【本編一旦完結】たすてけ勇者一行がくぁwせdrftgyふじこlp【原作更新待ち】 作:丹羽にわか
渦中にナーリン達をシュゥゥゥーッ!!超!エキサイティン!!
結界に入る~マハトとの邂逅までです
※今回、魔法周りで脚注機能使って解説(?)入れてます。
「カンム一族の守護法陣。アンデラー式結界理論。統一帝国の隔絶大結界。統一王朝の抗魔法陣……他にもいくつか術式や理論が確認できた。ふふっ、お姉様がいなかったら多少強引にでも結界を壊すしかなかったかも」
ソリテールのその言葉に、今回ばかりは引きこもりをやめて付いていく判断をして良かったと思った。
この子のマハトへの殺意は本物……だと思う。ただ、それに勝るとも劣らない好奇心、探究心、あと嗜虐心の持ち主でもある。
フリーレン達が態勢を整えるより先にマハトを解き放ってぶつけ、観察しながら漁夫の利を狙いつつ立ち回る……なんて未来も普通にありえただろう。
黄金郷を囲う大結界。その対抗魔法の開発にかかったのは……およそ二ヶ月弱。
途中でとあるモノの制作をしたりとかもあったけど、フリーレンによる記憶の解析はまだ終わらずマハトは健在。どうにか間に合ったみたいだ。
まあ俺はマハトとちょっと話せればいいから、その後は主人公──フリーレン達に任せよう。
「正直、解析はともかく対抗魔法の開発がここまでスムーズに行くとは思ってなかったかな。流石ね、お姉様」
ソリテールはそう褒めてくれるけど、俺としてはちょっと複雑だ。
結界に組み込まれていた抗魔法陣。あれの開発には俺も噛んでいて、だから俺にだけは反応しないようこっそりバックドア仕込んでたからね。
抗魔法陣の特徴は魔力の遮断。魔物にしろ魔法にしろ、魔力で構築されたモノと魔力そのものを阻む。仮に俺とソリテールが魔力を隠さずに近づいても、中のマハトまで届かない。そんな代物。*1
それがバックドアの修正をされないまま結界に組み込まれてたから、そこを取っ掛かりにさせて貰った。それが無ければ数ヶ月は遅れてたと思う。
たぶん、この魔法を転用した魔法使いは術式が古すぎて隅々まで把握したりできなかったんだろなあ。結界に組み込むための改変で手一杯な印象だった。
そのままだったら人間の魔法使いも何も入れないし出れなくなる代物だし。
いやかなり凄いけどね。ろくな引き継ぎ資料なんて無いだろうに、魔力の遮断の性質は残しつつ人類と魔族の識別を付与してるとか。
しかしこのバックドア……後で直しとくか。このまま行けばマハトは倒されて結界の必要は無くなるだろうけど、脆弱性を残したままなのはなんか気持ち悪いし、一応ね?
これがサビ残……人の悪しき業……俺は魔族だけど。
そして、また俺たちはヴァイゼ近郊へと戻ってきた。
……のは、いいんだけど、このまま近付くとフリーレン達の魔力探知に引っかかるなと思い足を止める。
人間の魔法使いに偽装はしてるし、まず今のメンツ相手なら魔族だと看破はされないだろうけど、黄金郷は本来立ち入り禁止区域みたいだし、結界に近付こうとしても追い返される可能性が高い。
一応、俺は魔力を完全に隠しての移動が出来るけどソリテールは無理だし……最近は爺さん達が結界内に入る事も無いみたいだからその隙を突いての接近も出来ない。
それに、対抗魔法の開発に夢中で忘れてたけど、魔法を発動した瞬間にこっちの存在がバレるんだよな。
対抗魔法はそれなりの魔力を使う。いくら結界の影響で魔力探知の精度が落ちるからって限度がある。この魔法発動時の魔力までは誤魔化せない。
うーん行動がガバガバすぎる。
どうする……?
