【本編一旦完結】たすてけ勇者一行がくぁwせdrftgyふじこlp【原作更新待ち】   作:丹羽にわか

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用事片付けてスッキリしたら筆が乗った

今回は前話より少し時を遡って、レルネンとエーデルが黄金郷を訪れて、マハトと遭遇した後くらい
ナーリン達サイドの暗躍()です



コソコソ〜動くよ大魔族〜

 

 

 

「先客みたいね。人間としては手練れの男の魔法使いが一人とそれなりの女の魔法使いが一人。黄金郷から出て来てから動く様子がないけれど、何か待っているのかしら」

「ふむ……あれはレルネン一級魔法使いとエーデル二級魔法使いか」

 

 

 クラウの記憶の中で見かけた人物に懐かしい気持ちになりつつ、気配も魔力も隠して森の中からこっそり覗く俺とソリテール。

 

 

「知っているの?」

 

 

 雷電……いや通じないか。

 

 

「一級試験でな。エーデルは優れた精神魔法の使い手と聞いている」

 

 

 今思うと、クラウが人見知りコミュ障な性格でエーデルと交流が無かったのは幸いだったな。記憶を読まれたり、精神魔法が効くか試されてたら速攻分身&魔族バレしてたかもしれん。運が味方してくれたみたいだ。

 

 

「魔力の乱れに血の気配……もしかして、結界内でマハトと交戦して生き延びた……? だとすると、相当なやり手ね」

 

 

 せやね……ん? なんかおかしくね?

 

 

「妙だな。其方から聞いた『万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)』は戦闘においてほぼ無敵の呪いだ。だが、見た所二人は消耗こそあれど、どこも黄金に変えられた様子は無い」

「……既に対抗手段を魔法協会が持っているのか、マハトが出し惜しみしたのか、ただの気まぐれか……訊くことが増えたわね」

「クハッ、そうだな」

 

 

 後は、『対抗策がある事を仮定し警戒して積極的に使わなかった』とかかねえ。

 

 この場合、自分の魔法に絶対的な信頼を置いてる事の多い魔族としては結構珍しいタイプだけど。案外マハトって臆病なのか?

 

 

「マハトと接触するにはあの結界に対処する必要があるが……さて、ソリテール、其方はどう考える?」

「そうねえ……私一人だったら解析してから破壊を選んでいたけれど、お姉様の力が借りられるなら対抗魔法を用意して非破壊で侵入したいかな。結界を破壊して、もし殺せなかった時に逃げられてしまうのは避けたいの」

「……目的はマハトとの対話と能力の分析だ。仕掛けるつもりはない」

「あはっ、そうね。ごめんなさい。ふふっ、結界の解析と対抗魔法の開発、久しぶりの共同作業かあ。楽しくなりそう。解析はいつ始める?」

「あの二人の様子が気になる。誰かと合流するのだろう。それを確認してからにしよう」

 

 

 来るのは多分デンケン爺さんだと思うけどね。メタ的に。

 

 俺が返事するとソリテールは「わかったわ」と近くに在った倒木に腰掛け本を読み始める。マイペースね君。別にいいけどさ。

 

 魔力探知は前世的に言うならアクティブソナーやレーダーみたいなもの。

 ただ、今は俺もソリテールも魔力を完全に消してるからまずレルネン達みたいな魔法使いに存在がバレる事はない。熟練の狩人や戦士は『勘』やら『気配』やらで察知してくるけどね。おかしいよアイツら。

 

 そして、暫くすると老練な魔力反応が近付いてくるのを感じ取った。

 

 

「誰か来たようだな。一級クラスの魔法使いだ」

「そう。クラウちゃんの知り合いかしら」

「どうだろうな」

 

 

 お? あの孤独なSilhouetteは……?

 

 

「あれは、デンケンだな。クラウを参加させた試験で合格した一級魔法使い、このヴァイゼが故郷だと話していた」

「デンケン? 聞いたことがあるわ。確か帝国の宮廷魔法使いだった筈……そんな立場の人間が何で一級魔法使いに……ああ、今のヴァイゼを管理しているのは大陸魔法協会か。里帰りとかなのかしら」

 

 

 魔族の優れた視力でデンケン達のやり取りを観察する。ん? 会話の途中でデンケンとエーデルが手を繋いだな。魔法も使った。

 

 

「あれは……記憶の譲渡? 状況から判断するとマハトの?」

「可能性は高いな」

「だとしたら驚きね。あの精神魔法使い、魔族の、しかもマハト程の大魔族の記憶を読めるなんて」

 

 

 ほんそれ。なんか精神魔法一筋とかそういう一族の出身なんだっけか。人間ってすごい。

 

 

「ソリテールはマハトと知己だったな。マハトは何か不都合な記憶を持っているか?」

「うーん、九〇年くらい前に会って、魔法をいくつか教えたくらいね。お姉様の事は話してないし、特に無いと思うわ」

 

 

 九〇年前……ヴォーボの森に引きこもってた時期か。あー、別の場所を選んでおけばフリーレン達に遭うことも無かったはずなのに。

 

 にしても、あの時期のソリテールには俺の事自体は特に口止めとかしてないけど、マハトに話さなかったのか。引きこもり気質なのを察してくれたのか?

