様の疑問を抱いたらしい侑が尋ねると、かすみんは誇らしげに答えた。
「かすみんが生徒会から取り返してきました!………無断で。」
おお…っておい!
「だから睨まれてるんだ…」
めちゃめちゃ自業自得じゃん…何しちゃってんの…
「何はともあれ!しばらくはここが虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部室ですよー!」
ま、そうだね。今は新部室の誕生を祝うとしよう。
「ダンスや歌の練習はおいおいやるとして…まずは部員をゲットです!」
「なんで部員募集からなの?」
確かに。いやまあ人が多いほうがいい気もするけど…
「人がいっぱいいた方が、かわいいかすみんが引き立つからです!」
「あはは………」
Oh,私利&私欲。大丈夫かこの後輩。…大丈夫だよね?
「ともかく、手っ取り早く部員を集めるなら、これでしょう!」
そう言ってかすみんが取り出したのは、俺達高校生ならみんな持ってであろう端末…スマートフォン。
「「「…?」」」
…どういう…こと?
◆◆◆◆
…で、どういうことかって言うと。
「─やっほ〜!みーんなのアイドル、かすみんだよーっ!かすみん〜、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の部長になったんだけどぉ〜、そんな大役が務まるかとっても不安〜!でも〜!応援してくれるみ〜んなのために、日本一かわいいスクールアイドル目指して、頑張るよっ!」
…はいカット。中須かすみさんオールアップです。
「………は?」
おっと歩夢さん落ち着いて。俺も状況イマイチわかってないから。
「…………」
…侑どした?放心状態なら帰ってきて?
「わぁぁぁぁぁぁっ!!」
あちょっとスマホぶん投げないでいただけますか!?それかすみんのだよ!?
「ちょっ…歩夢任せた!」
「えぇっ!?ってちょっちょっ…っと…」
「スクールアイドルの自己紹介、初めて生で見た!トキメイたよかすみちゃん!」
「エッ!?」
歩夢落ち着いて!言いたいことはわかるけど!確かにあざとすぎる感じはちょっとだけあったけど!それはそれで良いと思うんだ!
「えへへぇ〜、侑先輩さすがー!わかってますねぇ〜!」
おおめちゃくちゃ嬉しそう。いい笑顔だことで。
「これを動画サイトにアップして、部員募集をします。次は歩夢先輩ですよ!今みたいな感じでお願いしますね!」
「えっ…えぇ!?無理無理無理だよ!恥ずかしいよ!」
…うんまあ確かに、歩夢のキャラとは違うわな。確かにそう思う気が。
「何が恥ずかしいんですか?自己紹介はスクールアイドルの第一歩ですよ!」
「目が怖いよかすみちゃん…」
目が笑ってないよ…サムズアップしても隠せてないから……ほらスマイルスマイル………ここでこの言葉言うとか思わなかったな…
「大丈夫です!かすみんほどじゃないですけど、歩夢先輩も十分かわいいですから!張り切っていきましょー!」
…まあ、なんとかなるなる。……多分ね。
◆◆◆◆
…で、撮影開始というわけで。
「…あ…えっと…虹ヶ咲学園、普通科二年の、上原歩夢です…あっ…あの、私、スっ…スクッ…」
「声が小さいですよ。」
「あっ、ごめん……私!スクールアイドルやりたくて!」
「大きすぎです。ちゃんとファンのみんなを思い浮かべて。」
「ファン…」
…いや、まあまだファンを思い浮かべるには気が早すぎないかい…?
「不合格ですね。」
「あちゃー…」
「流石にまだ練習がいるでしょ、初心者なんだし。」
「そうだよ!いきなりは難しいよー!」
そうそう。まずは何をしたら良いか、手取り足取りさ…
「仕方ありませんねぇ…」
「…ん?」
お?ご指導開始かこれ?
