【本編一旦完結】たすてけ勇者一行がくぁwせdrftgyふじこlp【原作更新待ち】 作:丹羽にわか
インド人を右にシューッ!! エキサイティンッ!!
「……やっぱり、結界が改変されているね。出られそうにないし、解析もすぐには無理そうだ」
伸ばした髪が結界に触れた途端、バチッ! と音を立てて弾かれたのを確認したゼンゼは首を振って嘆息した。
「フェルン。連中はどうだい?」
「魔力反応が一つ、ゆっくりと接近してきます。これは……ソリテールです」
フェルンはヴァイゼの方向を見ながら険しい面持ちで言う。
「そして、何故かナーリンの反応はヴァイゼ近郊から動いていない。マハトは……今動き始めたか。時間差、方向も少し異なる。魔族の連携は拙い。連中もそれは自覚しているだろうな。故に、敢えて戦力を分けたか」
「どう思う? ゼンゼさん」
「……ナーリンはかつて勇者ヒンメル一行と戦わずに欺いて逃げた魔族だ。私達を脅威と見做して下がっている可能性はある、が」
そこで口をつぐみゼンゼは思考を回す。
(いや、おそらくナーリン達とマハトは敵対している。結界への非破壊の侵入とこの意趣返しのような拡張、今の状況は互いを利用しているだけだ。ナーリンの扱う精神魔法が
そこまで考えゼンゼは決断する。
「フェルン、シュタルクはフリーレン達と残るんだ。私とユーベルでソリテール、デンケンはマハトの迎撃に向かう」
「……マハト相手にデンケン様お一人で、ですか」
フェルンは確かめるように言葉を口に出した。
「マハトの
「ああ。承知した」
確りと頷くデンケン。その目には覚悟の炎が静かに燃えている。
そこに、シュタルクとフェルンが声を上げた。
「待てよ。それなら、ソリテールなら、お、俺だって」
「私も一緒に」
「シュタルク、フェルン。大魔族相手に君達では勝ちの目は薄いし、私達とでは連携も不十分だ。それに、動きの無いナーリンはともかく、分身が放たれる可能性は高い。ソレにフリーレン達を殺される訳にはいかない。だから待機だ」
ゼンゼは冷徹に言い放つ。
(それに、もしナーリンが精神魔法で同士討ちを狙ってきた場合でも、私とユーベルなら問題無く対応できる)
そんな事を考えつつ、じっと少年達を見つめる。
「了解。なら、残るよ」
「……わかり、ました」
二人はぐっとそれ以上の言葉は飲み込み、渋々と頷いた。
「安心しなって。フェルン、シュタルク。私とゼンゼさんでさっさと片付けて戻って来るから」
「油断はしないように、ユーベル」
「はぁい」
「では、行ってくるよ」
「またねー」
ユーベルとゼンゼはその場を後にした。
「儂も行こう」
その背を見送りデンケンも動く。
「デンケン様……」
かつての使用人だった老爺が心配に声を震わせる。
「気休めだが結界を張っておく。フリーレンを、頼んだ」
「死ぬなよ、爺さん」
「どうか、お気を付けて」
「……ご武運を」
「アレか」
鬱蒼と茂る森の中を魔力隠蔽をしつつ進み、視界に標的を捉えたゼンゼとユーベル。
悠然と街道を歩いていたその大魔族は、足を止めると二人の潜んでいる方向に顔と身体を向けた。
「こんにちは。大陸魔法協会の魔法使い達。今日は気持ちの良い天気ね。ご機嫌いかが?」
「……潜伏が通用しないか」
「そんな甘い相手じゃないって事だね」
二人は森を出て相手と対峙する。
微笑みの魔女ソリテール。魔力量においては遥かにゼンゼを上回り、普段感じるゼーリエのそれに匹敵するほど。*1
魔法使いとしての技量も、フリーレンの言葉や黄金郷の大結界への対処を見るにあちらが上だ。
「確か……ゼンゼとユーベルだったわね。はじめまして。よろしくね?」
「気安く私の名前を呼ぶな、魔族が」
「へえ、情報収集もバッチリって感じ?」
(十中八九ナーリンの配下。なら、一級試験を通じて私達の魔法は把握されているだろう。フリーレンからの情報だと、ソリテールは剣を操る魔法を使う。だが、間違いなく人類の魔法を含めて他にも手札を持っている。遠隔でナーリンからの援護もあるかもしれない。厄介だね)
ゼンゼは己の
ソリテールは難敵だろう。だが、負けるとは微塵も考えていなかった。
(速攻で片付ける。魔力量の差で消耗戦は不利だからね)
只人の魔法使いでありながら大魔法使いゼーリエに膝をつかせた同僚*2を知っているし、無茶苦茶にイカれた魔法使いが傍らに居る。
魔法使いの戦いの趨勢を決めるのは魔力量や技術だけではない事は身に沁みている。
