【本編一旦完結】たすてけ勇者一行がくぁwせdrftgyふじこlp【原作更新待ち】   作:丹羽にわか

37 / 46

ソリテールのレスバ能力は(たぶん)本編よりも上がってます。原作より人間への理解度上がってるからね。
尚、ナーリンという明確な敵の存在もあり、フリーレンのフェルンへの指導にも熱が入ってます。若干レベルアップしてる。大魔族にはまだ自力で及ばず敵わないけども。
あと、今回フェルンの過去を捏造してます。

では、どうぞ。





だって父さんは……レスバトルでタヒんだんだから!

 

 

 

 シュタルクが前衛を務め、それをフェルンがサポートする。ソリテールは拳や蹴り、そして剣を用いて応戦する。

 

 シュタルクは全身に傷を負っているが、それは無事な右腕で杖を構えるフェルンが放つ高圧縮ゾルトラークが魔力防壁を貫き幾度もその身を掠めたソリテールも同様。

 

 一見すると、その戦闘は互角のように見えた(・・・・・・)

 

 

「ただお話しするだけじゃわからない事もある。多角的な視点と沢山の検証が必要だと私は学んだの」

「勉強熱心なこった!」

「学びは大事よ? 歩みを止めないこと、それを"進歩"と言うのだから」

 

 

 シュタルクは果敢に攻め立てていた。その斧が砕いた剣は数知れず。痛みを厭わない、肉を切らせて骨を断つ戦い方でソリテール自身にも何度か直撃を与えている。

 

 

「痛っ! おら、よ!!」

 

 

 シュタルクの一撃は魔力の防壁に勢いを殺され浅く傷付けるにとどまる。だが、それでよかった。

 ソリテールは見た目にそぐわない剛力の持ち主だが、その質量自体は軽い。微かに崩されたバランスをどう立て直すかの思考は一瞬の隙となり、そこをフェルンの魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)が狙い撃つ。

 

 

「良い連携だね。私はシュタルク君で射線を遮るよう立ち回っている筈なのに、フェルンちゃんは僅かな隙間や絶妙なタイミングで的確に狙ってくる。お互いの動き、呼吸を知り尽くして尚、深く信頼していないと出来ない芸当だ」

 

 

 魔力防壁を貫きソリテールを傷付けるが、有効打には届かない。

 微笑みの魔女は口元に笑みを浮かべながらも目は真剣にシュタルクとフェルンを見据えている。対する二人は苦い顔で肩を上下させていた。

 

 

「──っ、はぁっ、くそっ、余裕そうじゃねえか」

「私はお姉さんだもの。みっともない所なんて見せられないわ」

 

 

(──魔力の流れが……?)

 

 

「何なんだよその拘り──がはっ!?」

「シュタルク様!!」

 

 

 異常な魔力の流れ。それをフェルンが感じた瞬間にシュタルクは全身から血を噴き出しながら吹き飛び、倒れた。

 

 

「仲間の危機でも敵から意識を逸らしちゃダメよ?」

「──!?」

 

 

 反射的に防御魔法を展開。だが、それがまるでガラスのように叩き割られ、フェルンの全身を凄まじい衝撃が襲う。

 

 

「──ッッッ!!??」

 

 

 血をまき散らしながら吹き飛び、地に伏せる。

 

 全身を尋常ではない痛みが襲うが意識はあった。フェルンは杖の感覚が手の中にあることに安堵しながらどうにか立ち上がろうと力を込める。

 

 

(今、のは、魔力そのもの? それを、ぶつけられた? そうだ、シュタルク様は)

 

 

 自分達を襲った攻撃の正体を悟りながらフェルンはシュタルクを探す。

 

 

「な、んだよ、今の」

 

 

 既にシュタルクは立ち上がり、ふらつきながらも斧を構えていた。だが、そのすぐ目の前にソリテールが立っているのに攻撃はしない。出来なかった。

 血を流しすぎ、意識を保つのもやっとの状態だった。

 

 

「魔力を圧縮して、指向性を持たせ一気に放出する。ただそれだけの魔法よ。密度や拡散率を変更すれば威力や範囲も調整できるから重宝しているの」

 