「それでは両手を頭の上に。」
「…うん…こう?」
あー……ん、なんか既視感が…
「語尾にぴょんをつけてみましょう。」
「「…ぴょん!?」」
「ぴょん。」
「!うさぴょん!」
「えぇぇ………!?」
そりゃ見たことあるわけだ、見たんだから数年前に。
「…さあ!」
「………」
「さぁ……!」
かすみん、圧が重いよ。てか侑さん?そんな期待に満ちた目で見つめないであげて?歩夢困っちゃってるから。
「……ぁ…歩夢だぴょん…」
「声が小さい!もう一回!」
「歩夢だぴょん!」
「もっとうさぴょんになりきって!」
「うさぴょんだぴょん!」
「ぴょんに気持ちがこもってない!」
「ぴょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!」
…昼下がり、広場に響くぴょんの声。……夏だなぁ……
◆◆◆◆
そして、日が沈もうとしている夕方。俺達はジョイポリス前のベンチに腰掛けていた。
…歩夢だけは、今もメンタルがボッコボコになっているようだが。
「週末には動画をアップするので、ちゃんと自主練しておいてくださいね?」
「かわいい怖いかわいい怖いかわいい怖いかわいい怖い…」
…ダメそうだね、これは…あとでなんかメンタルヘルスしなきゃ…
「…かわいいって、大変なんだね…」
侑がその光景を見て不意に呟いた声に、かすみんが応えた。
「アイドルの基本ですから!」
「でも、せつ菜ちゃんはかわいいって言うよりは、かっこいいって感じだったなぁ…」
「!…せつ菜先輩を知ってるんですか?」
「うん。一度遠くで見ただけなんだけどね。」
「あれすごかったよなぁ…今までスクールアイドルなんて見たことなかったけど…」
「ほんとにねぇ……そうだ、気になってたんだけど、なんで同好会って廃部になったの?」
あー…そう言えば、そこ知らなかったな。廃部になったとだけしか知らされてないし…
侑がかすみんに尋ねると、彼女は少し頬を膨らませながら答えた。
「…元はと言えば、せつ菜先輩がいけないんです。」
「……ん?」
予想していなかった返答に侑が疑問符を浮かべる中、かすみんはそれに答えるように続けた。
「グループを結成した頃は、結構いい感じだったのに…お披露目ライブに目標を決めたあたりから、なんかピリピリしてきて…」
過去を少しずつ思い返すように、かすみんは続ける。
「『こんなパフォーマンスでは、ファンのみんなに大好きな気持ちは届きませんよー!』って……だから、かすみんもむっきー!ってなっちゃって!…そのまま…活動、休止に…」
……ありきたりな言葉で言えば、方向性の違いと言うか、熱が入りすぎたと言うか…まあ、当時は部外者だった俺に何を言う資格があるとは思えないけれども。
俺と同じくその言葉を咀嚼していた侑は、少し考える素振りを見せてからかすみんに言葉を投げかけた。
「うーん…かすみちゃんもせつ菜ちゃんも、ファンに届けたいものがあるんだね。」
「当たり前ですよ!スクールアイドルにとって、応援してくれるみんなは一番大切なんですからより一層可愛いアイドルであるために…」
と、そこまで言ったところで、歩夢が再びかわいい恐怖症を発症。
「かわいいって何…?かわいいって難しい…かわいいって…」
そんな様子を見かねたかすみんが、歩夢に向かって言った。
「もう、そんなんじゃ、ファンのみんなにかわいいは届きませんよっ!」
……その時、不意にかすみんの顔が陰った。
「…ん?」
「……どうした?」
俺達の声に反応を返す事なく、かすみんは顔を伏せた。
「……かすみちゃん?」
「…もしかして…かすみん…同じことしてる……?」
そう、俺達が出会ってから一番の暗い声でかすみんが呟いた…その時。
…不意に、地面が揺れた。
「「「うわぁああぁっ!?」」」」
四者四様に声を漏らす中、俺は感じたくない嫌な予感をひしひしと感じていた。
「みっ…みんな大丈夫!?」
「私は平気!」
「私も大丈夫!」
「かっ、かすみんもです!」
「よしオッケー…って言いたいとこだけど、これって多分……っ!」
そう俺が言った時、俺達の耳に聞き馴染みのない音…いや、鳴き声が聞こえた。
文字で端的に表せば……ギャォォォン!と言った具合の。
「……慎吾くん、今のって…」
「…うん、あんまり信じたくはないけど…っ!あれだ!」
そう俺が目線を向けた先には、一体の、50メートルほどの巨大生物……怪獣が市街地にそびえ立っていた。
青い体色に、刺々しい肌。
頭には黄色い角がそびえ立ち、怪獣が持つ存在感を増す。
「慎吾、あの怪獣なにかわかる!?」
「えーっと、あの体色とか角とか、えーっと………あれだ!吸血怪獣ギマイラ!…………ギマイラァ!?」
身体的特徴から導き出したあの怪獣の正体に、自分で考えておいて何だがありえないほどに驚愕した。
「ギマイラって…どんなのだっけ!?」
「悪いけど説明は後!3人共、今すぐここから逃げるよ!」
「えっ…あ、うん!」
「わ…わかりました!」
幸い、全員素直に俺の声にしたがってくれて、一斉に怪獣から距離を取る方へと走り出していった。
◆◆◆◆
「せ…先輩、あの怪獣知ってるんですか?!」
「あー…あの怪獣、ウルトラマンに出てくるやつなんだよ!昨日のやつもウルトラシリーズに出てくるやつだったし、ほぼ間違いないと思う!」
「そういえば、確かに昨日ウルトラマン出てきましたからね…って、逃げるってこれどこまで逃げればいいんですか!?」
走りながらも器用に会話を交わす俺とかすみんだったが正直俺のほうがきつい。さすがスクールアイドル…って感心してる場合じゃないわこれ!