あくまでフリーレン達とは正体がバレない又は接触しない前提で俺は此処まで来た。
でも、現時点でそれはほぼ不可能だ。
別にマハトと話さなくてもいいんじゃと思い始めてきたぞ。逃げたい。
けど、ソリテールがなぁ。
…………。
……ふむ。
フリーレンがまだ記憶の解析中なのは潜伏して偵察してるクラウ越しに確認済み。
それなら、仮に今、俺達魔族の存在が露見してもすぐに迎撃されて戦闘になるとは考えにくい。
あっちの拠点は民間人が大勢暮らす集落だし、主力のフリーレンは戦闘不能。
そして、曲がりなりにもこちらは大魔族だ。
俺はハリボテだけど。曲がれぇぇぇぇぇ!!(段ボールの破ける音)。
……マハトと話しに、情報収集に来ただけの俺達が封印──結界をそのままにする理由については、魔族の生態に詳しいフリーレン達なら同士討ちとか色々と予測はするだろう。
けれど、絶対に、最悪のパターンとして大魔族複数と戦うことを想定するだろうし、ディーアゴルゼへの対処法を(たぶん)爺さん以外に持っていない現状だと逃げの一手が最善だ。
つまりだ。俺達が居るって事をあえて示すことで、近隣住民の避難とかで一時的にでもこの場から離れさせつつ、防御態勢を整えるために打って出てこないようにさせる事も出来るんじゃ?
思惑通りに動いてくれてマハトと話せたなら、結界を直してからスタコラサッサと逃げればいい。
すぐこっちに向かって来た場合は……まあマハトの事は諦めて逃げよう。解析中のフリーレンを除いての一番の脅威はゼンゼさんとシュタルクさんだけど……用意した『アレ』があるから逃げる隙を作るくらいは出来る筈。ソリテールとクラウがな!(他力本願寺)。
逃げるは恥でもないし役に立つ。
もしソリテールが拒んだりしたら……あまりやりたくないけど、魔族らしく魔力で従えるしかない。
これで行こう。
方針は決まった。あ、マハトに魔法通じるか試さないとだから分身戻しとこ。あとソリテールにも話をしよう。
カクカクシカジカ四角いム◯ブ。
ざっと方針を伝えると、ソリテールは「わかったわ」と薄っすら笑みを浮かべる。
聞き分けは良いんだよなあ……時折妙な方向に解釈してぶっ飛ぶけど。
……まあ、今はそれは置いておこう。
「行こうか」
「ええ」
ソリテールと一緒にフリーレン達の探知範囲内に踏み込んで魔力隠蔽を解除する。
全力フリーレンクラスの魔力持ち大魔族✕2だぞ、どうする? 俺は逃げる用意が出来てるぞ?
フリーレン達は……避難誘導でもしているのかちょこまかと動き回ってるのが何となく分かる。結界の影響で精度は落ちてるけど、魔力反応は近づいて来てない。
逃げる口実は出来なかったかあ。
残念に思いつつ俺達は飛行魔法で急いで結界に接近。対抗魔法を発動してから魔力を隠蔽する。
「ソリテール、ではな」
「また後で、お姉様」
ソリテールは結界の外側で魔力隠蔽して隠れてもらう。中に一緒に入りたいけど、マハトにこっちの存在を気取られたくないから仕方ない。
そして俺は、一人で黄金郷へと足を踏み入れた。
「──魔力探知に反応、魔法使いが一人か。デンケン様達では無いようだが……冒険者か?」
ウンザリとしながらマハトは噴水の縁から腰を上げた。
侵入者はこのまま進めば死体を飾った広場に出る。そこで脅威と恐怖に慄いて引き返せば良し、引き返さなければオブジェが一つ増えるだけ。マハトは魔力探知に意識を向ける。
「……」
しかし、侵入者は死体を前に暫く足を止めたが、また進み始めた。警戒しているのか魔力を抑えながら慎重に町中を進んでいるが、マハトの魔力探知の前には無意味だ。
余程己の力に自信があるのか、ただ無謀な命知らずなのか。無知か。あるいは死にたがりか。
「まあいい、殺すだけだ」
デンケン達との話し合いで得た高揚感に水を差された気分になったマハトは、魔力を隠蔽し移動を始めた。
ヴァイゼの地理は誰よりも理解している。侵入者の移動速度と経路を考慮しながら背後に出るようルートを選択、時の歩みを止めた黄金色の人混みをぬって路地を抜ける。
「(女の魔法使いか。人間としてはそれなりの手練れのようだが、敵ではない)」
侵入者はまだ少女と言っていい年頃の魔法使いだった。ブラウンの髪をなびかせながら黄金の街中を猫のようにソロソロと進んでいる。
だが、マハトがそんな事に何か感傷を覚えたりはしない。
人との共存を望みながらも、人を殺すことに悪意も罪悪感も持たない魔族なのだから。
マントを黄金の剣に変えると一突きで仕留めようと駆け出し、相手が反応する暇も与えず背中から胴体を貫いた。