 

 手の中で魔力の塊を生み出してみせたソリテールはフェルンと視線を合わせると「うん」と納得したように頷いた。

 

 

「よく頑張ったね。フェルンちゃん、シュタルク君。私相手にこれだけ粘れるなんて誇っていいよ。君達二人は間違いなく強い。あと二十年も経てば私を殺せる位にはなるんじゃないかしら? お姉さん花丸あげちゃう」

「はぁっ、はぁっ、……ハッ、どうも、とでも言えばいいか?」

「──離、れなさい!」

 

 

 声を荒らげながらフェルンは魔族を殺す魔法(ゾルトラーク)を放つ。

 

 

「おっと、まだ諦めないんだ。でも、流石に悪足掻きがすぎるかな」

 

 

 だが、それは防がれた。ソリテールの翳した手の前に現れた半透明のナニカによって。

 

 

「!! 魔力の、盾……?」

「さらに魔力を圧縮したの。範囲を絞ってね。概算だけど、今のゾルトラークの2.5倍までの貫通力なら耐えられるかな」

「……」

「あ、盾の構築が間に合った事にも驚いてる? 確かに、ゾルトラークは私達長命種にとっては新しい魔法。無意識で防御出来る訳じゃないから対処には一瞬の遅れが出る……それは正しい。だけどね? こんなに何度も見ればタイミングくらい把握出来る」

 

 

 ソリテールは歯を見せて嗤った。

 

 

「大魔族をあまり無礼(なめ)たらダメよ?」

 

 

 

 


 

 

 

 

「さて、と」

 

 

 ソリテールはシュタルクに向けて魔法を発動する。

 

 

「ぐっ、なんだ、これ?! うごか、ねえ」

「シュタルク様?! ソリテール! 何を!!」

「下手に動くとシュタルク君の耳を削ぎ落とすよ? こほん……これは『人を拘束する魔法』。ねえ、フェルンちゃん、この魔法がどんな魔法か、君は知ってるかな?」

「ッ…………」

 

 

 シュタルクの四肢と胴体に巻き付く光輪。突きつけられ、そして宙に浮かぶ数多の剣。

 

 今この場の主導権はソリテールにあることを察したフェルンは、少しでも時間を稼ぐために杖を構えたまま口を開く。

 

 

「……南側諸国の紛争で盛んに用いられた、人類によって開発された対人類用の拘束魔法」

「正解! よく勉強してるね。お師匠様──フリーレンの薫陶の賜物かな。それとも、実際に眼の前で使っている所を見た? その顔立ち、出身は南側諸国だよね?」

「──ッ」

 

 

 フェルンの目が見開かれ、ギリッと歯を噛みしめる。杖を握る手も僅かに震えていた。

 ソリテールはそんな彼女の様子に笑みを深める。

 

 

「なるほど……使われたのはお友達? 知人? 違うの? ああ、もしかしてご両親? そうなのね、悪い事を聞いてしまったかしら。貴女のような子の事を確か……そう! 戦災孤児、というのよね。北方だと人類国家同士の紛争に駆り出されている事もあるようだけれど、南方の戦場であまり見かけなかったのはなぜかしら? 気候による食料自給率の差異、主要産業における労働力としての価値、この辺りの違いが要因かも。フェルンちゃんはどう思う? 当事者としての意見を聞きたいのだけれど」

 

 

 ソリテールは薄っすらとした笑みを浮かべたままフェルンの表情筋の僅かな動きなどから彼女の感情や思考を推察しながら『お話』を続ける。

 

 会話ではなかった。檻の中の実験動物に石を当てて反応を見ているような、そんな目をしている。フェルンは怒りと同時に心と頭が冷え切っていくのを自覚する。

 

 

「怒らせてしまったかしら? ごめんなさいね? でも、そんな怒りを抱えても尚冷静に今の状況を打開しようと思考を巡らせている。素晴らしいわ! 勇者ヒンメル達によって齎された平和な時代、平穏な日々にそぐわない、戦場の死と嘆きと狂乱の霧の中でこそ輝く魔法使いなのね、フェルンちゃんは」

「く、そが。黙れよ、ソリテール」

 