「えーっと…とりあえずできるだけ!あの怪獣はほんとに近づいたらまずい!」
「慎吾、あの怪獣どんなのだっけ!?」
「えーっと、メインの武器はあのわかりやすい角と舌を使った鞭みたいな攻撃なんだけど…あいつ、体中から白い霧を出すのよ!で、その霧を吸っちゃたりするとあの怪獣に洗脳されちゃう!」
「「「洗脳!?」」」
まあそりゃ驚くよね!俺もネットでその情報見た時ビビったもん!
「それめちゃくちゃヤバいヤツじゃないですか!」
「早く逃げないと!」
「だから今こうして逃げてるんでしょうが!」
…とは言え、俺に関しては逃げてばっかりでもいられない。
どこかでタイミングを見て、3人から離れたいところなんだけど……
「…侑…」
「…どしたの、慎吾?」
「…二人の事お願い。……行ってくる。」
「……!わかった。……頑張ってね。」
侑には無言で頷きかけてから、俺は少々声量を上げて言った
「…!みんな、先行ってて!ちょっと俺こっち行ってくる!」
「ええっ!?なんで!?」
「あっちに倒れてる子供が見えた!ほっとけないから先に逃げてて!すぐに追いつく!」
「ちょ…ちょっと慎吾くん!?」
「先輩!?」
明らかに動揺している二人を置いて、俺は急いで遠くへと走った。今は侑が二人を説得してくれていることに賭けるしかない。
手頃な物陰を見つけた俺はそこに隠れると、持ってきておいたGUTSスパークレンスを取り出した。
そして左腰のホルダーからハイパーキーを取り出すと、それのスイッチを入れる。
続けざまにGUTSスパークレンスに装填し、バレル上部を展開する。
「未来を築く、希望の光!
俺はスパークレンスを掲げてトリガーを引くと、その体を光へと変えた。
「チャァッ!」
◆◆◆◆
side third
再び現れた巨大怪獣に、人々が口々に叫び、逃げ惑う中、あの時現れた光の巨人…ウルトラマントリガーも、再びこの地球に現れた。
「…!ウルトラマン!」
「あれって、昨日の…?」
怪獣から逃げていたか歩夢とかすみがその存在に気づき、一言呟いている時、侑だけは巨人の姿を神妙な面持ちで見つめていた。
「(慎吾………)」
「チャァッ…!」
「ガァオォォォ!」
トリガーとギマイラが互いに睨み合う中、先に仕掛けたのはトリガーだった。
「チャッ!」
トリガーはギマイラへ突撃すると、右手でアッパー気味のストレートパンチを放つ。
ギマイラはそれを腹で受けたものの、一歩後ずさった程度に留まった。
「ギャォァオ!」
ギマイラはそのままトリガーの頭を右手で掴むと、邪魔なものを払いのけるかのように前方に投げ飛ばした。
「チャァァッ!?」
そのままトリガーは付近のビルに激突し、倒壊までは行かなかったものの、窓ガラスとぶつかった面の壁が一部崩れ、そのままトリガーは膝をつく。
「チャッ…チャァッ!」
トリガーは再び立ち上がると、右手を突き出してハンドスラッシュを放ち、ギマイラへの攻撃を試みた。
だがギマイラは頭の角に何やらエネルギーを溜めると、頭を突き出して角から光線を発射。
トリガーのハンドスラッシュを相殺、それどころか打ち破ってトリガーへと直撃させた。
「チャァッ!?」
トリガーは想像以上の威力に数十メートル吹き飛ばされてしまうも、なんとか体勢を立て直してギマイラへダッシュ、接近戦を試みた。
「ヂャァァッ……チャッ!チャッ!チャァッ!」
接近したトリガーは、こちらにつかみ掛かろうとしてくるギマイラの右腕を左腕でなんとか抑えながら、パンチを腹に二発、そしてチョップを一発打ち込んだ。