「ああ、そう身構えないで頂戴。私はお話をしにきたの。戦うつもりは無いわ」
「……嬉しい申し出だ。それが本当ならね」
「さて、どうかしら? でも、フリーレンが目覚めるまで時間を稼ぐ必要があるんじゃない? 貴女達にとっても悪い話では無いと思うのだけど?」
「うわぁ。私が言うのも何だけど、性格悪いなー」
「あら、心外だわ」
(これが"学習"を重ねた魔族か。人間の行動がどのような理由、理屈に基づいているのかを理解している……"社会性"という魔族に欠けているモノも込みでだ。数年前までこいつらが無名の大魔族だったなんて、下手な悪夢より酷い)
眉間にシワが寄るのを感じながらゼンゼは小声でユーベルに話しかける。
「ユーベル、君の
「ダメだね。発動しないや」
「魔力量の差か? いや……ナーリンの仕業か」
「全身は視界に収めてるし、人型や生物が対象っていう発動条件*3も満たしてる。んー、認識を弄られてるね、これ」
「君の魔法とは相性が悪いな」
戦況次第ではユーベルだけ撤退させる事も視野に入れながらゼンゼは思い出す。オイサーストの郊外でクラウにとどめを刺した際、魔力の塵に還る姿を見てもなお、人間と認識していた事を。
人を殺した時のように、寝付けない夜を。
(視覚、そして認識。どちらにもナーリンは干渉できる。凶悪な魔法だ。けれど、制限が無いわけではなさそうだね。姿も、気配も、存在自体も、消して認識されないようにすれば良いのにしていない。暗示や催眠も使っていない。勇者ヒンメル一行相手に分身を囮にして逃げているんだ。それらが出来ない……魔法の効果を高める為に敢えて制限を設けているのか?)
ゼンゼの推測は概ね正しかった。ナーリンの
「フリーレンが記憶の解析を始めておよそ2ヶ月。マハトの記憶は何年分くらい読み取ったのかしら? 彼女の処理能力を考えれば最低でも数十年はありそう。もしかすると百年以上? あの精神魔法使いは本当に優秀なのね。どう?
世間話でもするような口調でソリテールは語り、ゼンゼは渋い顔になるのを堪える。
(エーデルの事を知っているのはおかしく無い。けれど、記憶を読んだ事まで……最初から、泳がされていた訳か)
「ゼンゼ、君は優秀な魔法使いなのね。魔族の言葉から嘘と真実を探りながら冷静に分析を続け、隙を探っている。時間稼ぎも念頭に置いて。そして貴女自身は全く隙を見せない。流石は一級魔法使い、と言ったところかしら」
ソリテールは指と指を合わせるようなポーズを取り、うっとりとした様子で口を開く。
「クラウちゃんの言っていた通り」
「────ッ!!」
その言葉を聞いた瞬間、ゼンゼの頭は真っ白になった。魔力が溢れ、髪が鋼と化しドリルのような幾本もの螺旋を作り出す。
「──ゼンゼさん」
「っ、……あぁ、すまない」
そしてユーベルに静かに、けれども強い語気で諌められゼンゼは落ち着きを取り戻す。
その様子を見ていたソリテールはさらに笑みを深めた。
「うん。やっぱり、あの子はしっかりと貴女達と交流して人間社会に溶け込んで関係を構築していたみたいね。魔族の分身だったという事実で上書きできない程に、人間として振る舞い君達の心に残った。流石ね」
「"あの子"? ナーリンが人間のフリをしてるのかと思ってたけど、ただの分身じゃないんだ?」
気になる言い回しがありユーベルが訊ねる。ソリテールは特に動揺した様子は無かった。失言、ではない。言葉を石のように投げつけ反応を見ているだけだった。
「勿論。聞く所によると、ある人物*4の思考や言動をベースに様々なパターンを永い時間をかけて学習、最適化させて生み出した対人コミュニケーション用の人格らしいわよ? 心の働きを精密に模倣した、ね」
「へぇ? つまり心は無いんだ? となると精神魔法は効かないんだね。だからエーデルの事を避けていたのかな?」
「そうかもね。私は精神魔法については専門外だけど」
そのやり取りを聞いてゼンゼは考える。
(つまり、零落の王墓の
「そうだ。ゼンゼ、貴女はマハトにこう訊ねたそうね。"理由があれば人を殺さないのか"って」
「……マハトとお茶会でもしたのかい?」
「半分正解。お話はしたけど、彼はそんな気は利かせてくれなかったの。紳士としてどうなのかしら」
よくそれで領主に仕えてたと思わない? ソリテールは笑いかける。
「それで、貴女はクラウちゃんが普通の魔族ではないと確証を得たかったのかな? それは何で? あの子との間にあった友情が本物だったと信じたかった?」
