〜1通目〜
『〜乃木若葉さんへ〜
よっ!リーダー!香川1っ!!なんてふざけた事を最初に言ってみたのは肩の力を抜くためなんだけど、どうかな。私のために抜けた事にしといてね。
さてさて。記念すべき1通目は若ちゃんだよ。若ちゃん、何書こうか凄い迷ったんだ。似顔絵書いて下手だなあって笑ってくれても良かったんだけど、私、絵が得意すぎたみたいで笑わせれなさそうだったんだ。ごめんね。
冗談はさておき、私は若ちゃんの事を凄い尊敬してる。たくさん話をしたけど、ここまで凄い人には会ったことがないくらい。せっかくだから数ある中の1つだけ言うね。若ちゃんの不器用なところだよ。(褒めてないって?褒めてる褒めてる)若ちゃんの強さの源はきっとその不器用さだと思うんだ。だから1つ1つの事に必死になれるんだよ。私は琴音やひなたちゃんのように昔から見ていたわけではないけど、きっと今までもそうやって来たんだよね。だから、私は若ちゃんにはそのまま不器用でいて欲しいな。その不器用さを武器に、皆に力を借りながら、リーダーとして皆を引っ張っていってね。
ちなみに、私が知ってる中で1番カッコいいと思った瞬間は、最初に助けに来てくれた時だよ。本当にありがとう!
あまり体力がないからこれが本当に最後。琴音のこと、お願い。
よし!言いたい事は全部言えたかな!ここで伝えれなかった分はひなたちゃんの方にでも書いとくね!
吾妻希望より』
〜2通目〜
『〜上里ひなたさんへ〜
出だしで謝るのもな〜と思ったけど素直な気持ちだから最初に伝えとくね。迷惑をかけてごめんなさい。書ききれないくらいには、ひなたちゃんに迷惑かけたと思う。辛い思いもかなり押し付けたよね。本当、私はダメな巫女様でした。けれど、まさか私が敵方の巫女だなんてね〜。誰も想像つきませんよ。私だって。その点は迷惑かけたけど、許して欲しいところではあるかな。
言い訳もほどほどに、ひなたちゃんには感謝する事ばっかりだ。1年遅く大社に属した私に、馴染みやすいようにアドバイスをくれたり、琴音の誕生日プレゼント何が良いかって事も聞いて、教えてくれたよね。あとは簡単な料理とかも。ひなたちゃんが教えてくれた事、目を閉じたらぜーんぶ!思い出せる。本音を言えば、もっと話したかったよ。ひなたちゃんに私は何もあげられなかったから、せめてフルート吹き方だけでも教えてあげれば良かったね。
ここで一つ話を変えまして。同じ巫女として、1つだけ。あまり他人ばかり気にして自分を蔑ろにしないでね。献身的なのはひなたちゃんの良いところだけど、同時に危うさでもあると思うんだ。だから、適度にね。
なんだか今日は調子が良い!まだ書けそう!とは思ってたんだけど、若ちゃんが「ひなたのだけ多くないか?」って拗ねちゃうからここまでにしておくね〜。
みんなのこと、後はよろしくね。
吾妻希望より』
〜3通目〜
『〜郡千景さんへ〜
楽しかったー!!前に伝えたかもしれないけど、私はゲームをこれまで見るだけだったんだ。けれど、あの日食堂で、偶然に千景ちゃんがあのゲームをしていたのは奇跡だったと思う。私、あれしかゲームしたことないしね。
あれだけ楽しかったゲームだけど、千景ちゃんと熱中しすぎて目はちょっと悪くなっちゃったんだ〜。琴音に視力も勝ってたのに残念無念。
私ね、大阪から逃げ帰ってきて日常ってのを少しだけ忘れてたんだ。あ、これ琴音には内緒ね。でもね、忘れてた日常を千景ちゃんとのゲームする日々が思い出させてくれたんだ。私は、居場所を作ってもらえたような気がした。そのことがたまらなく嬉しかったんだよ。
私、実はね。結構後悔してることがあってさ。それが千景ちゃんのおすすめしてくれたゲームをやりきれなかった事かな。もし私に墓前があったのなら、そこにお供えしといて!向こうでやるから!!
あ、そうそう。居場所とか色々で思い出した。千景ちゃんも居場所はちゃんとあるよ。心の拠り所が高嶋ちゃんなら、横になって大の字で寝れるのは丸亀城の仲間達。若葉ちゃんと琴音の強さに魅入られてるのも、私、見抜いてるんだから。あまり深く考えすぎないで、自分のペースでのらりくらりやりましょう!みんな、千景ちゃんの事を大切に思ってます!それは私が保証しましょう!