 

 

「そうか。いい判断だ」

「どういたしまして」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レルネン達が離れていくわ。残ったデンケンは黄金郷の方に向かうみたい。どうする? お姉様」

 

 

 はい? いきなりクライマックス? そんなの俺のデータには無いしリハクの目をもってしても(ry

 

 うーん、爺さんの足取りに淀みはない。前向きな自殺……なんてタイプでは無い筈だ。無事に出てくることを祈ろう。

 

 

「黄金郷に入った事を確認してから結界に接近、解析を始める。結界の影響で魔力探知は鈍る筈だ。此方らが派手に魔法を使わない限り、結界から出て来ても気付かれることは無いだろう」

 

 

 もし負傷しているようだったら、冒険者として近付いて手当てとかするかなあ。

 

 そして爺さんは黄金郷へと足を踏み入れた。

 

 

「さあ、行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「黄金郷の大結界。これはおよそ50年前、当時発足したばかりの大陸魔法協会の一級魔法使い達によるものよ」

 

 

 ソリテールは目の前の結界を背に、こちらへと説明する。

 

 なるほど? ゼーリエじゃないのか。いや、アレは封印なんてまどろっこしい真似しないか。闘争か死かみたいな考えだろうし。

 

 マハトの『万物を黄金に変える魔法』が死後解除されるのか定かじゃないから封印して対抗手段を探してるんだろうか。

 

 お約束なら術者が死ねば解除されるんだろうけど、そうじゃないと推察させる何かがあったのか?

 

 いや、魔族だしどうせ命乞いで『俺を殺しても無駄だぞ』みたいな事を言っただけか。実際の所どうかは分からんけど。

 

 

 ソリテールが結界に手をかざし、触れるとバチッと音を立てて焼け焦げた。うわあ痛そう。

 

 

「ふうん。複数の時代、国、民族、理論、それらが異なる幾多の魔法を組み合わせた精緻かつ堅牢な、芸術品のような結界ね。これは力技ではどうにもならない、マハトほどの魔法使いであっても」

 

 

 ほうほう。ん? なんか見覚えのある術式があるな……ああ、統一王朝の魔法研究所で開発してた対魔物の抗魔法陣か。なんつー骨董品を。いや、だからか? 新旧織り交ぜてより複雑に、難解にしてるのか。

 

 

「そうだな。これは人類の叡智の結晶と言っていい代物だ」

 

 

 よくこんなに混ぜた上で破綻させずに結界として成立させたもんだ。

 

 やっぱり人間ってのは凄いし恐ろしいよ。

 

 たかだか一世紀に満たない寿命で継承と研鑽によってここまでの魔法の高みに辿り着くんだから。前世でも千年続く老舗とかあったし、産業革命から宇宙に行くのにほんの数百年しか経ってない。

 

 ただ、今回は相手が悪かった。

 

 

「でも、人類の魔法を研究している私とお姉様なら話は別」

 

 

 まずは解析を済ませる。問題は対抗魔法の開発だな。開発中はどうしても魔力を使うし、そうすると結界があったとしても魔力探知されるリスクがあるから、できれば黄金郷から離脱したいところ。

 

 

「さあ、解析を始めようか」「さあ、解析を始めましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 潜伏しながら解析しつつ分身を出して様子を見ていると、黄金郷から爺さんが出てきた。魔力量やゆらぎに変化は無い。衣服の乱れや傷もない。戦闘が発生しなかった……気付かれなかった?

 

 マハトはソリテールと同等の実力者らしい。それが見落とすとは思えないけども。

 

 

「ソリテール、マハトの魔力探知の範囲と精度はどの程度だ?」

「ん? 彼だと……この結界内なら全域かしら。ああ、マハトは魔道具によってヴァイゼの民に仕える事を命じられているらしいわ。社会性の無い魔族にどこまで有効なのかは分からないけれど、デンケンがヴァイゼの出身なら、それが関係しているのかも」

 

 

 一緒に解析をしながらソリテールが答える。いつも思うけど何処から情報仕入れてくるんだか。怖いから訊かないけど。

 

 しかし、命じる……?

 

 そういえば、魔族を精神支配できる魔道具があるって昔聞いたことがあるな。支配の石環……だっけ? それを使ったのか、ここの住人は。

 

 ……マハトとやらがそんな魔道具を使われるような隙を晒すか?