これにはいくらギマイラと言えども効いたようで、ギマイラも数歩後ろに後ずさる。
トリガーはその隙を逃さず、右手を正面に突き出した。
トリガーは飛来してきたサークルアームズを手に取ると構え、ギマイラへと一太刀振るった。
「デャァァッ!」
その刃はギマイラの腹を捉え、正確に切り裂いた…ものの、ギマイラは臆することなくトリガーへと進撃する。
「ゴゥォアァアァ!」
「チャッッ!」
ギマイラは口を大きく広げると、そこから舌を伸ばしてトリガーへ飛ばし、トリガーはそれをサークルアームズで叩き落とそう…としたものの、その舌はトリガーの目前で突如2つに枝分かれ。狙いを外したトリガーが戸惑う中、再び舌を一つに戻したギマイラは、それを用いてトリガーの体を羽交い締めにした。
「ヂャァァッ……」
「ガァォォ!」
「ヂャアァッ!?」
ギマイラはそのまま高圧電流を舌を介してトリガーに流し込み、トリガーはあまりの威力に苦悶の声を漏らす。
「だっ…大丈夫なんですか、あれ!?」
「どうだろう…見た感じ、ウルトラマンがちょっとピンチな気も…」
「…大丈夫だよ。ウルトラマンなら、きっと……」
いつしか逃げることをやめ、ウルトラマンの戦いを見守っていた侑たちがそれぞれつぶやく中、トリガーも反撃の一手に出た。
「チャァッ…チャッ!」
トリガーは握ったサークルアームズを、手首の動きのみで下から突き刺すように振るい、ギマイラの舌に突き刺した。
「ギャォァァッ!?」
ギマイラと言えど、流石に舌を突き刺されるのは堪えたのか拘束を解き、舌を急いで口の中へとしまった。
「チャッ!」
トリガーはサークルアームズを再度構えると、ギマイラへ向けて走り出し、大きく振りかぶったサークルアームズでギマイラに一撃を入れる。
ギマイラはそれを喰らってよろめくものの、再度頭の角にエネルギーをチャージ、至近距離でトリガーに光線を発射した。
「デャァァァッ!?」
トリガーは大きく吹き飛ばされ、思わずサークルアームズを取り落とす。
地に膝を付けたトリガーのカラータイマーは、危険を示す赤い点滅へと変化していた。
「…まずい、このままじゃ……」
インナースペース内で慎吾が思わず呟く中、ギマイラはトリガーへと突進。そのままトリガーへ掴みかかると、トリガーを地面へと押し倒す。
「デヤァァァッ!?」
「ギャォッァアァッ!」
ギマイラは再び角にエネルギーを溜めると、超至近距離からトリガーに向かって光線を発射。
それはトリガーの胴体を正確に捉え、彼の体にさらなるダメージを与える。
「…!ウルトラマンが…!」
「こ…これ、どう考えても大丈夫じゃないですよね…?!」
「……そんな…(…慎吾……!)」
その様子を見守る少女たちの様相にも焦りと動揺の色が浮かぶ中、トリガーは一か八かの勝負に出た。
「ヂャッ……ヂャァァッ!」
トリガーは体を押さえつけられながらも、右手を縦に、左手を横にする形で十字を組み、体の正面で構えた。
すると右手から水色の光の奔流……マルチ・スペシウム光線が発射された。
「ギャァオアァァッ!?」
ギマイラは想定していなかった攻撃をモロに受け、光線に押されるがままトリガーから強制的に距離を取らされる。
トリガーはなんとか狙いを定め、今の衝撃でギマイラが思わず開けた口の中に光線を流し込んだ。
「デヤァァッ!」
「ゴォォォァッ!?」
先ほど舌に負ったダメージが残っていたギマイラはスペシウム光線によって更に追い打ちを掛けられ、流石に傷を負いすぎたのか、近場の海へと飛び込んで一時退却。