以上!生意気な後輩からでした〜。ばいばーい。
吾妻希望より』
〜4通目〜
『〜土居球子さんへ〜
久しぶり!元気?元気だよね。だってタマッチだもん。タマッチずっと自分のことをタマ、タマ言ってたから、名前忘れそうになったよ。
残念ながらですね。今日は体調が良くならないみたいで、あまり長々と書けそうにないんだ。
私ね、一個思ってたことあるんだ。タマッチは何を材料にそこまで四六時中元気で居られるのかなって。結構話したり、遊びに行ったりして観察もしていたけど、どーしてもわからなかったんだ。その力の半分くらい、貰うことが出来たなら私もっと生きれたかもしれない。
おっとっと。暗いことは書かないって決めてたのに。ついつい弱音を。
キャンプ行ってみたかったな〜。壁の外の調査の時はほとんどキャンプだったけど、次やるなら平和なキャンプが良いな。タマッチが連れてってくれたサイクリングもすごい楽しかったよ!
最後に一つだけ、言わないといけないことがあった!一度だけで良いから髪、下ろしてみて欲しかったな。多分、凄い可愛かったんだと思うと見れなかった事が悔やまれる!杏ちゃんにまた極秘で頼んでおく事にしようかな。
これからも真っ直ぐなその元気さで周りを盛り上げていってね。あ、向こう見ずすぎるのはやめてね?杏ちゃんに心配ばっかりかけてはダメだよ。短くてごめんね!またいつか会おうっ!!
吾妻希望より』
〜5通目〜
『〜伊予島杏さんへ〜
私さ。かなりショックな事があって、結構これだけの理由で丸亀城を去りたくないって気持ちがあるんだけど、何かわかるかな。答えはズバリ!杏ちゃんのおすすめの本が読めなくなる!そして新刊が読めない!空前の読書ブームだった私には辛くて仕方ないわけですよ。
きっかけは琴音の最初の入院の時だったかな。杏ちゃんのおすすめしてくれる本が面白いよ〜って話になったの覚えてるかな。私、それを聞いてから勇気を出して杏ちゃんに借りに行ったんだ。そしたら本当に面白くて、ハマっちゃった。
あまりしたくないけど、真面目な話もしないとね。杏ちゃんは丸亀城の頭脳的ポジションだけど、自分の意見が通り過ぎる事に怖さも感じてないかなって。若葉ちゃんは杏ちゃんの事、かなり信頼してるみたいだからプレッシャーも感じるとは思うんだ。そんな時はですね。私の相棒を頼ってみてくださいな。意外に2人って相性良いでしょ?それなら重さも痛みも2人で分け合っても支え合えると思うんだ。彼女の杜撰さを、杏ちゃんの緻密さで埋めれるならバーテックスなんて敵じゃない。勝てるよ。
さてさて。真面目なお話はこんなものにして、最後の一言コーナーです。本音を言うとね、もっと杏ちゃんと話したかった。忙しかったし、最期はこんなだし、落ち着いて話をできたのっていつだろうね。だから、またいつか私みたいな人がいたら声かけてね!多分それ私だから!笑笑
よし!以上かな!今日は体調が少し良かったから長めにかけたよ。タマッチに怒られそう。手綱引いておいてね〜。またね!
吾妻希望より』
〜6通目〜
『〜高嶋友奈さんへ〜
やっほ〜!この手紙を読んでるって事は、多分私はこの世にはいないって事だよね。これを本気で書く人いないと思ってた?残念ここに居ました〜。してやったり〜!
えーっと、悪ふざけはここまでにしまして……友奈ちゃんには書くことは決めてたんだ!