 

 何か、ありそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一ヶ月ほどが経ち、解析が完了した。

 後は対抗魔法の開発だが。

 

 

「さて、移動したいけどデンケンがまだ小屋にいるわね」

「そうだな。今離れようとすれば探知される可能性が高い」

 

 

 急に黄金郷近くに魔力反応が現れたら、不審に思われて飛んでくる可能性があるからね。冒険者として誤魔化してもいいけど無用なリスクは避けたい。

 

 

「そろそろ日没。彼奴(きやつ)はまた黄金郷へ向かう筈だ。その時を待とう」

「……お姉様の魔法で私の魔力反応を消せないの?」

「其方の見た目を誤魔化し、他者の認識に干渉して人間に錯覚させるのが精々だ。放出される魔力自体についてはどうにもならない。もとより、制約を設ける事で干渉力を高めた魔法故な」

「そっか。じゃあ待つしか無いわね」

 

 

 ごめんね?

 

 

「ふむ。デンケンが移動を開始したな。彼奴が結界内に入り次第離脱するぞ。分身は置いて行き監視に当たらせる」

「ええ、行きましょうかお姉様。またね、クラウちゃん」

「クラウ。その身体は魔力隠蔽に特化した戦士として構築している。技も知識としてある筈だ。気取られるなよ」

「はい、師匠(せんせい)、ソリテール様」

 

 

 俺とソリテールをそれぞれカッツェとリティアの姿に魔法で誤魔化し、魔力も相応に落としてトコトコ歩きながら黄金郷から離れる。

 

 行き先は……近くに集落があったけど、爺さんが物資を仕入れに足を運んだりしてるみたいだからパス。フリーレンとかも来るかもしれんし。

 

 さて、流石に爺さん一人でマハトと戦うとは思えないし、メタ的にはフリーレン達が来る筈。倒されるより先に魔法の開発を終えたいなあ。

 

 

 迫るリリース日……エラー対応……納期……うっ……頭が……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァイゼへと続く林道にて。

 

 

「フリーレン様」

「ん、手練れの魔法使いが二人だね。黄金郷の方から来たみたいだけど……冒険者かな? 一応警戒はしておこう」

「りょーかい」

 

 

 レルネンからの依頼を受けたフリーレン一行。

 

 

「お姉様、この反応」

「フリーレン達か。既に捕捉されている……此方の魔法は彼奴等に有効だ。避けずにこのまま進むしかないな」

 

 

 人間の姿をとったナーリンとソリテール。

 

 

「……」

「……」

 

 

 両者はすれ違う。視線は一瞬交錯したが、お互いの歩みが止まることは無かった。

 

 

「……背の高い方の魔法使い、あれは生粋の人殺しだね。死臭がした。野盗の類でも殺したんだろうね」

「二人共、一級魔法使いでは無いようでしたが、どういうことでしょう?」

「え? あー、そういや北部高原には一級の同行が必要とかあったな」

「……何のために私達が一級試験を受けたと思っているのですか、シュタルク様」

「視線が冷たい!」

「たぶん、北部高原か、帝国出身の冒険者かな。一級魔法使いの資格も、あくまで北側諸国との出入りに必要ってだけだし」

「なるほど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 こええええええ!!

 

 一瞬殺気向けただろフリーレン!!

 

 

「私に警戒が向いていたわね」

 

 

 え? つまり俺は余波を食らっただけ?

 

 うおっ、肝っ玉弱すぎ……。

 

 

「ふむ。死臭を気取られたか? 魔族とは認識されていない筈だが」

「私、半年以上は人間を殺してないけれど」

 

 

 それは偉い。ちゃんと言いつけ守ってるからね。でも。

 

 

「その程度で消える業では無いよ」

 

 

 残念だけどね、仕方ないね。薄れはしたけど、うん、臭う。

 

 

「……ねえ、フリーレン達が向かう先は黄金郷よね」

「恐らくな」

「何が、始まるの?」

 

 

 第三次大戦だ。嘘です。

 

 

「人類と魔族の殺し合い。因縁の決着。現代のおとぎ話。最新の英雄譚……舞台の幕開けは近いぞ、ソリテール」

 

「……ふふっ。なら、急いで支度をしなきゃね」

 

 

 俺としてはゆっくりでも一向に構わないけどな!(意志薄弱)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、なんか嫌な感じ。黄金郷とやらのせいかな」

「そうだろうね。呪いの産物なのに魔力探知に反応しない、気味が悪いよ、アレは」

 

 

 

 

「……ゼンゼさん。ユーベルさん。来て、しまったんですね」

 

「私、は……」

 

 

 




読了謝謝茄子!

暗躍()してるなあ
クラウとゼンゼもこの黄金郷編で決着つけるから見とけよ見とけよ〜

感想評価お気に入りここすきクレメンス
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