「がっ、あ?」
剣を引き抜くとそれにつられて少女はどしゃりと仰向けに倒れた。黄金の石畳に赤い血が広がる。何が起きたのか理解していない間抜けな顔だった。
「(致命傷だ。この傷なら魔力操作もできないだろう)」
「がふっ……ぅぅ……」
呻く少女を魔法で浮かせ広場に向かう。
いくつもの冒涜的な黄金のオブジェがあるそこに辿り着いた時には既に虫の息だった。
少女を空いたスペースに放り投げ、黄金の石畳を操作して腹部を串刺しにする。
「──ぁ゙」
少女は最期に何か言葉を遺すことも無く息絶え、マハトはいつものように魔法で黄金に変えようとして──。
「──なんだと」
黄金化は右腕の指先から肩までを覆う程度の所で止まっていた。
マハトは不可解な現象に驚愕する。
かつてのゼーリエと名乗るエルフにされたように魔法を返された感覚は無い。
怪訝に思いながら外套を変化させた剣を手に警戒しつつ死体を観察していると、腹を貫いた傷を中心に魔力の塵に還りつつあることに気付く。
「魔物、いや魔族、か? しかし、俺の感覚はこれが人間だと判断して──違う。これは──」
「ほう、そうか、そうか。此方の魔法も中々のモノだな」
「──ッ!?」
突如背後から聞こえた声に、マハトは息を呑む。
「(魔力を感じない。だが、背後にいる。気配がある。……なのに、今も発動している
「何者だ?」
ゆっくりと振り返ると、そこには小柄な少女の姿をした魔族が立っていた。
青い肌に黒白目の赤眼、天を衝く双角。しかし、その姿が本物なのかはマハトには解らない。既に相手の精神魔法の影響下に置かれてしまっているのだから。
「お初にお目にかかる。七崩賢、黄金郷のマハト。此方はナーリン。人類からはこの頃、狡智の大魔などと呼ばれてはいるが、なに、他の魔族より少し永く生きただけの年寄りだ」
今まで完全に魔力を抑えていたのか、その身から放たれる魔力は自身よりも強大だ。マハトの魔族としての本能が、相手が格上であると告げている。
「(成程。魔王様やシュラハトが従えられなかったのも納得だ)」
納得するマハト。
「……そうか、お前がナーリンか。名前だけは聞いたことがあるな。あの変わり者に色々と吹き込んだのもお前だろう」
「其れがソリテールの事を指すならそうだな」
「何の用だ? 結界を破壊せずに侵入してきたな? 俺を殺しに来たのか」
「いや、既に役者は揃っている。此方等はただ開演前に話をしに来ただけだ」
「……いちいち癪に障るなお前は。手の平の上で踊らされているこの感覚、シュラハトの野郎を思い出す」
「クハッ、あのような者と同じにされては困るな、マハト」
ナーリンが嗤うのと同時に、マハトの魔力探知に一つ反応が増えた。
その魔力をマハトは知っている。
「本当に、何をしに来たんだお前達は」
「繰り言を。言っているだろう? 話をしに来た、と」
もう隠れる気も無いのだろう。悠々と近付いてきたのは、いつぞやか教えを受けた翠緑の髪の少女の姿をした魔族。
「やあ、マハト。百年ぶりくらいかしら? お邪魔してるわ」
「邪魔をするなら帰ってくれ」
「あらあら、ふふっ。不機嫌そうね。まあ仕方ないか」
相性最悪の精神魔法を使う格上の大魔族に、相性は悪くないがそれがカバーされた同格の大魔族。それが結界という檻を壊さず、外にいるデンケン達を差し置いて目の前にいるという状況。
まったくもって面白くない。
そんなマハトの内心を知っているのだろうが、ソリテールはそれを欠片も気にせずににこやかに口を開く。
「お姉様はもう名乗ったのかしら? もうフリーレン達から聞いているかもしれないけど、私も最近はちょっと有名になって『微笑みの魔女』って呼ばれているわ。よろしくね、『黄金郷』のマハト」
読了謝謝茄子!
次は三者面談・・・まだ書きあがってないです。待ってて(はぁと)
ナーリン、人工人格持ち分身を囮にして頃させるナチュラル鬼畜外道ムーブを普通にしてる・・・この人でなし!
ドリジャ描き氏https://x.com/DorijakakiからFA頂きました!
ゼーリエ&ナーリン回のボーボボパロシーンです。穏健派かと期待してたら人類最強の魔法使い(闘争大好き)からのガチ殺気だから、実際の内心もこんな感じ。
【挿絵表示】
↓リンクからふぁぼRT等よろしくナス!
https://x.com/Dorijakaki/status/1852857809073000642
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