私は勇者って誰?って聞かれた時、真っ先に友奈ちゃんの名前をあげると思う。強くて、格好良くて。誰にでも優しくて。チームの輪を正しい形に保つ力なんて、私はどう生きてたって出来ない。
密かに憧れてたんだ。私も友奈ちゃんみたいになってみたいなって。今もこうして手紙を書きながらもそう思ってる。私はフルートを使って、友奈ちゃんがしていたみたいに、皆の輪を優しく包みたかった。出来てたかはわかんないけどね。
でもね。同時に思ったの。私、友奈ちゃんの事あまり知らないなって。そんでもって気づいちゃった。友奈ちゃんが周りと上手くやれてる理由って自分を表に出してないからなんじゃないかなって。自分の気持ちを押し通そうと思ったら、やっぱり衝突する事だってあるよ。友奈ちゃんは誰かと衝突して、輪を乱す事が苦手なんだろうなって。当たってたら琴音に『頑張ろっか』と言っておいて。意味?意味なんてないよ。
私が友奈ちゃんの抱えてる気持ちにとやかく言うのは変だからここらでやめておくね。
これからも皆の心の支えとなって、助けてあげてね。それも1人で抱える必要はないよ。きっと、友奈ちゃんの側にいてくれる人達は、それを一緒に持ってくれる人達だから。
吾妻希望より』
〜7通目〜
『〜奏と家族へ〜
これはあなたにに託しておきます。奏には申し訳ないけど少なくなっちゃったこと伝えといてね。家族の方はいつか、また大阪の地に足を踏み入れる事が出来たのなら、あの地下街にこの手紙を添えてきて欲しい。中身は秘密だよ』
〜8通目〜
『誰宛てか、なんて書かなくても伝わるでしょ。あなたですよ、あなた。どうせ大社の口添えで、私の名前を忘れようとしてるだろうから、私も名前は呼んであげない。私なりの相棒への嫌がらせ。最初に書いておいたのはただの情け。以降は呼んであげない。ぜーったいに呼んであげないからね。
実言うとね、あなたに書く手紙が1番難しかったよ。何から書いて良いかわかんないくらい、濃い時間を過ごしてたんだって、書きながら思ったの。思い出を1から振り返ってみるのも良かったんだけど、そっち系は既に直接話したからここではやめとく。
と言うわけで、ここでは未来の話をしようと思います。え?私はいないって?そんなの百も承知。どうせ君は私がいなくなったら、表では飄々としながらも心の内では自暴自棄になりかねない。だから、未来の話をするんだよ。私からのお願い…と言うより、勝手な未来予想図を君は無碍にはしないって知ってるからね。
そうだなあ。御役目から解かれて、君は16歳になる頃には普通の人と同じように高校に通うの。そこで出会った人と友達になって、勇者であった事をそのうち忘れていく。そうだ!1回くらいは恋をしてもらおう。杏ちゃんから借りた恋愛小説の応用を見せつけてやると言い。あなたは鼻で笑うだろうけどね。
話を戻して、あなたは恋した人と両思いになって1年間付き合うの。けれど、勇者であった事や目の傷の事を揶揄されて別れる。その時は私に涙した以上の大号泣をして貰って良いかな。
振られた傷もすぐに癒えて、季節はまた巡る。皆が受験勉強に勤しむ中、あなたは大社に所属することにするの。理由は……勉強しなくて済むからってのはどうかな。あなたらしいよ。
大社に属した後は適当に働きながら、若葉ちゃんやひなたちゃん。友奈ちゃん達と休日は会って、遊びまくるの。働いて手に入れたお金が溶けていくのを躊躇うことなくね。それから、21歳の時にしておこう。あなたは運命の人に出会う!相手はあなたの目の傷や心の傷を気にせずに、ありのままを受け入れてくれるとても優しい人。その人と22歳で………。
なんでだろ。この先は私が書いて良い未来じゃないような気がしてきちゃった。兎にも角にも、あなたは幸せになる!私のことなんて忘れてしまっても、痛くも痒くもないくらいに幸せになる!!なってくれないと困る!!以上が私の勝手なあなたの未来予想図でした〜。どう?ちょっとは参考にはなるかな?
話は変わるんだけど、私のあげたフルート。あなたは吹き方がわかんないでしょう。だから、吹き方の解説を載せた本を箕輪さんに預けておきます。時間があれば受け取りに行ってね。あなたはどのくらいで上達するかな。私を越えるまでにどのくらいかかるかな。凄く楽しみだ。そのフルート、末代までの家宝としても良いからね。
長くなりすぎると紙がなくなるからこれが最後。やっぱり私、あなたの名前は呼びたいよ。あなたの名前の響き、今まで一度も言った事ないけど本当に好きだったんだ。今も口の中でずっと噛み締めてる。不思議だ。味がするんだよ。あなたの名前を呼び続けた日々が、とても甘くて優しい味になってた。過去を振り返るのもな〜とか言っておいて私が振り返っちゃったよこの馬鹿。
だから、琴音。やっぱり寂しいから、私のこと忘れないでいて。琴音の記憶が消えて、私のことも忘れたって事を聞いた時はかなり悲しかったんだから。
大社に言われようと、誰に言われようと、その命が尽きるまでは私のことを忘れないでいてほしい。忘れないでいてくれたら、琴音が助けを呼んだ時には真っ先に駆けつけるから。秘蔵の武器でも持ってね。
私ね、本当なら言おうと思ってた事があるんだ。琴音とは生まれ変わったら家族に……。いや、次もずーっと親友でいられたらいいね。神様に願っておくよ。
私からの手紙はここまで。私と一緒にいてくれてありがとう。
吾妻希望より』