その様子を見届けたトリガーは、体を光の粒子に変えてその姿を消していった。
「デヤァァッ……」
◆◆◆◆
side慎吾
なんとかギマイラを撃退することに成功したものの、正直今回の戦いは敗戦といっても過言ではないだろう。
ほとんどギマイラ相手に蹂躙され、できたのは追い返すことだけ。あの怪獣の性質を考えれば、下手すりゃ明日にでも帰って来る可能性だってある。
「しっかりしろ俺…ウルトラマンは…戦えるのは俺しかいないんだから…」
自分自身に言い聞かせるように呟いてから、俺は痛みを訴える体を無視し、建物の残骸に溢れる街中を後にした。
◆◆◆◆
「……!慎吾くん!」
「せっ…先輩!?どうしたんですかその怪我!?」
「慎吾!」
俺が瓦礫の山を抜けてしばらくしたあたりで、先程別れた同じ部の3人と再び顔を合わせた。
…最も、三人の顔は動揺と驚愕に満ちたものだったが。
「いや…ごめんごめん…例の子は逃がせたんだけど、ちょいと巻き込まれちゃって…」
「ちょいとじゃないよ!何むちゃして…」
「そうですよ!出会って初日にどんだけ心配させる気なんですか!」
「いやあの…ホントごめんなさい。」
うーん、何も言えない。いやまあ素直に言っちゃったらまずいんだけどさ。
「…ま、まあとにかく、怪獣は追い払えたことだし…」
「……でも、すぐ戻ってくるだろうな…ギマイラの知能なら、トリガーが対した脅威じゃないってすぐに理解するだろうし…」
侑のフォローを、申し訳ないが俺は遮った。……ギマイラが相手なら…いや、怪獣というこの世界で未知の生物が相手なら、楽観視なんてものはできない。
「そんな…」
「慎吾くん、いくらなんでも守ってくれたトリガーをそう言っちゃうのは…」
「…そうだな、ごめん。」
…人生の中で、これほどまで自分が嫌になった日は初めてだった。
◆◆◆◆
sideかすみ
怪獣が去り、先輩たちと別れてから数時間後、私は自分の部屋で一人、ベッドにうつ伏せになっていた。
『こんなの全然可愛くないです!熱いとかじゃなくって、かすみんは可愛い感じでやりたいんです!』
…あの時嫌と言うほど、自分の心であの気持ちを味わったはずなのに。
……今度は、私が誰かを傷つけてしまった。
……数年しか生きていないけれど、こんなに自分を責めたくなったのは初めてかもしれなかった。
「慎吾の、ニジガクナビ!」
「このコーナーでは、筆者の思いつきとかストーリーに合わせて、怪獣とかニジガクのメンバーについて紹介していくよ!」
「慎吾、今日はどれを紹介するの?」
「今日紹介するのは、こちら!」
「吸血怪獣ギマイラ。身長59メートル、体重五万二千トン。ウルトラマン80第17話、第18話に登場した怪獣だよ。」
「なんか見るからに強そうな怪獣だけど…」
「その感想、大正解。80屈指の強豪怪獣で、触手状の舌や角から放つ光線、舌を介して流し込む電流。極めつけに攻撃や催眠作用を持った霧、ホワイトスモークなど、多くの攻撃手段でウルトラマンや防衛隊を苦しめた怪獣だよ。しかも、他の生物を怪獣に変えることもできるとか…」
「うわぁ…聞いてるだけで怖いね…って、さっきまでそんなのと戦ってたの!?」
「えぇ、まあ、はい。そういうことです。」
「私、幼馴染の未来が心配だよ…」
「…ま、まあ、次回もお楽しみに!」
なんとも言えない形で終わった、新生スクールアイドル同好会最初の活動。
かすみんはなんか様子がおかしいみたいだけど、やっぱり話に出てきたあの出来事が…
…って、歩夢さん?なんかすごい恥ずかしい目にあってませんかね!?
スマイルスマイル!