嗤う。
「ふふふっ、確かに魔族では無いわ。でも残念ね。あの子は"そうあれ"と作り出された、魔族でも人間でもない、"4級魔法使いのクラウ"なのよ。笑顔も、涙も、感傷も、何もかもが虚飾。中身は空虚でなんにもないわ」
嗤う。嘲笑う。
「どう? 楽しかったかしら?」
そして、たおやかに魔女は微笑んだ。
「クラウちゃんとのお友達ごっこは」
時を同じく。デンケンはマハトと相対していた。
「……マハト」
「デンケン様、決着を付けに参りました」
「決着か」
「はい。この地での私の試みは失敗しました。ですので、次に行きます」
「次とは、何だ?」
デンケンの問いにマハトは淡々と答える。
「どこか遠い、誰も私のことを知らないような場所でやり直します」
「やり直すだと?」
「ええ。魔族らしく言葉で欺き、この掌の上で踊らせ、人魔共存を成し遂げる。そして、平穏を手に入れます。その為に、私の過去を、そして
それは、マハトがナーリン達と話したことで得た目的。相互理解を諦めた訳では無い。けれど、魔族らしく言葉による共存に興味が湧いたのも事実。時間は腐る程あるのだから、寄り道しても構わない。マハトはそう考えていた。
「そうか……この地を、戻す気は無いのか?」
空虚な問いかけだった。どちらとも、その答えは分かっている。
「お戯れを。私が黄金に変えた生命を元に戻せない事は、記憶を読んでご存知のはず」
「……そうだな。だが、それでも儂は、一縷の望みにかけたかった。ヴァイゼの為に尽くしてくれた、親愛なる師ならば、と。その面影を、儂は拭えずにいた」
デンケンは目を伏せる。その時に過ったのは、かつての穏やかな日々。思い出。
「だが、この地を離れ、人類の脅威となるならば、お前を生かしてはおけない。儂の手で、引導を渡してやろう」
「人類の脅威、ですか。敵になるつもりはございませんが」
マハトは心の底からそう思っていた。今は欺き、殺し、学ぶ。その果てに、共存があるのだからと。
「お前は、魔族だ。儂らとは、決して相容れん」
「……残念です。教え子をこの手に掛けることになるとは」
外套を黄金の剣へと変え構えるマハト。その声音には、確かな落胆の響きが含まれていた。
「マハト、儂がこれまで戦わなかったのは、お前が怖いからでも、敵わないと思ったからでもない」
「ほう、では何故?」
デンケンも杖を構える。魔力が迸る。恐怖を、勇気が押し退ける。
「より良い終わり方が、幕引きがあるのではと思っていたからだ。そんなもの、ある筈が無いと言うのに」
「恐れながら、勝負になるとでも?」
「それは、戦ってみなければ分からんさ」
口角を持ち上げデンケンは不敵な笑みを見せる。
「いつかこんな日が来るだろうと、鍛錬を怠った日はなかったが……死の気配を感じるのは久々だ。昔は分からなかった実力差が今はよく分かる」
「……」
「だが、それでも。ほんの一筋の、勝てる未来が見えるような気がするんだ」
それはきっと、夜空を駆ける流星のように一瞬で、遥か遠くを飛び去ってしまうものなのだろう。
掴めるような
「儂からも、言わせてもらおう」
だが、宮廷魔法使いは、デンケンは、例えそうだとしても。
「決着をつけよう。我が師、黄金郷のマハトよ」
最後まで、泥臭く足掻くのだ。
読了謝謝茄子!
次回からバトル。戦闘シーンはアニメでモルトラークされてたくらいの規模とスピード感で展開されてると妄想オナシャス
あと、デンケンVSマハトのバトルなど、原作とほぼ変わらない所は今後キンクリです
感想妄想幻覚ここ好きお気に入り評価ファンアート読了報告等宜しくニキー(強欲)
あ、感想欄でネタ潰し心配してるニキおったけど、ワイは仮にネタ被っても押し通すし、面白そうなら話に組み込むから気にせんでよろしおす〜(むしろネタが供給されないと困る)
ではまた次回
原作の漫画orアニメは履修した?
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両方履修済み
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漫画のみ
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アニメのみ
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ミリしら