 

 それを聞いていたシュタルクがギリッと歯を噛み締めながらソリテールを睨みつける。

 

 フェルンの過去について、戦災孤児である事以外に詳しいことは知らない。けれど、それを暴き立て土足で踏み荒らすようなソリテールの行いに怒りを抱いていた。

 

 

「こ、ん、な、も、のぉ!!」

 

 

 全身に力を込める。傷口から血が噴き出すのにも構わずに。

 

 ピシリ、と拘束魔法が音を立てた。

 

 

「おや、この拘束が軋むなんて。火事場の馬鹿力って奴かな。これもまた、人間の興味深い所だ」

 

 

 眉を微かに上げたソリテールは拘束魔法を重ね掛けする。

 

 

「ぐぅっ!?」

「そうそう、私はね、南側諸国を旅している時にこの魔法を使っている所を見かけて、少しお話しして教えてもらったの。源流はかつて狩猟民族が使っていた『鳥を捕まえる魔法』で、それを優秀な魔法使いが改造したみたいね。元になった魔法と同様に有効射程が極端に短いのが難点だけど、その高い拘束力は特筆に値するわ。それに……相手を大人しくさせて尋問や凌辱、処刑をするには最適よね。私が見た時も、男性の魔法使いが女性を拘束して生殖行為をしていたし。ふふっ、とっても人間らしい魔法」

 

 

 ソリテールの口は止まらない。

 

 

「ああ、そうだ。ご両親はあなたの眼の前で殺されたの? そう、なら最期はなんて言っていたのかしら? “逃げろ“、“愛してるわ“、とか? やっぱり。絶望はした? したのね。……でも、今こうやって生きているのは何かキッカケが……あったのね。なるほど。きっと、それはとっても素敵な事ね」

 

 

 それは、例えるなら"聖母のような笑み"だった。その所業と、悍ましい死の気配を纏っていなければ、後光すら見えたかもしれない。

 

 ソリテールはその場に屈むと膝をついたシュタルクと視線を合わせ、その瞳を覗き込んだ。

 

 

「ねえ、シュタルク君。キミのその赤毛、中央諸国の戦士の村の出身だよね? 今はもう魔族に滅ぼされた。キミは魔族に見逃されたの? それとも逃げたの? 誰かに逃がしてもらったの?」

「……それは……全部だよ」

「そう。いいね。君のその目、その手の震え。臆病で勇敢な、戦う理由を持つ強い戦士の証だ。こういう手合いが一番怖いって私はよく知ってるよ。かの戦士アイゼンを始めとした、戦場を生き延びた英傑達がそうだったから。その戦斧術、アイゼンのでしょう? もしかしてお弟子さんかしら?」

「……知ってんのかよ。ああ、戦士アイゼンは俺の師匠だ」

「やっぱり。太刀筋が昔見たそれとよく似てるもの。でも、決して同じじゃない。君の体格、筋肉、重心、技量、武装、それらに合わせて変化……最適化してる。やっぱり人間は素晴らしいわね。知識や技術の継承と伝播と発展、これは個人主義の魔族には殆ど見られない事だから──」

 

 

 ソリテールは言葉を切ると剣を手の内に生成し立ち上がった。

 

 

「……これは、予想外の結果ね」

「なん、だ?」

「この魔力は……」

 

 

 森の中から飛び出してくる人影。

 全身に傷を負いながらも、不敵な笑みを崩さずに彼女は杖を構える。

 

 

「お話し中に失礼するよ。随分、好き勝手やってたみたいだね、ソリテール」

「邪魔が入ったわね。さて、どうしようかしら」

 

 

「ユーベル!」「ユーベル様」

 

 

 一級魔法使いユーベル、合流。

 

 

 




読了謝謝茄子!
次はクラウ戦の一部始終と、ソリテール戦の決着の予定。そろそろナーリン視点も入れたいけどどうかなー

毎度感想妄想幻覚ここすきお気に入り評価等ありがと茄子! 今後とも宜しくオナシャス!!

原作の漫画orアニメは履修した?

  • 両方履修済み
  • 漫画のみ
  • アニメのみ
  • ミリしら
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。